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日本にも同様の法規定があることは以前に書いた [srad.jp]。日本では、外国に保存されているデータでも、国内の管理者に命じて差し押さえることができるとされている。
今回の判決は、
判決は「連邦議会はSCAの令状条項が国外に適用されることを意図していなかった」と指摘。ロイター「電子メール提出命令、連邦裁がマイクロソフトの訴え認める [reuters.com]」2016年07月15日
とのことで、法文から導かれる解釈ではなく、立法府の意図を忖度したことのようだ。
そこで日本の法律の制定時の国会審議を見ると、国会で所管の法務大臣が、衆参両方で、外国のデータでも適用されると明確に答弁した上で、反論もなく可決成立している。ちょっと事情が違うかも。
○大口委員 次に、記録命令つき差し押さえについて、捜査機関が対応する場合は、海外、域外サーバーの場合、壁があるわけでありますけれども、第三者に命じてやる方式ですと、海外、域外サーバーにも差し押さえができるというふうに指宿参考人の文献にもあったわけでございますが、この第三者に命じて行わせる方式でこういう域外サーバーの主権の壁の問題を回避することが可能か、お伺いしておきます。○江田国務大臣 記録命令つき差し押さえは、もちろんこれは、我が国に所在する者に命じて行われるものでございます。その記録をする者が、仮に海外に記録媒体が所在しているとしても、そこへアクセスして、そして電磁的記録を記録するという複写の行為自体は、その命令を受けた者、国内にいる者が行うわけで、その者が自分の権限で行うものでございまして、主権の制約というものにはかからないと思っております。 衆議院会議録 第177回国会 法務委員会 第15号(平成23年5月31日(火曜日)) [shugiin.go.jp]
○大口委員 次に、記録命令つき差し押さえについて、捜査機関が対応する場合は、海外、域外サーバーの場合、壁があるわけでありますけれども、第三者に命じてやる方式ですと、海外、域外サーバーにも差し押さえができるというふうに指宿参考人の文献にもあったわけでございますが、この第三者に命じて行わせる方式でこういう域外サーバーの主権の壁の問題を回避することが可能か、お伺いしておきます。
○江田国務大臣 記録命令つき差し押さえは、もちろんこれは、我が国に所在する者に命じて行われるものでございます。その記録をする者が、仮に海外に記録媒体が所在しているとしても、そこへアクセスして、そして電磁的記録を記録するという複写の行為自体は、その命令を受けた者、国内にいる者が行うわけで、その者が自分の権限で行うものでございまして、主権の制約というものにはかからないと思っております。 衆議院会議録 第177回国会 法務委員会 第15号(平成23年5月31日(火曜日)) [shugiin.go.jp]
○木庭健太郎君 それで、これは大臣からちょっとお伺いしておきたい項目の一つなんですが、五月二十七日の衆議院の法務委員会、これもうちの大口が質問しているんですが、日本に本社があって海外の支店のコンピューターの中に電磁的記録がある場合について法務大臣はどうお答えになったかというと、海外の記録媒体のデータに直接アクセスして複写することは、当該他国の主権を侵害するおそれがある、明らかに別の国にあるという場合は捜査共助などによる要請が望ましいという見解をこのときは示されておるんです。 ただ、この記録命令付差押えの規定ですね、これを見ると、どうなっているかというと、「電磁的記録を保管する者その他の電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。」というふうになっているわけです。つまり、差押えをする対象データがどこにあるかというのは、法文そのものを見ると特に制限がないという気がするんですが、この大臣の見解でよろしいんでしょうか。○国務大臣(江田五月君) 記録命令付差押えというのは、これは我が国に現にいる者に命じて本店のコンピューターにつながっている海外の支店のコンピューターにひとつアクセスして、リモートアクセスというんでしょうか、そこにあるものを取ってきて、それを記録媒体に複写して差し押さえて証拠として収集するというようなことでございまして、国境を越えて、リモート、遠くにある、海外にある記録媒体にアクセスする人間は国内にいるわけですから、その者に記録命令を出すと、これは罰則も付いておりませんし、そこはできると。 しかし、捜査機関が国境を越えて何か海外にあるコンピューターにアクセスして一定の電磁的記録を証拠として押さえるというのは、やはりこれは国境を越えるということがございますので、共助等の配慮が必要だということを言っているわけでありまして、そこに矛盾はないと思っております。 参議院会議録情報 第177回国会 法務委員会 第15号 [ndl.go.jp]、平成23年6月9日
