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代替医療のトリック 新潮社 ISBN 4105393057 サイモン シン,エツァート エルンスト,(訳)青木 薫
とりあえずこれ読め。
立ち位置が一方的ではあるものの、それを差し引いても代替医療(≒統合医療)について考えるにはいい本。
#肯定する立場でのこういう本無いですかね。もちろん宣伝本じゃなくて。
医師ですが、代替医療に憧れを持つ人を見ていると、『西洋医療のパワー』の意味を、多少はき違えているんじゃないかな、と思うことはあります。
自分が大学で学んだ「西洋医療」の本当の根底は、『これこれという理論や信条や薬のリストを使え』という体系や権威のことではありません。勿論それも学ぶけど、そんな知識は数年で古くなる。『単なる欧米地方の民間療法(それこそホメオパシーも含む)』だった西洋医学が、20世紀以降に爆発的に成功した主因は、むしろそういった理論や思い込みや伝統や権威や個人の体験談を一旦排除したことだと思います。数学に裏打ちされた実験や比較や対照試験を道具とする、と決め、「ともかく効くか効かないか、確率的に、科学的に積み上げていく、これぞ最強」という発想に切り替えたことです。「この手法でこの癌の5年生存率は3%上がった」といった「証拠」を公開し、数学的に組み合わせ、少しでも成績を上げてきた方法論が現代の西洋医学。だから化学や物理よりむしろ数学に近い。その対象は、合成薬だろうと漢方薬だろうとホメオパシーのレメディーだろうと関係ない。「メカニズムは良い、効くのかどうか?」という検証と適用のプロセスを非常に厳密にしたことで、西洋医学は他の代替医学から一線を画す成績を挙げる存在になりました。「過去の知識や権威をさっさと捨てて前に進める」ということ自体が、他の伝統的な代替医療にない特徴かもしれません。
「効く」と示せるなら、薬剤でも薬草でもナントカ還元水でも、いや気功だろうと祈祷だろうと西洋医学の一種になり得ますし、少なくとも代替医療としてお勧めすることは出来ます。代替医療の関係者もそれに理解を示してくれる人は多いです。漢方とかはある程度成果も出し、西洋医学の一部に取り込まれてる。…が、一部の「自称医療」には、そういう統計の土俵に立つこと自体を拒否されます。自分の信条として、そいつらには医療を名乗って欲しくないという思いはあります。宗教を名乗るなら勝手ですが。
反論いっぱい来そうだけど一応IDで
「この手法でこの癌の5年生存率は3%上がった」といった「証拠」を公開し、数学的に組み合わせ、少しでも成績を上げてきた方法論が現代の西洋医学。だから化学や物理よりむしろ数学に近い。
言いたいことは解らなくもありませんが、「化学や物理より数学に近い」ってのが理解できません。西洋医学は、医療に科学的手法を持ち込んで成功したとは言えると思いますが、科学的手法を用いると言う点では物理学や化学と同じであって、どれが数学に近いか、なんて問題じゃないと思います。
「効く」と示せるなら、薬剤でも薬草でもナントカ還元水でも、いや気功だろうと祈祷だろうと西洋医学の一種になり得ますし
と言うより、科学的に効果が証明された医療法として認められる、というべきでしょう。西洋医学の範疇かどうかなどどうでもいい事です。
一部の「自称医療」には、そういう統計の土俵に立つこと自体を拒否されます。自分の信条として、そいつらには
なんでそこで尊敬語なんでしょうか?受身でもありませんよね?
>「化学や物理より数学に近い」ってのが理解できません説明不足でした。より正確には「(物理や化学に代表される)微視的なメカニズムの解明より、(数学の一分野である)統計・確率論による実証を最優先の規範とする、と割り切って、そっちに特化してみたら成功しちゃった学問だ」ということです。自分は「代替医療のトリック」は未読ですが、レビューを読む限りはそういうことを書かれてる本のように見えるので、ここにぶら下げました。医学で物事を実証するための「科学的手法」は「疫学」という学問にまとまっているのですが、その概要をWikipedia辺りで見ると、「科学的手法とやらが、物理学の道具と全然違う」の意味が分かるかと思います。医師が有機化学を忘れても大して困りませんが、この辺の確率のセンスを忘れると判断を誤るので色々と悲惨です。(あ、今言ってるのは、実験室内で基礎研究をする医学ではなく、実際の患者の至適治療法を現に決める必要がある臨床医学の話ね)
>科学的に効果が証明された医療法として認められる、というべきでしょう。西洋医学の範疇かどうかなどどうでもいい事です。うーん。「科学的に効果を証明」が、それ即ち西洋医学の特徴なので。「抗癌剤よりツボが効くと統計的に実証されたら、明日からツボをを使う」という姿勢こそを西洋医学と思って欲しくて、「抗癌剤を使う」自体を西洋医学と思わないで欲しいな、というか。漢方は漢方薬が無くなると漢方でなくなるかもしれませんが、西洋医学が西洋医学であるために抗癌剤は要りません。「西洋医学VS漢方」という対立は、究極的には存在しません。そういうニュアンスの話なので、「代替医療でも、効くならそれは西洋医学の一種になる」という(直感的には受け入れがたい)表現を敢えて使いました。
>なんでそこで尊敬語なんでしょうか?そこは受け身です。恐らく「には」の「に」を読み落としたのではないでしょうか。
より正確には「(物理や化学に代表される)微視的なメカニズムの解明より、(数学の一分野である)統計・確率論による実証を最優先の規範とする
それを捉えて「数学により近い」と表現するのは、やはり違和感がありますね。例えば、物理学だって、数学の一分野である微分積分学を使いますよね。物理学と微分積分学の関係と医学と統計学の関係を比較して、どちらが数学に近いかなど、評価のしようがありません。
科学的手法とやらが、物理学の道具と全然違う
解りません。どちらも数学と無関係ではないけれど、数学のどの分野と近いか、ということが違うのだろうとは思いますが。
それ即ち西洋医学の特徴なので。
その特徴を他の医学が取り入れた、という立場を採っても問題ないのではないですか?西洋医学だって、かなり後になって科学的手法を取り入れたわけですから。
そういうニュアンスの話なので、「代替医療でも、効くならそれは西洋医学の一種になる」という(直感的には受け入れがたい)表現を敢えて使いました。
むしろ私は、その辺りには全然違和感を感じませんよ。なぜなら、それが科学なんですから。
そこは受け身です。恐らく「には」の「に」を読み落としたのではないでしょうか。
読み落としたのはRyo.Fだ、という主張ですか?そんなことはありませんよ。ちゃんと読んでます。元の文は、
一部の「自称医療」には、そういう統計の土俵に立つこと自体を拒否されます。
ですが、これを受身とるのはかなり不自然ですよ。これが受身だとすると、「立つ」の主語はmik_narutoさん(あるいはそれに近い人)で、「拒否」するのは「自称医療」ってことになりますね。「自称医療」がそういう「立場」に「立つ」のを「拒否」する、というなら解らなくもないです。が、「自称医療」が、他人であるmik_narutoさんの「立場」を否定する、と言うのは、不自然すぎて理解し難いです。もし本当にそう言う意味であれば、表現を変えた方が良いのでは?主張自体は解らなくもないんですが、全体的に日本語の表現に問題があるように思います。
