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同じく医療関係者ですが、タレコミ主含めて湿潤治療=無消毒という認識は大きな誤りです。
湿潤治療でも、十分な洗浄と異物除去、基本的な消毒は必ず行って下さい。推進している医師でも消毒すら省くのは、本当に極端な思想の方だけですので。
ぶら下げ場所に悩みましたが、何かを検討する場合正しい知識と適切な手順は必ず守って欲しいものです。
全然関係ないけど、ここだけ>ガス壊疽の方はあまり聞き慣れない病名かもしれませんが「ブラックジャック」に出てきたことがあるので名前だけ知ってます。
#「医者の言うことを聞かずに無茶をして悪化し、片腕を切断。生きる希望を失って。。。」#という話だったかな。
キズパワーパッド愛用者です。足の裏のマメが破けたときには、最強のパートナーです。
さて、プロの方がいるようなので質問です。
> 湿潤治療でも、十分な洗浄と異物除去、基本的な消毒は必ず行って下さい。
キズパワーパッドの用法に、以下の説明があります。
[添付前]・・・殺菌・消毒剤等を使用した場合は、殺菌・消毒剤を残さないように、水道水または滅菌生理食塩水でよく洗い流してください。・・・
この文が、素人的には「消毒しちゃダメ。ちゃんと洗ってね」と読めてしまうのですが、消毒剤を使ったら洗い流さないといけない理由って何なんでしょう?
消毒されてる方が安心なのですが。
消毒剤を傷口につけたまま密封してしまうと、どこにも吸収されないので残ってしまってキズに刺激を与えるかもしれませんし、薬剤によっては粘着剤の効果を弱めてしまうかも知れません。油剤ベースの薬とか塗っていたら絶対くっつきませんよね?だから、使用する前には洗い流して下さいというだけです。
どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?
こんな本が出ているのを初めて知りました。「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学」 [amazon.co.jp]
「しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。傷は消毒せず、乾燥させなければ、痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。その治癒効果に驚いた医師らにより、湿潤治療は各地で広まっている。しかし肝心の大学病院などでは相変わらず、傷やヤケドを悪化させ、治りを遅らせ、患者に痛みと後遺症を強いる旧来の治療が行われている。」
だそうです。これを見たら「消毒しちゃだめなんだ」と思ってしまいますね。
>>殺菌・消毒剤等を使用した場合は、殺菌・消毒剤を残さないように、水道水または滅菌生理食塩水でよく洗い流してください。>どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?とはいうものの、「使用した場合は」というのは通常は「使用しなくても良い」場合に使う言葉ですよね。
使用しなければならないのであれば、「消毒剤等を使用して傷口を殺菌し、その後十分に水道水等で洗浄した上で~」みたいな書き方になるのでは。
>>>どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?>>とはいうものの、「使用した場合は」というのは通常は「使用しなくても良い」場合に使う言葉ですよね。>「しなくても良い」と「しちゃだめ」には天地ほどの違いがありますよ
1、湿潤療法においては傷の消毒と洗浄は非常に重要である。2、「消毒してもしなくてもよい」「もし消毒した場合は~」という注意書きはあった。3、この注意書きをみて「消毒は害があり、すべきでない」と誤解する可能性は高い。
だからここでは「十分に消毒しなければならない」と書くべきだったのではないかと。
「しちゃだめとは書いていない」というのは単なる言い訳に過ぎません。
1番目の部分で誤読していませんか。「清潔が重要」とはみんな言ってますが、「消毒が重要」と誰が言ってます? ここで医師が言っていることを総括すれば、「傷口の清潔は非常に重要であり、流水で洗い流すことも非常に重要だが、消毒するかどうかは任意」です。(消毒とは消毒薬を使うことであり、単に水で洗うことは消毒と言いません)
健康な成人がちょっとした怪我で消毒すべきかどうかについては、極端な意見の少数派を除くと、「盛大に毒だと吠えるほどでもなく、盛大に意味があると吠えるほどでもない」ものと考えられています。その
「十分に消毒しなければならない」なんて書いたら、絶対に必要以上の消毒するだろうなー。清潔な水が得られる日本では「充分に洗浄」で問題ないだろうし、それで不足な場合は普通の消毒じゃダメだろう。
> だそうです。これを見たら「消毒しちゃだめなんだ」と思ってしまいますね。
本は売るために編集者がキャッチーなコピーをつけるものですから、本文を読んで判断しましょう。
本でなくても夏井先生のサイトをよく読めば、「必要最低限の消毒はする」と書いてあると思います。必要が全くないというケースは多いようですが。
>本でなくても夏井先生のサイトをよく読めば、「必要最低限の消毒はする」と書いてあると思います。
本当ですか?
夏井先生は、「腹腔内のような無菌が前提の場所では必要だが、皮膚の創面では全く意味がない」という内容をサイトに書いておられましたよ。
殺菌してもすぐに常在菌がおしよせてくる、そのスピードよりも早いサイクルで殺菌しつづけるなら別だが、現在の消毒は再生のための細胞へのダメージにしかなっていない、といった話もあったと思います。
http://www.wound-treatment.jp/title_shoudoku.htm [wound-treatment.jp]
> どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?
