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『「トワイライトエクスプレス」も車両老朽化を理由に』ってのは北陸新幹線開業と関係あるのか?
関係あるよ。
北陸新幹線の開業と同時に、重複する区間の在来線が第三セクターに払い下げられる。直江津~金沢は第三セクター(しかも新潟県の「えちごトキめき鉄道」、富山県の「あいの風とやま鉄道」、石川県の「IRいしかわ鉄道」の三社を跨ぐ)になるので、トワイライトエクスプレスを走らせるにはそれらの鉄道会社に料金の支払いが発生する。つまり現状の価格でトワイライトエクスプレスを維持できるか怪しくなり、値上げせざるをえなくなる可能性がある。
更に車両が老朽化してきている(食堂車のスシ24に至っては40年以上前の車両がベースだし、それ以外の車両も30年以上前のものを改造して使っている)ので、このまま維持するにしても限界がくる日は近い。ブルートレインは編成の長さの割に乗客数がそこまで多くはできないこともあって、赤字とは言わないまでも採算ベースで言えばやや厳しい部類な上に、前述の第三セクターへの通行料支払いや車両のコスト(ぶっちゃけ今後も維持するなら新規で建造しないといけないレベル)まで考えたら、流石にもうやめとこう、という判断になるのは自然なことじゃないかな。
まあトワイライトエクスプレスの後継車の構想自体はあるんだけど、定期便(厳密な意味での定期便じゃないけど)としての運用を終了せざるを得ないのは、やっぱり通行料金の問題だと思うよ。
じゃあ代替ルートを作ればいいじゃんと思うかもしれないけど、適切な経路があるかっていうと。マトモに走れるであろうルートって東海道本線経由ぐらいしかないけど、いままで運転に関わってこなかったJR東海がいきなり動くかっていうと多分ノーだし。そもそも夕景が見れることが売りなので「トワイライト」と名づけたのに、北陸本線を通らなくなる(=日本海の夕日が見れない)のでは名前倒れになってしまうしなぁ。(やりようによっては東海道本線から信越本線とか経由で羽越線に抜ける手はあるけど、夕日を見れるような時間にそこを通るダイヤってちょっと厳しいと思う)
さらに補足すると・・・
トワイライトもカシオペアも辞めたい理由の一つに、豪華寝台特急はダフ屋ばかり儲かり、鉄道会社が損する仕組みになっている状態があります。
豪華寝台特急もただの特急列車の為、2日前までならカシオペアスイートですらキャンセル料は500円以下で済みます。となると、買い占めてネットオークションで売る商売が簡単に成り立ちます。かなりボロい商売です。(もちろん売れなかったらキャンセルすれば良い。)
(常にビジネス需要があるサンライズ出雲瀬戸とは違い、)豪華寝台特急にとって2日前というのは直前キャンセルも同様で、列車はほぼ確実に空気を運ぶことになり、乗車率が高くないと黒字が出にくい(豪華)寝台特急は余計に商売が成り立たなくなるのです。
各社が豪華寝台特急を辞め、豪華クルーズ列車を発表する理由のひとつに入っていると思います。(クルーズ列車は旅行商品なのでキャンセルしたら違約金が発生しますし、ダフ屋行為もできません。)
更に補足すると、実は北海道新幹線の開業を見据えてって部分もあるんだよね。
まず青函トンネルをトワイライトエクスプレスの札幌行きが通過するのは、現状だいたい夜中の3時~4時頃。割と有名なネタだけど新幹線は深夜0時~朝6時は営業運転をせず、主に線路のメンテナンスに充ててる時間なので、こんな時間に青函トンネルを走られると、線路メンテナンスの邪魔になる。ダイヤを変えると「トワイライト」の名にある夕景が見えなくなるのは上コメの通り。
ついでに現状では青函トンネルの鉄道用の架電は交流20,000Vだけど、新幹線は交流25,000Vで動作するので、新幹線開業に向けて電圧が引き上げられる。そうすると現在、青森~函館での牽引に使用している電気機関車のED79 [wikipedia.org]形は使用できなくなってしまう。ちなみに青函トンネルは海底トンネルという地理的性質もあって、長い勾配が下り→上りと連続する。なので普通の電気機関車では対応できない。
これに対応してJR貨物のほうでは新型の電気機関車(EH800)を開発してるけど、JR東のほうでは特にそういう動きはないから、電圧が上がった時点で客車を牽引できる電気機関車がない、ということになる。今更開発するのは無理だろうから現実問題として、北海道新幹線開業に前後して既存の方式(客車を電気機関車で牽引する)は全滅することになる。
#という事情を考えると、北斗星もカシオペアもはまなすもなくなるんだろうなぁ#はまなすは函館~札幌に短縮されてキハ183になるんじゃね?って話もあるけど
> 鉄道用の架電は交流20,000Vだけど、新幹線は交流25,000V
…すると、車両を改造か新造しない限り、旅客は新幹線以外では青函トンネルを通れなくなるの?# 今でも特急券不要で特急電車に乗れたりするけど
その通り。
少なくとも現状、貨物と寝台特急以外で青函トンネルを通る「スーパー白鳥」「白鳥」で運用されている789系0番台・785系300番台・485系3000番台とも、そういう装備は実装されていない。いやもしかしたら試験的にこっそりついてる編成とかあるのかもしれないけど、少なくとも公開はされてない。
ちなみに秋田新幹線のE6系や山形新幹線のE3系1000番台・2000番台などは、在来線区間に入るための装備として20,000V・25,000Vどちらでも走れるようになっている。なので「そういうもの」を作ることは技術的には十分可能なんだけど、果たしてそこまでする価値があるかどうかというと……。
#蟹田~木古内とか新幹線通るようになっても18切符の特例区間のままなんだろうか#蟹田は通らないから奥津軽いまべつになるのか?