○木庭健太郎君 それで、これは大臣からちょっとお伺いしておきたい項目の一つなんですが、五月二十七日の衆議院の法務委員会、これもうちの大口が質問しているんですが、日本に本社があって海外の支店のコンピューターの中に電磁的記録がある場合について法務大臣はどうお答えになったかというと、海外の記録媒体のデータに直接アクセスして複写することは、当該他国の主権を侵害するおそれがある、明らかに別の国にあるという場合は捜査共助などによる要請が望ましいという見解をこのときは示されておるんです。 ただ、この記録命令付差押えの規定ですね、これを見ると、どうなっているかというと、「電磁的記録を保管する者その他の電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。」というふうになっているわけです。つまり、差押えをする対象データがどこにあるかというのは、法文そのものを見ると特に制限がないという気がするんですが、この大臣の見解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 記録命令付差押えというのは、これは我が国に現にいる者に命じて本店のコンピューターにつながっている海外の支店のコンピューターにひとつアクセスして、リモートアクセスというんでしょうか、そこにあるものを取ってきて、それを記録媒体に複写して差し押さえて証拠として収集するというようなことでございまして、国境を越えて、リモート、遠くにある、海外にある記録媒体にアクセスする人間は国内にいるわけですから、その者に記録命令を出すと、これは罰則も付いておりませんし、そこはできると。 しかし、捜査機関が国境を越えて何か海外にあるコンピューターにアクセスして一定の電磁的記録を証拠として押さえるというのは、やはりこれは国境を越えるということがございますので、共助等の配慮が必要だということを言っているわけでありまして、そこに矛盾はないと思っております。 参議院会議録情報 第177回国会 法務委員会 第15号 [ndl.go.jp]、平成23年6月9日
ネット関連裁判と国会審議の斟酌というと、医薬品通販の裁判が思い出される。今回の判決と似てるっちゃ似てるのかな。
(省略)その理由が立法過程での議論を含む上記事実関係等からも全くうかがわれないことからすれば,そもそも国会が新薬事法を可決するに際して第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を禁止すべきであるとの意思を有していたとはいい難い。 医薬品ネット販売の権利確認等請求事件(平成24年(行ヒ)第279号 平成25年1月11日 第二小法廷判決) [courts.go.jp](全文PDF p.9)
(省略筆者)
役人が検討に検討を重ね、国会で議論に議論を重ねて成立した条文と解釈も、いざ裁判になって 「法整備の背景やお前らの独りよがりな解釈なんか知らん。この条文だったらこう解釈すべきだろ。」となることもあるしなぁ
でも、米国の法令や司法判断に日本が律義に追随する必要もないと思う他所は他所、うちはうち、だ
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日本の法律と国会の議論 (スコア:4, 参考になる)
日本にも同様の法規定があることは以前に書いた [srad.jp]。
日本では、外国に保存されているデータでも、国内の管理者に命じて差し押さえることができるとされている。
今回の判決は、
とのことで、法文から導かれる解釈ではなく、立法府の意図を忖度したことのようだ。
そこで日本の法律の制定時の国会審議を見ると、国会で所管の法務大臣が、衆参両方で、外国のデータでも適用されると明確に答弁した上で、反論もなく可決成立している。
ちょっと事情が違うかも。
Re:日本の法律と国会の議論 (スコア:2)
ネット関連裁判と国会審議の斟酌というと、医薬品通販の裁判が思い出される。
今回の判決と似てるっちゃ似てるのかな。
(省略筆者)
Re: (スコア:0)
役人が検討に検討を重ね、国会で議論に議論を重ねて成立した条文と解釈も、いざ裁判になって
「法整備の背景やお前らの独りよがりな解釈なんか知らん。この条文だったらこう解釈すべきだろ。」
となることもあるしなぁ
でも、米国の法令や司法判断に日本が律義に追随する必要もないと思う
他所は他所、うちはうち、だ