いや、書いてありました。
傷に塗布する軟膏、・・・(中略)・・・等の殺菌・消毒剤を、本品と併用しないこと
「併用」の解釈なの違いかもしれませんが、通常は禁止と読むでしょう。水以外使うな!というくらい「水道水」「生理食塩水」が連呼されてますし。
本当は、> 油剤ベースの薬とか塗っていたら絶対くっつきませんよね?> だから、使用する前には洗い流して下さいというだけです。なのかもしれませんが、この説明書の文章だけではそこまで読めません。
まぁ、Lafiellさんのご説明で良く分かったので、安心しました# 説明無視して消毒してたので ;-P
湿潤療法も結構ですが、元コメントのように、ダメっぽかったら、さっさと湿潤療法から切り替える事が大切です。
にもかかわらず、湿潤療法を提唱するセンセイが、「湿潤療法でなんでも治る」なんて言うもんだから、治るものも治らない・・・
ちなみに、私の印象では、「湿潤療法で治るような傷は、何をやっても早く治る」です。
そして、「人間が作る痂皮(かさぶた)こそ、最高の創傷保護剤である」とも思います。綺麗なかさぶたが自然に取れると、一番綺麗に傷が治っています。
「湿潤療法でなんでも治る」となってしまった時点で、それはもう疑似科学と呼べる暴論であり、とても危険だと思います。同様に、「人間が作る痂皮(かさぶた)こそ、最高の創傷保護剤である」も、乱暴で危険な断定じゃないでしょうか。
どんな治療法も、実際に得られる効果は前提条件で異なるのですから、全否定も全肯定も馬鹿げています。どんな状況に対して、或る治療法がどういう結果を成すのか。こういう既存の治療法に対する否定を含んだ話題では、それだけを淡々と確認する風に話が進まないのが、残念ですし、何故なのか興味深いです。
> 淡々と確認する風に話が進まないのが、> 残念ですし、何故なのか興味深いです。
それはきっと、「湿潤療法は万能」って信仰する一派がいるからじゃないですか?
まあ、湿潤療法なんて今となっては珍しい訳でもなく、「湿潤療法は万能では無い(つまり、適材適所でしょ)」って所が妥当な評価にもかかわらず、
信者が「湿潤療法に非ずんば正しい治療法にあらず」みたいに、あっちこっちで言うものだから、声の大きさに騙される人が出てくる。
このタレコミ文だって、「あなたは乾燥消毒派? それとも湿潤非消毒派?」なんて二分させてる時点で、ミスリードです。
そもそも、「治療で治ってる」のではありません。怪我とかは、「自分で治ってる」のですよ。治療で大切なのは、治りやすい環境をいかに整えるか、これに尽きる。
何万年も、人間はかさぶたで自分の傷を治してきてるんです。この実績を評価しないなんて、自分の(人間の)治癒力を過小評価しすぎです。
「かさぶた」が出来るような傷への対処が如何に永い実績を持っていようと、他の治療法がそれに勝る可能性とは別の条件ではないでしょうか。誰かが「かさぶた」の実績を評価すべきでない、かさぶたが出来るような治療法は悪いもので、決して採用すべきでない、とでも主張したのでしょうか?
誰しも自然な治癒の経験を持っています。かさぶたが出来、やがて剥がれる頃には、ピンクの健康な皮膚が再生している驚きは事実です。それでも尚人は、それ以上の効果を持つ傷への対処を探しています。探していて、結果があるからこそ、かさぶたが一番という単純な結論にはなりません。
あなたの意見は、掲げられた話題が断定的で好ましくないが為、それへの反論から、疑似科学的な態度に陥っていると見えます。治りやすい環境を整える価値を強く主張しながら、かさぶたに「最高の創傷保護剤」という評価をしています。それはかさぶたと他の創傷保護剤を、創傷保護機能に於いて合理的に比較したものでしょうか。
好ましくない主張への反駁として、何かを過激に貶めたり持ち上げたりするのは、より悪い混乱を招く場合があるので、やめたほうが良いと思います。
いや、hpn_smileさんのコメを見る限り、
> 何かを過激に貶めたり持ち上げたりするのは
なんて事は書いていないと思うが。。ただ単に、TPOで治療方法を使い分けた方が良くて、さらに自分ではかさぶたを作る方が良い治療方法では?って考えているだけだと思う。実際、深くて広い切り傷なんかは湿潤治療では治療が難しいし。<もっとも普通縫うけど。テレビでは何でも治るみたいな口調で放送してたけど、今受けている治療の担当医(外科)に聞いた限りでは、やっぱり向き不向きがあるとのこと。乱暴な話だけど、アドレナリンによる止血が一番な場合もあるとか。。
俺の場合でも、湿潤は使わないかな。やけどなんかなら使うかもしれないが、通常の擦り傷なら、早く患部が乾いたほうが動きやすいから使わない。それで多少の痛みがあっても、それは仕方が無いって思ってるし。<実際キズドライ結構重宝している。ジュクジュク水虫にも効くし(w
> より悪い混乱を招く場合があるので、> やめたほうが良いと思います。
いや、あなたの方こそ。。ごにょごにょ
そういった主観による思い入れが、危険性もありつつ、決して避けようのないものだと、親類の治療経験から実感しています。
