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免疫抑制剤抜きの骨髄移植実験が成功」記事へのコメント

  • Introductionのみざっと目を通してみました。

    免疫学は専門外なのですが、バイオサイエンスの分野の中でも最も進展が速い分野の一つと言われるだけあって、ついこのあいだ「最新の学説だ」と聞いたものが、もうすでに当たり前のように語られてたりしてますね。

    「免疫」は一言で言えば「自己と非自己」を見分けるシステム、つまり、自己のものであるタンパク質、細胞、臓器などには反応せず、非自己のものであるタンパク質、細胞、臓器を異物として排除するシステムです。
    骨髄移植では、移植されたリンパ球にとって移植を受けた宿主が非自己であるために、それを排除しようとするために問題がおきます(*1) このようなリンパ球による免疫反応は細胞性免疫と呼ばれます(*2)
    この機構において「自己と非自己」は、細胞表面に存在するHLA (MHC-I 分子)によって判別されてますから、臓器移植の際にはこの分子の型が同じ(あるいは近い)ドナーを選ぶのが大前提で、さらに免疫抑制剤を用いることで過剰な排除を抑える、というのが従来のアプローチです。

    しかし今回のアプローチはこれよりもさらに踏み込んだものです。リンパ球はそれが生まれたときから、予め「自己と非自己」を知っているわけではなく、成熟する過程で「自己」に対しては免疫反応を起こさないように学習します。これを免疫寛容と呼びます(*3)。今回は、この免疫寛容を誘導して骨髄移植時のGVH反応を抑えるのに成功したものです。
    この目的のために樹状細胞が用いられていますが、この樹状細胞が免疫系に対して重要だといわれて注目されたのが、おそらくここ4-5年ほどのものではないでしょうか(*4)。通常体内にある樹状細胞は成熟型であり、この状態ではリンパ球と接しても免疫寛容を誘導できない。一方、未成熟な樹状細胞は免疫寛容を誘導はできるが炎症反応も引き起こす、と一長一短であったため、遺伝子改変した樹状細胞を用いて成功した、ということのようです。

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    1. 他の臓器移植の場合は宿主のリンパ球が移植片を排除しようとする。Host versus Graft反応。
    2. これに対し、血清成分である抗体による免疫を液性免疫と呼ぶ。免疫反応は細胞性免疫と液性免疫に大別でき、それぞれ役割が異なる。細菌やウイルス(粒子そのもの)、毒素などには液性免疫が、ウイルス感染細胞やがん細胞、臓器移植時などには細胞性免疫がそれぞれ排除に重要な働きを持つ。
    3. 免疫寛容の例としてはB型肝炎ウイルスの感染がある。B型肝炎ウイルスは成人になってから(輸血等で)感染した場合、急性肝炎を起こすがその後はウイルス粒子が排除され慢性化はしない。しかし免疫系の発達していない新生児期に母子感染によって感染した場合には、免疫寛容のために排除がおこらず慢性化する。
    4. ただし、主に(MHCでなく)CD1分子を用いて脂質抗原を提示するという機能から注目されているのだと思います。細胞性免疫では、赤血球を除くすべての細胞が抗原提示細胞として、リンパ球に作用すると言われてますから、今回のは何でもよかったのかも (^^;

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