何その"特急"ミッドナイト
余談だけど、昔は快速ミッドナイトという函館−札幌間を走る夜行快速列車があって、青春18きっぷの利用可能期間よりやや短い期間、停車駅が激増するという特徴があった.停車駅がいつも通りであれば,函館→新さっぽろまで乗車日分の18きっぷで乗れるというお得な列車であったが,臨時停車駅が増える期間中函館ー札幌(圏内)を完乗するには乗車券の追加分を払うか,18きっぷ2日分を(その為だけに?)消費しなければならなくなるという露骨な罠が設置される.一方で,臨時停車の無い期間中に18きっぷで乗車する連中はタダ乗り同然のズルい客(脱法客)、という視線で見ている人々もいた.
はまなす(とか、在りし日のミッドナイト)は北海道南側(太平洋側)の漁師の人が結構使うんだよ。彼ら夜中に漁をして、何か用事で必要なら朝1で札幌に行くから。そういう意味では時間帯全然違うけど、こっちでいうホームライナーに近い性質がある。(しかも早朝に走る列車が他にないから意外と需要がある)なのでJR北としても廃止しづらいらしい。ただ青森~函館はそこまで重要じゃないからって話。
んで何で現状寝台急行という形態を取ってるかといえば、ディーゼルが入線できない青函トンネルと、電動車では入れない非電化区間の函館本線の両方を通ってるから、途中で窯の付け替えが必要になるってだけ。なので函館~札幌に短縮されたら窯+客車の編成である必要がなくなって、普通のディーゼル車で運転すれば良くなってしまう。
>直江津~金沢は第三セクター(しかも新潟県の「えちごトキめき鉄道」、富山県の「あいの風とやま鉄道」、石川県の「IRいしかわ鉄道」の三社を跨ぐ)になるので、トワイライトエクスプレスを走らせるにはそれらの鉄道会社に料金の支払いが発生する。>つまり現状の価格でトワイライトエクスプレスを維持できるか怪しくなり、値上げせざるをえなくなる可能性がある。
門外漢なので単純に分からないのですが、それらのおそらくあまり採算が良くないであろう第三セクターにとって、トワイライトエクスプレスの通行料は収入のかなり大きな部分を占めそうな気がします。その収入がゼロになるくらいなら、大幅な減額でも期間限定0円でも何でも受け入れるんじゃないかと思いますが…。それとも、そもそも第三セクターの設立にあたって、トワイライトエクスプレスの通行料を見込んではいないのでしょうか。
JR貨物はその路線を使用しているのでしょうか?青い森鉄道を例にとると、線路使用料が経営持続の前提だったりする。寝台特急よりも貨物の方が本数多い。三セクダイヤよりも。
// 直近の13期事業報告 [aoimorirailway.com]損益計算書の鉄道事業の収益を運賃収入、付帯事業の収益を線路使用量と読み替えていいのだろうか?
すみません。半分わかって強引に読み替えていました。正しくは所有者である青森県他が使用量を受け取って(これが付帯事業の元手の出所)、指定管理者である青い森鉄道が運用管理保線維持ほかの対価を受け取って…ですね。
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北陸新幹線開業を契機に? (スコア:1)
『「トワイライトエクスプレス」も車両老朽化を理由に』ってのは北陸新幹線開業と関係あるのか?
