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DRM自体が廃れる方向に向かっている気がしますが(少なくとも音楽の方はそう)。それよりタレコミやそのリンク先でも言及していますが、コーデックの標準化が問題ですね。
ただ、videoタグについては、Firefox、Chrome、Safari、Operaでサポートまたは実験的サポートが終わっているが、コーデックの問題は解決していない。Ogg(Vorbis+Theora)はロイヤルティーフリーのコーデックとしてOSS実装も存在しているが、特許侵害のリスクがあることからアップルはSafariで採用していない。反対に、OperaはMPEG-4にロイヤルティーを支払うのを嫌い、Oggしか
アップルの主張している理由は表向きのものにすぎませんよ。どうしてこういうことになっているのかは、Torisugariの日記に [srad.jp]詳しい説明があります。まあこの日記に書かれているようなH.264での統一も実現しませんでしたけど。現状ではOpera、Firefox…TheoraのみSafari…H.264のみ(正確にはQuickTimeがサポートするフォーマット)Chrome…両方ですが、ChromeのようなことができるのはGoogleの資金力と法務部門があってこそでしょうから他のブラウザがサポートを拡大するということも当面は期待できそうにありません。2003年以前にMozillaがUNISYSに特許料を払ってたとか、embed/object/applet要素のサポートを続けるためeolasに特許料を払っていたという話も聞かないのでいまさら何言ってるんだという気がしなくもないですが。
元記事ではあまり明確に書かれていませんが、Appleの言っている「特許侵害リスク」とは、主にサブマリン特許のことです。
H.264は日本を含め世界中の錚々たる企業が名を連ねる一大船団で、その絆はクロスライセンスとライセンス料で堅く結ばれています。当然、法務にも力を入れているので、特許調査を丹念に行っていて、万一、誰かに因縁をつけられても、一社だけがイモを引く、なんてことがないようになっているわけです。元々、ISOというものは、工業生産者と消費者の利益を最大に調整するための標準化団体ですしね。
一方のTheoraは、特許フリーが売りです。Theoraの中身を見てから特許を申請しても、公知の技術ですから、無効な特許となり、一見安全性は確保されているように見えます。しかし、サブマリン特許はいつ沸いてくるかわかりません。Theoraは既存の特許には全く依存していないと謳っていますが、厳しい言い方をすれば、それは自称でしかありません。もちろん、サブマリン特許はどんな技術にとっても脅威なので、H.264にだって当然リスクはあるはずですが、企業の判断としては、「H.264の方が訴訟リスクが低い」ということです。
もっと砕けた言い方をすれば「Theoraの開発者が信じられない」ということです。個々の開発者の人間性はともかく、最終的な責任を誰が取るかが明確ではありません。Theoraには多数の支持者がいますが、ここでAppleが求めているのは、支持者ではなく庇護者、つまり、裁判になった時に金を半分出してくれるような存在であり、確かにTheoraはそういった意味では無責任、と言えるかもしれません。
Appleが言っているのは大体上のようなことです。この手の議論に理不尽さを覚えるあなたの感性は多分正常ですが、まあ、妥当性はともかく、理屈はあるわけです。さらに砕けた言い方をすると、権威が足りなかった、ということでしょうね。面接に行ったら、家柄で落とされてしまった、とでも。
> 確かにTheoraはそういった意味では無責任
「無責任」という言葉は文脈的にあわない。
「責任を取る能力に欠けている」と言えばよいと思う。
もっと砕けた言い方をすれば「Theoraの開発者が信じられない」ということです。個々の開発者の人間性はともかく、最終的な責任を誰が取るかが明確ではありません。
Xiph.Org Foundation設立の動機の一つは、特許による訴訟のリスクを個々の開発者に負わせないためだと記憶しているのですが。正直、理屈はあると言っても相当に苦しい理屈という印象は否めないです。
> Xiph.Org Foundation設立の動機の一つは、特許による訴訟のリスクを個々の開発者に負わせないため
もし何らかの特許に抵触してた場合、その訴訟の矢面に立たされるのが「コーデック開発者(Xiphi.org)」なのか「コーデック利用ソフト開発者(Apple)」なのか「利用者」なのか、どこを相手に訴えるかは権利者の自由。
「コーデック開発者」が訴えられる事態になった場合には、Xiphi.Org が矢面に立つことで、コーデック開発に関わる個々の開発者を守ることはできるでしょうけど、
Apple が訴えられたりした場合には「文句は Xiph.Org に言ってくれ」なんて逃げることはできません。そういう訴訟問題になった場合「Xiph.Orgが責任を取る」と言ったところで、Appleには全然意味はないです。
JPEGみたいな有名どころでも特許訴訟 [srad.jp]なんてものが発生しちゃった現状では、Apple の方針もわからなくもないですね。
> Apple が訴えられたりした場合には「文句は Xiph.Org に言ってくれ」なんて逃げることはできません。
これは正しい。
> そういう訴訟問題になった場合「Xiph.Orgが責任を取る」と言ったところで、Appleには全然意味はないです。
そういう訴訟問題になった場合にXiph.Orgが裁判の費用と敗訴した場合の賠償金を拠出するという契約はできるので、これならばAppleに全然意味がないということにはならない。
# Xiph.Orgがそのようにするとはっきり言ってるのかどうかは知らんが。
というか、そんなにお金持ちな団体じゃないと思うんですけど。弁護費用くらいまでなら何とかなるかもしれませんが、賠償金は……。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
オーサリングツールと DRM (スコア:3, 興味深い)
