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アメリカは、ドイツ等に比べると再生可能エネルギーの普及が遅れています。少数の遅れている例(それも普及初期段階の例)だけを取り上げて全体を論じるのは、詭弁です。何よりそのアメリカですら、今結構なペースで普及を進めています。
先に、進んでいるドイツの例を挙げておきます。・電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年時点では5%未満でしたが、2010年時点で17%まで増えてます [erneuerbare-energien.de]。毎年数千億円かけてますが、それに匹敵する化石燃料コストを節約してます。加えてその数倍の経済効果が得られていて、雇用も増加しています。・2050年までの長期計画 [www.bmu.de]も立てていて、2030年には電力の半分以上が再生可能エネルギーになる見込みです(PDFの119ページ、Abbildung 3.10)。・現行法の原型(StrEG)を使って再生可能エネルギーの普及を始めたのは、1991年からです。既に20年前。当時は経済界や電力会社が反対しましたが、当時の抵抗派が言っていたような酷いことにはなっていません(経済もむしろ好調)。コストも下がっています。
一方のアメリカですが、ご指摘の通り比率は少ない(そもそも原発の比率も多くないですし、それと比べてもしょうがないでしょう)。・しかし最近化石燃料の輸入比率が増えて財政を圧迫していて、彼ら自身も輸入比率の増加を気にしてます。例えば今EIAのサイトを見に行ったら、トップページに私たちはどれだけ輸入の石油に依存しているのか? [eia.gov]なんてページが。・ガスはシェールガスで暫くは需給緩和しそうなものの、これも20年もすると輸入国に転落するだろうと見られてます(MITのレポート [mit.edu]。
こちらの日本投資銀行の資料 [www.dbj.jp]に、米国における再生可能エネルギーの状況がまとめられています。遅ればせながらも、風力や太陽光はそれなりの勢いで伸ばしてます(それこそ前政権時代から始めてる)。ただほんとにここ数年の話ですので、全体の比率ではまだ微々たるものですね。伸び率は凄いんですが。・風力:現在40GWぐらい [awea.org]。政策が安定してなくて年ごとの導入量の変化が激しいですが、2030年には風力だけで国の全力の2割にしよう、その方が化石燃料よりも安いだろう(系統安定化費用込みで) [energy.gov]、と言っています。・太陽光:量は既にご指摘の通り、まだ全然大したことないです。ですが毎年の導入量はどんどん増えていて、今年は2GW近く、2015年は6GWぐらいになる見込み(Figure2-15) [seia.org]です。国レベルでも色んな面から補助をしてます [dsireusa.org]。どちらの分野でも中国の台頭がすごいんですが(中国国内で大規模な助成をしてて貿易摩擦ネタになってます)、米国企業もGEやFirstSolar(最近、トタルに6割買われましたが)等がそれぞれの分野で競ってます。
というわけで、現時点での累計量だけを見て今後の可能性まで否定するのは、無理があります。
==========ただし最近の日本における状況には、私も幾つか言いたいことが。
・突然、原発を全部止める流れになっているようですが、どう考えても無茶です。 原発だろうが何だろうが、今使ってる発電所をいきなり何十基も止めて全部置き換え始めたら、恐ろしい額の負担が一度に発生してしまいます(それこそ、震災被害に匹敵する額が)。 また例えお金があったとしても、それらの建設や、送電網の改造が物理的に追いつきません。 脱原発を希望されるなら、ドイツ並に、それなりの額と数十年(彼らですら、これまでの20年+まだあと10年かける予定)の期間をかける覚悟でお願いします。
・再生可能エネルギーの普及ペースは、特定個人の思いつきだけでパッと変えるようなものではありません。 今回の全量買い取りだって、2年ぐらい前から利害関係者や識者が何十回も集まって相談して、ようやく法案になったものです。 http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/8.html#meti0004601 [meti.go.jp] (その下敷きになったのは今の家庭用太陽光の余剰買取で、これは自民党時代にできたもの。) そうやって決まったペースを急に変えるのは、ちょっとご勘弁願いたいです。ペース変えるならせめて関係者と相談してから、来年以降にして欲しいです。
・これだけの被害を食ったのですから、今後何をするにしても、厳しいことにはなると思います。 しかも太陽光はともかく、地熱・バイオマス・風力等にもそれなりに使えそうな資源があります [env.go.jp](しかも、これでも調査はまだ途中)。にもかかわらず活用されてこなかったため、余計に被害を大きくする結果になってます(たとえば東北の地熱発電所は、今回いずれも地震後すぐに復帰したと聞いてます)。 自然エネルギーはいわば「前払い式」で、一度設置してしまえば、あとは燃料を他国から買ってこなくてすみます(バイオマスを輸入したりしたら別ですが)。普及を進める時にはお金がかかりますが、それを嫌がってたらいつまで経っても使えません。 でもコツコツと普及を進めれば、ドイツみたく、立派に選択肢の一つになるはずです(環境省による2030年までの費用や便益の試算例) [env.go.jp]。ドイツのように、逆に経済効果を得ることも可能と見られてます。 「負担」があるからといつまでも先送りするのでなく、腰を据えて正面から取り組んで頂ければと思います。
・世界では既に、2010年に新設された発電所のうち30%(設備容量ベースで34%)が再生可能エネルギーになってます(2006年は6%位しかなかった)。また同分野への投資額は2110億ドル、前年から32%増加しています。Bloombergや国連がまとめた報告書 [fs-unep-centre.org]とプレスリリース [unep.org]。 競争は激しいですが、日本の産業や経済の面からも、これに対応していく方が結局はお得ではないでしょうか。
とりいそぎ。
補足資料として。バイオマスや地熱は適当な資料を知りませんので、ご存じの方にお任せします。
・風力 ・IEAによる2015年の見通し(Figure ES.2) [iea.org]…化石燃料と同じぐらいになると見ています。 ・風力は一番出力変動が激しいのですが、それでも系統安定化費用込みでも、普及費用がペイする [energy.gov](再掲)と見られてます。
・太陽光 ・ドイツ銀行による見通し(2枚目) [slideshare.net]…2015年ごろから、条件の良い地域(西南部)で系統電力コストを下回り始めると見られます。 ・参考までに、欧州での見通し(Figure 4) [europa.eu]。やはり2015年ごろから、10ユーロセント/kWhを切る地域が出てくると見られてます。 ・最近の太陽電池パネルの値下がりの様子 [solarbuzz.com]…継続的に下がり続けてます。
もちろん、これらだけで100%全部供給ってのは現実的じゃありません。でも何割か(それでも凄い量だ)組み合わせた方が結局安上がりになりそう、という話です。
うーん。具体的なコストを記した資料のご呈示が無いので、なんとも。私が紹介した資料には、日本の場合におけるデータも含まれてます。また日本のコストや資源量を考慮した上でドイツ同様のことができるはず、という試算結果も含まれています。
>たとえば風力発電所の設置コストを日欧で比較すると、>欧州 < 日本
ご紹介したIEAの資料には米国だけじゃなくて、欧州も日本(JPN)も入ってます [iea.org]。同じES.2の図に。欧州よりもむしろ日本の方が安い見通しになっています。ただしこの資料は日本における風力コストに幅が無いなど、不自然な点もあります(たぶん調査不足?)。