伯父を担当した或る医師は、複数のセカンドオピニオンから、治療方針の全否定とも言える意見を提示されましたが、最近になるまでその誤りを自ら認めようとしませんでした。父の代からの付き合いのある方なので縁続きのままでしたが、最近漸く「あの頃は若く、馬鹿だった。すまない。」と、酔いの中で告白してくれました。
大抵の医師は、当然科学的な医学のディスカッションが出来る力と、本来はそれに基づくべきなのだという良識を備えていると思います。というか、それを医師と呼ぶのだと思っています。しかしどうしても、人間としての様々が絡み付き、頑迷に持論を採用してしまう場合が、起き得るのだと思うのです。
新しい治療法には少なからず旧来の否定が含まれるためか、それぞれの支持者と、彼らによる馬鹿げた応酬が起き易いのではないでしょうか。そのため、スラッシュドットの様な広くに向けた場でこそ、万能の治療法など今の所無い旨や、或る方法論の極端な支持が危険である事を前提にした方が良いと思いますが、編集の方々皆にそういう感覚があるとは言えず、残念です。新聞よりマシ、という程度ではアレゲが泣くんじゃないでしょうか。
# すみません、#1611943 [srad.jp] のコメントは、# hpn_smileの #1611915 [srad.jp] に向けたものです。
>みなさん科学的ディスカッションを出来る常識は持ち合わせていますのでご安心を。
それでは、元コメントを基に科学的ディスカッションを展開してください。
>綺麗なかさぶたが自然に取れると、一番綺麗に傷が治っています。
最大の敵は自分、って事か。
「静まれッ! 静まるんだ、俺の左腕ッ! この聖痕(ただの擦り傷)の封印(かさぶた)は・・・まだ剥がしちゃダメだッ・・・!」
>綺麗なかさぶたが自然に取れると、一番綺麗に傷が治っています。いやぁ、かさぶただと確実に後が残るし。動物は本能的に舐めて治すのを考えると、これも自然な治療法かと。
つーか乱暴な意見だなぁ。「腹に入れば料理の味は関係ない」とか「一割程度の差は誤差範囲」って人かな?
>感染があった場合は密封することで細菌増殖を助長してしまい逆効果です。
素人の素朴な疑問だけど、歴史的には「破傷風」ってけっこう恐い病気ではなかったのかな。
#今はワクチン(?)があるから「治療可能な病気」になっちゃったけど、#それまでは「不治の病」扱いじゃなかったのかなと。
ええ、今でも怖い病気ですよ。でも通常土中の破傷風菌は胞子の状態で休眠しているので、一般的な方法では殺菌できません。高圧加熱釜(オートクレーブ)で高温加熱するとか、ホルマリンやフェノール等のタンパク変性剤を使う必要があります。そんなの傷口に当てたらそっちのほうが大変ですが。ですから、破傷風菌の感染が怖いから密閉しない、ではなく感染源を取り除くため徹底的に洗浄する必要があります。
破傷風と消毒 [wound-treatment.jp]から引用します。
さて,このように恐ろしい疾患であり,発症してしまったら根本的治療は存在しないのが破傷風である。現在でも治療としては上記のごとく,先手必勝で発症を防ぐしかない。 となると,やはり「土が入り込んだ傷は,消毒して破傷風を防ぐべきではないか」ということになりそうだが,実はそうならないのである。 破傷風菌は通常「芽胞」の形態で地中に存在している。問題は「芽胞」という存在形態である。この芽胞,生半可なことでは死んでくれないのである。たとえば,80度の熱湯で煮るとほとんどの生物は死んでしまうが,芽胞はびくともしない。沸騰している水中で15分以上加熱を続けても,まだ芽胞は死なない。紫外線照射にも強く,たいていの微生物が死滅するくらいでもまだ大丈夫だ。 芽胞を殺そうと思ったら120℃で15分間加熱するか,人間には危なくて使えないような強烈な毒性を有する消毒薬を長時間作用させるしかない。要するに,普通に使われている消毒薬でちょっと消毒したくらいでは芽胞は死なないのである。消毒薬で芽胞を死滅させるためには,人間が死ぬくらい(・・・ちょっと大袈裟)にしないといけない。 従って,土が入り込んだ傷だからといって,それを消毒しても破傷風の予防にはならないのである。 つまり破傷風の恐れがある傷の局所処置であるが,積極的に外科的デブリードマンするか,大量の水で洗い流すくらいしかない,ということになる。いずれにしても,通常の消毒薬に効果がないことは明らかだ。
さて,このように恐ろしい疾患であり,発症してしまったら根本的治療は存在しないのが破傷風である。現在でも治療としては上記のごとく,先手必勝で発症を防ぐしかない。 となると,やはり「土が入り込んだ傷は,消毒して破傷風を防ぐべきではないか」ということになりそうだが,実はそうならないのである。
破傷風菌は通常「芽胞」の形態で地中に存在している。問題は「芽胞」という存在形態である。この芽胞,生半可なことでは死んでくれないのである。たとえば,80度の熱湯で煮るとほとんどの生物は死んでしまうが,芽胞はびくともしない。沸騰している水中で15分以上加熱を続けても,まだ芽胞は死なない。紫外線照射にも強く,たいていの微生物が死滅するくらいでもまだ大丈夫だ。
