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今回使ったのはトリチウムを含まない重水素のみの模擬燃料のようですし、点火のレーザー出力もだいぶ小さいようですが、実際に核融合反応が(エネルギーアウトプットは少ないながらも)起きているところまで確認できた、というものなのでしょうか。
・ターゲットは重水素化ポリスチレン(固体で扱いやすい)・ベンチトップ型(多分)の小型装置での概念実証実験(の第一歩)・コア部分からのX線放射や熱中性子の測定から,中心温度が数百eV程度に加熱されることを確認・どの程度の時間で圧縮されるか等のダイナミクスも測定・今後,出力増加や最適化をして研究を進めていけば,核融合も(多分)夢じゃない
という論文のようです.
「レーザー核融合で発電しようとするなら必要になるであろう要素技術の一つ・連続点火を実験室で動かしてみたところ(ここは確かに世界初)、期待した数字がそれなりに出た」と、いう感じでしょうか。
トカマク炉のほうは、熱出力から実際に発電させる原型炉(DEMO)の概念設計がそろそろ…といった段階だと記憶していますが(その前のITERがホイホイ稼働するのかというのはさておき)、レーザー核融合のほうはさすがにそういった段階ではなさそうですね。プレスリリース [gpi.ac.jp]はちょいと飛ばし気味な気が。
/*そもそも、発電用途のレーザー核融合ってどういう炉のデザインにする構想なのかなあ。トカマク炉に比べてピンとこないというか、想像しづらいというか。レンズが周囲をずらっと囲んでいるデザインのままなんだろうか。*/
論文の主題としては,加熱機構の動力学っぽい感じの書き方でした.レーザー照射で生じた熱電子がかなりエネルギーを運んでる,とかそのあたりが明らかになったみたいです.コンパクトな装置でこういった高圧縮・高エネルギー状態の研究が簡単にできる事がわかったから,核融合の研究したりする際のテストベッドに向いてるよ,ってのも最後のあたりに少し書いてありますが.
それと,意外にレーザーの本数って少ないんですね.今回のも,レーザーを2本に分割,一方をさらに2分割して圧縮用に,残りはパルス幅を圧縮(=エネルギー密度を増加)してこれまた2本に分割して加熱用に,ということで,サンプルへの照射部分は4本だけみたいです.
>、発電用途のレーザー核融合ってどういう炉のデザインにする構想なのかなあ。
古い資料ですが,こんな感じなようです.
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/kakuyugo2/siryo/kaihatsu08/siryo12.pdf [aec.go.jp]http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/old/kakuyugo/siryo/siryo137/siryo3.htm [aec.go.jp]
何らかの手段で気体や液体の加熱へとエネルギーを転換し,それを取り出す手法ですね.
液体壁方式では,チャンバー内面に上から液体金属を注ぎ,それが核融合で生じた熱を吸収,高温の液体金属となって下から回収される,と.ついでにLiも混ぜておいて,そいつが発生した中性子を吸収することでトリチウムを生じ燃料も増殖出来る設計のようです.直接壁面を流すほかにも,メッシュに浸潤させたりといろいろ検討はあるようです.
固体壁方式では,チャンバー内にある程度のガスを導入しておきそいつにある程度エネルギーを吸収させ高温のガスに,壁面の最表面はタングステンなどの高融点物質でコーティングし,壁内の冷却水か何かで吸収するようです.ただ,こちらの方が壁面への熱衝撃が大きいため耐久性が課題?
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
プレスリリースを見ると実際に核融合を行ったように読める (スコア:2)
今回使ったのはトリチウムを含まない重水素のみの模擬燃料のようですし、点火のレーザー出力もだいぶ小さいようですが、実際に核融合反応が(エネルギーアウトプットは少ないながらも)起きているところまで確認できた、というものなのでしょうか。
Re:プレスリリースを見ると実際に核融合を行ったように読める (スコア:4, 参考になる)
・ターゲットは重水素化ポリスチレン(固体で扱いやすい)
・ベンチトップ型(多分)の小型装置での概念実証実験(の第一歩)
・コア部分からのX線放射や熱中性子の測定から,中心温度が数百eV程度に加熱されることを確認
・どの程度の時間で圧縮されるか等のダイナミクスも測定
・今後,出力増加や最適化をして研究を進めていけば,核融合も(多分)夢じゃない
という論文のようです.
Re:プレスリリースを見ると実際に核融合を行ったように読める (スコア:2)
「レーザー核融合で発電しようとするなら必要になるであろう要素技術の一つ・連続点火を実験室で動かしてみたところ(ここは確かに世界初)、期待した数字がそれなりに出た」と、いう感じでしょうか。
トカマク炉のほうは、熱出力から実際に発電させる原型炉(DEMO)の概念設計がそろそろ…といった段階だと記憶していますが(その前のITERがホイホイ稼働するのかというのはさておき)、レーザー核融合のほうはさすがにそういった段階ではなさそうですね。プレスリリース [gpi.ac.jp]はちょいと飛ばし気味な気が。
/*
そもそも、発電用途のレーザー核融合ってどういう炉のデザインにする構想なのかなあ。トカマク炉に比べてピンとこないというか、想像しづらいというか。
レンズが周囲をずらっと囲んでいるデザインのままなんだろうか。
*/
Re:プレスリリースを見ると実際に核融合を行ったように読める (スコア:1)
論文の主題としては,加熱機構の動力学っぽい感じの書き方でした.レーザー照射で生じた熱電子がかなりエネルギーを運んでる,とかそのあたりが明らかになったみたいです.
コンパクトな装置でこういった高圧縮・高エネルギー状態の研究が簡単にできる事がわかったから,核融合の研究したりする際のテストベッドに向いてるよ,ってのも最後のあたりに少し書いてありますが.
それと,意外にレーザーの本数って少ないんですね.
今回のも,レーザーを2本に分割,一方をさらに2分割して圧縮用に,残りはパルス幅を圧縮(=エネルギー密度を増加)してこれまた2本に分割して加熱用に,ということで,サンプルへの照射部分は4本だけみたいです.
>、発電用途のレーザー核融合ってどういう炉のデザインにする構想なのかなあ。
古い資料ですが,こんな感じなようです.
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/kakuyugo2/siryo/kaihatsu08/siryo12.pdf [aec.go.jp]
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/old/kakuyugo/siryo/siryo137/siryo3.htm [aec.go.jp]
何らかの手段で気体や液体の加熱へとエネルギーを転換し,それを取り出す手法ですね.
液体壁方式では,チャンバー内面に上から液体金属を注ぎ,それが核融合で生じた熱を吸収,高温の液体金属となって下から回収される,と.ついでにLiも混ぜておいて,そいつが発生した中性子を吸収することでトリチウムを生じ燃料も増殖出来る設計のようです.
直接壁面を流すほかにも,メッシュに浸潤させたりといろいろ検討はあるようです.
固体壁方式では,チャンバー内にある程度のガスを導入しておきそいつにある程度エネルギーを吸収させ高温のガスに,壁面の最表面はタングステンなどの高融点物質でコーティングし,壁内の冷却水か何かで吸収するようです.ただ,こちらの方が壁面への熱衝撃が大きいため耐久性が課題?