しかし2つ上の親コメントにて紹介した環境省による普及費用と便益の試算例 [env.go.jp]では、こういう日本におけるコストを考慮した資源量調査 [env.go.jp]に基づいています。またその上で、ドイツ同様に経済効果も得ることは可能との結論を出しています。
今の家庭用の太陽光でいうと、助成が国全体で数百億円規模で、その代わりに製造した太陽電池は半分以上輸出 [jpea.gr.jp]、国内関連産業も1兆円近くになってて [oitda.or.jp]、良く晴れた昼頃なら例えば原発3基分ぐらい発電してピーク緩和してるはず(下記で補足)、今後年を追って助成費用も市場規模も増える見込み…という感じです。
たくさんの資料(特に環境省の資料はそれぞれ量が多くて凶悪…)を出して恐縮ですが、ご検討頂ければ幸いです。
# 日本における太陽光の最大出力の補足:2009年末で2.5GWp [iea-pvps.org]で、その後2011年4月までに1.3GWp導入されてる [jpea.gr.jp]ので、現時点での導入量は約4GWp。晴れのときの出力は定格の7~8割ぐらい(出力係数)として、最大3GW(300万kW)ぐらいの出力。
脱原発を希望されるなら、ドイツ並に、それなりの額と数十年(彼らですら、これまでの20年+まだあと10年かける予定)の期間をかける覚悟でお願いします。
日本人の悪い所として、こういう災厄が発生すると集団ヒステリーのごとく急進的というかパラノイア的に暴走する所がありますから。 日本の場合、ドイツと比べて、風力資源の少なさや地形の問題、人口密度の高さや大エネルギー消費地である巨大都市が存在する等の都市構造の違い、地下資源の少なさなどがありますので、分散型電源を考慮していない上周波数が統一されていない電力網などなど、ドイツより厳しいコスト面の見通しと別の国になったと評されるぐらいの沢山の変革を覚悟する必要があるでしょう。そしてそれを混乱なく進めるにはおっしゃるとおり数十年の時間と莫大なコストがかかるでしょうから、脱原発をするにしても最低でも既存のものと建設中のものは完成させて寿命までは使い倒すことになるでしょう。 特に東京のような巨大都市は、その都市インフラ(特に高層ビルや地下関連)を維持するためには、沢山のエネルギーを必要としますし、加えてそのような都市は巨大な郊外を抱えて、通勤移動に莫大なエネルギーを使っている事が今春の計画停電で明らかになりました。 そして自然エネルギーの類は分散型電源で密度も低いので、東京一極集中是正など分散型の国家への移行と同時に、各都市のスケールでは人口の増加で広がりすぎた郊外とインフラの整理(ついでにそこを発電用地に?)して低エネルギー消費社会への移行も必要ですし、どうやって移住を促すのかが問題になります。(まさかポル・ポト時代のカンボジアみたいに強制移住というわけにはいかないでしょうし) ちなみにドイツはベルリン都市圏人口が500万人で総人口8175万人、日本は東京都市圏が3500万人で総人口1億2500万人ですので、ドイツの方が国としての分散化が進んでいます。(国土面積は日本の方がやや広いですが山がちな島国であることを考えると、可住面積は大陸にあるドイツの方が広いでしょう) あと産業も今までの巨大工場での製造業(と関連する産業)中心から、観光や金融、コンテンツ関連など物作りとの関連の低い産業のウェイトを上げていく必要があります。その過程では、失業や職業訓練などのコストも発生しますし、当該産業に所属している人は生活かかっていますから死に物狂いで抵抗するでしょう。(特に日本の雇用慣行では) それと、これらを真面目にやると、雇用や食糧(外貨が必要)、物理的な土地の制約から、たぶん人口は長期的にはある程度減らす方向で考えなければならくなるでしょうから、日本版一人っ子政策みたいなものも必要になるかもしれません。 しかも、かなり慎重にやらないと経済の混乱に加え、今いる人口を支えられなくなって、移民を放出する事態となるリスクも心配です。(特に工業系の人が中心かも?)
今回の全量買い取りだって、2年ぐらい前から利害関係者や識者が何十回も集まって相談して、ようやく法案になったものです。
昨日NHKで取り上げていたドイツも、やはりチェルノブイリの事故を受けて利害関係者が何度も話し合い、さらに原発を止めることでどうしても発生するデメリット(ドイツの電気代は先進国では一番高いし、実際に電力を多く消費する産業はドイツから逃げるケースが発生したそうです)を公にして国民に周知して、それにより不利益(失業とか)を受ける人へのケア(失業手当や職業訓練など)をしっかりやったうえで脱原発に踏みきっています。日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。 最後は日本がどちらの地獄を選ぶかでしょう。 #とにかく福島の事故以来急増している急進的だったり夢想的な脱原発(原発は嫌だけど電気は欲しい、なんとかなるでしょ)は、利権と関わりのない原発推進派にも、真面目な脱原発派にも迷惑です。
お返事ありがとうございます。
>ドイツも (..中略..) 日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。
そこまで踏まえた上でのご意見でしたか、失礼しました。全面的に同意します。
日本が抱える問題は、原発や再生可能エネルギーに対する知識以前に、エネルギー・経済・環境がいかに相互に影響し合うか、それが自分たちの生活に影響するのか、という基礎知識の不足にあるように思います。嘆いててもしょうがないので、日本でもこれから把握してもらうしか無いんですけど。
# こういう時こそ政治が…と思うのだけど、却って混乱させて下さってますね。
明日にも起こりうる次の災害で現在の原発が事故らない保障が無く、再事故には耐えられない以上、無理でも止めるしかないじゃない?首相以外は幸運をアテにしてるようだけど、そういう時に限って裏目が出るパターンだな。
もちろん、止めただけじゃ危険が続く事は分かってる。安全にするのが先か災害が先か、全てが懸かった競争だ。一歩の遅れが致命的。だれも認識しないなんて、まだ安全ボケが続いてるんだな~。
>日本投資銀行 →日本政策投資銀行です。大変失礼しました。あと、>全力の2割 →全電力の2割の間違いです。念のため。
> アメリカは広大な砂漠のある国ですから、太陽光がそこまで普及したのか...と思いましたが1.2%で、> メインはバイオマスでしたか。まさに自然エネルギーの困難さを再認識させられました。
そういう意味では今年だけのワンショットの傾向見ても仕方ないし、少なくとも原資料のtable1.2あたりで近年の増減傾向を眺めておいた方がヨサゲですね。
再生可能エネルギーの二強は結局水力とバイオマスなわけですが、水力は中期的にあまり増減していないようで、やっぱりバイオマスの伸びがポイントのようで。
比するに太陽光の安定っぷりときたら...地熱が増えないのはロケーションの問題を考えると仕方ないと思いますが、少ないながらも増やそうという傾向が見られる風力に比べて、投資すれば増やせそうな太陽光が伸びてないのが(米国から見た)将来性をうかがわせます。
といっても、再生可能エネルギーをひっくるめてやっと原子力発電単体をちょっとだけ越えたって状況で、原子力をなくしていくならやっぱりバイオマスを倍にするくらいの勢いは必要そうですな。
ということで、米国以上に日本は太陽光なんて増やしづらいと思うんですが、こんなもので「めがそーらー」とか「電田」とかいう連中は何を根拠にしているのやら...
よく推進派は「将来の技術進化が」とか言うんだけど、太陽光発電の現状の技術課題とか知らずにそーいうこというのはやめて欲しいよね。だいたい日本にだってかなりの投資をして長年研究してた連中や事業化を図ってた連中がいるわけで、年月かけて何とかできる程度の課題だったら基幹電力に入れないにせよ局所的な施設利用とかでもっと普及してるはずなんだが...
結局、公金でインセンティブだの強制だのしないと普及しないようなものであれば、少なくとも事業化には向いてないわけだし、中長期的に運用できるようなものじゃないってことだね。
>連中は何を根拠にしているのやら...