芽胞を殺そうと思ったら120℃で15分間加熱するか,人間には危なくて使えないような強烈な毒性を有する消毒薬を長時間作用させるしかない。要するに,普通に使われている消毒薬でちょっと消毒したくらいでは芽胞は死なないのである。消毒薬で芽胞を死滅させるためには,人間が死ぬくらい(・・・ちょっと大袈裟)にしないといけない。
従って,土が入り込んだ傷だからといって,それを消毒しても破傷風の予防にはならないのである。
つまり破傷風の恐れがある傷の局所処置であるが,積極的に外科的デブリードマンするか,大量の水で洗い流すくらいしかない,ということになる。いずれにしても,通常の消毒薬に効果がないことは明らかだ。
> ですから、破傷風菌の感染が怖いから密閉しない、ではなく感染源を取り除くため徹底的に洗浄する> 必要があります。これも、きれいな水がタダ同然でいくらでも一般人の手に入ると言うことを無意識のうちに前提としてますね。世の中にはこんな水 [gigazine.net]しか手に入らないという地域だっていくらでもあるわけです。
あなたが前提を問題にしてるってのはわかるけれど、その話と「破傷風菌の芽胞に消毒薬は効かない」という話は直交する問題ではないかい?
あーでも完全に洗浄しきれなかった場合、開放しといたほうが嫌気性細菌の繁殖が抑えられる可能性が高い、ってことなのかな?
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs
Dr.からの提案です (スコア:5, 参考になる)
傷をwet(湿潤)に保つことで創傷治癒は早くなります。
感染があった場合は密封することで細菌増殖を助長してしまい逆効果です。
なので、最初チャレンジはしますが、感染を起こしたら(赤い、痛い、腫れる、膿が出る)さっさと切り替えます。
抗菌薬も使わないといけません。見慣れないと切り替えのタイミングは分からないかもしれません。
軽い傷の処置としては、まずひたすら流水(水道水)で洗うことにつきます。
皮下の異物は後々入れ墨になることがあるので徹底的に取り除いてください。
一度入れ墨できると取り除くのは厄介です。
これでもかというくらい(10分とか)洗ったら、創傷被覆材なり軟膏なりラップなりしてください。
その後は1日1回必ずシャワーで傷をよく泡立てた石けんで洗ってください。お風呂上がりにまた密封してください
傷が深かったら、まずはその日に受診していただいた方が傷跡もキレイに出来ます。
肥厚性瘢痕(みみず腫れのような物)やケロイドは体質などもあるので、
湿潤でやったからといって減るかというと言い切れないところがあります。
傷が落ち着くまで半年~1年はかかります。傷跡を気にされる方は、それくらい経ってから受診してください。
創傷被覆材は結構高いのですが、私たちはどれだけ材料を使っても「創傷処置100cm2未満」という決まったお金しかいただけません。
なので、使う使わないは施設(赤字の問題)やその医師の判断(使わなくても大丈夫そう)によるところもあります。
別に傷の治りを遅くしてぼったくろうなんて気はみじんもありません。
Re:Dr.からの提案です (スコア:5, 参考になる)
同じく医療関係者ですが、タレコミ主含めて
湿潤治療=無消毒という認識は大きな誤りです。
湿潤治療でも、十分な洗浄と異物除去、基本的な消毒は必ず行って下さい。
推進している医師でも消毒すら省くのは、本当に極端な思想の方だけですので。
ぶら下げ場所に悩みましたが、何かを検討する場合
正しい知識と適切な手順は必ず守って欲しいものです。
Re:Dr.からの提案です (スコア:5, 参考になる)
この手の療法は、「今の日本」だから通じるものである、ということはきちんと認識しておく必要がありますね。
傷口から「ばいきん」が入って…というケースのことを「創傷感染」と呼びますが、創傷感染を起こす病原体には非常に怖いものと、そこまで心配の要らないものとがあります。全体的な免疫力が低下している人(易感染宿主)でなければ、通常は少数の病原体が傷口から侵入して化膿したとしても、やがて免疫によって排除されて、いずれは治るわけですが、しかし一部の創傷感染症には命に関わるケースがあります。
特に危険なものは、破傷風菌(Clostridium tetani)による破傷風 [nih.go.jp]と、ウェルシュ菌(C. perfringens)やガス壊疽菌群(C. histolyticum, C. novyiほか)によるガス壊疽 [banyu.co.jp]です。二つとも致死率が高く、予後も悪い疾患です。
破傷風に比べると、ガス壊疽の方はあまり聞き慣れない病名かもしれませんが、戦時や災害時など、創傷の衛生管理が行き届かないところではしばしば見られ、壊死性筋膜炎などを引き起こし、命は取り留めても、患部(腕や足など)の切除を余儀なくされることもあります。近年では、四川省地震の後の被災地での頻発がニュースに出てたりしました。
