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kahoさん、素晴らしい解析を有り難うございました。私は最初、STAP細胞は桑実胚(Morula)を使った捏造実験ではないかと思っておりましたが(「球状」の形態、「胎児/胎盤の2方向性分化」からそう思いました)、小保方氏にその細工をするだけの技量があると思えず不思議に感じておりました。しかし、Kahoさんの解析により「STAP=ES」であることが強く示唆され、とても納得いたしました。
小保方氏が、若山教授に渡したマウスと異なる系統のマウスに由来する細胞塊をSTAP細胞と称して渡したことが判明した今でも、STAP細胞の存在を信じる声が残っていることには
ES細胞をEBのようにして若山氏に渡した、というご発想、たしかにそうかもしれませんね。
胎盤は母体組織の他にtrophoblast由来の胎仔組織、epiblast由来の胎仔組織から構成されます。胎仔側の血管はepiblast由来の細胞で出来ており、胎盤に入り込んでいます。ES細胞は胎仔側の血管に寄与できますので、胎盤組織の一部がGFPを発する事自体は何ら不思議ではないでしょう。現に、理研CDB丹羽研究室のトップページにGFP胎仔の写真が載っていますが、これはCAG-GFP ES細胞由来のキメラ胚の写真です(同じ写真が論文にも使用されています)。この写真をよく見
詳しい解説とコメント、どうも有り難うございました。ご解説いただいたことを念頭に、理研CDB丹羽研HPや、他の論文の図を調べました上でNature LetterのFig. 1を見直してみますと、非常に不自然な点があることが解りました。そして、この写真を撮影したのが若山教授であったことを考えると、なぜこのような出来の悪い写真をNature投稿に使用されたのか、と頭をかしげております。
理研CDB丹羽研究HPにもありますように、ESキメラのデータとしては「臍帯」と「胎盤中心部(胎児由来)」が光っているものを提示するのが普通だと思いました。もちろんキメラ構成状況にもよるでしょうが、今回は「STAPキメラとの相違点」を明示するのが目的ですので、ESキメラのデータとしては上記2カ所が光っている写真を提示すべきです。その上で、STAPキメラのデータとして、ESキメラでは絶対に光らない「胎盤中間帯〜周辺部」までが光っている写真」を提示すべきです。さらに、理研CDB丹羽研究HPのように「免疫染色データ」も併せて提示すべきでした。実際、「生体内作製iPS細胞はtotipotentである」ことを示したHanna氏の論文(Nature 502 340-345, 2013)では免疫染色図も提示されています。さらにblastcyst injection後にICM以外にtrophoectodermも光っている写真が提示されています。ここまでのデータを要求しなかったreviewerにも過失があります。
ここまでのデータを示さずに「胎盤へのコミットメント」を主張し、「ESキメラでは説明できない胎盤コミットメントが見られる」ことを根拠にSTAP細胞の存在をかたくなに主張していた2月当時の若山教授の理屈が全く成り立たないものであることを理解いたしました。
なおFig. 1では臍帯が全く光っていませんが、この点も非常に不可解です。ご指摘にように、臍帯を除去した、と思われますが、臍帯が光っているデータを示してこそ「胎盤と胎児が同じ個体のものである」ことの証拠になります。このようなデータを提示することは著者にとり非常に不利であり、別マウス(GFPなし)の胎盤を持ってきて写真を撮った、と疑われても仕方ありません。またご指摘にように、yolk sac(胎児由来)が全く光っていないことも不可解です。うかつなことに論文を読んだ際に全く気づきませんでしたが、それはESキメラの写真ではyolk sacが胎盤の上に重なっており、明視野写真ではその存在に目がいかなくなっているからです。これは著者の仕組んだトリックであり、騙されてしまった自分のうかつさを恥じております。
ESキメラの写真の「Long exposure」がlong exposureでないことは多くの人が指摘している通りですが、それ以前に「ESキメラの胎児と胎盤は同じ個体のものである証拠がない」という非常に怪しい状況と理解しております。またSTAPキメラの写真で、yolk sacと胎盤という「全く由来の異なる組織」を遭えて一緒に載せていることにも違和感を感じます。何回も実験していれば、また若山教授が言われたように「胎児を動かして何枚(100枚?)も写真を撮った」というのであれば、胎盤だけを映した解りやすい写真、を提示することができたはずです。このことは、実験回数が極端に少ない(1回?)ことを暗示しているように思います。
私は若山教授は直接存じ上げませんが、これまでの業績、取材へのコメント、大学に進退伺いを出された潔さなどから、真摯な学者というイメージを持っておりましたが、Letter Fig.1を見直してみて、上記の考えを訂正しているところです。
コメントをいただき、非常に勉強になりました。どうも有り難うございました。
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家
