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近年増えている原因としてはよく分かっていないんだけど、高齢者の増加とレンサ球菌保菌者の増加がまずは指摘されている。つまり、リスクのある人が増えている&溶連菌感染症全体が増えている→劇症型が増えるという話。
また、2015年の増加に関しても、今年の溶連菌感染症全体は過去10年で最悪のペースで増加中なんで、劇症型だけが増えているわけではない。
まあ、早期治療が重要な疾患なんで啓蒙は必要なんだけど、煽るのは違うと思うんだよね。
病気の型が増えたり減ったりするのは人間の方の行動パターンで変わるとか。劇症型ですぐ死んで感染が途絶えるような人間社会だったら減るし逆なら増えるらしい。
どこにコメントしようか迷ったけど、ここにしよ。
症例報告の考察によると、
(男性から見つかった)S. pyogenes は,グラム陽性レンサ球菌で細胞壁糖鎖の抗原性による Lancefield 分類で A 群に分類され,咽頭炎から劇症型感染症まで多彩な感染症を呈する病原菌である。本菌の菌体表層には耐熱性,トリプシン感受性の M 蛋白が存在しており,その血清型および遺伝子型(emm型)は疫学調査の手段として用いられている。また,M 蛋白は抗オプソニン作用を有し,細胞への接着にも関与しており病原因子としても知られている。2003 年 10 月から 2006 年 9 月の 3 年間に分離された S. pyogenes における emm 遺伝子の解析から,侵襲性感染症由来株で最も多い型は emm1 型(35%)であり,emm1型による感染例で予後不良例(死亡+後遺症残存)が圧倒的に多いことが報告されている。(中略)本症例分離菌株の emm89.14 型は,emm1 型に次いで2番目に多く分離された遺伝子型であった。しかし,患者の予後において予後不良例(死亡+後遺症残存)を含まない点で emm1 型と異なり,本症例の経過と一致していた。
こいつに感染して「咽頭炎」で済まず、仮に重篤化したとしても、必ずしも死亡したり後遺症が残ると決まっている病気ではない模様。それでも症例報告の男性のように、風俗店にいく前は糖尿などの不安すらない健康な人が、翌日仕事できないほど痛みを感じて入院。翌々日には急速に進行する壊死性筋膜炎でショック状態に陥るというハイペースぶり。まさに症例によっては生きた心地のしない病気…。・・・・・なのだけど、読売新聞が参照したであろう国立感染症研究所の最新の週報 (8/3~8/9) [nih.go.jp] をみると、「小児科定点報告疾患」として同じレンサ球菌がもたらす別のカウントの
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第29週以降減少が続いているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は鳥取県(3.89)、静岡県(3.43)、大分県(3.25)である。
と紹介された後、劇症型の患者数もリストされている。レンサ球菌保菌者の増加と、新聞が紹介する30-40代以上の劇症型発症者の増加。劇症型に至る可能性を秘めるからといってレンサ球菌を「人食いバクテリア」と決めつけるのは、#2871366 の指摘にある煽りにみえてもおかしくないのかなとは思った。
ちなみに東京都感染症情報センター [tokyo-eiken.go.jp]によると、感染経路は「劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者の傷口・創部への直接接触」とのこと。小児がかかるレンサ球菌咽頭炎 [tokyo-eiken.go.jp]の飛沫感染などと違って、どうやって感染するのかちょっと想像つかない。
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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson
増えてはいるんだけど (スコア:0)
近年増えている原因としてはよく分かっていないんだけど、高齢者の増加とレンサ球菌保菌者の増加がまずは指摘されている。
つまり、リスクのある人が増えている&溶連菌感染症全体が増えている→劇症型が増えるという話。
また、2015年の増加に関しても、今年の溶連菌感染症全体は過去10年で最悪のペースで増加中なんで、劇症型だけが増えているわけではない。
まあ、早期治療が重要な疾患なんで啓蒙は必要なんだけど、煽るのは違うと思うんだよね。
Re: (スコア:1)
病気の型が増えたり減ったりするのは人間の方の行動パターンで変わるとか。
劇症型ですぐ死んで感染が途絶えるような人間社会だったら減るし逆なら増えるらしい。
the.ACount
レンサ球菌の発症パターンはいろいろ (スコア:1)
どこにコメントしようか迷ったけど、ここにしよ。
症例報告の考察によると、
こいつに感染して「咽頭炎」で済まず、仮に重篤化したとしても、必ずしも死亡したり後遺症が残ると決まっている病気ではない模様。それでも症例報告の男性のように、風俗店にいく前は糖尿などの不安すらない健康な人が、翌日仕事できないほど痛みを感じて入院。翌々日には急速に進行する壊死性筋膜炎でショック状態に陥るというハイペースぶり。まさに症例によっては生きた心地のしない病気…。
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なのだけど、読売新聞が参照したであろう国立感染症研究所の最新の週報 (8/3~8/9) [nih.go.jp] をみると、「小児科定点報告疾患」として同じレンサ球菌がもたらす別のカウントの
と紹介された後、劇症型の患者数もリストされている。レンサ球菌保菌者の増加と、新聞が紹介する30-40代以上の劇症型発症者の増加。劇症型に至る可能性を秘めるからといってレンサ球菌を「人食いバクテリア」と決めつけるのは、#2871366 の指摘にある煽りにみえてもおかしくないのかなとは思った。
ちなみに東京都感染症情報センター [tokyo-eiken.go.jp]によると、感染経路は「劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者の傷口・創部への直接接触」とのこと。小児がかかるレンサ球菌咽頭炎 [tokyo-eiken.go.jp]の飛沫感染などと違って、どうやって感染するのかちょっと想像つかない。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