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熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことが証明されるhttps://science.srad.jp/story/16/11/02/049217/ [science.srad.jp]
どう判断すればいいのやら
その話は…言うなれば、理想と現実のギャップのようなものです。理想に近づけるためにはゆっくり(準静的に)動かさなければならないので出力が下がり、出力を出すために速く動かすと理想からずれて効率が下がるという感じです。
カルノーサイクルに近いスターリングサイクルの場合、等温過程があるのでゆっくり動かさないと一定の温度を保てないし、冷却時に奪った熱を加熱に再利用するための熱交換器の抵抗があるので、熱伝導率が高く粘性の低いヘリウムガス(水素ガスの方が良いけど取り扱いに問題がある)を使用したりしますが、速く動かせば効率は落ちていきます。(なので体積当たりの出力が低く、自動車には使いにくい。ガソリン機関は高熱源側の温度を高く(一瞬だけ千数百度から2千数百度に←外燃機関では高価)することで高体積効率を実現しています。)
もっと一般的な例として、吸気抵抗(圧力がシリンダ側<クランク側になり引っ張らないといけない)や排気抵抗(圧力がシリンダ側>クランク側になり押さないといけない)はゆっくり動かした方が抵抗は減ります(理論サイクルに近づく)。例えばシリンダー当りのバルブを増やすと吸排気面積が増えて抵抗が減るのでより高回転まで回るようになります。
別の例では、オットーサイクルでは定積加熱過程がありますが、人の目から見て燃焼が一瞬であっても実際には有限時間であって、その間ピストンは動きます。速ければ速いほど定積燃焼から離れてしまいます。(オットーサイクルの場合断熱過程があるので、遅すぎても圧縮膨張過程で冷却損失がありますが…。)
「効率を上げると出力が下がる」というのは、だいたいそんなー感じーだと思います。(ギャグマンガ○和のアニメOPを思い出すなぁ…)
…で、HCCIは高圧縮比(ディーゼル並みに圧縮する~圧縮時の温度が700℃程度?で、通常の倍くらいかと…)なので効率は良さそうです。しかしNOxを減らすため燃焼温度を上がり過ぎない(1200℃から1700℃程度?通常より300℃から500℃くらい低いかと…)ようにしているようですが、それは効率を下げます。しかし、燃焼が(たとえ燃焼速度は遅くても)多点ではじまることで(バルク燃焼と言うらしいけど、微小なノッキングが多数発生する感じなのかな?)燃焼時間が短くなる(?これは憶測度高な個人的意見です)のだと思います(さっきの定積加熱の例から、燃焼が短い→理想的→効率良)。また、点火に使う電力が要らない…微妙だなぁ。(数十W程度かな。巡航時でも1%未満の影響程度か…小さなことからコツコツと…)
どうやら燃焼前の温度(圧縮比とかEGRの量や冷却で調整かな)と燃焼時の温度(燃料の量とEGRの量で調整かな)がある範囲内に入っていないといけないようですね。特に燃焼前の温度範囲が狭くて難しそうです。高すぎると早期点火、低いと点火しないようです。(少し調べてみた感想は、排気再循環と希薄燃焼の集大成って感じですね。)
低サイクル時の高効率も、レシプロエンジン式ならピストンリング・バルブに相当する部位の、シーリング性能に制限されます。現実には、仮定される様な完全なシーリングの熱機関はなく、あまりに動作が遅いと許容できない量の作動ガス漏れが起こり、効率が低下します。対処としては、船舶用低速ディーゼル機関の様に、気筒数を減らし(航空機用レシプロエンジンよりは出力当たりは気筒数が少ない)、巨大排気量化して、排気量当たりの作動ガス漏洩の影響を少なくするのです。これには伝熱ロスを減らすメリット(スターリング機関を除く)も、指摘の通り抵抗の低下による効率向上もあります。但し自動車用エンジンでは、多くの国で排気量で加算される税金が増え、燃費以外の固定費が増大します。多くの国では、船舶や航空機では出力や基数なら兎も角も排気量で税金は変わりませんが、自動車ではトヨタの三元触媒に敗れ去ったホンダのCVCCにも、マツダの「予混合圧縮着火(HCCI)」エンジン搭載車にも、等しくのし掛かった・のし掛かる問題です。(この点ディーゼル車を優遇している国は多い)
HCCIの高効率ってのは、圧縮比が高いからってのもあるけど、一番効いてるのは(リーンバーンなので)低負荷時にポンピングロスを減らせるってとこよ。
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー
