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赤外光を利用できるクロロフィルはあるよ。http://bio.hamajima.co.jp/topics/2010/09/27/chlorophyllf/ [hamajima.co.jp]
なんだか「赤外線」の定義がてんでばらばらな状況で議論されているなあ。このクロロフィルは0.72ミクロンを赤外線といっているけど,エネルギー的に可視光といっても構わないでしょう。
それに対して,「雲との熱収支が…」とかいっている議論は300Kくらいの物体との輻射熱の交換の話なので、10ミクロンくらいのはなしですな。
で、今回のプレスリリースですが,Si太陽電池との比較といっているからには吸収する波長はシリコンのバンドギャップの1.1ミクロン以下。それをふまえて改めてプレスリリースを見てみると,いくらマスコミとはいえ随分と杜撰な内容な気がします。そもそも吸収する波長くらいは書け。
というわけで、検索したら
はたして、この報道が予算獲得の足しになるだろうか?な~んか、なりそうもないと思うのは私だけ?(だいたい見るんか?)
>逆に言えば、曇天のときはそれだけ返って来ていると言うこと。
赤外線が返ってきてようがなんだろうが、そのそもそもの熱源の温度が太陽電池の温度より高くなければ発電は出来ないよ(cf. 第二法則)高温熱源がある場合はまあ可能だけど、太陽電池と同じようなところに転がってる物(=だいたい同じ温度の物)からの赤外線では発電できない。
>光源の温度が関係するんですか?
関係します.関係しないんだとすると第二法則が破綻します.そもそも,熱力学の3法則から,温度差(自由エネルギー差とか化学ポテンシャル差も含む)のないところではエネルギーを生み出せません.高温側(高エネルギー側)から低温側(低エネルギー側)にエネルギーを捨てる過程が成立して初めてエネルギーを別の形で取り出すことが出来ます.これは(一見したところ)温度差を利用していないシステムにおいても同様です(実際にはエネルギーを低温側に捨てる過程が暗に含まれている).
まず,低温(温度T)の熱源からは長波長を主成分とする光が放射されます.これを受光する側も温度Tだとしましょう.受光する場合,ある状態(とりあえず基底状態としましょう)から別の励起状態(励起状態は一個しかないとしましょう)に移ることで吸収します.さて,この受光体に低温熱源からの光が当たるとどうなるか?吸光して励起状態に上がる,と言う過程ももちろん起きますが,同時に誘導放出により下の準位に落ちる過程も促進されます.この結果,励起状態に居座る電子の数は一切変化しません.これは吸光側の温度と,放射されている光の温度が等しいためです.これは低温熱源からの光を集光しても変わりません.単に光の強度を上げるだけだと,励起過程が増えた分と同じだけ誘導放出過程も増えてしまい意味がないからです.
より高温熱源からの光であれば,もっと高い順位に叩き上げるとか,複数個の電子を一気に励起するなどの過程を使い,励起状態の電子の数を増やせます(=発電できる).
熱力学的に言えば,温度Tからの輻射をいくら集めてもTを超える温度は実現できません.例えば太陽光はいくら集光しても太陽の表面温度を超えられません.一方,発電すると言うことは,電子系のエネルギーを引き上げて電子温度を高くすることにより実現されます.つまり,温度Tの物体からの輻射をいくら集めても電子系の温度は上げられず,従って電位差を生じさせることは出来ない,ということです.
赤外線の量は発生源の温度に依るんですよ
>放射冷却の時には地面からかなりの熱が奪われるわけだから、逆に言えば、曇天のときはそれだけ返って来ていると言うこと。
それは違うでしょう。
大地(room temperature)→宇宙(3K)
という放射伝達が
大地(room temperature)→雲(-50〜0degC?)→宇宙(3K)
という放射伝達に変更されるだけ。でていく熱流量が減少することが、熱が戻って来ることになるわけではない。支出が減るからといって、誰かがお金をくれているとは限らない。
雲からの赤外放射を受けているんで、(間接的に)返ってきてると言えなくもない。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
夜間は、どこからの赤外線で発電するの? (スコア:0)
Re:夜間は、どこからの赤外線で発電するの? (スコア:1, 参考になる)
主に赤外線での光合成する生物がいても良さそうだけど、そういうのがいないと言うのは、投資したエネルギーに対して、回収できるエネルギーが少ないってことかな。
#吸収する波長が違うのに、吸収率で語られてもなあ。年間の発電量で比較しましょうよ。
Re:夜間は、どこからの赤外線で発電するの? (スコア:2, 興味深い)
赤外光を利用できるクロロフィルはあるよ。
http://bio.hamajima.co.jp/topics/2010/09/27/chlorophyllf/ [hamajima.co.jp]
the.ACount
Re: (スコア:0)
なんだか「赤外線」の定義がてんでばらばらな状況で議論されているなあ。
このクロロフィルは0.72ミクロンを赤外線といっているけど,エネルギー的に
可視光といっても構わないでしょう。
それに対して,「雲との熱収支が…」とかいっている議論は
300Kくらいの物体との輻射熱の交換の話なので、
10ミクロンくらいのはなしですな。
で、今回のプレスリリースですが,Si太陽電池との比較といっているからには
吸収する波長はシリコンのバンドギャップの1.1ミクロン以下。
それをふまえて改めてプレスリリースを見てみると,
いくらマスコミとはいえ随分と杜撰な内容な気がします。
そもそも吸収する波長くらいは書け。
というわけで、検索したら
Re: (スコア:0)
結局、国が研究予算を十分に蒔かないから、こういう報道が増える・・・
Re:夜間は、どこからの赤外線で発電するの? (スコア:1)
はたして、この報道が予算獲得の足しになるだろうか?