この両者はいずれも、クロストリジウム属と呼ばれる細菌のグループによる疾患ですが、このグループは偏性嫌気性で、かつ芽胞 [wikipedia.org]を形成するという特徴があります。偏性嫌気性菌は、酸素のない環境でのみ増殖が可能で、酸素に触れると死んでしまう細菌なのですが、クロストリジウム属は芽胞を形成することで酸素のある環境でも生き残り可能です。これらは土壌中や、動物の大腸(下部消化管)内部など酸素の乏しい環境に常在していますが、これらの環境中で増殖している菌の一部が芽胞を形成するため、掘り起こされた土の中とか便の中の菌の一部が死なずに生き残ります。それらが創傷から感染した場合、通常ならば酸素の比較的多い、「開かれた傷口」では細菌が増殖できないのですが、何らかの原因で創傷部が嫌気条件になると内部で増殖して、破傷風やガス壊疽を引き起こすというわけです。
ご存知の方も多いと思いますが、破傷風については非常に有効なワクチンがあり(DPT三種混合ワクチンの「T」)、この投与によって破傷風の発生件数は日本ではかなり少なくなりました。しかし実のところ、これはワクチン接種(1968-)が行われるようになった、たかだかここ数十年の話でしかありません。義務接種化以前に生まれた高齢者など、破傷風ワクチンを打ってない人もいますが、「傷口を消毒する」という「従来の創傷管理指針」の徹底で、創傷感染から破傷風やガス壊疽などが発生するケースというのは、現在の日本ではほとんど問題にはならない、というだけの話です。このように「創傷からの嫌気性菌感染症」が問題にならない、ということを前提にできる状況であれば、湿潤療法は有効だと言えるでしょう。しかし、湿潤療法による創傷部閉塞は、一歩間違うと命に関わる嫌気性菌感染症につながりかねない、ということはきちんと認識しておく必要があります。仮に50年前の日本の状況であれば、湿潤療法は多くの死者を生むでしょうし、また衛生理念の未発達な外国などでも同様な結果になりかねません。その一方で、現在の日本であれば、「傷口を早く、綺麗に治す」というメリットが大きく受け止められる、ということで。
#特に、現在の日本の衛生管理の良さが「当たり前」になってしまってる若い医学関係者とかだと、このあたりは逆に見落としがちな部分かもしれませんね。
Re: (スコア:0)
全然関係ないけど、ここだけ
>ガス壊疽の方はあまり聞き慣れない病名かもしれませんが
「ブラックジャック」に出てきたことがあるので名前だけ知ってます。
#「医者の言うことを聞かずに無茶をして悪化し、片腕を切断。生きる希望を失って。。。」
#という話だったかな。
Re:Dr.からの提案です (スコア:1)
それは鉄棒が得意だった少年が「しゃべる義手」に励まされて将棋に転向するお話ですか?
Re: (スコア:0)
Re:Dr.からの提案です (スコア:2)
キズパワーパッド愛用者です。
足の裏のマメが破けたときには、最強のパートナーです。
さて、プロの方がいるようなので質問です。
> 湿潤治療でも、十分な洗浄と異物除去、基本的な消毒は必ず行って下さい。
キズパワーパッドの用法に、以下の説明があります。
この文が、素人的には「消毒しちゃダメ。ちゃんと洗ってね」と読めてしまうのですが、消毒剤を使ったら洗い流さないといけない理由って何なんでしょう?
消毒されてる方が安心なのですが。
Re:Dr.からの提案です (スコア:1)
消毒剤を傷口につけたまま密封してしまうと、どこにも吸収されないので残ってしまって
キズに刺激を与えるかもしれませんし、薬剤によっては粘着剤の効果を弱めてしまうかも知れません。
油剤ベースの薬とか塗っていたら絶対くっつきませんよね?
だから、使用する前には洗い流して下さいというだけです。
どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?
「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学」 (スコア:2)
こんな本が出ているのを初めて知りました。
「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学」 [amazon.co.jp]
「しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。傷は消毒せず、乾燥させなければ、
痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。
その治癒効果に驚いた医師らにより、湿潤治療は各地で広まっている。しかし肝心の大学病院などでは相変わらず、
傷やヤケドを悪化させ、治りを遅らせ、患者に痛みと後遺症を強いる旧来の治療が行われている。」
だそうです。これを見たら「消毒しちゃだめなんだ」と思ってしまいますね。
>>殺菌・消毒剤等を使用した場合は、殺菌・消毒剤を残さないように、水道水または滅菌生理食塩水でよく洗い流してください。
>どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?