>熱効率も高いのが特徴。 (スコア:0)
熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことが証明される
https://science.srad.jp/story/16/11/02/049217/ [science.srad.jp]
どう判断すればいいのやら
Re:>熱効率も高いのが特徴。 (スコア:2, 参考になる)
その話は…言うなれば、理想と現実のギャップのようなものです。理想に近づけるためにはゆっくり(準静的に)動かさなければならないので出力が下がり、出力を出すために速く動かすと理想からずれて効率が下がるという感じです。
カルノーサイクルに近いスターリングサイクルの場合、等温過程があるのでゆっくり動かさないと一定の温度を保てないし、冷却時に奪った熱を加熱に再利用するための熱交換器の抵抗があるので、熱伝導率が高く粘性の低いヘリウムガス(水素ガスの方が良いけど取り扱いに問題がある)を使用したりしますが、速く動かせば効率は落ちていきます。(なので体積当たりの出力が低く、自動車には使いにくい。ガソリン機関は高熱源側の温度を高く(一瞬だけ千数百度から2千数百度に←外燃機関では高価)することで高体積効率を実現しています。)
もっと一般的な例として、吸気抵抗(圧力がシリンダ側<クランク側になり引っ張らないといけない)や排気抵抗(圧力がシリンダ側>クランク側になり押さないといけない)はゆっくり動かした方が抵抗は減ります(理論サイクルに近づく)。例えばシリンダー当りのバルブを増やすと吸排気面積が増えて抵抗が減るのでより高回転まで回るようになります。
別の例では、オットーサイクルでは定積加熱過程がありますが、人の目から見て燃焼が一瞬であっても実際には有限時間であって、その間ピストンは動きます。速ければ速いほど定積燃焼から離れてしまいます。(オットーサイクルの場合断熱過程があるので、遅すぎても圧縮膨張過程で冷却損失がありますが…。)
「効率を上げると出力が下がる」というのは、だいたいそんなー感じーだと思います。(ギャグマンガ○和のアニメOPを思い出すなぁ…)
…で、HCCIは高圧縮比(ディーゼル並みに圧縮する~圧縮時の温度が700℃程度?で、通常の倍くらいかと…)なので効率は良さそうです。しかしNOxを減らすため燃焼温度を上がり過ぎない(1200℃から1700℃程度?通常より300℃から500℃くらい低いかと…)ようにしているようですが、それは効率を下げます。しかし、燃焼が(たとえ燃焼速度は遅くても)多点ではじまることで(バルク燃焼と言うらしいけど、微小なノッキングが多数発生する感じなのかな?)燃焼時間が短くなる(?これは憶測度高な個人的意見です)のだと思います(さっきの定積加熱の例から、燃焼が短い→理想的→効率良)。また、点火に使う電力が要らない…微妙だなぁ。(数十W程度かな。巡航時でも1%未満の影響程度か…小さなことからコツコツと…)
どうやら燃焼前の温度(圧縮比とかEGRの量や冷却で調整かな)と燃焼時の温度(燃料の量とEGRの量で調整かな)がある範囲内に入っていないといけないようですね。特に燃焼前の温度範囲が狭くて難しそうです。高すぎると早期点火、低いと点火しないようです。(少し調べてみた感想は、排気再循環と希薄燃焼の集大成って感じですね。)
Re:>熱効率も高いのが特徴。 (スコア:1)
低サイクル時の高効率も、レシプロエンジン式ならピストンリング・バルブに相当する部位の、シーリング性能に制限されます。
現実には、仮定される様な完全なシーリングの熱機関はなく、あまりに動作が遅いと許容できない量の作動ガス漏れが起こり、効率が低下します。
対処としては、船舶用低速ディーゼル機関の様に、気筒数を減らし(航空機用レシプロエンジンよりは出力当たりは気筒数が少ない)、巨大排気量化して、排気量当たりの作動ガス漏洩の影響を少なくするのです。
これには伝熱ロスを減らすメリット(スターリング機関を除く)も、指摘の通り抵抗の低下による効率向上もあります。
但し自動車用エンジンでは、多くの国で排気量で加算される税金が増え、燃費以外の固定費が増大します。
多くの国では、船舶や航空機では出力や基数なら兎も角も排気量で税金は変わりませんが、自動車ではトヨタの三元触媒に敗れ去ったホンダのCVCCにも、マツダの「予混合圧縮着火(HCCI)」エンジン搭載車にも、等しくのし掛かった・のし掛かる問題です。(この点ディーゼル車を優遇している国は多い)
Re: (スコア:0)
HCCIの高効率ってのは、圧縮比が高いからってのもあるけど、一番効いてるのは(リーンバーンなので)
低負荷時にポンピングロスを減らせるってとこよ。