な~んか、なりそうもないと思うのは私だけ?(だいたい見るんか?)
the.ACount
Re:夜間は、どこからの赤外線で発電するの? (スコア:1, すばらしい洞察)
>逆に言えば、曇天のときはそれだけ返って来ていると言うこと。
赤外線が返ってきてようがなんだろうが、そのそもそもの熱源の温度が太陽電池の温度より高くなければ発電は出来ないよ(cf. 第二法則)
高温熱源がある場合はまあ可能だけど、太陽電池と同じようなところに転がってる物(=だいたい同じ温度の物)からの赤外線では発電できない。
Re: (スコア:0)
太陽電池って温度差で発電してるわけじゃなと思うんですが。
Re:夜間は、どこからの赤外線で発電するの? (スコア:1)
>光源の温度が関係するんですか?
関係します.関係しないんだとすると第二法則が破綻します.
そもそも,熱力学の3法則から,温度差(自由エネルギー差とか化学ポテンシャル差も含む)のないところではエネルギーを生み出せません.高温側(高エネルギー側)から低温側(低エネルギー側)にエネルギーを捨てる過程が成立して初めてエネルギーを別の形で取り出すことが出来ます.これは(一見したところ)温度差を利用していないシステムにおいても同様です(実際にはエネルギーを低温側に捨てる過程が暗に含まれている).
まず,低温(温度T)の熱源からは長波長を主成分とする光が放射されます.これを受光する側も温度Tだとしましょう.受光する場合,ある状態(とりあえず基底状態としましょう)から別の励起状態(励起状態は一個しかないとしましょう)に移ることで吸収します.
さて,この受光体に低温熱源からの光が当たるとどうなるか?吸光して励起状態に上がる,と言う過程ももちろん起きますが,同時に誘導放出により下の準位に落ちる過程も促進されます.この結果,励起状態に居座る電子の数は一切変化しません.これは吸光側の温度と,放射されている光の温度が等しいためです.これは低温熱源からの光を集光しても変わりません.単に光の強度を上げるだけだと,励起過程が増えた分と同じだけ誘導放出過程も増えてしまい意味がないからです.
より高温熱源からの光であれば,もっと高い順位に叩き上げるとか,複数個の電子を一気に励起するなどの過程を使い,励起状態の電子の数を増やせます(=発電できる).
熱力学的に言えば,温度Tからの輻射をいくら集めてもTを超える温度は実現できません.例えば太陽光はいくら集光しても太陽の表面温度を超えられません.一方,発電すると言うことは,電子系のエネルギーを引き上げて電子温度を高くすることにより実現されます.つまり,温度Tの物体からの輻射をいくら集めても電子系の温度は上げられず,従って電位差を生じさせることは出来ない,ということです.
Re: (スコア:0)
赤外線の量は発生源の温度に依るんですよ
Re: (スコア:0)
>放射冷却の時には地面からかなりの熱が奪われるわけだから、逆に言えば、曇天のときはそれだけ返って来ていると言うこと。
それは違うでしょう。
大地(room temperature)→宇宙(3K)
という放射伝達が
大地(room temperature)→雲(-50〜0degC?)→宇宙(3K)
という放射伝達に変更されるだけ。でていく熱流量が減少することが、熱が戻って来ることになるわけではない。
支出が減るからといって、誰かがお金をくれているとは限らない。
Re: (スコア:0)
雲からの赤外放射を受けているんで、(間接的に)返ってきてると言えなくもない。