業務用オーサリングソフトとしては名高い、Dreamweaver が対応するか、というのは、一つのポイントになると思うけど、Adobe にとっては Flash 対抗となるものに、どの程度真剣に対応するか、といった辺りも気になる。
あと、DRM かなぁ。Ogg Theora/Vorbis って、DRM は対応していないんだよね? DRM をかけたいという人が居ると、この辺は課題にならないかなぁ。Ogg Theora/Vorbis が HTML 5 で強制されている訳ではないみたいだけど...。
誰か詳しい人、教えて。
Re: (スコア:1, 参考になる)
DRM自体が廃れる方向に向かっている気がしますが(少なくとも音楽の方はそう)。
それよりタレコミやそのリンク先でも言及していますが、コーデックの標準化が問題ですね。
Re:オーサリングツールと DRM (スコア:1, 参考になる)
アップルの主張している理由は表向きのものにすぎませんよ。
どうしてこういうことになっているのかは、Torisugariの日記に [srad.jp]詳しい説明があります。まあこの日記に書かれているようなH.264での統一も実現しませんでしたけど。現状では
Opera、Firefox…Theoraのみ
Safari…H.264のみ(正確にはQuickTimeがサポートするフォーマット)
Chrome…両方
ですが、ChromeのようなことができるのはGoogleの資金力と法務部門があってこそでしょうから他のブラウザがサポートを拡大するということも当面は期待できそうにありません。
2003年以前にMozillaがUNISYSに特許料を払ってたとか、embed/object/applet要素のサポートを続けるためeolasに特許料を払っていたという話も聞かないのでいまさら何言ってるんだという気がしなくもないですが。
Re:オーサリングツールと DRM (スコア:2, 参考になる)
元記事ではあまり明確に書かれていませんが、Appleの言っている「特許侵害リスク」とは、主にサブマリン特許のことです。
H.264は日本を含め世界中の錚々たる企業が名を連ねる一大船団で、その絆はクロスライセンスとライセンス料で堅く結ばれています。当然、法務にも力を入れているので、特許調査を丹念に行っていて、万一、誰かに因縁をつけられても、一社だけがイモを引く、なんてことがないようになっているわけです。元々、ISOというものは、工業生産者と消費者の利益を最大に調整するための標準化団体ですしね。
一方のTheoraは、特許フリーが売りです。Theoraの中身を見てから特許を申請しても、公知の技術ですから、無効な特許となり、一見安全性は確保されているように見えます。しかし、サブマリン特許はいつ沸いてくるかわかりません。Theoraは既存の特許には全く依存していないと謳っていますが、厳しい言い方をすれば、それは自称でしかありません。もちろん、サブマリン特許はどんな技術にとっても脅威なので、H.264にだって当然リスクはあるはずですが、企業の判断としては、「H.264の方が訴訟リスクが低い」ということです。
もっと砕けた言い方をすれば「Theoraの開発者が信じられない」ということです。個々の開発者の人間性はともかく、最終的な責任を誰が取るかが明確ではありません。Theoraには多数の支持者がいますが、ここでAppleが求めているのは、支持者ではなく庇護者、つまり、裁判になった時に金を半分出してくれるような存在であり、確かにTheoraはそういった意味では無責任、と言えるかもしれません。
Appleが言っているのは大体上のようなことです。この手の議論に理不尽さを覚えるあなたの感性は多分正常ですが、まあ、妥当性はともかく、理屈はあるわけです。さらに砕けた言い方をすると、権威が足りなかった、ということでしょうね。面接に行ったら、家柄で落とされてしまった、とでも。
Re:オーサリングツールと DRM (スコア:2)
> 確かにTheoraはそういった意味では無責任
「無責任」という言葉は文脈的にあわない。
「責任を取る能力に欠けている」と言えばよいと思う。
Re:オーサリングツールと DRM (スコア:1, 参考になる)
Xiph.Org Foundation設立の動機の一つは、特許による訴訟のリスクを個々の開発者に負わせないためだと記憶しているのですが。正直、理屈はあると言っても相当に苦しい理屈という印象は否めないです。
Re:オーサリングツールと DRM (スコア:1)
> Xiph.Org Foundation設立の動機の一つは、特許による訴訟のリスクを個々の開発者に負わせないため
もし何らかの特許に抵触してた場合、その訴訟の矢面に立たされるのが「コーデック開発者(Xiphi.org)」なのか「コーデック利用ソフト開発者(Apple)」なのか「利用者」なのか、どこを相手に訴えるかは権利者の自由。
「コーデック開発者」が訴えられる事態になった場合には、Xiphi.Org が矢面に立つことで、コーデック開発に関わる個々の開発者を守ることはできるでしょうけど、
Apple が訴えられたりした場合には「文句は Xiph.Org に言ってくれ」なんて逃げることはできません。
そういう訴訟問題になった場合「Xiph.Orgが責任を取る」と言ったところで、Appleには全然意味はないです。
JPEGみたいな有名どころでも特許訴訟 [srad.jp]なんてものが発生しちゃった現状では、Apple の方針もわからなくもないですね。
Re:オーサリングツールと DRM (スコア:2)
> Apple が訴えられたりした場合には「文句は Xiph.Org に言ってくれ」なんて逃げることはできません。
これは正しい。
> そういう訴訟問題になった場合「Xiph.Orgが責任を取る」と言ったところで、Appleには全然意味はないです。
そういう訴訟問題になった場合にXiph.Orgが裁判の費用と敗訴した場合の
賠償金を拠出するという契約はできるので、これならばAppleに全然意味が
ないということにはならない。
# Xiph.Orgがそのようにするとはっきり言ってるのかどうかは知らんが。
Re: (スコア:0)
というか、そんなにお金持ちな団体じゃないと思うんですけど。弁護費用くらいまでなら何とかなるかもしれませんが、賠償金は……。