とはいうものの、「使用した場合は」というのは通常は「使用しなくても良い」場合に使う言葉ですよね。
使用しなければならないのであれば、「消毒剤等を使用して傷口を殺菌し、その後十分に水道水等で洗浄した上で~」
みたいな書き方になるのでは。
Re: (スコア:0)
>とはいうものの、「使用した場合は」というのは通常は「使用しなくても良い」場合に使う言葉ですよね。
「しなくても良い」と「しちゃだめ」には天地ほどの違いがありますよ
Re:「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学」 (スコア:1)
>>>どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?
>>とはいうものの、「使用した場合は」というのは通常は「使用しなくても良い」場合に使う言葉ですよね。
>「しなくても良い」と「しちゃだめ」には天地ほどの違いがありますよ
1、湿潤療法においては傷の消毒と洗浄は非常に重要である。
2、「消毒してもしなくてもよい」「もし消毒した場合は~」という注意書きはあった。
3、この注意書きをみて「消毒は害があり、すべきでない」と誤解する可能性は高い。
だからここでは「十分に消毒しなければならない」と書くべきだったのではないかと。
「しちゃだめとは書いていない」というのは単なる言い訳に過ぎません。
Re: (スコア:0)
1番目の部分で誤読していませんか。「清潔が重要」とはみんな言ってますが、
「消毒が重要」と誰が言ってます? ここで医師が言っていることを総括すれば、
「傷口の清潔は非常に重要であり、流水で洗い流すことも非常に重要だが、消毒するかどうかは任意」です。
(消毒とは消毒薬を使うことであり、単に水で洗うことは消毒と言いません)
健康な成人がちょっとした怪我で消毒すべきかどうかについては、極端な意見の少数派を除くと、
「盛大に毒だと吠えるほどでもなく、盛大に意味があると吠えるほどでもない」ものと考えられています。
その
Re:「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学」 (スコア:1)
「十分に消毒しなければならない」なんて書いたら、絶対に必要以上の消毒するだろうなー。
清潔な水が得られる日本では「充分に洗浄」で問題ないだろうし、それで不足な場合は普通の消毒じゃダメだろう。
the.ACount
Re: (スコア:0)
> だそうです。これを見たら「消毒しちゃだめなんだ」と思ってしまいますね。
本は売るために編集者がキャッチーなコピーをつけるものですから、本文を読んで判断しましょう。
本でなくても夏井先生のサイトをよく読めば、「必要最低限の消毒はする」と書いてあると思います。必要が全くないというケースは多いようですが。
Re: (スコア:0)
>本でなくても夏井先生のサイトをよく読めば、「必要最低限の消毒はする」と書いてあると思います。
本当ですか?
夏井先生は、「腹腔内のような無菌が前提の場所では必要だが、皮膚の創面では全く意味がない」という内容をサイトに書いておられましたよ。
殺菌してもすぐに常在菌がおしよせてくる、そのスピードよりも早いサイクルで殺菌しつづけるなら別だが、現在の消毒は再生のための細胞へのダメージにしかなっていない、といった話もあったと思います。
http://www.wound-treatment.jp/title_shoudoku.htm [wound-treatment.jp]
Re:Dr.からの提案です (スコア:2)
> どこにも消毒しちゃだめなんて書いてませんよ?
いや、書いてありました。
「併用」の解釈なの違いかもしれませんが、通常は禁止と読むでしょう。
水以外使うな!というくらい「水道水」「生理食塩水」が連呼されてますし。
本当は、
> 油剤ベースの薬とか塗っていたら絶対くっつきませんよね?
> だから、使用する前には洗い流して下さいというだけです。
なのかもしれませんが、この説明書の文章だけではそこまで読めません。
まぁ、Lafiellさんのご説明で良く分かったので、安心しました
# 説明無視して消毒してたので ;-P
Re:Dr.からの提案です (スコア:3, 興味深い)
湿潤療法も結構ですが、元コメントのように、ダメっぽかったら、
さっさと湿潤療法から切り替える事が大切です。
にもかかわらず、湿潤療法を提唱するセンセイが、
「湿潤療法でなんでも治る」なんて言うもんだから、
治るものも治らない・・・
ちなみに、私の印象では、
「湿潤療法で治るような傷は、何をやっても早く治る」
です。
そして、
「人間が作る痂皮(かさぶた)こそ、最高の創傷保護剤である」
とも思います。
綺麗なかさぶたが自然に取れると、一番綺麗に傷が治っています。
Re:Dr.からの提案です (スコア:3, すばらしい洞察)
「湿潤療法でなんでも治る」となってしまった時点で、
それはもう疑似科学と呼べる暴論であり、とても危険だと思います。
同様に、「人間が作る痂皮(かさぶた)こそ、最高の創傷保護剤である」も、
乱暴で危険な断定じゃないでしょうか。
どんな治療法も、実際に得られる効果は前提条件で異なるのですから、
全否定も全肯定も馬鹿げています。
どんな状況に対して、或る治療法がどういう結果を成すのか。
こういう既存の治療法に対する否定を含んだ話題では、
それだけを淡々と確認する風に話が進まないのが、
残念ですし、何故なのか興味深いです。
Re:Dr.からの提案です (スコア:2)
> 淡々と確認する風に話が進まないのが、
> 残念ですし、何故なのか興味深いです。
それはきっと、
「湿潤療法は万能」って信仰する一派がいるからじゃないですか?