Re:北陸新幹線開業を契機に? (スコア:5, 参考になる)
関係あるよ。
北陸新幹線の開業と同時に、重複する区間の在来線が第三セクターに払い下げられる。
直江津~金沢は第三セクター(しかも新潟県の「えちごトキめき鉄道」、富山県の「あいの風とやま鉄道」、石川県の「IRいしかわ鉄道」の三社を跨ぐ)になるので、トワイライトエクスプレスを走らせるにはそれらの鉄道会社に料金の支払いが発生する。
つまり現状の価格でトワイライトエクスプレスを維持できるか怪しくなり、値上げせざるをえなくなる可能性がある。
更に車両が老朽化してきている(食堂車のスシ24に至っては40年以上前の車両がベースだし、それ以外の車両も30年以上前のものを改造して使っている)ので、このまま維持するにしても限界がくる日は近い。
ブルートレインは編成の長さの割に乗客数がそこまで多くはできないこともあって、赤字とは言わないまでも採算ベースで言えばやや厳しい部類な上に、前述の第三セクターへの通行料支払いや車両のコスト(ぶっちゃけ今後も維持するなら新規で建造しないといけないレベル)まで考えたら、流石にもうやめとこう、という判断になるのは自然なことじゃないかな。
まあトワイライトエクスプレスの後継車の構想自体はあるんだけど、定期便(厳密な意味での定期便じゃないけど)としての運用を終了せざるを得ないのは、やっぱり通行料金の問題だと思うよ。
じゃあ代替ルートを作ればいいじゃんと思うかもしれないけど、適切な経路があるかっていうと。マトモに走れるであろうルートって東海道本線経由ぐらいしかないけど、いままで運転に関わってこなかったJR東海がいきなり動くかっていうと多分ノーだし。
そもそも夕景が見れることが売りなので「トワイライト」と名づけたのに、北陸本線を通らなくなる(=日本海の夕日が見れない)のでは名前倒れになってしまうしなぁ。(やりようによっては東海道本線から信越本線とか経由で羽越線に抜ける手はあるけど、夕日を見れるような時間にそこを通るダイヤってちょっと厳しいと思う)
Re:北陸新幹線開業を契機に? (スコア:3, 興味深い)
さらに補足すると・・・
トワイライトもカシオペアも辞めたい理由の一つに、豪華寝台特急はダフ屋ばかり儲かり、鉄道会社が損する仕組みになっている状態があります。
豪華寝台特急もただの特急列車の為、2日前までならカシオペアスイートですらキャンセル料は500円以下で済みます。
となると、買い占めてネットオークションで売る商売が簡単に成り立ちます。かなりボロい商売です。(もちろん売れなかったらキャンセルすれば良い。)
(常にビジネス需要があるサンライズ出雲瀬戸とは違い、)豪華寝台特急にとって2日前というのは直前キャンセルも同様で、
列車はほぼ確実に空気を運ぶことになり、乗車率が高くないと黒字が出にくい(豪華)寝台特急は余計に商売が成り立たなくなるのです。
各社が豪華寝台特急を辞め、豪華クルーズ列車を発表する理由のひとつに入っていると思います。
(クルーズ列車は旅行商品なのでキャンセルしたら違約金が発生しますし、ダフ屋行為もできません。)
Re:北陸新幹線開業を契機に? (スコア:2, 参考になる)
更に補足すると、実は北海道新幹線の開業を見据えてって部分もあるんだよね。
まず青函トンネルをトワイライトエクスプレスの札幌行きが通過するのは、現状だいたい夜中の3時~4時頃。
割と有名なネタだけど新幹線は深夜0時~朝6時は営業運転をせず、主に線路のメンテナンスに充ててる時間なので、こんな時間に青函トンネルを走られると、線路メンテナンスの邪魔になる。ダイヤを変えると「トワイライト」の名にある夕景が見えなくなるのは上コメの通り。
ついでに現状では青函トンネルの鉄道用の架電は交流20,000Vだけど、新幹線は交流25,000Vで動作するので、新幹線開業に向けて電圧が引き上げられる。そうすると現在、青森~函館での牽引に使用している電気機関車のED79 [wikipedia.org]形は使用できなくなってしまう。ちなみに青函トンネルは海底トンネルという地理的性質もあって、長い勾配が下り→上りと連続する。なので普通の電気機関車では対応できない。
これに対応してJR貨物のほうでは新型の電気機関車(EH800)を開発してるけど、JR東のほうでは特にそういう動きはないから、電圧が上がった時点で客車を牽引できる電気機関車がない、ということになる。今更開発するのは無理だろうから現実問題として、北海道新幹線開業に前後して既存の方式(客車を電気機関車で牽引する)は全滅することになる。
#という事情を考えると、北斗星もカシオペアもはまなすもなくなるんだろうなぁ
#はまなすは函館~札幌に短縮されてキハ183になるんじゃね?って話もあるけど
Re: (スコア:0)
> 鉄道用の架電は交流20,000Vだけど、新幹線は交流25,000V
…すると、車両を改造か新造しない限り、旅客は新幹線以外では青函トンネルを通れなくなるの?