>その特徴を他の医学が取り入れた、という立場を採っても問題ないのではないですか?「西洋医学が依拠する最も重要な"科学的手法"とは、実は統計学である。物理学や化学ではない」という趣旨自体は理解していただいたと仮定して。要するにRoy.Fさんは西洋医学と科学的手法自体とを一旦分けて考えたいのだと思われ、まあそれは理解出来ます。ただ自分の知る限り、進化するためのセントラルドグマ自体を統計や疫学にがっつり移行してしまった医療系は、いわゆる現代の西洋医学以外に存在しません。(漢方やホメオパシーは、各々の理屈の体系をアプリオリに教えるのみで、薬草やレメディーの効能を科学的に実証して改善する手法を教えてくれません)。逆に、科学的手法を使ってるなら、それはもう現代のいわゆる西洋医学の一部でいいんじゃないか、というのが自分のイメージです。例えばこれ [nih.gov]見て、西洋医学が漢方薬を取り入れたと見るか、漢方医学が科学的手法を取り入れたと見るか、なら、自分は前者の表現がしっくりきます。後者に見える人がいて構わないとも思います。
>「数学により近い」と表現するのは、やはり違和感がありますねその表現が不適切だと既に認めた上で、意図を説明したはずです。文章力は精進しますが、最終的に伝わったならそれでいいです。
>受身とるのはかなり不自然ですよ日本語独特の間接受身 [nifty.com]は、不自然ですか。"迷惑の受身"とも呼びます。ただ、この場で文法議論はかっこ悪いので、表現を変えよとの提案は受け入れて能動態にします。『(困ったことに、)一部の自称医療は、“(彼らのいう医療が)統計という土俵に立つこと”を拒否します』。
ただ自分の知る限り、進化するためのセントラルドグマ自体を統計や疫学にがっつり移行してしまった医療系は、いわゆる現代の西洋医学以外に存在しません。
工学の立場から言うと、大して珍しいことではないわけで、「その程度のことをそんなに自慢(?)しなくても」って感じです。引き合いに出された物理学や化学にしても、統計とは無関係であるはずもありませんし。
漢方やホメオパシーは、各々の理屈の体系をアプリオリに教えるのみで、薬草やレメディーの効能を科学的に実証して改善する手法を教えてくれません
西洋医学だって元はそんなもんだったでしょうに。
日本語独特の間接受身は、不自然ですか。
少なくとも、ここまで説明してもらって初めて理解できる程度には不自然でしょうね。未だにmik_narutoさんが「迷惑」を蒙る理由が、他人である私には判りませんし。
横から口出して申し訳ないんですけど、医学関係者は「迷惑に感じている」ヒト多いと思いますよう。信者になってしまった患者さんの説得に時間とられて…。
信者は科学的検証の有無とは関係なく信者なんじゃないかな?だって、その信者が信仰している民間医療は、効能が科学的検証を受けてないんだよね。しかも、科学的検証を受けることすら拒否している。なのに信者は信仰してるんだよね。だとすると、科学的検証の有無で信仰は変わらないんじゃないかな?さらにだとすると、科学的検証を受けてくれないことに対して迷惑を感じるのは、いかにも筋が悪い。むしろ、科学的素養のない信者に対して迷惑を感じるべきでしょうね。
まぁお客様を迷惑に思うよりもお客様をだますヒトを迷惑に思うのが一般的ですな。お客様を迷惑だというなら客であることを拒否するだけですから、その時点で客ではなくなり「迷惑」ではなくなってしまいます。「信者」といってもエホバから、みのもんたにいたるまでさまざまですので。
患者を「お客様」と捉える視点で言うなら、そーゆー「迷惑」な「お客様」にはさっさと消えてもらった方が良いと言えるでしょう。
ただ、医療というのはそういう視点のみで語れるものではありません。だから困るってことでしょうが、それを解消するのは、科学的検証ではなくて、「お客様」に科学というものを理解してもらうことであることに違いはないでしょう。
>西洋医学だって元はそんなもんだったでしょうにRyo.Fさんにとり、西洋医学はあくまで「科学的手法を偶然先に取り入れただけのローカル医療の一種」であり、漢方やホメオパシーは、ちょっと遅いだけの、本質的に変わらない存在に見えるのですか。鳩山総理にもそう見えたのかな。だとしたら実情を知らないから言える危険な考えと言わざるを得ません。科学的に調査され否定されてもなお、科学ではない独自の理屈を拠り所に数百年も変わらず存続し続ける「医療」が、こんなに多いのに。そもそも工学の世界では、(昔は知りませんが)現代科学としてそれが確立した後にも、「中国独自の伝統工学」「某氏開祖の新興工学法」みたいなのが無数に、「同等に科学的」な学問として併存できてますか。どうしてその点において、工学と医学とが異なるべきと思うのでしょうか。料理や芸術じゃあるまいし、自然科学の知識の体系は、もはや世界で共通の1個でしょう?
>工学の立場から言うと、大して珍しいことではない経験上、(現代医学で治療法があるのに)代替医療に頼る人は、そいった定量的な思考をしない人が多いですね。それに実験室内の群間の標本検定や製品の故障率の推定と違い、医学の場合は好きに生活してる人間を相手に10年とか追跡し、倫理的問題や制限や、心理的作用の強烈なバイアスが絡む中で事実を見いだすので、適応はそう単純ではないですよ。
Ryo.Fさんにとり、西洋医学はあくまで「科学的手法を偶然先に取り入れただけのローカル医療の一種」であり、漢方やホメオパシーは、ちょっと遅いだけの、本質的に変わらない存在に見えるのですか。
科学的な手法を取り入れているかどうかには興味があります。ですから、科学的手法を取り入れた漢方と西洋医学は本質的に同じに見えます。しかし、ローカルかどうか、偶然かどうか、早いか遅いか等には興味がありません。そんなことは興味のある人に自由にやってもらえばいいことです。
科学的に調査され否定されてもなお、科学ではない独自の理屈を拠り所に数百年も変わらず存続し続ける「医療」が、こんなに多いのに。
はい。ですから、科学的手法を取り入れていない、という点でそういう医療に対しては有効性の評価ができない、と考えています。
そもそも工学の世界では、(昔は知りませんが)現代科学としてそれが確立した後にも、「中国独自の伝統工学」「某氏開祖の新興工学法」みたいなのが無数に、「同等に科学的」な学問として併存できてますか。
例えば「中国独自の伝統工芸」と言うと、美術的な意味を多分に含んでいて、その点では科学的手法を取り入れる意味があまりありません。実用品という意味で捉えるなら、科学的手法を取り入れればいいだけです。そして実際、さまざまな「伝統工芸品」が科学的手法を取り入れた他の製品に淘汰されてきました。
どうしてその点において、工学と医学とが異なるべきと思うのでしょうか。
いえ、まったく同質です。ただ、医学は倫理面が工学に比べれば厳しい、という違いは小さくないでしょう。
料理や芸術じゃあるまいし、自然科学の知識の体系は、もはや世界で共通の1個でしょう?
