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うちにもそれなりの量(個人の感覚ではたくさん)ある。また映像メディアで、VHS,LD,DVD,BDと同種のコンテンツを持っているものもあったりする。メディアの寿命もそうだけど、技術の進歩(入れ替わり)にも困ったもんだ。
東京国立近代美術館フィルムセンターの方の話では、「映画等のフィルム素材は適切に保管すれば100年以上の実績がある」そうです。(7/27にJAXA/ISAS特別公開に合わせて、すぐ隣にある東京国立近代美術館フィルムセンター 相模原分室の施設ツアーがあったので参加してきました。)
http://www.momat.go.jp/FC/fiaf70thmanifesto/index.html [momat.go.jp] 「東京国立近代美術館フィルムセンター」-「FIAF70周年記念マニフェスト-映画フィルムをすてないで!」 > ●映画フィルムは物理的・化学的に脆弱であるとも言えますが、適正に保管され怠りなく扱われれば
知っている人はもう耳にタコが出来ている話かも知れないが、参考になれば。映画を保存するにはフィルムが一番、という理由は#2430772 [srad.jp]にある通りで、ではそのフィルムをどうやって確保するか、という話。特定メーカへのリンクばかりで申し訳ない…すぐ思い出せる情報源がこの辺だけなので乞ご勘弁。
富士フィルムが「撮影用/上映用映画フィルム 生産終了のお知らせ [fujifilm.jp]」のプレスリリースを出したのが4月。今後、フィルムベースで撮影/配給することはどんどん難しくなって行く。何せフィルムの供給が先細る一方なので。
と言うことは、保存のためのフィルムは、新たに作らないといけない。何せ、今後はプリント自体がないんだから。その需要を満たすために、アーカイブ用フィルム> ETERNA-RDS [fujifilm.jp]のラインが残っている。意外かも知れないが、このフィルムは白黒。このフィルムでどうやってカラー映画を記録するかと言えば…
色分解して、分解した数だけのフィルムを作る。
4色分解なら4本。これをスキャンして合成すればカラー画像を再現できる、という寸法だ。何でここまで面倒なことをするかと言えば、カラーフィルムは白黒フィルムに比べて全然保たないから。一昔前にマイクロフィルムで話題になった加水分解による劣化は、対策が済んだことになっているけど、これは実は白黒フィルムについてだけのこと。カラーフィルムの素材は、劣化の元凶となっていた、昔ながらのものだ。保存向けとされる素材だと、柔軟性が足りなくて、カラー用の薬剤がうまく乗らなかったのだそうだ(この事情は、写真機用の35mmフィルムでも変わらない)。このため、カラーフィルムだと、保存環境を整えてやっても、いいとこ1世紀程度が保存限度らしい。もっとも1世紀経ったカラーフィルムなんてどこにもないから、本当のところは誰にもわからない(白黒はもう少しマシで、数世紀は保つんじゃないかと言われている)。
加えて、フィルム上の色情報も、時間が経つとどんどん変質してしまう。
そんな訳で、カラー映画を真面目に数世紀は保存出来るようにしようとすれば、今のところ、白黒フィルムに焼き付けるのが最善、ということになってしまう。
もの凄く迂遠な話に聞こえるとは思う。ただ一方で、デジタルのまま数世紀後の読み出し可能性が保証されている手法が既にあれば、誰もこんな面倒な方法を編み出したりしない。
極論すれば読み出しさえ出来ればあとは何とか出来る画像情報でさえこの状況なので、もっと事情が混み入っているプログラム著作物で問題が起きていても、あまり不思議には思わない。作るだけの段階を経て、今は、保存提供方法の産みの苦しみが続いているところと考えていいんじゃないかと思う。
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図書館に限らない (スコア:0)
うちにもそれなりの量(個人の感覚ではたくさん)ある。
また映像メディアで、VHS,LD,DVD,BDと同種のコンテンツを持っているものもあったりする。
メディアの寿命もそうだけど、技術の進歩(入れ替わり)にも困ったもんだ。
映像メディアはフィルムが長持ち? (スコア:0)
東京国立近代美術館フィルムセンターの方の話では、「映画等のフィルム素材は適切に保管すれば100年以上の実績がある」そうです。
(7/27にJAXA/ISAS特別公開に合わせて、すぐ隣にある東京国立近代美術館フィルムセンター 相模原分室の施設ツアーがあったので参加してきました。)
http://www.momat.go.jp/FC/fiaf70thmanifesto/index.html [momat.go.jp]
「東京国立近代美術館フィルムセンター」-「FIAF70周年記念マニフェスト-映画フィルムをすてないで!」
> ●映画フィルムは物理的・化学的に脆弱であるとも言えますが、適正に保管され怠りなく扱われれば
Re:映像メディアはフィルムが長持ち? (スコア:1)
知っている人はもう耳にタコが出来ている話かも知れないが、参考になれば。
映画を保存するにはフィルムが一番、という理由は#2430772 [srad.jp]にある通りで、ではそのフィルムをどうやって確保するか、という話。
特定メーカへのリンクばかりで申し訳ない…すぐ思い出せる情報源がこの辺だけなので乞ご勘弁。
富士フィルムが「撮影用/上映用映画フィルム 生産終了のお知らせ [fujifilm.jp]」のプレスリリースを出したのが4月。今後、フィルムベースで撮影/配給することはどんどん難しくなって行く。何せフィルムの供給が先細る一方なので。
と言うことは、保存のためのフィルムは、新たに作らないといけない。何せ、今後はプリント自体がないんだから。
その需要を満たすために、アーカイブ用フィルム> ETERNA-RDS [fujifilm.jp]のラインが残っている。意外かも知れないが、このフィルムは白黒。
このフィルムでどうやってカラー映画を記録するかと言えば…
色分解して、分解した数だけのフィルムを作る。
4色分解なら4本。これをスキャンして合成すればカラー画像を再現できる、という寸法だ。
何でここまで面倒なことをするかと言えば、カラーフィルムは白黒フィルムに比べて全然保たないから。
一昔前にマイクロフィルムで話題になった加水分解による劣化は、対策が済んだことになっているけど、これは実は白黒フィルムについてだけのこと。カラーフィルムの素材は、劣化の元凶となっていた、昔ながらのものだ。
保存向けとされる素材だと、柔軟性が足りなくて、カラー用の薬剤がうまく乗らなかったのだそうだ(この事情は、写真機用の35mmフィルムでも変わらない)。
このため、カラーフィルムだと、保存環境を整えてやっても、いいとこ1世紀程度が保存限度らしい。もっとも1世紀経ったカラーフィルムなんてどこにもないから、本当のところは誰にもわからない(白黒はもう少しマシで、数世紀は保つんじゃないかと言われている)。
加えて、フィルム上の色情報も、時間が経つとどんどん変質してしまう。
そんな訳で、カラー映画を真面目に数世紀は保存出来るようにしようとすれば、今のところ、白黒フィルムに焼き付けるのが最善、ということになってしまう。
もの凄く迂遠な話に聞こえるとは思う。
ただ一方で、デジタルのまま数世紀後の読み出し可能性が保証されている手法が既にあれば、誰もこんな面倒な方法を編み出したりしない。
極論すれば読み出しさえ出来ればあとは何とか出来る画像情報でさえこの状況なので、もっと事情が混み入っているプログラム著作物で問題が起きていても、あまり不思議には思わない。
作るだけの段階を経て、今は、保存提供方法の産みの苦しみが続いているところと考えていいんじゃないかと思う。