解析、有り難うございました (スコア:1)
kahoさん、素晴らしい解析を有り難うございました。私は最初、STAP細胞は桑実胚(Morula)を使った捏造実験ではないかと思っておりましたが(「球状」の形態、「胎児/胎盤の2方向性分化」からそう思いました)、小保方氏にその細工をするだけの技量があると思えず不思議に感じておりました。しかし、Kahoさんの解析により「STAP=ES」であることが強く示唆され、とても納得いたしました。
小保方氏が、若山教授に渡したマウスと異なる系統のマウスに由来する細胞塊をSTAP細胞と称して渡したことが判明した今でも、STAP細胞の存在を信じる声が残っていることには
Re: (スコア:0)
ES細胞をEBのようにして若山氏に渡した、というご発想、たしかにそうかもしれませんね。
胎盤は母体組織の他にtrophoblast由来の胎仔組織、epiblast由来の胎仔組織から構成されます。胎仔側の血管はepiblast由来の細胞で出来ており、胎盤に入り込んでいます。ES細胞は胎仔側の血管に寄与できますので、胎盤組織の一部がGFPを発する事自体は何ら不思議ではないでしょう。現に、理研CDB丹羽研究室のトップページにGFP胎仔の写真が載っていますが、これはCAG-GFP ES細胞由来のキメラ胚の写真です(同じ写真が論文にも使用されています)。この写真をよく見
Re:解析、有り難うございました (スコア:0)
詳しい解説とコメント、どうも有り難うございました。
ご解説いただいたことを念頭に、理研CDB丹羽研HPや、他の論文の図を調べました上でNature LetterのFig. 1を見直してみますと、非常に不自然な点があることが解りました。そして、この写真を撮影したのが若山教授であったことを考えると、なぜこのような出来の悪い写真をNature投稿に使用されたのか、と頭をかしげております。
理研CDB丹羽研究HPにもありますように、ESキメラのデータとしては「臍帯」と「胎盤中心部(胎児由来)」が光っているものを提示するのが普通だと思いました。もちろんキメラ構成状況にもよるでしょうが、今回は「STAPキメラとの相違点」を明示するのが目的ですので、ESキメラのデータとしては上記2カ所が光っている写真を提示すべきです。その上で、STAPキメラのデータとして、ESキメラでは絶対に光らない「胎盤中間帯〜周辺部」までが光っている写真」を提示すべきです。
さらに、理研CDB丹羽研究HPのように「免疫染色データ」も併せて提示すべきでした。実際、「生体内作製iPS細胞はtotipotentである」ことを示したHanna氏の論文(Nature 502 340-345, 2013)では免疫染色図も提示されています。さらにblastcyst injection後にICM以外にtrophoectodermも光っている写真が提示されています。ここまでのデータを要求しなかったreviewerにも過失があります。
ここまでのデータを示さずに「胎盤へのコミットメント」を主張し、「ESキメラでは説明できない胎盤コミットメントが見られる」ことを根拠にSTAP細胞の存在をかたくなに主張していた2月当時の若山教授の理屈が全く成り立たないものであることを理解いたしました。
なおFig. 1では臍帯が全く光っていませんが、この点も非常に不可解です。ご指摘にように、臍帯を除去した、と思われますが、臍帯が光っているデータを示してこそ「胎盤と胎児が同じ個体のものである」ことの証拠になります。このようなデータを提示することは著者にとり非常に不利であり、別マウス(GFPなし)の胎盤を持ってきて写真を撮った、と疑われても仕方ありません。
またご指摘にように、yolk sac(胎児由来)が全く光っていないことも不可解です。うかつなことに論文を読んだ際に全く気づきませんでしたが、それはESキメラの写真ではyolk sacが胎盤の上に重なっており、明視野写真ではその存在に目がいかなくなっているからです。これは著者の仕組んだトリックであり、騙されてしまった自分のうかつさを恥じております。
ESキメラの写真の「Long exposure」がlong exposureでないことは多くの人が指摘している通りですが、それ以前に「ESキメラの胎児と胎盤は同じ個体のものである証拠がない」という非常に怪しい状況と理解しております。またSTAPキメラの写真で、yolk sacと胎盤という「全く由来の異なる組織」を遭えて一緒に載せていることにも違和感を感じます。何回も実験していれば、また若山教授が言われたように「胎児を動かして何枚(100枚?)も写真を撮った」というのであれば、胎盤だけを映した解りやすい写真、を提示することができたはずです。このことは、実験回数が極端に少ない(1回?)ことを暗示しているように思います。
私は若山教授は直接存じ上げませんが、これまでの業績、取材へのコメント、大学に進退伺いを出された潔さなどから、真摯な学者というイメージを持っておりましたが、Letter Fig.1を見直してみて、上記の考えを訂正しているところです。
コメントをいただき、非常に勉強になりました。どうも有り難うございました。