意味不明な言説です。だから何だ、と言いたいのですか?
経験上、(現代医学で治療法があるのに)代替医療に頼る人は、そいった定量的な思考をしない人が多いですね。
そこが一番の問題ではないか、と私は言っています。代替医療が科学的手法を取り入れようと取り入れまいと、そういう人の判断には影響を与えないわけですから。
適応はそう単純ではないですよ。
それはよく解ります。
>科学的な手法を取り入れているかどうかには興味があります。>しかし、ローカルかどうか、偶然かどうか、早いか遅いか等には興味がありません。
うーん。そもそも医学が(美術品ではなく実用する理系科学を名乗っている癖に)"代替物"を大量に残して統合できない現状って、なんか奇妙さを感じませんか。私は奇妙で、未熟なことと感じます。科学技術としての工学や数学や物理学にそんな代替物はないはずだし、別にあるべきでもないですよね。個人的に、いわゆる漢方で使っている薬の効能などは、まだまだ日本政府が率先して研究して良いと思います。そして、そういう成果は「現代医学」("西洋"を付けると語弊があるようなら、今はこう呼ばせてください)として統合され、よりより医療に繋がっていく、という姿がいいんじゃないかな、と。でも今後科学的手法を取り入れる可能性が余りに薄い代替医療に税金を使うのは、星占い師に向かって「科学になってね」とお金を渡すのと大差ないです。そして実感としてはそっちの方が遥かに多い。統計的にとっくに証明済みのワクチンの効用を否定 [homoeopathy.gr.jp]するような代替医学とか。だから「代替医学が科学になる」的な表現って、現状を考えるとちと無邪気すぎるかなと危惧します。代替医療が科学的な現代医療になれるチャンスは100年前からあったのに、そうならず、だが淘汰もされず、ただ代替医療という奇妙な存在として残っているのは、科学的成果や科学的手法をガン無視してここまでやってきたからだ、という点は大きいと思います。
そもそも医学が(美術品ではなく実用する理系科学を名乗っている癖に)"代替物"を大量に残して統合できない現状って、なんか奇妙さを感じませんか。私は奇妙で、未熟なことと感じます。
結論から言うと、ちっとも奇妙ではないし、ごくありふれた話だと思います。
説明する前に、問題を整理しましょう。まず、所謂代替医療を含む広い意味での医学をここでは医療と呼ぶとします。この医療の中で科学的手法を取り入れたものを、mik_narutoさんの案に従って現代医学と呼びます。この医療・現代医学と同じ視点で「工学」を捉えるとどうなるでしょう?工学とは、「科学、特に自然科学の知見を利用して、人間の利益となるような技術を開発し、製品・製法などを発明することを主な研究目的とする学問 [wikipedia.org]」のことですから、科学的手法に基づかない製品・製法・研究が対置されるべきでしょう。そういうものを製品開発とでも呼ぶことにしましょう# 文句が出る前に、イマイチなネーミングであることは認めます(笑)。整理すると、
がそれぞれ対応するということです。
では、現在、科学に基づかない製品開発は残っていないと言えるでしょうか?私はそうは言えないと思います。非科学的な製品はたくさんあります。例えば怪しげな燃費改善グッズ [www.fnf.jp]とかapjさんのところで批判されている水商売の類 [ocha.ac.jp]です。科学的にその効果が否定されていても、それらの製品が無くなることはありません。
それを踏まえた上で。
科学技術としての工学や数学や物理学にそんな代替物はないはずだし、別にあるべきでもないですよね。
そんな「はず」「べき」はありません。なぜなら、科学といえども人の業ですから間違う可能性もゼロではないからです。さらに言えば、科学も一つのパラダイムに過ぎませんから、現状でベストではあっても、未来永劫ベストとは言えないからです。もし科学よりベターなパラダイムがあれば、そちらに乗り換える可能性を保留しておきたいし、そういう謙虚さを持って科学を批判していくことが科学の有効性を持続させると信じているからです。
# そもそも、科学で扱うのが不適切な分野も確実にありますしね。
でも今後科学的手法を取り入れる可能性が余りに薄い代替医療に税金を使うのは、星占い師に向かって「科学になってね」とお金を渡すのと大差ないです。
問題を整理しましょう。占い師に「科学になってね」というのはおそらく、占い師に「科学的手法を取り入れてね」という意味だと理解します。それは可能か?結論から言うと、可能だけど、意味がないかもしれません。
説明の前に、占いというのは未来予知と同義ではないことに注意してください。未来予知は、そうそう当たりません。占いも同じです。だから人は、不確定な未来に不安を抱きます。これを一時的にせよ解消するのが占いの一つの機能です。しかし、占いで未来が当たることはないのですから、不安は消えないはずです。そこで、占い師はさまざまな技術を使って、未来予知が当たるかのように装います。例えば、占い師が知らないはずの現在や過去のことを当ててみせることで、未来予知が当たるかのように思い込ませる、なんてことをやります。例えば、「あなたの親戚に癌で死んだ人はいない?」なんてことを言うなどです。これは当てずっぽうで言ってもかなり高い確率で当たるわけで、子供だましに過ぎませんが、実際には様々な技法を駆使します。
そういう技法は、科学的に研究することが「可能」です。それらの技法の効果を科学的に定量化して評価することも「可能か」もしれません。しかし、そういう技法が広く知られてしまうと、その効果は無くなります。何が当たって何が当たらないかがはっきりしてしまうからです。ですから、科学的に研究することは「意味がないかもしれない」のです。
