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NASA のガンマ線バースト観測衛星 Swift、観測装置に影響を与えるほどのガンマ線バーストを検出」記事へのコメント

  • 研究の背景 (スコア:3, 参考になる)

    by tmkzr (19129) on 2010年07月22日 2時36分 (#1798693) 日記

    研究の背景とトレンドをもう少し詳しく説明してみます。

    最初は、GRBはガンマ線という高いエネルギーで光っているため、 「GRBは我々の銀河内で起こっているのではないか(~それほど総エネルギーは高くない)」 という説が主流でしたが、BATSEという衛星のデータでは、GRBは全天で均等に起こっており、 (銀河内で起こっているならば、天の川に沿って多くなるはず) GRB銀河内説に否定的な結果で、やがて、GRB残光の赤方偏移が測定されると、 GRBが宇宙論的距離(Z~1、数十億光年)で起こっていることが確定的になりました。 これが1997年です。 そうするとかなり大きなエネルギーを一瞬で放出することになり、この結果は衝撃的なものでした。 (太陽がその一生に費やすエネルギーを、数秒から数時間の間に放出することになる)

    ただ、「GRBはジェットを形成している (全方位に等方的に爆発するのではなく、ある方向に集中して物質、光を放出している)」 という説が主流になっており、等方的に爆発しているという仮定よりは、 エネルギーが小さそうということになっています。 ただそうすると、たまたまこっちを向いていたGRBだけ観測されるということになり、 現状一日一個程度観測されるGRBは、本当はもっと頻繁に起こっているということになります。

    Swift衛星はGRB観測専門の科学衛星であり、2005年に打ち上げられましたが さまざまな優れた結果がでており、この5年で研究もかなり進んでいると言えると思います。 Swift衛星は、GRBを捉えた場合に、即座にインターネットにアラートを発し、 地上の望遠鏡と協力して残光観測を行います。インターネットからアラートを受け取って 自動で制御するロボティック観測は、大きな口径を持った望遠鏡でなくても スピードで対抗できるため、現在の流行です。(ROTSEなどのグループが有名)

    またSwiftはデータを基本的にすべて公開 [nasa.gov]しており、 ネット環境とPCがあれば誰でもデータ解析可能です。

    ちなみに日本は宇宙科学分野ではX線観測がすごく強いのですが、 検出器開発などでSwiftにも協力しています。

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