実際のところ1kW/m^2で降ってくる太陽光エネルギーの一部をもぎ取る手段が再生可能エネルギーなわけで、すでにインフラを持っている農業国でまさに進行したエネルギー高騰のタイミングで選択されたのがバイオマスだったとしてもなんら不思議ではない。
栽培と収穫と物理的輸送が必要なことを除けば、例えば植物のほうが太陽光パネルよりずっとエネルギー効率がよいのだから、大規模農場が維持できるなら、パネルよりバイオマスのほうが効率はよい。
一方、太陽電池パネルの効率は過去10年で1.5倍になっているし、過去35年間線形以上の早さで効率が向上している。また、電力輸送手段が今後大幅に改善する可能性がある(超電導電力線など)。エネルギーを使う側も内燃機関から電力へシフトしている。遅かれ早かれ植物栽培のコストと比較可能になるでしょう。
そして、バイオマスが原油のコストの天秤が簡単に傾くということはすでに市場が証明しているし、化石燃料と原子力のコストの天秤もどうやら簡単に傾くらしいのだ。だから、投資家はどっち向きにもトレンドを形勢しうる。
>栽培と収穫と物理的輸送が必要なことを除けば、>例えば植物のほうが太陽光パネルよりずっとエネルギー効率がよいのだから、
随分とエネルギー消費の大きな「除けば」だなあ。
いや分かってて言ってるんなら良いんだけど、その辺りを理解せずに「だからバイオマスの方がいいに決まってるんだ!!」と叫ぶ頭の中に夢だけ詰め込んでる人がいたりするから。
>原子力をなくしていくならやっぱりバイオマスを倍にするくらいの勢いは必要そうですな。バイオマスを倍に増すってことですね。
#それだけなのでAC
メガソーラーも、シャープの堺工場 [sharp.co.jp]のように工場の屋根の上に付ければ、場所も取らないし、工場内で消費できるので送電ロスも減って効率はいいんですどね。
空き地に建てるなら、サーキットの中 [srad.jp]とか、ごみ埋立後でまだ汚染されている土地 [impress.co.jp]とか、リニア実験線跡地 [impress.co.jp]とか、通常の建物が建てることがない土地に建てるのが理想。
せめて農地として適していない場所ならともかく、耕作放棄地に建てる「電田」は筋が悪い。それなら、稲藁がバイオマスの原料にもなる飼料用の多収品種の稲とか、エタノール用に遺伝子組み換えの小麦とかを栽培するように、規制緩和したり補助金を付けたり方がまし。
雇用も生むし、飼料の国産化がすすめば、食糧自給率も上がるし(数字上は)。
メガソーラーなんて、作る必要も必然性もない。なんでわざわざ広い土地をつぶして固定資産抱えてやろうとしてるのか、さっぱりわからない。個人で屋根に載せたがってる人はいっぱいいるんだから、メガソーラーに設置するはずのパネルを個人宅に乗せればいい。土地を自前で用意する必要がなくなるから初期投資が抑えられて不動産税もかからない。土地の投資が抑えられるのでパネルの投資を増やすことができる。儲けは売電の中間搾取で出す。パネル投資を増やせる分、規模を大きくできるので回収効率も上がる。
原発の補助金はすでに現在の電気料金にコミットされてるしょ太陽光発電は4月からのっけ始めたんですよ。明細見てみ「太陽光促進付加金」っていうのが増えてるよ…
##だから太陽光嫌なんだよ…##利権という意味では原子力なんかよりタチ悪いだろ、##メガソーラーとかも蓄電施設とセットで、安定出力してるなら高く買取るって言うのもわかるんだけどさ
多少、野暮なツッコミを。
・「利権」という言葉を用いて原発や再生可能エネに対して使って批判される例を見るのですが、勢い余って「経済の仕組み上正当な範囲の儲け」まで否定されていませんか。 またその場合、エネルギーで最大の「利権」は石油・石炭・ガス等の化石燃料ということになるのですが、そちらを批判されないのは何故でしょうか。
お金自体に罪はありませんし、ある程度までの正当な儲けを批判するのは不適切な行為です。出資やリスクに比して不当に高い利益を得ていないかどうか、を論じるべきでしょう。
# 太陽光業界は競争が激しいので、利益を計上してる暇なぞあったら、技術開発や生産量・流通量拡大に投資しないと負けます。 # 京セラとか太陽電池売り始めてから30年間赤字だった(でも諦めなかった!)そうですし、他社も似たようなものかと。
・風力や太陽光は確かに出力変動しますけど、先行するドイツじゃこんな風に実用になってますよ [fraunhofer.de]。黄色が太陽光、薄灰色が風力。既に日本の何倍も導入してます。もちろん蓄電なんてまだ殆ど使ってない、揚水も輸出入も少ない。
・日本がいまこれだけ電力不足で悩んでる一因は間違いなく原発の弱点(一度トラブル起こすと影響大&長期間)です。しかも使用済み燃料の処理費が一部しか計上されて無かったりして、コストも不透明。 そういう点では、原子力の方が「タチが悪い」とも言えます。
再生可能エネも原発もそれぞれ一長一短で、どちらも決して万能じゃありません。エネルギーで今一番大きなリスクは化石燃料のコスト増加な訳で、屁理屈で足引っ張り合ってる場合じゃないでしょ。
>ふつう利権というのは、政治家や役人が、許認可を使って特定の企業のみに参入を許すかわりに何らかの見返りを求める、というものでしょう。>たとえば、>携帯電話サービスの事業者のカリスマ社長が、その許認可権を握っている総務省のトップの大臣とベタベタに懇意にしている>っていうのは利権構造があると疑われるよね。
そのへんは全く同意なんですが。最終的に重要なのは、得た利益が正当な範囲かどうか、特定の企業だけが儲けすぎてないか、なんですよね。問題になるなら、投資額や発電状況(売電額)、損益等の公開をプロジェクト別に義務づけたら良いと思います。(…でも現状、電力会社も非公開のデータが多いんですよね。)
>それはパネルのメーカーの話で、太陽光発電事業者の話じゃないよね。
事業者の話でも似たようなもんは山ほどありますが。いきなりポッと参入してきた方はどうだかわかりませんけど、数十年真面目に取り組んできた筋金入りの猛者もたくさん居ますよ。
>ドイツはフランスと並んで、隣国との間で電力の輸出入の盛んな国ですよ。
輸出・輸入量とも、総電力需要の1割未満です。しかも日本みたいなダム式水力が無いので、その分でかなり相殺されちゃいます。
しまった、一カ所訂正です。ついでに、一言追加。
>輸出・輸入量とも、総電力需要の1割未満です
輸出は最近、1割以上に増えました。2008年時点で輸入が7.7%、輸出が11.4%です。(出典:IEA Electricity Information 2010)-----
日本の方が不利な条件も確かにあって、地域別に細かくわかれ、特に50/60Hzで周波数まで違ってたりするのもその一つ。でもそれを解決する技術もあって、日本の条件で計算しても、系統安定化の費用を含めてもペイすると見られてます [env.go.jp]。
>なんか初めから答えが決まってそうな(答えありきで書かれていそうな)気がするのは気のせいでしょうか・・・。
シナリオの1つに過ぎないと言われればそれまでですが、可能そうな範囲ではあるでしょう。シナリオから”外れるリスク”も当然ありますが、予測からのずれに逐一対応することで、全体としては成功を収めて来てるのがドイツです。
”外れるリスク”ばかりを見ていつまでも尻込みしていては、余計にリスクを増大させ、結局は化石燃料コスト高騰で行き詰まるだけかと。
> リスクを正しく評価して、そのリスクを受け入れる準備をして進むのならいいのだけど
原発のようにコスト情報が非公表なものならともかく、再生可能エネルギーは基本的にコストも開発状況もオープンです。ここ数年の買取制度に関する検討状況も、議事録や配布資料まで含めて逐次公開されてますよ [meti.go.jp]。何回か傍聴しましたが、利害関係者がかなり本音でやりとりされていて良い雰囲気だったと思います。
既に世界で新設される発電所の約1/3が再生可能エネルギーになり、投資額も2110億ドルに達する [fs-unep-centre.org]等、エネルギー供給構造は変わり始めています。にもかかわらず、数年前までの日本のように政治的理由で資源量の情報収集すらされなかったり、「出る杭は叩け」とばかりに成長産業に対してろくにデータも示さずにネガティブなことばかり言われる方が、よほど将来のリスクを高めると思います。
お示ししたIEA統計では輸出と輸入の数字が別になっていますので、おっしゃるような相殺はされていないと思われます。相殺するなら、輸出20TWh(原発に換算して2~3基分)だけになるはずですので。
いいえ。"国境を越えた時点で輸出(もしくは輸入)と見なす”そうです。
ネガティブな面だけ取り上げて論じてる貴方のほうが、乱暴な話をされています。
私が取り上げた環境省による日本の条件での試算 [env.go.jp]では、系統安定化の費用まで考慮されているのですから。
特定個人にたいする嫌悪感と混同するような書き方を、意図的にされてませんか。
あなたがネガティブな面ばかり取り上げる詭弁を用いられていることには、変わりませんので。
・定量的なデータの提示に対し、自分は何らデータを出さず、定性的な批判のみ行う・それを指摘されると、論点をすり替えたり、陰謀論を持ち出したり。勉強して、出直して下さい。
「レッテル貼り」というレッテルを貼って頂き、ありがとうございます。
馬鹿らしい作り話と思いきやここ10年くらい日本で実際にやってきた事同じカネを固定価格買い取り制度につぎ込んでいれば、日本全体で数倍の発電量を確保でき、太陽光パネルで世界トップを独走でき、その上利権が生まれる余地が極小というメリットがあったのに利権がないと困るヒトたちに補助金ぶんどられてこのざまだよ
>原発の場合、タカろうとしているのは原発立地の自治体や住民であって。
あなたの住んでいる地域は交付金ゼロで原発を受け入れるということでしょうか?