そもそも、この手の不安は、科学によって解消され切ることはないでしょう。科学をもってしても、完全な未来予測は不可能だからです。
さて、非科学的な代替医療です。現代医学で有効な治療を無意味に否定するような代替医療は確かに有害です。しかし、だからと言って非科学的な代替医療を全否定してよいのか?私はそうは思いません。なぜなら、現代医学で扱いきれない問題が確実に存在するからです。
しかしまあ、確かに科学的手法を取り入れる気のない代替医療に税金をつぎ込むのは私も賛成しませんけどね。
あーレスに全然気づいていませんでしたごめんなさい。で、その定義法と説明を見ている限り、Roy.Fさんはどうも未だに「科学=微視的メカニズムの解明」だと無意識に考えているのでは、という疑念がぬぐえません。「現代医学」を試験管や顕微鏡や化学反応式を使った何かだとでも思ってそう。「漢方が科学を取り入れる」の意味を、有効化学成分の解析か何かだと思ってそう。多少乱暴な言い方をすると「生身の人間相手には、そんなの全然有用じゃない」と開き直ったことこそが現代医学という科学なのに。Roy.Fさん的な言い方をすれば、微視的な"科学"よりベターで有用なパラダイムに、現代医学は既に乗り換えてるんじゃないですかね。
>非科学的な代替医療を全否定してよいのか?私はそうは思いません。なぜなら、現代医学で扱いきれない問題が確実に存在するからです。ここは決定的に現代医療の従事者と認識が違う所。製品開発において工学の微視的理論の範疇外から偶然産まれるプロダクトは確実に存在するでしょう。でも病気に治療が効くか効かないかを統計的に検証する手続きこそが現代医学なんだから、「現代医学で扱いきれない治療方法」って、存在しうるでしょうか? …と、もう散々ほかで既出の話ばっかなのでリンクして終わりにします。ttp://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100208ttp://d.hatena.ne.jp/lets_skeptic/20070502勿論、キカイとしての人間の仕組みと介入方法が完璧に解明できてあらゆる病気が100%治せるようになればこんなパラダイムは要りませんが、夢物語ですね。
「漢方が科学を取り入れる」の意味を、有効化学成分の解析か何かだと思ってそう。
まったくの誤解です。そうでないからこそ、工学を引き合いに出したわけです。工学は、有用であるかどうか(工学的有用性)が最も重要です。メカニズムは、解った方がいいに決まってます。しかし、解らなかったとしても工学的有用性が認められます。むしろ私は、医師であるmik_narutoさんが、なぜそんな思い込みをしてしまったのかに興味を惹かれます。
開き直ったことこそが現代医学という科学なのに。
そんなものは工学がとっくの昔に通った道程で、現代医学に特有のものでもなんでもないと思います。
でも病気に治療が効くか効かないかを統計的に検証する手続きこそが現代医学なんだから
工学的有用性を主張するときには、統計的検証を行うことは特に珍しいことじゃありませんよ。
「現代医学で扱いきれない治療方法」って、存在しうるでしょうか?
前のコメント [srad.jp]をきちんと読んでもらいましたか?読んでもらえば、私に対してそんな疑問をぶつけるような無意味なことはしないはずですが。
なるほどRoy.Fさんの考える「工学」の定義について自分は完全に誤解していました。前コメントは全て撤回します。そうなると、「工学は有用性を追究する科学だが、かといって科学に基づかない製品開発(伝統工芸品とか?)が代替品として存在することは全く構わない。科学では測れない価値もあるから」というのがRoy.Fさんの立場、ということで合ってます?それに呼応させて自分の立場を述べると、「現代医学は有用性を追究する科学である。しかも、科学に基づかない治療法が代替品として大手を振って存在するのは、それで人が死ぬ可能性がある以上、大変に困る。有用なんだったら現代医学として取り込まれ、違うなら一刻も早く廃れて欲しい、一系統の正解を求めて統合されて欲しい」となります。かなりラディカルで独善的に思われるかもしれませんが。でも手術で治せる早期癌を、野菜ジュースやナントカ還元水や漢方薬を使って本気で治そうとする患者が現に目の前にいっぱいいるのに、多様性の確保とか科学以外のパラダイムの可能性云々を無邪気に唱える余裕は、正直ないです。「科学は万能ではない」と言って治療を提供する人間はほぼ常に単なるインチキ、というのが経験則。単に置かれてる立場の問題と思いますが。
>前のコメントをきちんと読んでもらいましたか?(今も正しく理解できた自信はありませんが)Roy.Fさんがあの文脈で出した『現代科学で扱えない問題』って、スピリチュアルな救いとか、心情ケア方面の問題ですか? 確かにそれは科学というより医療倫理の話であり、その文脈なら私も代替医療や宗教や占いのメリットを積極的に認めます。そこに科学が踏み込んだら無粋なのは言うまでもありません。しかし、国が税金を投入しようとしているのは、疾患を積極的に有効かつ最適に治療するための代替医療の筈ですから、そこに限った話をしましょうよ。それに大抵の代替医療は首相すら騙せるほどの思い込ませパワーを持っていますから(笑)、プラセボとしてのメリットより、本気で信じたために被るデメリットの方が遥かに大きい、というのが自分の信条です。宗教や占いは嫌いじゃないんですが。
なるほどRoy.Fさん
前から気になってたんですが、Ryo.Fです。以後よろしく。
科学以外のパラダイムの可能性云々を無邪気に唱える余裕は、正直ないです
よくわかります。しかし、数学・物理学・化学・医学を比較するのであれば、そう言う議論も必要なんじゃないでしょうか?
