akiraaniのコメント: いわゆる残当 (スコア 5, 興味深い) 150
ヤマハが提訴した直後の解説記事がこちら
JASRAC vs 音楽教室:法廷で争った場合の論点を考える
カスラック呼ばわりしてる方々の大半が勘違いしているのがこちら
4)教育目的
前にも書いたように、日本の著作権法では教育目的だから、教育機関だからという理由で演奏権が権利制限の対象になるということはありません(あくまでも、非営利・入場無料・無報酬(38条1項)だからということになります)。なので、教育目的だから著作権利用料支払い義務は生じないという主張は裁判官の心証にある程度影響を与えるかもしれませんが、あまり意味はありません。
本当に争点になっていたあたりがこのへん
5)演奏権の解釈
上記の「一人でも公衆」に加えて、この点も一般的感覚からは納得しにくいかもしれません。(有料の)リサイタルにおける演奏に著作権料支払い義務が発生するのはわかるとしても、それに至るまでの練習が演奏権の対象なのかという点です。
著作権法22条では、「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的とした」演奏が演奏権の対象になっているので、これを狭義に解釈すれば練習は演奏権の対象ではないという主張も可能なような気がします。ただし、講師の模範演奏は練習ではないですし、参考のために市販CDをレッスン中に聴く(CDの再生も著作権法上は「演奏」と扱われます)ということもあるので、すべて演奏権の対象外であるというロジックは困難なような気がします。
とまあ、こんな感じで、もともと音楽教室側の言い分は無理筋じゃね? というのが知財方面の専門家の予想でございました。
残念ながら当然、と言うしかないですな。