あんな原爆の親戚みたいな施設、金貰わなきゃどこも引き取らないと思ってましたが。
>いざリスクが現実のものとなったときに、金を寄越せって言うことだと思う。
事故は起きないように設計したという話だったからでしょう。実際には当然起きうる災害程度にすら対策してなかった訳ですが。
タカるだなんて、まるで原発推進する国が被害者みたいじゃないですかー?マトモに情報も公開せずマトモに維持管理もせずにリスクを押しつるために対価を払うことでなんとか引き受けてくれる自治体を見つけているのが現実なのにw
バイオ燃料 → 考えても見なかった
日本でそこまで穀物が取れません。
水力発電 → 旧世代の方法なのでなんとなくこれ以上は無理そう
建てられるところには建てきってます。
風力 → どう考えても(なんとなく)安定大量供給なんて無理そう
海外の事例をアテにし辛い点としては、日本にはちょこちょこ台風が来る点です。このため「台風があまり来ない東北に」といった話が活発になる訳ですが、送電効率もあるため「関西以西に送るなんて夢だよね」という事になるかと思います。 もちろん「とりあえず東日本はこれで」という方針は、それはそれでアリだと思います。設置エリアの近隣住民が納得するかは別として。
地熱 → よくわかんないけど大量供給は難しいようなイメージ
実のところ、こちらも建てられるようなところには建てきってます。後は適した土地は温泉地であったり、国立公園だったりと……。
太陽光 → 太陽光の元エネルギーは膨大なんだから発展すれば沢山エネルギー得られそうなイメージ+蓄電技術の進歩で
蓄電と言っても、「一か月の平均日照日数が一桁前半」なんていう冬の北陸とかも考えると、そういったエリアだと投資コストの回収はきつそうです。というか雪降ったら(略) 台風などによる破損などが怖いという点を除けば、風力よりもこちらの方が関西以西には向いているのかもしれません。
潮汐発電を忘れてるぜ。日経サイエンスで自然エネルギーだけで充分 (アメリカでの話) という記事を読んだら、太陽発電の変動を潮汐発電でカバーする計画だった。海に囲まれた日本には絶好だね。
「進むも地獄引くも地獄」な選択を突きつけている記事のような気がします。
まぁ、「じゃあ、他にどーすりゃ良かったんじゃい!!??」と云う意見も有るとは思うけど、原発に関わる諸問題(使用済み燃料の最終処分をど〜するねん、とか)を考えると、原発に電力を依存する様な社会になっちまった時点で、ある意味、「進む(原発使い続ける)も地獄、引く(原発を使わないようにする)も地獄」って状況になっちまったんじゃねーんですかねぇ。 で、よりマシな地獄はどこかって検討や選択を引き伸ばしてきた結果が、今の状況、と。
「現在の原発を除いた発電能力では、今までの経済を維持できない」という暗黙の前提があった上での話ですよね。 その前提には疑う余地はないのでしょうか?
今の15%節電ですら、電力の使用制限で工場とかで設備の稼働に制限がでたり、熱がこもる地下鉄ですら冷房を切らざるを得なかったり、挙句に報道を見ただけでも三井金属、オムロン、日本電産などが海外移転を検討していたり、トヨタが日本での物作りが限界といっているのに、これで原発全部止まったら、もうどうにもならないのは明白ではないでしょうか? それとも、これらの会社が全部嘘をついているとでも? そこまで言ったらもう陰謀論とかその手の話になってしまいますし。
経済的な面は他のコメント [srad.jp]の通りですが、さらに言えば「昼間の電車の量を 8 割程度まで減らす」(その影響で一部乗り入れが無くなる) なども経済的に影響があると言えるかと思います。
さらに今の医療や介護は「電気があって初めて成立する」という部分が極めて多い状態ですが、今の節電プレッシャーは「社会的弱者に死ねと言うようなもの」だったりする点からも、基本的に前提に疑う余地があるようには思えません。
都市部においては「電気がないと生活が成立しない」状況となっています。生活できないところで経済活動などというものが回るわけはない訳で、そうした点においても「節電と言われても減らせない消費電力」というのが少なくない状態なわけです。マンションなどにおける汲み上げポンプや各フロアの照明 (外に面していない通路など、明かりがなければ真っ暗ですし)、インターフォンなども「節電と言われても削れない消費電力」でしょう。 春/秋の深夜帯における消費電力を考えても、東京電力管轄だけでも 1000 ~ 1500 万 kW くらいはそういう最小限レベル (冷蔵庫などの「節電と言われても普通動かしっぱなしのもの」を含む) で消費されている電力ではないでしょうか。(東京電力管轄は早朝の消費電力は春/秋で 2000 ~ 2300 万 kW、夏/冬は 2500 ~ 3000 万 kW 程度だったという記憶から感覚で言ってます) そして、この量は今日現在の東北電力管轄最大供給能力 (約 1300 万 kW) から見たら足りない可能性すら考えられます。
人が動かなくても生活のためにそれだけの電気を消費しているという点からも、普通に「足りません」だと思いますよ。
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:5, すばらしい洞察)
そうなると、やはり砂漠もなく耕作放棄地全部作付けしても食料の自給すらままならない(バイオマスを栽培するにも水+肥料+農地は必要)、地形や気象も厳しくバラエティーに富む日本ではさらに難しいでしょう。
とはいえ、日本は石油も食料も何かの産業で稼いだ外貨で買わなければならず、天然資源も乏しく、CO2削減要求を跳ね返したり産油国にちょっかいを出す国際発言力や軍事力もない以上、アメリカみたいに無節操に価格上昇傾向の化石燃料にも頼れませんし、ヨーロッパみたいに電力の輸入もできません。
そしてこのアメリカでの結果は日本に対して、今までの経済を維持するために原発を推進するのか、激痛レベルの改革(産業構造や都市構造、国家のあり方など)と国家規模の縮小(人口の削減や広がりすぎた郊外やインフラの整理)の選択という「進むも地獄引くも地獄」な選択を突きつけている記事のような気がします。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:5, 参考になる)
アメリカは、ドイツ等に比べると再生可能エネルギーの普及が遅れています。
少数の遅れている例(それも普及初期段階の例)だけを取り上げて全体を論じるのは、詭弁です。何よりそのアメリカですら、今結構なペースで普及を進めています。
先に、進んでいるドイツの例を挙げておきます。
・電力に占める再生可能エネルギーの割合は1998年時点では5%未満でしたが、2010年時点で17%まで増えてます [erneuerbare-energien.de]。毎年数千億円かけてますが、それに匹敵する化石燃料コストを節約してます。加えてその数倍の経済効果が得られていて、雇用も増加しています。
・2050年までの長期計画 [www.bmu.de]も立てていて、2030年には電力の半分以上が再生可能エネルギーになる見込みです(PDFの119ページ、Abbildung 3.10)。
・現行法の原型(StrEG)を使って再生可能エネルギーの普及を始めたのは、1991年からです。既に20年前。当時は経済界や電力会社が反対しましたが、当時の抵抗派が言っていたような酷いことにはなっていません(経済もむしろ好調)。コストも下がっています。
一方のアメリカですが、ご指摘の通り比率は少ない(そもそも原発の比率も多くないですし、それと比べてもしょうがないでしょう)。