そこに限った話をしましょうよ。
はい。そう言う意味では、既に「科学的手法を取り入れる気のない代替医療に税金をつぎ込むのは私も賛成しません [srad.jp]」と書きました。しかし、「そこに限った話」にならなかったのは、私のせいではないと思います。
ところで最近、『物理と数学の不思議な関係―遠くて近い二つの「科学」 [hayakawa-online.co.jp]』という本を買いました。この本の冒頭で語られている数学と物理学の差は、物理学・化学と医学にmik_narutoさんが感じた差と近いんじゃないかと思いました。
名前間違ってました…本当にすみません。なかなかスッパリと答えや有効性を示しづらい業界のため「医学は科学ではなく、権威主義のまがい物」と思われてる面は多少あって、被害者意識が強かったのかもしれません。当初言いたかったことは十分通じた(Ryo.Fさんには最初から釈迦に説法だったのでしょうが)と感じていますので、この辺で終わりにします。ありがとうございました。
なかなかスッパリと答えや有効性を示しづらい業界
自由に実験できればかなり違うんでしょうけど、そういうわけには行きませんしね。
そういう意味では、比較的自由に実験ができる他の分野とは違うってのは解ります。でも、それを捉えて、「数学に近い」ってのはやっぱり理解できないです。確かに数学は実験をしませんが、それは実験をしなくてもいいからですし。
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー
信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:4, 興味深い)
代替医療のトリック 新潮社 ISBN 4105393057 サイモン シン,エツァート エルンスト,(訳)青木 薫
とりあえずこれ読め。
立ち位置が一方的ではあるものの、それを差し引いても代替医療(≒統合医療)について考えるにはいい本。
#肯定する立場でのこういう本無いですかね。もちろん宣伝本じゃなくて。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
医師ですが、代替医療に憧れを持つ人を見ていると、『西洋医療のパワー』の意味を、多少はき違えているんじゃないかな、と思うことはあります。
自分が大学で学んだ「西洋医療」の本当の根底は、『これこれという理論や信条や薬のリストを使え』という体系や権威のことではありません。勿論それも学ぶけど、そんな知識は数年で古くなる。
『単なる欧米地方の民間療法(それこそホメオパシーも含む)』だった西洋医学が、20世紀以降に爆発的に成功した主因は、むしろそういった理論や思い込みや伝統や権威や個人の体験談を一旦排除したことだと思います。数学に裏打ちされた実験や比較や対照試験を道具とする、と決め、「ともかく効くか効かないか、確率的に、科学的に積み上げていく、これぞ最強」という発想に切り替えたことです。「この手法でこの癌の5年生存率は3%上がった」といった「証拠」を公開し、数学的に組み合わせ、少しでも成績を上げてきた方法論が現代の西洋医学。だから化学や物理よりむしろ数学に近い。
その対象は、合成薬だろうと漢方薬だろうとホメオパシーのレメディーだろうと関係ない。「メカニズムは良い、効くのかどうか?」という検証と適用のプロセスを非常に厳密にしたことで、西洋医学は他の代替医学から一線を画す成績を挙げる存在になりました。「過去の知識や権威をさっさと捨てて前に進める」ということ自体が、他の伝統的な代替医療にない特徴かもしれません。
「効く」と示せるなら、薬剤でも薬草でもナントカ還元水でも、いや気功だろうと祈祷だろうと西洋医学の一種になり得ますし、少なくとも代替医療としてお勧めすることは出来ます。代替医療の関係者もそれに理解を示してくれる人は多いです。漢方とかはある程度成果も出し、西洋医学の一部に取り込まれてる。
…が、一部の「自称医療」には、そういう統計の土俵に立つこと自体を拒否されます。自分の信条として、そいつらには医療を名乗って欲しくないという思いはあります。宗教を名乗るなら勝手ですが。
反論いっぱい来そうだけど一応IDで
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
「この手法でこの癌の5年生存率は3%上がった」といった「証拠」を公開し、数学的に組み合わせ、少しでも成績を上げてきた方法論が現代の西洋医学。だから化学や物理よりむしろ数学に近い。
言いたいことは解らなくもありませんが、「化学や物理より数学に近い」ってのが理解できません。
西洋医学は、医療に科学的手法を持ち込んで成功したとは言えると思いますが、科学的手法を用いると言う点では物理学や化学と同じであって、どれが数学に近いか、なんて問題じゃないと思います。
「効く」と示せるなら、薬剤でも薬草でもナントカ還元水でも、いや気功だろうと祈祷だろうと西洋医学の一種になり得ますし
と言うより、科学的に効果が証明された医療法として認められる、というべきでしょう。西洋医学の範疇かどうかなどどうでもいい事です。
一部の「自称医療」には、そういう統計の土俵に立つこと自体を拒否されます。自分の信条として、そいつらには
なんでそこで尊敬語なんでしょうか?受身でもありませんよね?
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
>「化学や物理より数学に近い」ってのが理解できません
説明不足でした。より正確には「(物理や化学に代表される)微視的なメカニズムの解明より、(数学の一分野である)統計・確率論による実証を最優先の規範とする、と割り切って、そっちに特化してみたら成功しちゃった学問だ」ということです。自分は「代替医療のトリック」は未読ですが、レビューを読む限りはそういうことを書かれてる本のように見えるので、ここにぶら下げました。医学で物事を実証するための「科学的手法」は「疫学」という学問にまとまっているのですが、その概要をWikipedia辺りで見ると、「科学的手法とやらが、物理学の道具と全然違う」の意味が分かるかと思います。医師が有機化学を忘れても大して困りませんが、この辺の確率のセンスを忘れると判断を誤るので色々と悲惨です。(あ、今言ってるのは、実験室内で基礎研究をする医学ではなく、実際の患者の至適治療法を現に決める必要がある臨床医学の話ね)
>科学的に効果が証明された医療法として認められる、というべきでしょう。西洋医学の範疇かどうかなどどうでもいい事です。
うーん。「科学的に効果を証明」が、それ即ち西洋医学の特徴なので。「抗癌剤よりツボが効くと統計的に実証されたら、明日からツボをを使う」という姿勢こそを西洋医学と思って欲しくて、「抗癌剤を使う」自体を西洋医学と思わないで欲しいな、というか。漢方は漢方薬が無くなると漢方でなくなるかもしれませんが、西洋医学が西洋医学であるために抗癌剤は要りません。「西洋医学VS漢方」という対立は、究極的には存在しません。そういうニュアンスの話なので、「代替医療でも、効くならそれは西洋医学の一種になる」という(直感的には受け入れがたい)表現を敢えて使いました。
>なんでそこで尊敬語なんでしょうか?
そこは受け身です。恐らく「には」の「に」を読み落としたのではないでしょうか。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
より正確には「(物理や化学に代表される)微視的なメカニズムの解明より、(数学の一分野である)統計・確率論による実証を最優先の規範とする
それを捉えて「数学により近い」と表現するのは、やはり違和感がありますね。例えば、物理学だって、数学の一分野である微分積分学を使いますよね。物理学と微分積分学の関係と医学と統計学の関係を比較して、どちらが数学に近いかなど、評価のしようがありません。
科学的手法とやらが、物理学の道具と全然違う
解りません。どちらも数学と無関係ではないけれど、数学のどの分野と近いか、ということが違うのだろうとは思いますが。
それ即ち西洋医学の特徴なので。
その特徴を他の医学が取り入れた、という立場を採っても問題ないのではないですか?西洋医学だって、かなり後になって科学的手法を取り入れたわけですから。
そういうニュアンスの話なので、「代替医療でも、効くならそれは西洋医学の一種になる」という(直感的には受け入れがたい)表現を敢えて使いました。
むしろ私は、その辺りには全然違和感を感じませんよ。なぜなら、それが科学なんですから。
そこは受け身です。恐らく「には」の「に」を読み落としたのではないでしょうか。
読み落としたのはRyo.Fだ、という主張ですか?そんなことはありませんよ。ちゃんと読んでます。元の文は、
一部の「自称医療」には、そういう統計の土俵に立つこと自体を拒否されます。
ですが、これを受身とるのはかなり不自然ですよ。これが受身だとすると、「立つ」の主語はmik_narutoさん(あるいはそれに近い人)で、「拒否」するのは「自称医療」ってことになりますね。「自称医療」がそういう「立場」に「立つ」のを「拒否」する、というなら解らなくもないです。が、「自称医療」が、他人であるmik_narutoさんの「立場」を否定する、と言うのは、不自然すぎて理解し難いです。もし本当にそう言う意味であれば、表現を変えた方が良いのでは?
