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CMJは基本的に販売会社兼インテグレータなので、製品化が確定していない新技術の延期でそこまでの影響を受けることはないと思います。売る商品はたくさんありますし、SI部門はキヤノン製品にそれほど依存してません。むしろ影響を受けるならキヤノン本社のはずですが、そっちは普通に2011年度新卒採用を受け付けてます [canon.co.jp]。
採用凍結はキヤノングループ独自の事情というより、普通に個人・法人需要がどこで下げ止まるか(上向くか)見えないという日本経済全体の状況があって、それでも開発部門(=キヤノン本体)は常に一定数を確保して新陳代謝しないといけないけれど、営業部門(=CMJ)は景気に応じて流動的に採用しようということかと思います。
で、凍結のついでに「今の新卒採用の慣例って、本当にこれでいいの?」という(かなり多くの人が感じているであろう)疑問を投げかけるところは、個人的には大企業の役割としてアリだろうなと思います。小さい会社が同じ問題提起をしても、話題になりませんし。
そうなんですよね.オレも5年くらい前に知人と話した時に「今の業績に対する評価は社外と社外で大きな隔たりがある.世間が思ってるほど明るい見通しは持ってないし,社内はかなり切羽詰まった危機感がある」と言っていました.
というのも,当時の好調な業績を支えているのは単なるコストカット(工場を中国に移したり,多摩川沿いの中小企業を見捨てたり,派遣労働者を使い倒したり)であって,これといって革新的な技術などがあったわけでもないし,これから先もこれといって成長が見込める分野への投資が無い,という話でした.プリンタもデジカメも基本的にコモディティ化してしまった分野なので,基本的にはコスト勝負くらいしか残されてないんですよね.しかも,そうやって目先のコストカットに走ったせいで,長期的には社内の技術の蓄積も無くなっている上,技術がどんどん流出していってる,と.
SEDさえ実現できれば,かなり違っていたんでしょうけどねぇ.
>当時の好調な業績を支えているのは単なるコストカットであって,>これといって革新的な技術などがあったわけでもないし,>これから先もこれといって成長が見込める分野への投資が無い
これって、大半の日本企業がそうじゃないだろうか。危機感を持っている企業が一体どれだけあることか。
「イノベーションのジレンマ」を乗り越えられる企業はさらに少ない。
こんにちは。
中の人です。SED販売の要員は数年前に公募していた気もしますが、今はどうなっているんでしょうか?
他の方も指摘しているように、民生品(量販店向け卸)、大手直販、半導体製造機器(これはincへ移管)、IT関連(これはCITSへ絶賛移管中)等々と幅広い領域を扱っているので、SEDがこけたから人員採用を減らす、という事ではありません。 前述の業務群が事業部となっていますが、これだけで1社分の人が居ますから。
最もどの事業部でも業績は伸び悩みなので、新人が欲しいという部門は少ないのでしょうね。
incとかCITSとか外部使用禁止の略語のはずですけど・・・・
>> キヤノンはSEDがやりたいのではなくて、テレビ事業がやりたくて、
たしかに,キヤノンは最初から「テレビ事業への進出が夢だった」と表明していましたね.
>> でも後発だから他社にはないとがったデバイスで勝負するという>> ことでSEDが候補になったと思う。つまりSEDは手段。
これはちょっと違います.他社と同じ分野の技術で進出しても,製造ノウハウが無い分野なのでコスト勝負で勝てるはずもなく,しかもパテント絡みの問題もある(おそらくクロスライセンスできるような技術は持っていないはずなので,金で解決するしかない).かといってパネルを調達してモノを組み立てるだけの商売を始めても,テレビ業界で何のブランド力も無いキヤノンが売れるとは思えない.「他社には無いデバイス」というのは手段かもしれませんが,それが唯一の手段であり,必須だったのですよ.