・しかし最近化石燃料の輸入比率が増えて財政を圧迫していて、彼ら自身も輸入比率の増加を気にしてます。例えば今EIAのサイトを見に行ったら、トップページに私たちはどれだけ輸入の石油に依存しているのか? [eia.gov]なんてページが。
・ガスはシェールガスで暫くは需給緩和しそうなものの、これも20年もすると輸入国に転落するだろうと見られてます(MITのレポート [mit.edu]。
こちらの日本投資銀行の資料 [www.dbj.jp]に、米国における再生可能エネルギーの状況がまとめられています。
遅ればせながらも、風力や太陽光はそれなりの勢いで伸ばしてます(それこそ前政権時代から始めてる)。ただほんとにここ数年の話ですので、全体の比率ではまだ微々たるものですね。伸び率は凄いんですが。
・風力:現在40GWぐらい [awea.org]。政策が安定してなくて年ごとの導入量の変化が激しいですが、2030年には風力だけで国の全力の2割にしよう、その方が化石燃料よりも安いだろう(系統安定化費用込みで) [energy.gov]、と言っています。
・太陽光:量は既にご指摘の通り、まだ全然大したことないです。ですが毎年の導入量はどんどん増えていて、今年は2GW近く、2015年は6GWぐらいになる見込み(Figure2-15) [seia.org]です。国レベルでも色んな面から補助をしてます [dsireusa.org]。
どちらの分野でも中国の台頭がすごいんですが(中国国内で大規模な助成をしてて貿易摩擦ネタになってます)、米国企業もGEやFirstSolar(最近、トタルに6割買われましたが)等がそれぞれの分野で競ってます。
というわけで、現時点での累計量だけを見て今後の可能性まで否定するのは、無理があります。
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ただし最近の日本における状況には、私も幾つか言いたいことが。
・突然、原発を全部止める流れになっているようですが、どう考えても無茶です。
原発だろうが何だろうが、今使ってる発電所をいきなり何十基も止めて全部置き換え始めたら、恐ろしい額の負担が一度に発生してしまいます(それこそ、震災被害に匹敵する額が)。
また例えお金があったとしても、それらの建設や、送電網の改造が物理的に追いつきません。
脱原発を希望されるなら、ドイツ並に、それなりの額と数十年(彼らですら、これまでの20年+まだあと10年かける予定)の期間をかける覚悟でお願いします。
・再生可能エネルギーの普及ペースは、特定個人の思いつきだけでパッと変えるようなものではありません。
今回の全量買い取りだって、2年ぐらい前から利害関係者や識者が何十回も集まって相談して、ようやく法案になったものです。
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/8.html#meti0004601 [meti.go.jp]
(その下敷きになったのは今の家庭用太陽光の余剰買取で、これは自民党時代にできたもの。)
そうやって決まったペースを急に変えるのは、ちょっとご勘弁願いたいです。ペース変えるならせめて関係者と相談してから、来年以降にして欲しいです。
・これだけの被害を食ったのですから、今後何をするにしても、厳しいことにはなると思います。
しかも太陽光はともかく、地熱・バイオマス・風力等にもそれなりに使えそうな資源があります [env.go.jp](しかも、これでも調査はまだ途中)。にもかかわらず活用されてこなかったため、余計に被害を大きくする結果になってます(たとえば東北の地熱発電所は、今回いずれも地震後すぐに復帰したと聞いてます)。
自然エネルギーはいわば「前払い式」で、一度設置してしまえば、あとは燃料を他国から買ってこなくてすみます(バイオマスを輸入したりしたら別ですが)。普及を進める時にはお金がかかりますが、それを嫌がってたらいつまで経っても使えません。
でもコツコツと普及を進めれば、ドイツみたく、立派に選択肢の一つになるはずです(環境省による2030年までの費用や便益の試算例) [env.go.jp]。ドイツのように、逆に経済効果を得ることも可能と見られてます。
「負担」があるからといつまでも先送りするのでなく、腰を据えて正面から取り組んで頂ければと思います。
・世界では既に、2010年に新設された発電所のうち30%(設備容量ベースで34%)が再生可能エネルギーになってます(2006年は6%位しかなかった)。また同分野への投資額は2110億ドル、前年から32%増加しています。Bloombergや国連がまとめた報告書 [fs-unep-centre.org]とプレスリリース [unep.org]。
競争は激しいですが、日本の産業や経済の面からも、これに対応していく方が結局はお得ではないでしょうか。
とりいそぎ。
米国での風力・太陽光のコスト見通し (スコア:3, 参考になる)
補足資料として。バイオマスや地熱は適当な資料を知りませんので、ご存じの方にお任せします。
・風力
・IEAによる2015年の見通し(Figure ES.2) [iea.org]…化石燃料と同じぐらいになると見ています。
・風力は一番出力変動が激しいのですが、それでも系統安定化費用込みでも、普及費用がペイする [energy.gov](再掲)と見られてます。
・太陽光
・ドイツ銀行による見通し(2枚目) [slideshare.net]…2015年ごろから、条件の良い地域(西南部)で系統電力コストを下回り始めると見られます。
・参考までに、欧州での見通し(Figure 4) [europa.eu]。やはり2015年ごろから、10ユーロセント/kWhを切る地域が出てくると見られてます。
・最近の太陽電池パネルの値下がりの様子 [solarbuzz.com]…継続的に下がり続けてます。
もちろん、これらだけで100%全部供給ってのは現実的じゃありません。でも何割か(それでも凄い量だ)組み合わせた方が結局安上がりになりそう、という話です。
Re:米国での風力・太陽光のコスト見通し (スコア:1)
うーん。具体的なコストを記した資料のご呈示が無いので、なんとも。
私が紹介した資料には、日本の場合におけるデータも含まれてます。また日本のコストや資源量を考慮した上でドイツ同様のことができるはず、という試算結果も含まれています。
>たとえば風力発電所の設置コストを日欧で比較すると、
>欧州 < 日本
ご紹介したIEAの資料には米国だけじゃなくて、欧州も日本(JPN)も入ってます [iea.org]。同じES.2の図に。
欧州よりもむしろ日本の方が安い見通しになっています。ただしこの資料は日本における風力コストに幅が無いなど、不自然な点もあります(たぶん調査不足?)。
しかし2つ上の親コメントにて紹介した環境省による普及費用と便益の試算例 [env.go.jp]では、こういう日本におけるコストを考慮した資源量調査 [env.go.jp]に基づいています。またその上で、ドイツ同様に経済効果も得ることは可能との結論を出しています。
今の家庭用の太陽光でいうと、助成が国全体で数百億円規模で、その代わりに製造した太陽電池は半分以上輸出 [jpea.gr.jp]、国内関連産業も1兆円近くになってて [oitda.or.jp]、良く晴れた昼頃なら例えば原発3基分ぐらい発電してピーク緩和してるはず(下記で補足)、今後年を追って助成費用も市場規模も増える見込み…という感じです。
たくさんの資料(特に環境省の資料はそれぞれ量が多くて凶悪…)を出して恐縮ですが、ご検討頂ければ幸いです。