主張自体は解らなくもないんですが、全体的に日本語の表現に問題があるように思います。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
>その特徴を他の医学が取り入れた、という立場を採っても問題ないのではないですか?
「西洋医学が依拠する最も重要な"科学的手法"とは、実は統計学である。物理学や化学ではない」という趣旨自体は理解していただいたと仮定して。要するにRoy.Fさんは西洋医学と科学的手法自体とを一旦分けて考えたいのだと思われ、まあそれは理解出来ます。ただ自分の知る限り、進化するためのセントラルドグマ自体を統計や疫学にがっつり移行してしまった医療系は、いわゆる現代の西洋医学以外に存在しません。(漢方やホメオパシーは、各々の理屈の体系をアプリオリに教えるのみで、薬草やレメディーの効能を科学的に実証して改善する手法を教えてくれません)。逆に、科学的手法を使ってるなら、それはもう現代のいわゆる西洋医学の一部でいいんじゃないか、というのが自分のイメージです。例えばこれ [nih.gov]見て、西洋医学が漢方薬を取り入れたと見るか、漢方医学が科学的手法を取り入れたと見るか、なら、自分は前者の表現がしっくりきます。後者に見える人がいて構わないとも思います。
>「数学により近い」と表現するのは、やはり違和感がありますね
その表現が不適切だと既に認めた上で、意図を説明したはずです。文章力は精進しますが、最終的に伝わったならそれでいいです。
>受身とるのはかなり不自然ですよ
日本語独特の間接受身 [nifty.com]は、不自然ですか。"迷惑の受身"とも呼びます。ただ、この場で文法議論はかっこ悪いので、表現を変えよとの提案は受け入れて能動態にします。『(困ったことに、)一部の自称医療は、“(彼らのいう医療が)統計という土俵に立つこと”を拒否します』。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
ただ自分の知る限り、進化するためのセントラルドグマ自体を統計や疫学にがっつり移行してしまった医療系は、いわゆる現代の西洋医学以外に存在しません。
工学の立場から言うと、大して珍しいことではないわけで、「その程度のことをそんなに自慢(?)しなくても」って感じです。引き合いに出された物理学や化学にしても、統計とは無関係であるはずもありませんし。
漢方やホメオパシーは、各々の理屈の体系をアプリオリに教えるのみで、薬草やレメディーの効能を科学的に実証して改善する手法を教えてくれません
西洋医学だって元はそんなもんだったでしょうに。
日本語独特の間接受身は、不自然ですか。
少なくとも、ここまで説明してもらって初めて理解できる程度には不自然でしょうね。未だにmik_narutoさんが「迷惑」を蒙る理由が、他人である私には判りませんし。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
横から口出して申し訳ないんですけど、医学関係者は「迷惑に感じている」ヒト多いと思いますよう。
信者になってしまった患者さんの説得に時間とられて…。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
信者は科学的検証の有無とは関係なく信者なんじゃないかな?だって、その信者が信仰している民間医療は、効能が科学的検証を受けてないんだよね。しかも、科学的検証を受けることすら拒否している。なのに信者は信仰してるんだよね。だとすると、科学的検証の有無で信仰は変わらないんじゃないかな?
さらにだとすると、科学的検証を受けてくれないことに対して迷惑を感じるのは、いかにも筋が悪い。
むしろ、科学的素養のない信者に対して迷惑を感じるべきでしょうね。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
まぁお客様を迷惑に思うよりもお客様をだますヒトを迷惑に思うのが一般的ですな。お客様を迷惑だというなら客であることを拒否するだけですから、その時点で客ではなくなり「迷惑」ではなくなってしまいます。
「信者」といってもエホバから、みのもんたにいたるまでさまざまですので。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
患者を「お客様」と捉える視点で言うなら、そーゆー「迷惑」な「お客様」にはさっさと消えてもらった方が良いと言えるでしょう。
ただ、医療というのはそういう視点のみで語れるものではありません。だから困るってことでしょうが、それを解消するのは、科学的検証ではなくて、「お客様」に科学というものを理解してもらうことであることに違いはないでしょう。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
>西洋医学だって元はそんなもんだったでしょうに
Ryo.Fさんにとり、西洋医学はあくまで「科学的手法を偶然先に取り入れただけのローカル医療の一種」であり、漢方やホメオパシーは、ちょっと遅いだけの、本質的に変わらない存在に見えるのですか。鳩山総理にもそう見えたのかな。だとしたら実情を知らないから言える危険な考えと言わざるを得ません。科学的に調査され否定されてもなお、科学ではない独自の理屈を拠り所に数百年も変わらず存続し続ける「医療」が、こんなに多いのに。
そもそも工学の世界では、(昔は知りませんが)現代科学としてそれが確立した後にも、「中国独自の伝統工学」「某氏開祖の新興工学法」みたいなのが無数に、「同等に科学的」な学問として併存できてますか。どうしてその点において、工学と医学とが異なるべきと思うのでしょうか。料理や芸術じゃあるまいし、自然科学の知識の体系は、もはや世界で共通の1個でしょう?
>工学の立場から言うと、大して珍しいことではない
経験上、(現代医学で治療法があるのに)代替医療に頼る人は、そいった定量的な思考をしない人が多いですね。それに実験室内の群間の標本検定や製品の故障率の推定と違い、医学の場合は好きに生活してる人間を相手に10年とか追跡し、倫理的問題や制限や、心理的作用の強烈なバイアスが絡む中で事実を見いだすので、適応はそう単純ではないですよ。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
Ryo.Fさんにとり、西洋医学はあくまで「科学的手法を偶然先に取り入れただけのローカル医療の一種」であり、漢方やホメオパシーは、ちょっと遅いだけの、本質的に変わらない存在に見えるのですか。
科学的な手法を取り入れているかどうかには興味があります。ですから、科学的手法を取り入れた漢方と西洋医学は本質的に同じに見えます。
しかし、ローカルかどうか、偶然かどうか、早いか遅いか等には興味がありません。そんなことは興味のある人に自由にやってもらえばいいことです。
科学的に調査され否定されてもなお、科学ではない独自の理屈を拠り所に数百年も変わらず存続し続ける「医療」が、こんなに多いのに。
はい。ですから、科学的手法を取り入れていない、という点でそういう医療に対しては有効性の評価ができない、と考えています。
そもそも工学の世界では、(昔は知りませんが)現代科学としてそれが確立した後にも、「中国独自の伝統工学」「某氏開祖の新興工学法」みたいなのが無数に、「同等に科学的」な学問として併存できてますか。
例えば「中国独自の伝統工芸」と言うと、美術的な意味を多分に含んでいて、その点では科学的手法を取り入れる意味があまりありません。
実用品という意味で捉えるなら、科学的手法を取り入れればいいだけです。そして実際、さまざまな「伝統工芸品」が科学的手法を取り入れた他の製品に淘汰されてきました。
どうしてその点において、工学と医学とが異なるべきと思うのでしょうか。
いえ、まったく同質です。
ただ、医学は倫理面が工学に比べれば厳しい、という違いは小さくないでしょう。
料理や芸術じゃあるまいし、自然科学の知識の体系は、もはや世界で共通の1個でしょう?
