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この手の大出力レーザーの射程が長いというのは大きな誤解じゃないかな。いくら波長が揃っていてもまったく拡散しないわけではないから距離が遠くなると面積あたりの出力が大幅に下がってしまう。産業用のフェムトレーザーなら大した出力で無くても鉄板に穴を開けることが出来るがほんの少し離しただけでもう無理。出力が大きくなるほど光が広がるのを防ぐのは難しくなる。そうじゃなければ、大陸間弾道弾や中距離ミサイル迎撃用に予算がついてるはず。どんなに費用がかかっても実質配備されてる施設のほんの周辺しか守れない某迎撃ミサイルよりマシなはず。この場合接近してくる飛翔体を大出力で蒸し焼きにしてるんじゃないかな?本当なら、狭い範囲にごく短時間照射出来れば効率的に破壊出来るんだろうけど、数キロ離れた相手だと原理的に無理。これだと電気代も大変だけど、次々新手が迫ってくると電源がもたないんじゃないか?
>産業用のフェムトレーザーなら大した出力で無くても鉄板に穴を開けることが出来るがほんの少し離しただけでもう無理。>出力が大きくなるほど光が広がるのを防ぐのは難しくなる。>そうじゃなければ、大陸間弾道弾や中距離ミサイル迎撃用に予算がついてるはず。
はい。もう予算ついてます。エアボーン・レーザー計画と申しまして、数百キロ先の上昇中の大陸間弾道弾のボディーにレーザーを当てて表面を弱らせて、空気抵抗で壊そうというアイデアです。すでにAL-1という試作機 [wikipedia.org]が作られて飛んでます。
さすがに積んでるのは化学レーザーだそうです。
でもってhttp://www.jiji.com/jc/zc?k=201002/2010021400100 [jiji.com]今年の二月にはミサイル撃墜実験にも成功してたりします。
学部生時代にレーザ設備を間借りしていただけの者です。
空気中で、ビーム径が1cm程度の高強度レーザを使うと、空気が熱せられてレーザ中央部の空気が薄くなり、空気が凸レンズになってレーザを集光させてしまう現象があるみたいです。ビーム径によってこの効果は発散・集光のどちらの側面を持つかが変わるので、微細加工レーザには発散の側面が強いかも知れませんが、兵器としてのレーザ径なら、集光効果の方が強いんじゃないでしょうか。
>距離が遠くなると面積あたりの出力が大幅に下がってしまう。
それは射出側の口径に依存しますので、ある程度でかいビーム径で照射すればターゲット部位ではそれなりに絞れます。回折限界で行けば(実際には光学系が完全でないのでこの倍程度には広がりますが)、波長λのレーザーで口径がr、標的までの距離がLなら、おおざっぱに言って標的部分でのスポット径aは
a∼Lλ/r
となります。今回の系では波長が1&mulm、口径は……どんなもんなんでしょうね?とりあえず10cmとしておきますが、で、10km先を狙うと、
a∼10 cm
程度になります。口径が1mなら1cm程度のスポットにまで絞り込めます。数十kWを1-10cmのスポットに絞り込めればまあ結構いけるんじゃないでしょうか。
>産業用のフェムトレーザーなら大した出力で無くても鉄板に穴を開けることが出来るがほんの少し離しただけでもう無理。
これは焦点距離を短く取っている系ですし。また、フェムト秒レーザーだと波長のばらつきが大きい(発生法由来のばらつきもありますし、このあたりから不確定性によるばらつき(パルス幅が短いと波長が定義できない)も効いてきますし)ため、単波長レーザーに比べて光学系的に不利ってのもあります。
>そうじゃなければ、大陸間弾道弾や中距離ミサイル迎撃用に予算がついてるはず。
とっくに付いてます。といっても初期ブースト段階の迎撃用ですが。発射直後の弾道ミサイルを加速段階で100-400km程度離れた空中から撃墜するためのエアボーンレーザーが研究中(一部試験に成功)です。レーザーの出力が100kWだなんだと言っても、迎撃用のミサイルが瞬間的に出す熱量に比べれば小さいため、弾道弾の破壊には数秒以上の照射が必要となります。このため、加速段階のような低速のミサイルに対してしか用いることが出来ません。しかし、航空優勢な地域から遠隔で破壊できるという利点や、ABC兵器を敵国領内で破壊できるという利点から、現在でも研究は続いています。
衛星として打ち上げて、潤沢な太陽光発電利用してデブリを焼き落とすって用途でもダメかしら...
それなら、ミラーを大量に並べて焦点調整して焼き払った方が早いんじゃないでしょうか?
