simonのコメント: 一度認められると際限なく拡大していく (スコア 5, 興味深い) 185
このプレジデントオンラインの記事は
『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書)児玉真美
を底本にしてるんだが
・一度安楽死が認められるとその条件はどんどんゆるくなっていく
・『耐えがたい苦痛がある』という条件でしか安楽死は認められなかったのが、『貧困や障害でQOLが低い』でも安楽死を認められるようになる
・安楽死は臓器移植のための臓器供給源になっている
みたいなおっそろしいことが書いてある本なのでみんな読もう。「日本政府は安楽死を認めてください」なんて言えなくなるから。それは一度下ってしまったら二度とは戻れない一方通行のすべり坂だぞ。
あと、一度安楽死を認めてしまった社会では「死にたい」という患者の悩み(死にたいわけではなく解決しがたい悩みを抱えているだけ)に対して医療従事者は「じゃあ安楽死しますか?」という提案をしてしまいがちになるという医療側に「安楽死」という選択肢ができてしまうと治療するんじゃなくて安楽死させたほうが簡単で楽という甘美な誘惑(たいていその誘惑に抗えない)になるという面もある。
安楽死の議論があるのはわかるが、現状の「医療費削減のために安楽死(尊厳死)を認めよう」っていう状況下では生きたい患者を死なせようとする圧力になるのでよくない。超よくない。
あと、この本は児玉さんが10年前にシノドスに書いたコラム
https://synodos.jp/opinion/society/1070/
がめっちゃバズるので「このネタを掘り下げて本にしてみたら?」と勧められたので書いたのだそうだが、10年前でも十分に地獄だったのが10年のときを経て真正の地獄になってるのでやっぱヤバい。
俺も人生の最後の〆方は自分で決めたいとは思うが、それが政府が推進する安楽死なのは死にたくないヤツも死に押しやられてしまうのでヤバい。あくまで個人個人が自分で決めるべきで、制度としてあってはならない。