意味不明な言説です。だから何だ、と言いたいのですか?
経験上、(現代医学で治療法があるのに)代替医療に頼る人は、そいった定量的な思考をしない人が多いですね。
そこが一番の問題ではないか、と私は言っています。代替医療が科学的手法を取り入れようと取り入れまいと、そういう人の判断には影響を与えないわけですから。
適応はそう単純ではないですよ。
それはよく解ります。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
>科学的な手法を取り入れているかどうかには興味があります。
>しかし、ローカルかどうか、偶然かどうか、早いか遅いか等には興味がありません。
うーん。そもそも医学が(美術品ではなく実用する理系科学を名乗っている癖に)"代替物"を大量に残して統合できない現状って、なんか奇妙さを感じませんか。私は奇妙で、未熟なことと感じます。科学技術としての工学や数学や物理学にそんな代替物はないはずだし、別にあるべきでもないですよね。
個人的に、いわゆる漢方で使っている薬の効能などは、まだまだ日本政府が率先して研究して良いと思います。そして、そういう成果は「現代医学」("西洋"を付けると語弊があるようなら、今はこう呼ばせてください)として統合され、よりより医療に繋がっていく、という姿がいいんじゃないかな、と。
でも今後科学的手法を取り入れる可能性が余りに薄い代替医療に税金を使うのは、星占い師に向かって「科学になってね」とお金を渡すのと大差ないです。そして実感としてはそっちの方が遥かに多い。統計的にとっくに証明済みのワクチンの効用を否定 [homoeopathy.gr.jp]するような代替医学とか。だから「代替医学が科学になる」的な表現って、現状を考えるとちと無邪気すぎるかなと危惧します。代替医療が科学的な現代医療になれるチャンスは100年前からあったのに、そうならず、だが淘汰もされず、ただ代替医療という奇妙な存在として残っているのは、科学的成果や科学的手法をガン無視してここまでやってきたからだ、という点は大きいと思います。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
そもそも医学が(美術品ではなく実用する理系科学を名乗っている癖に)"代替物"を大量に残して統合できない現状って、なんか奇妙さを感じませんか。私は奇妙で、未熟なことと感じます。
結論から言うと、ちっとも奇妙ではないし、ごくありふれた話だと思います。
説明する前に、問題を整理しましょう。まず、所謂代替医療を含む広い意味での医学をここでは医療と呼ぶとします。この医療の中で科学的手法を取り入れたものを、mik_narutoさんの案に従って現代医学と呼びます。
この医療・現代医学と同じ視点で「工学」を捉えるとどうなるでしょう?工学とは、「科学、特に自然科学の知見を利用して、人間の利益となるような技術を開発し、製品・製法などを発明することを主な研究目的とする学問 [wikipedia.org]」のことですから、科学的手法に基づかない製品・製法・研究が対置されるべきでしょう。そういうものを製品開発とでも呼ぶことにしましょう
# 文句が出る前に、イマイチなネーミングであることは認めます(笑)。
整理すると、
がそれぞれ対応するということです。
では、現在、科学に基づかない製品開発は残っていないと言えるでしょうか?私はそうは言えないと思います。非科学的な製品はたくさんあります。例えば怪しげな燃費改善グッズ [www.fnf.jp]とかapjさんのところで批判されている水商売の類 [ocha.ac.jp]です。科学的にその効果が否定されていても、それらの製品が無くなることはありません。
それを踏まえた上で。
科学技術としての工学や数学や物理学にそんな代替物はないはずだし、別にあるべきでもないですよね。
そんな「はず」「べき」はありません。なぜなら、科学といえども人の業ですから間違う可能性もゼロではないからです。さらに言えば、科学も一つのパラダイムに過ぎませんから、現状でベストではあっても、未来永劫ベストとは言えないからです。もし科学よりベターなパラダイムがあれば、そちらに乗り換える可能性を保留しておきたいし、そういう謙虚さを持って科学を批判していくことが科学の有効性を持続させると信じているからです。
# そもそも、科学で扱うのが不適切な分野も確実にありますしね。
でも今後科学的手法を取り入れる可能性が余りに薄い代替医療に税金を使うのは、星占い師に向かって「科学になってね」とお金を渡すのと大差ないです。
問題を整理しましょう。占い師に「科学になってね」というのはおそらく、占い師に「科学的手法を取り入れてね」という意味だと理解します。
それは可能か?結論から言うと、可能だけど、意味がないかもしれません。
説明の前に、占いというのは未来予知と同義ではないことに注意してください。未来予知は、そうそう当たりません。占いも同じです。
だから人は、不確定な未来に不安を抱きます。これを一時的にせよ解消するのが占いの一つの機能です。しかし、占いで未来が当たることはないのですから、不安は消えないはずです。
そこで、占い師はさまざまな技術を使って、未来予知が当たるかのように装います。例えば、占い師が知らないはずの現在や過去のことを当ててみせることで、未来予知が当たるかのように思い込ませる、なんてことをやります。例えば、「あなたの親戚に癌で死んだ人はいない?」なんてことを言うなどです。これは当てずっぽうで言ってもかなり高い確率で当たるわけで、子供だましに過ぎませんが、実際には様々な技法を駆使します。
そういう技法は、科学的に研究することが「可能」です。それらの技法の効果を科学的に定量化して評価することも「可能か」もしれません。
しかし、そういう技法が広く知られてしまうと、その効果は無くなります。何が当たって何が当たらないかがはっきりしてしまうからです。ですから、科学的に研究することは「意味がないかもしれない」のです。
そもそも、この手の不安は、科学によって解消され切ることはないでしょう。科学をもってしても、完全な未来予測は不可能だからです。
さて、非科学的な代替医療です。現代医学で有効な治療を無意味に否定するような代替医療は確かに有害です。しかし、だからと言って非科学的な代替医療を全否定してよいのか?私はそうは思いません。なぜなら、現代医学で扱いきれない問題が確実に存在するからです。
しかしまあ、確かに科学的手法を取り入れる気のない代替医療に税金をつぎ込むのは私も賛成しませんけどね。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
あーレスに全然気づいていませんでしたごめんなさい。
で、その定義法と説明を見ている限り、Roy.Fさんはどうも未だに「科学=微視的メカニズムの解明」だと無意識に考えているのでは、という疑念がぬぐえません。「現代医学」を試験管や顕微鏡や化学反応式を使った何かだとでも思ってそう。「漢方が科学を取り入れる」の意味を、有効化学成分の解析か何かだと思ってそう。多少乱暴な言い方をすると「生身の人間相手には、そんなの全然有用じゃない」と開き直ったことこそが現代医学という科学なのに。Roy.Fさん的な言い方をすれば、微視的な"科学"よりベターで有用なパラダイムに、現代医学は既に乗り換えてるんじゃないですかね。