まあ、湿潤療法なんて今となっては珍しい訳でもなく、
「湿潤療法は万能では無い(つまり、適材適所でしょ)」
って所が妥当な評価にもかかわらず、
信者が
「湿潤療法に非ずんば正しい治療法にあらず」みたいに、
あっちこっちで言うものだから、声の大きさに騙される
人が出てくる。
このタレコミ文だって、
「あなたは乾燥消毒派? それとも湿潤非消毒派?」
なんて二分させてる時点で、ミスリードです。
そもそも、「治療で治ってる」のではありません。
怪我とかは、「自分で治ってる」のですよ。
治療で大切なのは、治りやすい環境をいかに整えるか、これに尽きる。
何万年も、人間はかさぶたで自分の傷を治してきてるんです。
この実績を評価しないなんて、
自分の(人間の)治癒力を過小評価しすぎです。
Re:Dr.からの提案です (スコア:1)
「かさぶた」が出来るような傷への対処が如何に永い実績を持っていようと、
他の治療法がそれに勝る可能性とは別の条件ではないでしょうか。
誰かが「かさぶた」の実績を評価すべきでない、
かさぶたが出来るような治療法は悪いもので、
決して採用すべきでない、とでも主張したのでしょうか?
誰しも自然な治癒の経験を持っています。
かさぶたが出来、やがて剥がれる頃には、
ピンクの健康な皮膚が再生している驚きは事実です。
それでも尚人は、それ以上の効果を持つ傷への対処を探しています。
探していて、結果があるからこそ、
かさぶたが一番という単純な結論にはなりません。
あなたの意見は、掲げられた話題が断定的で好ましくないが為、
それへの反論から、疑似科学的な態度に陥っていると見えます。
治りやすい環境を整える価値を強く主張しながら、
かさぶたに「最高の創傷保護剤」という評価をしています。
それはかさぶたと他の創傷保護剤を、
創傷保護機能に於いて合理的に比較したものでしょうか。
好ましくない主張への反駁として、
何かを過激に貶めたり持ち上げたりするのは、
より悪い混乱を招く場合があるので、
やめたほうが良いと思います。
Re:Dr.からの提案です (スコア:1)
いや、hpn_smileさんのコメを見る限り、
> 何かを過激に貶めたり持ち上げたりするのは
なんて事は書いていないと思うが。。
ただ単に、TPOで治療方法を使い分けた方が良くて、
さらに自分ではかさぶたを作る方が良い治療方法では?
って考えているだけだと思う。
実際、深くて広い切り傷なんかは湿潤治療では治療が難しいし。<もっとも普通縫うけど。
テレビでは何でも治るみたいな口調で放送してたけど、
今受けている治療の担当医(外科)に聞いた限りでは、
やっぱり向き不向きがあるとのこと。
乱暴な話だけど、アドレナリンによる止血が一番な場合もあるとか。。
俺の場合でも、湿潤は使わないかな。やけどなんかなら使うかもしれないが、
通常の擦り傷なら、早く患部が乾いたほうが動きやすいから使わない。
それで多少の痛みがあっても、それは仕方が無いって思ってるし。
<実際キズドライ結構重宝している。ジュクジュク水虫にも効くし(w
> より悪い混乱を招く場合があるので、
> やめたほうが良いと思います。
いや、あなたの方こそ。。ごにょごにょ
Re: (スコア:0)
「人間の治癒力は素晴らしいので、カサブタなんて野蛮なものを作ってしまっても治してしまう」
(治りは遅いし、キレイに治らなくて痕も残りやすいけど...)
みたいな意見を見かけました
Re: (スコア:0)
教科書や論文では○○がよい、という知識をバックグラウンドに、
自分の治療経験や感覚に基づいて△△の方がいいなぁ、と心の中では思っている人種なのです。
非科学的かと思うかもしれませんが、こういう感覚もとても重要なのです。
みなさん科学的ディスカッションを出来る常識は持ち合わせていますのでご安心を。
Re:Dr.からの提案です (スコア:3, 興味深い)
そういった主観による思い入れが、
危険性もありつつ、決して避けようのないものだと、
親類の治療経験から実感しています。
伯父を担当した或る医師は、複数のセカンドオピニオンから、
治療方針の全否定とも言える意見を提示されましたが、
最近になるまでその誤りを自ら認めようとしませんでした。
父の代からの付き合いのある方なので縁続きのままでしたが、
最近漸く「あの頃は若く、馬鹿だった。すまない。」と、
酔いの中で告白してくれました。
大抵の医師は、当然科学的な医学のディスカッションが出来る力と、
本来はそれに基づくべきなのだという良識を備えていると思います。
というか、それを医師と呼ぶのだと思っています。
しかしどうしても、人間としての様々が絡み付き、
頑迷に持論を採用してしまう場合が、起き得るのだと思うのです。
新しい治療法には少なからず旧来の否定が含まれるためか、
それぞれの支持者と、彼らによる馬鹿げた応酬が起き易いのではないでしょうか。
そのため、スラッシュドットの様な広くに向けた場でこそ、
万能の治療法など今の所無い旨や、
或る方法論の極端な支持が危険である事を前提にした方が良いと思いますが、
編集の方々皆にそういう感覚があるとは言えず、残念です。
新聞よりマシ、という程度ではアレゲが泣くんじゃないでしょうか。
# すみません、#1611943 [srad.jp] のコメントは、
# hpn_smileの #1611915 [srad.jp] に向けたものです。
Re: (スコア:0)
>みなさん科学的ディスカッションを出来る常識は持ち合わせていますのでご安心を。
それでは、元コメントを基に科学的ディスカッションを展開してください。
Re:Dr.からの提案です (スコア:2, おもしろおかしい)
>綺麗なかさぶたが自然に取れると、一番綺麗に傷が治っています。
最大の敵は自分、って事か。
「静まれッ! 静まるんだ、俺の左腕ッ!