# 日本における太陽光の最大出力の補足:2009年末で2.5GWp [iea-pvps.org]で、その後2011年4月までに1.3GWp導入されてる [jpea.gr.jp]ので、現時点での導入量は約4GWp。晴れのときの出力は定格の7~8割ぐらい(出力係数)として、最大3GW(300万kW)ぐらいの出力。
もし原発を止めたいなら (スコア:3, すばらしい洞察)
日本人の悪い所として、こういう災厄が発生すると集団ヒステリーのごとく急進的というかパラノイア的に暴走する所がありますから。
日本の場合、ドイツと比べて、風力資源の少なさや地形の問題、人口密度の高さや大エネルギー消費地である巨大都市が存在する等の都市構造の違い、地下資源の少なさなどがありますので、分散型電源を考慮していない上周波数が統一されていない電力網などなど、ドイツより厳しいコスト面の見通しと別の国になったと評されるぐらいの沢山の変革を覚悟する必要があるでしょう。そしてそれを混乱なく進めるにはおっしゃるとおり数十年の時間と莫大なコストがかかるでしょうから、脱原発をするにしても最低でも既存のものと建設中のものは完成させて寿命までは使い倒すことになるでしょう。
特に東京のような巨大都市は、その都市インフラ(特に高層ビルや地下関連)を維持するためには、沢山のエネルギーを必要としますし、加えてそのような都市は巨大な郊外を抱えて、通勤移動に莫大なエネルギーを使っている事が今春の計画停電で明らかになりました。
そして自然エネルギーの類は分散型電源で密度も低いので、東京一極集中是正など分散型の国家への移行と同時に、各都市のスケールでは人口の増加で広がりすぎた郊外とインフラの整理(ついでにそこを発電用地に?)して低エネルギー消費社会への移行も必要ですし、どうやって移住を促すのかが問題になります。(まさかポル・ポト時代のカンボジアみたいに強制移住というわけにはいかないでしょうし)
ちなみにドイツはベルリン都市圏人口が500万人で総人口8175万人、日本は東京都市圏が3500万人で総人口1億2500万人ですので、ドイツの方が国としての分散化が進んでいます。(国土面積は日本の方がやや広いですが山がちな島国であることを考えると、可住面積は大陸にあるドイツの方が広いでしょう)
あと産業も今までの巨大工場での製造業(と関連する産業)中心から、観光や金融、コンテンツ関連など物作りとの関連の低い産業のウェイトを上げていく必要があります。その過程では、失業や職業訓練などのコストも発生しますし、当該産業に所属している人は生活かかっていますから死に物狂いで抵抗するでしょう。(特に日本の雇用慣行では)
それと、これらを真面目にやると、雇用や食糧(外貨が必要)、物理的な土地の制約から、たぶん人口は長期的にはある程度減らす方向で考えなければならくなるでしょうから、日本版一人っ子政策みたいなものも必要になるかもしれません。
しかも、かなり慎重にやらないと経済の混乱に加え、今いる人口を支えられなくなって、移民を放出する事態となるリスクも心配です。(特に工業系の人が中心かも?)
昨日NHKで取り上げていたドイツも、やはりチェルノブイリの事故を受けて利害関係者が何度も話し合い、さらに原発を止めることでどうしても発生するデメリット(ドイツの電気代は先進国では一番高いし、実際に電力を多く消費する産業はドイツから逃げるケースが発生したそうです)を公にして国民に周知して、それにより不利益(失業とか)を受ける人へのケア(失業手当や職業訓練など)をしっかりやったうえで脱原発に踏みきっています。日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。
最後は日本がどちらの地獄を選ぶかでしょう。
#とにかく福島の事故以来急増している急進的だったり夢想的な脱原発(原発は嫌だけど電気は欲しい、なんとかなるでしょ)は、利権と関わりのない原発推進派にも、真面目な脱原発派にも迷惑です。
Re:もし原発を止めたいなら (スコア:1)
お返事ありがとうございます。
>ドイツも (..中略..) 日本みたいな感情論や夢想的な脱原発派とは、覚悟がまるで違います。
そこまで踏まえた上でのご意見でしたか、失礼しました。全面的に同意します。
日本が抱える問題は、原発や再生可能エネルギーに対する知識以前に、エネルギー・経済・環境がいかに相互に影響し合うか、それが自分たちの生活に影響するのか、という基礎知識の不足にあるように思います。
嘆いててもしょうがないので、日本でもこれから把握してもらうしか無いんですけど。
# こういう時こそ政治が…と思うのだけど、却って混乱させて下さってますね。
Re:もし原発を止めたいなら (スコア:1)
明日にも起こりうる次の災害で現在の原発が事故らない保障が無く、再事故には耐えられない以上、無理でも止めるしかないじゃない?
首相以外は幸運をアテにしてるようだけど、そういう時に限って裏目が出るパターンだな。
the.ACount
Re:もし原発を止めたいなら (スコア:1)
もちろん、止めただけじゃ危険が続く事は分かってる。
安全にするのが先か災害が先か、全てが懸かった競争だ。
一歩の遅れが致命的。
だれも認識しないなんて、まだ安全ボケが続いてるんだな~。
the.ACount
typo (スコア:1)
>日本投資銀行 →日本政策投資銀行
です。大変失礼しました。
あと、
>全力の2割 →全電力の2割
の間違いです。
念のため。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:4, 興味深い)
> アメリカは広大な砂漠のある国ですから、太陽光がそこまで普及したのか...と思いましたが1.2%で、
> メインはバイオマスでしたか。まさに自然エネルギーの困難さを再認識させられました。
そういう意味では今年だけのワンショットの傾向見ても仕方ないし、
少なくとも原資料のtable1.2あたりで近年の増減傾向を眺めておいた方がヨサゲですね。
再生可能エネルギーの二強は結局水力とバイオマスなわけですが、
水力は中期的にあまり増減していないようで、やっぱりバイオマスの伸びがポイントのようで。
比するに太陽光の安定っぷりときたら...地熱が増えないのはロケーションの問題を考えると
仕方ないと思いますが、少ないながらも増やそうという傾向が見られる風力に比べて、
投資すれば増やせそうな太陽光が伸びてないのが(米国から見た)将来性をうかがわせます。
といっても、再生可能エネルギーをひっくるめてやっと原子力発電単体をちょっとだけ越えたって状況で、
原子力をなくしていくならやっぱりバイオマスを倍にするくらいの勢いは必要そうですな。
ということで、米国以上に日本は太陽光なんて増やしづらいと思うんですが、
こんなもので「めがそーらー」とか「電田」とかいう連中は何を根拠にしているのやら...
よく推進派は「将来の技術進化が」とか言うんだけど、
太陽光発電の現状の技術課題とか知らずにそーいうこというのはやめて欲しいよね。
だいたい日本にだってかなりの投資をして長年研究してた連中や事業化を図ってた連中がいるわけで、
年月かけて何とかできる程度の課題だったら基幹電力に入れないにせよ
局所的な施設利用とかでもっと普及してるはずなんだが...
結局、公金でインセンティブだの強制だのしないと普及しないようなものであれば、
少なくとも事業化には向いてないわけだし、中長期的に運用できるようなものじゃないってことだね。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:3, 興味深い)
>連中は何を根拠にしているのやら...