>非科学的な代替医療を全否定してよいのか?私はそうは思いません。なぜなら、現代医学で扱いきれない問題が確実に存在するからです。
ここは決定的に現代医療の従事者と認識が違う所。製品開発において工学の微視的理論の範疇外から偶然産まれるプロダクトは確実に存在するでしょう。でも病気に治療が効くか効かないかを統計的に検証する手続きこそが現代医学なんだから、「現代医学で扱いきれない治療方法」って、存在しうるでしょうか? …と、もう散々ほかで既出の話ばっかなのでリンクして終わりにします。
ttp://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100208
ttp://d.hatena.ne.jp/lets_skeptic/20070502
勿論、キカイとしての人間の仕組みと介入方法が完璧に解明できてあらゆる病気が100%治せるようになればこんなパラダイムは要りませんが、夢物語ですね。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
「漢方が科学を取り入れる」の意味を、有効化学成分の解析か何かだと思ってそう。
まったくの誤解です。そうでないからこそ、工学を引き合いに出したわけです。工学は、有用であるかどうか(工学的有用性)が最も重要です。メカニズムは、解った方がいいに決まってます。しかし、解らなかったとしても工学的有用性が認められます。
むしろ私は、医師であるmik_narutoさんが、なぜそんな思い込みをしてしまったのかに興味を惹かれます。
開き直ったことこそが現代医学という科学なのに。
そんなものは工学がとっくの昔に通った道程で、現代医学に特有のものでもなんでもないと思います。
でも病気に治療が効くか効かないかを統計的に検証する手続きこそが現代医学なんだから
工学的有用性を主張するときには、統計的検証を行うことは特に珍しいことじゃありませんよ。
「現代医学で扱いきれない治療方法」って、存在しうるでしょうか?
前のコメント [srad.jp]をきちんと読んでもらいましたか?読んでもらえば、私に対してそんな疑問をぶつけるような無意味なことはしないはずですが。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
なるほどRoy.Fさんの考える「工学」の定義について自分は完全に誤解していました。前コメントは全て撤回します。
そうなると、「工学は有用性を追究する科学だが、かといって科学に基づかない製品開発(伝統工芸品とか?)が代替品として存在することは全く構わない。科学では測れない価値もあるから」というのがRoy.Fさんの立場、ということで合ってます?
それに呼応させて自分の立場を述べると、「現代医学は有用性を追究する科学である。しかも、科学に基づかない治療法が代替品として大手を振って存在するのは、それで人が死ぬ可能性がある以上、大変に困る。有用なんだったら現代医学として取り込まれ、違うなら一刻も早く廃れて欲しい、一系統の正解を求めて統合されて欲しい」となります。かなりラディカルで独善的に思われるかもしれませんが。でも手術で治せる早期癌を、野菜ジュースやナントカ還元水や漢方薬を使って本気で治そうとする患者が現に目の前にいっぱいいるのに、多様性の確保とか科学以外のパラダイムの可能性云々を無邪気に唱える余裕は、正直ないです。「科学は万能ではない」と言って治療を提供する人間はほぼ常に単なるインチキ、というのが経験則。単に置かれてる立場の問題と思いますが。
>前のコメントをきちんと読んでもらいましたか?
(今も正しく理解できた自信はありませんが)Roy.Fさんがあの文脈で出した『現代科学で扱えない問題』って、スピリチュアルな救いとか、心情ケア方面の問題ですか? 確かにそれは科学というより医療倫理の話であり、その文脈なら私も代替医療や宗教や占いのメリットを積極的に認めます。そこに科学が踏み込んだら無粋なのは言うまでもありません。しかし、国が税金を投入しようとしているのは、疾患を積極的に有効かつ最適に治療するための代替医療の筈ですから、そこに限った話をしましょうよ。それに大抵の代替医療は首相すら騙せるほどの思い込ませパワーを持っていますから(笑)、プラセボとしてのメリットより、本気で信じたために被るデメリットの方が遥かに大きい、というのが自分の信条です。宗教や占いは嫌いじゃないんですが。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
なるほどRoy.Fさん
前から気になってたんですが、Ryo.Fです。以後よろしく。
科学以外のパラダイムの可能性云々を無邪気に唱える余裕は、正直ないです
よくわかります。
しかし、数学・物理学・化学・医学を比較するのであれば、そう言う議論も必要なんじゃないでしょうか?
そこに限った話をしましょうよ。
はい。そう言う意味では、既に「科学的手法を取り入れる気のない代替医療に税金をつぎ込むのは私も賛成しません [srad.jp]」と書きました。
しかし、「そこに限った話」にならなかったのは、私のせいではないと思います。
ところで最近、『物理と数学の不思議な関係―遠くて近い二つの「科学」 [hayakawa-online.co.jp]』という本を買いました。この本の冒頭で語られている数学と物理学の差は、物理学・化学と医学にmik_narutoさんが感じた差と近いんじゃないかと思いました。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
名前間違ってました…本当にすみません。
なかなかスッパリと答えや有効性を示しづらい業界のため「医学は科学ではなく、権威主義のまがい物」と思われてる面は多少あって、被害者意識が強かったのかもしれません。当初言いたかったことは十分通じた(Ryo.Fさんには最初から釈迦に説法だったのでしょうが)と感じていますので、この辺で終わりにします。ありがとうございました。
Re:信じる人も信じない人もよくわかんないって人も (スコア:1)
なかなかスッパリと答えや有効性を示しづらい業界
自由に実験できればかなり違うんでしょうけど、そういうわけには行きませんしね。
そういう意味では、比較的自由に実験ができる他の分野とは違うってのは解ります。でも、それを捉えて、「数学に近い」ってのはやっぱり理解できないです。確かに数学は実験をしませんが、それは実験をしなくてもいいからですし。
Re: (スコア:0)
> 一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。
なんて表示されるんです、まったく。
# ただの見当違いな八つ当たりなのでAC
Re: (スコア:0)
#この分野のことをあまりちゃんと知らなかったので、楽しく読めました。