# 今でも特急券不要で特急電車に乗れたりするけど
Re: (スコア:0)
その通り。
少なくとも現状、貨物と寝台特急以外で青函トンネルを通る「スーパー白鳥」「白鳥」で運用されている789系0番台・785系300番台・485系3000番台とも、そういう装備は実装されていない。いやもしかしたら試験的にこっそりついてる編成とかあるのかもしれないけど、少なくとも公開はされてない。
ちなみに秋田新幹線のE6系や山形新幹線のE3系1000番台・2000番台などは、在来線区間に入るための装備として20,000V・25,000Vどちらでも走れるようになっている。
なので「そういうもの」を作ることは技術的には十分可能なんだけど、果たしてそこまでする価値があるかどうかというと……。
#蟹田~木古内とか新幹線通るようになっても18切符の特例区間のままなんだろうか
#蟹田は通らないから奥津軽いまべつになるのか?
Re: (スコア:0)
何その"特急"ミッドナイト
余談だけど、
昔は快速ミッドナイトという函館−札幌間を走る夜行快速列車があって、青春18きっぷの利用可能期間よりやや短い期間、停車駅が激増するという特徴があった.
停車駅がいつも通りであれば,函館→新さっぽろまで乗車日分の18きっぷで乗れるというお得な列車であったが,
臨時停車駅が増える期間中函館ー札幌(圏内)を完乗するには乗車券の追加分を払うか,18きっぷ2日分を(その為だけに?)消費しなければならなくなるという露骨な罠が設置される.
一方で,臨時停車の無い期間中に18きっぷで乗車する連中はタダ乗り同然のズルい客(脱法客)、という視線で見ている人々もいた.
Re: (スコア:0)
はまなす(とか、在りし日のミッドナイト)は北海道南側(太平洋側)の漁師の人が結構使うんだよ。
彼ら夜中に漁をして、何か用事で必要なら朝1で札幌に行くから。
そういう意味では時間帯全然違うけど、こっちでいうホームライナーに近い性質がある。(しかも早朝に走る列車が他にないから意外と需要がある)
なのでJR北としても廃止しづらいらしい。ただ青森~函館はそこまで重要じゃないからって話。
んで何で現状寝台急行という形態を取ってるかといえば、ディーゼルが入線できない青函トンネルと、電動車では入れない非電化区間の函館本線の両方を通ってるから、途中で窯の付け替えが必要になるってだけ。
なので函館~札幌に短縮されたら窯+客車の編成である必要がなくなって、普通のディーゼル車で運転すれば良くなってしまう。
Re:北陸新幹線開業を契機に? (スコア:1)
>直江津~金沢は第三セクター(しかも新潟県の「えちごトキめき鉄道」、富山県の「あいの風とやま鉄道」、石川県の「IRいしかわ鉄道」の三社を跨ぐ)になるので、トワイライトエクスプレスを走らせるにはそれらの鉄道会社に料金の支払いが発生する。
>つまり現状の価格でトワイライトエクスプレスを維持できるか怪しくなり、値上げせざるをえなくなる可能性がある。
門外漢なので単純に分からないのですが、それらのおそらくあまり採算が良くないであろう第三セクターにとって、トワイライトエクスプレスの通行料は収入のかなり大きな部分を占めそうな気がします。
その収入がゼロになるくらいなら、大幅な減額でも期間限定0円でも何でも受け入れるんじゃないかと思いますが…。
それとも、そもそも第三セクターの設立にあたって、トワイライトエクスプレスの通行料を見込んではいないのでしょうか。
Re:北陸新幹線開業を契機に? (スコア:1)
JR貨物はその路線を使用しているのでしょうか?
青い森鉄道を例にとると、線路使用料が経営持続の前提だったりする。寝台特急よりも貨物の方が本数多い。三セクダイヤよりも。
// 直近の13期事業報告 [aoimorirailway.com]損益計算書の鉄道事業の収益を運賃収入、付帯事業の収益を線路使用量と読み替えていいのだろうか?
Re: (スコア:0)
Re:北陸新幹線開業を契機に? (スコア:1)
すみません。半分わかって強引に読み替えていました。
正しくは所有者である青森県他が使用量を受け取って(これが付帯事業の元手の出所)、指定管理者である青い森鉄道が運用管理保線維持ほかの対価を受け取って…ですね。