実際のところ1kW/m^2で降ってくる太陽光エネルギーの一部をもぎ取る手段が再生可能エネルギーなわけで、すでにインフラを持っている農業国でまさに進行したエネルギー高騰のタイミングで選択されたのがバイオマスだったとしてもなんら不思議ではない。
栽培と収穫と物理的輸送が必要なことを除けば、例えば植物のほうが太陽光パネルよりずっとエネルギー効率がよいのだから、大規模農場が維持できるなら、パネルよりバイオマスのほうが効率はよい。
一方、太陽電池パネルの効率は過去10年で1.5倍になっているし、過去35年間線形以上の早さで効率が向上している。また、電力輸送手段が今後大幅に改善する可能性がある(超電導電力線など)。エネルギーを使う側も内燃機関から電力へシフトしている。遅かれ早かれ植物栽培のコストと比較可能になるでしょう。
そして、バイオマスが原油のコストの天秤が簡単に傾くということはすでに市場が証明しているし、化石燃料と原子力のコストの天秤もどうやら簡単に傾くらしいのだ。だから、投資家はどっち向きにもトレンドを形勢しうる。
Re: (スコア:0, フレームのもと)
>栽培と収穫と物理的輸送が必要なことを除けば、
>例えば植物のほうが太陽光パネルよりずっとエネルギー効率がよいのだから、
随分とエネルギー消費の大きな「除けば」だなあ。
いや分かってて言ってるんなら良いんだけど、その辺りを理解せずに
「だからバイオマスの方がいいに決まってるんだ!!」と叫ぶ
頭の中に夢だけ詰め込んでる人がいたりするから。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:2, 興味深い)
>原子力をなくしていくならやっぱりバイオマスを倍にするくらいの勢いは必要そうですな。
バイオマスを倍に増すってことですね。
#それだけなのでAC
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:2)
メガソーラーも、シャープの堺工場 [sharp.co.jp]のように工場の屋根の上に付ければ、場所も取らないし、工場内で消費できるので送電ロスも減って効率はいいんですどね。
空き地に建てるなら、サーキットの中 [srad.jp]とか、ごみ埋立後でまだ汚染されている土地 [impress.co.jp]とか、リニア実験線跡地 [impress.co.jp]とか、
通常の建物が建てることがない土地に建てるのが理想。
せめて農地として適していない場所ならともかく、耕作放棄地に建てる「電田」は筋が悪い。
それなら、稲藁がバイオマスの原料にもなる飼料用の多収品種の稲とか、エタノール用に遺伝子組み換えの小麦とかを栽培するように、
規制緩和したり補助金を付けたり方がまし。
雇用も生むし、飼料の国産化がすすめば、食糧自給率も上がるし(数字上は)。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1, 興味深い)
メガソーラーなんて、作る必要も必然性もない。
なんでわざわざ広い土地をつぶして固定資産抱えてやろうとしてるのか、さっぱりわからない。
個人で屋根に載せたがってる人はいっぱいいるんだから、メガソーラーに設置するはずのパネルを個人宅に乗せればいい。
土地を自前で用意する必要がなくなるから初期投資が抑えられて不動産税もかからない。
土地の投資が抑えられるのでパネルの投資を増やすことができる。
儲けは売電の中間搾取で出す。
パネル投資を増やせる分、規模を大きくできるので回収効率も上がる。
Re: (スコア:0)
政府あるいは電力会社にタカろう、そういうことなのだと思うよ。
補助金や超割高での定額買取制度がなければ、とてもではないがペイしない事業で利益が出るってのは、そういうことでしょう。
Re: (スコア:0)
よし原発は絶対やめるべきだな、そういうことでいいんだよね。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:4, すばらしい洞察)
原発の補助金はすでに現在の電気料金にコミットされてるしょ
太陽光発電は4月からのっけ始めたんですよ。明細見てみ
「太陽光促進付加金」っていうのが増えてるよ…
##だから太陽光嫌なんだよ…
##利権という意味では原子力なんかよりタチ悪いだろ、
##メガソーラーとかも蓄電施設とセットで、安定出力してるなら高く買取るって言うのもわかるんだけどさ
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:2)
多少、野暮なツッコミを。
・「利権」という言葉を用いて原発や再生可能エネに対して使って批判される例を見るのですが、勢い余って「経済の仕組み上正当な範囲の儲け」まで否定されていませんか。
またその場合、エネルギーで最大の「利権」は石油・石炭・ガス等の化石燃料ということになるのですが、そちらを批判されないのは何故でしょうか。
お金自体に罪はありませんし、ある程度までの正当な儲けを批判するのは不適切な行為です。出資やリスクに比して不当に高い利益を得ていないかどうか、を論じるべきでしょう。
# 太陽光業界は競争が激しいので、利益を計上してる暇なぞあったら、技術開発や生産量・流通量拡大に投資しないと負けます。
# 京セラとか太陽電池売り始めてから30年間赤字だった(でも諦めなかった!)そうですし、他社も似たようなものかと。
・風力や太陽光は確かに出力変動しますけど、先行するドイツじゃこんな風に実用になってますよ [fraunhofer.de]。黄色が太陽光、薄灰色が風力。既に日本の何倍も導入してます。もちろん蓄電なんてまだ殆ど使ってない、揚水も輸出入も少ない。
・日本がいまこれだけ電力不足で悩んでる一因は間違いなく原発の弱点(一度トラブル起こすと影響大&長期間)です。しかも使用済み燃料の処理費が一部しか計上されて無かったりして、コストも不透明。
そういう点では、原子力の方が「タチが悪い」とも言えます。
再生可能エネも原発もそれぞれ一長一短で、どちらも決して万能じゃありません。
エネルギーで今一番大きなリスクは化石燃料のコスト増加な訳で、屁理屈で足引っ張り合ってる場合じゃないでしょ。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
>ふつう利権というのは、政治家や役人が、許認可を使って特定の企業のみに参入を許すかわりに何らかの見返りを求める、というものでしょう。
>たとえば、
>携帯電話サービスの事業者のカリスマ社長が、その許認可権を握っている総務省のトップの大臣とベタベタに懇意にしている
>っていうのは利権構造があると疑われるよね。
そのへんは全く同意なんですが。
最終的に重要なのは、得た利益が正当な範囲かどうか、特定の企業だけが儲けすぎてないか、なんですよね。
問題になるなら、投資額や発電状況(売電額)、損益等の公開をプロジェクト別に義務づけたら良いと思います。(…でも現状、電力会社も非公開のデータが多いんですよね。)
>それはパネルのメーカーの話で、太陽光発電事業者の話じゃないよね。
事業者の話でも似たようなもんは山ほどありますが。いきなりポッと参入してきた方はどうだかわかりませんけど、数十年真面目に取り組んできた筋金入りの猛者もたくさん居ますよ。
>ドイツはフランスと並んで、隣国との間で電力の輸出入の盛んな国ですよ。
輸出・輸入量とも、総電力需要の1割未満です。しかも日本みたいなダム式水力が無いので、その分でかなり相殺されちゃいます。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
しまった、一カ所訂正です。ついでに、一言追加。
>輸出・輸入量とも、総電力需要の1割未満です
輸出は最近、1割以上に増えました。
2008年時点で輸入が7.7%、輸出が11.4%です。(出典:IEA Electricity Information 2010)
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日本の方が不利な条件も確かにあって、地域別に細かくわかれ、特に50/60Hzで周波数まで違ってたりするのもその一つ。
でもそれを解決する技術もあって、日本の条件で計算しても、系統安定化の費用を含めてもペイすると見られてます [env.go.jp]。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
>なんか初めから答えが決まってそうな(答えありきで書かれていそうな)気がするのは気のせいでしょうか・・・。
シナリオの1つに過ぎないと言われればそれまでですが、可能そうな範囲ではあるでしょう。
シナリオから”外れるリスク”も当然ありますが、予測からのずれに逐一対応することで、全体としては成功を収めて来てるのがドイツです。
”外れるリスク”ばかりを見ていつまでも尻込みしていては、余計にリスクを増大させ、結局は化石燃料コスト高騰で行き詰まるだけかと。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
> リスクを正しく評価して、そのリスクを受け入れる準備をして進むのならいいのだけど
原発のようにコスト情報が非公表なものならともかく、再生可能エネルギーは基本的にコストも開発状況もオープンです。
ここ数年の買取制度に関する検討状況も、議事録や配布資料まで含めて逐次公開されてますよ [meti.go.jp]。何回か傍聴しましたが、利害関係者がかなり本音でやりとりされていて良い雰囲気だったと思います。
既に世界で新設される発電所の約1/3が再生可能エネルギーになり、投資額も2110億ドルに達する [fs-unep-centre.org]等、エネルギー供給構造は変わり始めています。
にもかかわらず、数年前までの日本のように政治的理由で資源量の情報収集すらされなかったり、「出る杭は叩け」とばかりに成長産業に対してろくにデータも示さずにネガティブなことばかり言われる方が、よほど将来のリスクを高めると思います。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
お示ししたIEA統計では輸出と輸入の数字が別になっていますので、おっしゃるような相殺はされていないと思われます。
相殺するなら、輸出20TWh(原発に換算して2~3基分)だけになるはずですので。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
いいえ。"国境を越えた時点で輸出(もしくは輸入)と見なす”そうです。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
ネガティブな面だけ取り上げて論じてる貴方のほうが、乱暴な話をされています。
私が取り上げた環境省による日本の条件での試算 [env.go.jp]では、系統安定化の費用まで考慮されているのですから。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
特定個人にたいする嫌悪感と混同するような書き方を、意図的にされてませんか。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
あなたがネガティブな面ばかり取り上げる詭弁を用いられていることには、変わりませんので。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
・定量的なデータの提示に対し、自分は何らデータを出さず、定性的な批判のみ行う
・それを指摘されると、論点をすり替えたり、陰謀論を持ち出したり。
勉強して、出直して下さい。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
「レッテル貼り」というレッテルを貼って頂き、ありがとうございます。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1, 興味深い)
たとえば本当は200億円で作れる太陽光の発電所をさ、国会議員の紹介の業者に300億円で発注するのさ。
国の公共事業ではなく、民間企業の設備投資だからさ、入札とかなくて任意の金額・受注会社を選べるよな。
んで、国会議員が後押しして国から1/3とか補助金をもらうわけさ。総工費の1/3だってんで100億円な。
本来なら66億円しかもらえないはずで、つまり差額の33億円は、国会議員と業者と発電会社で山分けな。
・・・ってなことが、できちゃうよな。
総工費の1/3ではなく、定格出力あたり幾らという方式なら、定格出力を過大に表示した製品を使えばいい。
普通なら、そんなインチキなスペックのものを買った人は怒るが、水増しを承知の上で買うのだから誰も文句を言わない。
やべーよ。補助金漬けは。
Re: (スコア:0)
馬鹿らしい作り話と思いきやここ10年くらい日本で実際にやってきた事
同じカネを固定価格買い取り制度につぎ込んでいれば、日本全体で数倍の発電量を確保でき、太陽光パネルで世界トップを独走でき、その上利権が生まれる余地が極小というメリットがあったのに
利権がないと困るヒトたちに補助金ぶんどられてこのざまだよ
Re: (スコア:0)
ネットで安い所の見積なら、それなりに美味しい投資ですよ
それと少なくとも大半が原発絡みに使われる数千億円の電源三法交付金が電気料金にコミットされているという話は聞いたことないんだが
どっかにソースありますか
3兆円ぶち込んで巨大な廃棄物になりそうなもんじゅにしても電気代にはコミットされてるという話でしたっけ?