#連邦のソーラーシステムのごとく・・・
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー
大きな誤解 (スコア:1, 参考になる)
この手の大出力レーザーの射程が長いというのは大きな誤解じゃないかな。
いくら波長が揃っていてもまったく拡散しないわけではないから距離が遠くなると面積あたりの出力が大幅に下がってしまう。
産業用のフェムトレーザーなら大した出力で無くても鉄板に穴を開けることが出来るがほんの少し離しただけでもう無理。
出力が大きくなるほど光が広がるのを防ぐのは難しくなる。
そうじゃなければ、大陸間弾道弾や中距離ミサイル迎撃用に予算がついてるはず。
どんなに費用がかかっても実質配備されてる施設のほんの周辺しか守れない某迎撃ミサイルよりマシなはず。
この場合接近してくる飛翔体を大出力で蒸し焼きにしてるんじゃないかな?
本当なら、狭い範囲にごく短時間照射出来れば効率的に破壊出来るんだろうけど、数キロ離れた相手だと原理的に無理。
これだと電気代も大変だけど、次々新手が迫ってくると電源がもたないんじゃないか?
もうあります (スコア:4, 参考になる)
>産業用のフェムトレーザーなら大した出力で無くても鉄板に穴を開けることが出来るがほんの少し離しただけでもう無理。
>出力が大きくなるほど光が広がるのを防ぐのは難しくなる。
>そうじゃなければ、大陸間弾道弾や中距離ミサイル迎撃用に予算がついてるはず。
はい。もう予算ついてます。
エアボーン・レーザー計画と申しまして、数百キロ先の上昇中の大陸間弾道弾のボディーにレーザーを当てて表面を弱らせて、空気抵抗で壊そうというアイデアです。
すでにAL-1という試作機 [wikipedia.org]が作られて飛んでます。
さすがに積んでるのは化学レーザーだそうです。
でもって
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201002/2010021400100 [jiji.com]
今年の二月にはミサイル撃墜実験にも成功してたりします。
Re:大きな誤解 (スコア:2, 興味深い)
学部生時代にレーザ設備を間借りしていただけの者です。
空気中で、ビーム径が1cm程度の高強度レーザを使うと、空気が熱せられてレーザ中央部の空気が薄くなり、空気が凸レンズになってレーザを集光させてしまう現象があるみたいです。
ビーム径によってこの効果は発散・集光のどちらの側面を持つかが変わるので、微細加工レーザには発散の側面が強いかも知れませんが、兵器としてのレーザ径なら、集光効果の方が強いんじゃないでしょうか。
Re:大きな誤解 (スコア:1, 参考になる)
>距離が遠くなると面積あたりの出力が大幅に下がってしまう。
それは射出側の口径に依存しますので、ある程度でかいビーム径で照射すればターゲット部位ではそれなりに絞れます。
回折限界で行けば(実際には光学系が完全でないのでこの倍程度には広がりますが)、波長λのレーザーで口径がr、標的までの距離がLなら、おおざっぱに言って標的部分でのスポット径aは
a∼Lλ/r
となります。
今回の系では波長が1&mulm、口径は……どんなもんなんでしょうね?とりあえず10cmとしておきますが、で、10km先を狙うと、
a∼10 cm
程度になります。口径が1mなら1cm程度のスポットにまで絞り込めます。数十kWを1-10cmのスポットに絞り込めればまあ結構いけるんじゃないでしょうか。
>産業用のフェムトレーザーなら大した出力で無くても鉄板に穴を開けることが出来るがほんの少し離しただけでもう無理。
これは焦点距離を短く取っている系ですし。また、フェムト秒レーザーだと波長のばらつきが大きい(発生法由来のばらつきもありますし、このあたりから不確定性によるばらつき(パルス幅が短いと波長が定義できない)も効いてきますし)ため、単波長レーザーに比べて光学系的に不利ってのもあります。
>そうじゃなければ、大陸間弾道弾や中距離ミサイル迎撃用に予算がついてるはず。
とっくに付いてます。といっても初期ブースト段階の迎撃用ですが。
発射直後の弾道ミサイルを加速段階で100-400km程度離れた空中から撃墜するためのエアボーンレーザーが研究中(一部試験に成功)です。
レーザーの出力が100kWだなんだと言っても、迎撃用のミサイルが瞬間的に出す熱量に比べれば小さいため、弾道弾の破壊には数秒以上の照射が必要となります。このため、加速段階のような低速のミサイルに対してしか用いることが出来ません。
しかし、航空優勢な地域から遠隔で破壊できるという利点や、ABC兵器を敵国領内で破壊できるという利点から、現在でも研究は続いています。
Re: (スコア:0)
衛星として打ち上げて、潤沢な太陽光発電利用して
デブリを焼き落とすって用途でもダメかしら...
Re: (スコア:0)
それなら、ミラーを大量に並べて焦点調整して焼き払った方が早いんじゃないでしょうか?
#連邦のソーラーシステムのごとく・・・