コメント: 「軌道上制御不能になり」ではなく、もともと制御していない (スコア 5, 参考になる) 28
「軌道上制御不能になり」って書くと事故か何かで制御を失ったように見えるけど、そういう話じゃないです。
長征5号Bのコアブースターは通常のロケットでいう2段目に相当する部分で、普通は2段目はそこまで制御せずに、放置したり大気圏に再突入して燃やしたりするので、中国側も制御する必要性を感じず、その機能を入れていない、というのが正しいです。
じゃあなんで問題になっているかというと、「2段目としてはけた違いにデカくて燃え尽きないから」です。
こんなデカい二段目を使うんだったら制御して再突入させろよという話なんですが、開発陣は当初問題になると思ってなかったんでしょう。
だから、長征5号Bの打ち上げのたびに毎回この話があがります。
(スラドの関連リンクにある通り、前回も問題になった。)
宇宙ライター大貫氏の一連のツイートが参考になるので貼っておきます。最後のまとめだけ引用。
というわけで、話をまとめると…
・宇宙ロケットが大気圏再突入するのは毎回のこと
・どこに落ちるかわからないロケットも珍しくはない
・中国は、桁違いに大きなロケットがどこに落ちるかわからないような運用をして、情報開示も不十分というのが今回の問題です。