Re: (スコア:0)
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
>原発の場合、タカろうとしているのは原発立地の自治体や住民であって。
あなたの住んでいる地域は交付金ゼロで原発を受け入れるということでしょうか?
あんな原爆の親戚みたいな施設、金貰わなきゃどこも引き取らないと思ってましたが。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
>いざリスクが現実のものとなったときに、金を寄越せって言うことだと思う。
事故は起きないように設計したという話だったからでしょう。実際には当然起きうる災害程度にすら対策してなかった訳ですが。
Re: (スコア:0)
それじゃコストが合わないから国に押しつけてるんだよね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
世界中探したって存在しないと思いますけどね
Re: (スコア:0)
タカるだなんて、まるで原発推進する国が被害者みたいじゃないですかー?
マトモに情報も公開せずマトモに維持管理もせずにリスクを押しつるために
対価を払うことでなんとか引き受けてくれる自治体を見つけているのが現実なのにw
Re: (スコア:0)
ああなんという愛国者。こんな立派な人ばかりなら原発の推進も悪くないかもね
Re: (スコア:0)
バイオ燃料 → 考えても見なかった
水力発電 → 旧世代の方法なのでなんとなくこれ以上は無理そう
風力 → どう考えても(なんとなく)安定大量供給なんて無理そう
地熱 → よくわかんないけど大量供給は難しいようなイメージ
太陽光 → 太陽光の元エネルギーは膨大なんだから発展すれば沢山エネルギー得られそうなイメージ+蓄電技術の進歩で
って何となくなイメージから来てるんじゃないでしょうか
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
日本でそこまで穀物が取れません。
建てられるところには建てきってます。
海外の事例をアテにし辛い点としては、日本にはちょこちょこ台風が来る点です。このため「台風があまり来ない東北に」といった話が活発になる訳ですが、送電効率もあるため「関西以西に送るなんて夢だよね」という事になるかと思います。
もちろん「とりあえず東日本はこれで」という方針は、それはそれでアリだと思います。設置エリアの近隣住民が納得するかは別として。
実のところ、こちらも建てられるようなところには建てきってます。後は適した土地は温泉地であったり、国立公園だったりと……。
蓄電と言っても、「一か月の平均日照日数が一桁前半」なんていう冬の北陸とかも考えると、そういったエリアだと投資コストの回収はきつそうです。というか雪降ったら(略)
台風などによる破損などが怖いという点を除けば、風力よりもこちらの方が関西以西には向いているのかもしれません。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
潮汐発電を忘れてるぜ。
日経サイエンスで自然エネルギーだけで充分 (アメリカでの話) という記事を読んだら、太陽発電の変動を潮汐発電でカバーする計画だった。
海に囲まれた日本には絶好だね。
the.ACount
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:2, 興味深い)
まぁ、「じゃあ、他にどーすりゃ良かったんじゃい!!??」と云う意見も有るとは思うけど、原発に関わる諸問題(使用済み燃料の最終処分をど〜するねん、とか)を考えると、原発に電力を依存する様な社会になっちまった時点で、ある意味、「進む(原発使い続ける)も地獄、引く(原発を使わないようにする)も地獄」って状況になっちまったんじゃねーんですかねぇ。
で、よりマシな地獄はどこかって検討や選択を引き伸ばしてきた結果が、今の状況、と。
(バイオマスを栽培するにも水+肥料+農地は必要) (スコア:0)
それに関しては下水処理場の曝気槽を活用するアイディアが/.でも見た気がする。
Re: (スコア:0)
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:2, すばらしい洞察)
今の15%節電ですら、電力の使用制限で工場とかで設備の稼働に制限がでたり、熱がこもる地下鉄ですら冷房を切らざるを得なかったり、挙句に報道を見ただけでも三井金属、オムロン、日本電産などが海外移転を検討していたり、トヨタが日本での物作りが限界といっているのに、これで原発全部止まったら、もうどうにもならないのは明白ではないでしょうか?
それとも、これらの会社が全部嘘をついているとでも? そこまで言ったらもう陰謀論とかその手の話になってしまいますし。
Re:やはり自然エネルギーは大変そう... (スコア:1)
経済的な面は他のコメント [srad.jp]の通りですが、さらに言えば「昼間の電車の量を 8 割程度まで減らす」(その影響で一部乗り入れが無くなる) なども経済的に影響があると言えるかと思います。
さらに今の医療や介護は「電気があって初めて成立する」という部分が極めて多い状態ですが、今の節電プレッシャーは「社会的弱者に死ねと言うようなもの」だったりする点からも、基本的に前提に疑う余地があるようには思えません。
都市部においては「電気がないと生活が成立しない」状況となっています。生活できないところで経済活動などというものが回るわけはない訳で、そうした点においても「節電と言われても減らせない消費電力」というのが少なくない状態なわけです。マンションなどにおける汲み上げポンプや各フロアの照明 (外に面していない通路など、明かりがなければ真っ暗ですし)、インターフォンなども「節電と言われても削れない消費電力」でしょう。
春/秋の深夜帯における消費電力を考えても、東京電力管轄だけでも 1000 ~ 1500 万 kW くらいはそういう最小限レベル (冷蔵庫などの「節電と言われても普通動かしっぱなしのもの」を含む) で消費されている電力ではないでしょうか。(東京電力管轄は早朝の消費電力は春/秋で 2000 ~ 2300 万 kW、夏/冬は 2500 ~ 3000 万 kW 程度だったという記憶から感覚で言ってます)
そして、この量は今日現在の東北電力管轄最大供給能力 (約 1300 万 kW) から見たら足りない可能性すら考えられます。
人が動かなくても生活のためにそれだけの電気を消費しているという点からも、普通に「足りません」だと思いますよ。
Re: (スコア:0)