>> もしかしてテレビのノウハウが豊富な東芝と分かれたのが
「分かれた」という表現には違和感がありますね.「分かれた」のではなくて,東芝から「見捨てられた」というべきでしょう.そもそもSEDは研究レベルでは昔から知られた技術だったのですが,他社は皆「実用化は無理」といってとっくに見捨てたのです.ところがキヤノンが「SED実用化の目途がついたが,テレビに関しては実際の量産や販売網に関するノウハウが無いので,一緒にやってほしい」と東芝にもちかけたので,東芝が一緒にやり始めた,という流れです.一緒にやり始めたら実際は実用化にはほど遠いレベルだということがわかったので,東芝は「話が違うじゃねーか」と普通に撤退しただけです.つきつめて言えばテレビに関するノウハウの無さが原因ということだと思いますが,おそらくキヤノンの量産化への見通しが甘すぎだったということでしょうね.
>他社と同じ分野の技術で進出しても,製造ノウハウが無い分野なのでコスト勝負で勝てるはずもなく,>しかもパテント絡みの問題もある(おそらくクロスライセンスできるような技術は持っていないはずなので,>金で解決するしかない).
キヤノンは有機ELにも手を出してリスクヘッジしてますね。最近はあまり聞かないですが、この辺 [nikkeibp.co.jp]とかこの辺 [impress.co.jp]とか。
これらの話より前からELについて色々とやってましたし。
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
SEDがぽしゃったのが大きいのかな~ (スコア:4, 参考になる)
だけど、将来を担う明確な業務プランがないことが問題だと言ってました。
企業としての図体が大きいが、強力に推進するものがなくなった状態を「ス
クリューの止まったタンカー」と表現しておられました。
で、その止まったスクリューをもう一度動かすのが、SEDだとも言ってました。
SEDが延期に次ぐ延期の末、話題すらなくなった状態がこの結果なのかな、と。
かつての好業績を支えてきたものの利益が薄れ、次に出すカードが何もない
状態なのでしょう。
Re:SEDがぽしゃったのが大きいのかな~ (スコア:2, すばらしい洞察)
CMJは基本的に販売会社兼インテグレータなので、製品化が確定していない新技術の延期でそこまでの影響を受けることはないと思います。売る商品はたくさんありますし、SI部門はキヤノン製品にそれほど依存してません。むしろ影響を受けるならキヤノン本社のはずですが、そっちは普通に2011年度新卒採用を受け付けてます [canon.co.jp]。
採用凍結はキヤノングループ独自の事情というより、普通に個人・法人需要がどこで下げ止まるか(上向くか)見えないという日本経済全体の状況があって、それでも開発部門(=キヤノン本体)は常に一定数を確保して新陳代謝しないといけないけれど、営業部門(=CMJ)は景気に応じて流動的に採用しようということかと思います。
で、凍結のついでに「今の新卒採用の慣例って、本当にこれでいいの?」という(かなり多くの人が感じているであろう)疑問を投げかけるところは、個人的には大企業の役割としてアリだろうなと思います。小さい会社が同じ問題提起をしても、話題になりませんし。
Re:SEDがぽしゃったのが大きいのかな~ (スコア:1, 興味深い)
そうなんですよね.オレも5年くらい前に知人と話した時に「今の業績に対する評価は社外と社外で大きな隔たりがある.世間が思ってるほど明るい見通しは持ってないし,社内はかなり切羽詰まった危機感がある」と言っていました.
というのも,当時の好調な業績を支えているのは単なるコストカット(工場を中国に移したり,多摩川沿いの中小企業を見捨てたり,派遣労働者を使い倒したり)であって,これといって革新的な技術などがあったわけでもないし,これから先もこれといって成長が見込める分野への投資が無い,という話でした.プリンタもデジカメも基本的にコモディティ化してしまった分野なので,基本的にはコスト勝負くらいしか残されてないんですよね.しかも,そうやって目先のコストカットに走ったせいで,長期的には社内の技術の蓄積も無くなっている上,技術がどんどん流出していってる,と.
SEDさえ実現できれば,かなり違っていたんでしょうけどねぇ.