この聖痕(ただの擦り傷)の封印(かさぶた)は・・・まだ剥がしちゃダメだッ・・・!」
Re:Dr.からの提案です (スコア:1, すばらしい洞察)
>綺麗なかさぶたが自然に取れると、一番綺麗に傷が治っています。
いやぁ、かさぶただと確実に後が残るし。
動物は本能的に舐めて治すのを考えると、これも自然な治療法かと。
つーか乱暴な意見だなぁ。
「腹に入れば料理の味は関係ない」とか「一割程度の差は誤差範囲」って人かな?
Re: (スコア:0)
>感染があった場合は密封することで細菌増殖を助長してしまい逆効果です。
素人の素朴な疑問だけど、歴史的には「破傷風」ってけっこう恐い病気ではなかったのかな。
#今はワクチン(?)があるから「治療可能な病気」になっちゃったけど、
#それまでは「不治の病」扱いじゃなかったのかなと。
Re:Dr.からの提案です (スコア:3, 参考になる)
ええ、今でも怖い病気ですよ。
でも通常土中の破傷風菌は胞子の状態で休眠しているので、一般的な方法では殺菌できません。
高圧加熱釜(オートクレーブ)で高温加熱するとか、ホルマリンやフェノール等のタンパク変性剤を
使う必要があります。そんなの傷口に当てたらそっちのほうが大変ですが。
ですから、破傷風菌の感染が怖いから密閉しない、ではなく感染源を取り除くため徹底的に洗浄する
必要があります。
破傷風と消毒 [wound-treatment.jp]から引用します。
Re: (スコア:0, すばらしい洞察)
> ですから、破傷風菌の感染が怖いから密閉しない、ではなく感染源を取り除くため徹底的に洗浄する
> 必要があります。
これも、きれいな水がタダ同然でいくらでも一般人の手に入ると言うことを無意識のうちに前提としてますね。
世の中にはこんな水 [gigazine.net]しか手に入らないという地域だっていくらでもあるわけです。
Re: (スコア:0)
あなたが前提を問題にしてるってのはわかるけれど、その話と「破傷風菌の芽胞に消毒薬は効かない」という話は直交する問題ではないかい?
あーでも完全に洗浄しきれなかった場合、開放しといたほうが嫌気性細菌の繁殖が抑えられる可能性が高い、ってことなのかな?
Re:Dr.からの提案です (スコア:2, 参考になる)
近年「怖い」と思われなくなったのは、ワクチン接種によって発生件数が減ったこと(日本で年間数十人くらい)が原因かと。
破傷風は、まぁ感染症と言えば感染症ではあるんですが、古典的な微生物学の考え方から言うと、菌が増殖している部分(感染巣)と、症状の出る部分が異なるので、ちょっと例外的というか…実際には菌が産生した毒素が血流/軸索行性に移行して、神経細胞に作用して筋肉の硬直(強直性麻痺)を起こすもので、「感染症」よりも、「毒素性疾患」という名前がしっくり来るというか。
#ジフテリアとか猩紅熱なんかも同様に、「毒素性疾患」です。いわゆるO157(腸管出血性大腸菌)感染症も、毒素性疾患に近いです(感染巣でも症状でるけど)
で、この手の毒素性疾患に共通して言えることなのですが、抗生物質などによって感染している病原体を除くのも確かに重要なのだけど、それだけでは駄目で、全身に回っている毒素をどうにかして除去することが必要になります。ジフテリアや破傷風なんかでは、ヘビ毒なんかと同様に、いわゆる「抗血清」が作られているので、これを利用することが可能です。特に破傷風では「ヒトの抗血清」(抗破傷風毒素ヒト免疫グロブリン、ヒトTIG)が利用されてます。ジフテリアとかヘビ毒では、ウマ血清などしかないのですが、これらの異種血清の投与は副作用も大きいので、その点で言うと破傷風は治療の条件がいいとも言えます。
しかしそれでも、毒素が一度、神経に作用してしまうと取り除くのは困難で、そのため現在でも致命率が30%くらいある、ということです。