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>当時の好調な業績を支えているのは単なるコストカットであって,
>これといって革新的な技術などがあったわけでもないし,
>これから先もこれといって成長が見込める分野への投資が無い
これって、大半の日本企業がそうじゃないだろうか。
危機感を持っている企業が一体どれだけあることか。
「イノベーションのジレンマ」を乗り越えられる企業はさらに少ない。
Re:SEDがぽしゃったのが大きいのかな~ (スコア:1, 参考になる)
こんにちは。
中の人です。SED販売の要員は数年前に公募していた気もしますが、今はどうなっているんでしょうか?
他の方も指摘しているように、民生品(量販店向け卸)、大手直販、半導体製造機器(これはincへ移管)、IT関連(これはCITSへ絶賛移管中)等々と
幅広い領域を扱っているので、SEDがこけたから人員採用を減らす、という事ではありません。
前述の業務群が事業部となっていますが、これだけで1社分の人が居ますから。
最もどの事業部でも業績は伸び悩みなので、新人が欲しいという部門は少ないのでしょうね。
Re: (スコア:0)
incとかCITSとか外部使用禁止の略語のはずですけど・・・・
Re: (スコア:0)
でも後発だから他社にはないとがったデバイスで勝負するという
ことでSEDが候補になったと思う。つまりSEDは手段。
だったら、似たような技術であるFEテクノロジーズのナノスピント
技術買ってやればいいのにと思ったりするわけで。
もしかしてテレビのノウハウが豊富な東芝と分かれたのが
テレビ事業を推進できない一番の理由だったりして?
#全部憶測ですよ。
Re:SEDがぽしゃったのが大きいのかな~ (スコア:2, 興味深い)
>> キヤノンはSEDがやりたいのではなくて、テレビ事業がやりたくて、
たしかに,キヤノンは最初から「テレビ事業への進出が夢だった」と表明していましたね.
>> でも後発だから他社にはないとがったデバイスで勝負するという
>> ことでSEDが候補になったと思う。つまりSEDは手段。
これはちょっと違います.他社と同じ分野の技術で進出しても,製造ノウハウが無い分野なのでコスト勝負で勝てるはずもなく,しかもパテント絡みの問題もある(おそらくクロスライセンスできるような技術は持っていないはずなので,金で解決するしかない).かといってパネルを調達してモノを組み立てるだけの商売を始めても,テレビ業界で何のブランド力も無いキヤノンが売れるとは思えない.
「他社には無いデバイス」というのは手段かもしれませんが,それが唯一の手段であり,必須だったのですよ.
>> もしかしてテレビのノウハウが豊富な東芝と分かれたのが
「分かれた」という表現には違和感がありますね.「分かれた」のではなくて,東芝から「見捨てられた」というべきでしょう.
そもそもSEDは研究レベルでは昔から知られた技術だったのですが,他社は皆「実用化は無理」といってとっくに見捨てたのです.ところがキヤノンが「SED実用化の目途がついたが,テレビに関しては実際の量産や販売網に関するノウハウが無いので,一緒にやってほしい」と東芝にもちかけたので,東芝が一緒にやり始めた,という流れです.一緒にやり始めたら実際は実用化にはほど遠いレベルだということがわかったので,東芝は「話が違うじゃねーか」と普通に撤退しただけです.
つきつめて言えばテレビに関するノウハウの無さが原因ということだと思いますが,おそらくキヤノンの量産化への見通しが甘すぎだったということでしょうね.
Re: (スコア:0)
>他社と同じ分野の技術で進出しても,製造ノウハウが無い分野なのでコスト勝負で勝てるはずもなく,
>しかもパテント絡みの問題もある(おそらくクロスライセンスできるような技術は持っていないはずなので,
>金で解決するしかない).
キヤノンは有機ELにも手を出してリスクヘッジしてますね。
最近はあまり聞かないですが、この辺 [nikkeibp.co.jp]とかこの辺 [impress.co.jp]とか。
これらの話より前からELについて色々とやってましたし。