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紙の電子ペーパー(エレクトロクロミックディスプレイ)」記事へのコメント

  • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2018年04月27日 15時04分 (#3399833) 日記

    この研究の特色は,セルロースファイバーに機能性分子を担持する方法として,セルロースとの間に強い水素結合を作れるイオン液体を使ったよ,という点にあります.

    何らかの担体に機能性分子をうまく分散させるのは,結構面倒です.特にナノだのマイクロサイズの凹凸の多いようなものだとしみこみ具合によってムラが出来たりしますし,塗布するにしたって機能性分子の方だって均一に分散したまま乾いてくれるとは限らず,下手に結晶化しようもんなら固まった結晶がある場所と何もついていない場所とか,非常にばらつきが大きくなります.

    で,今回の論文で報告されている手法は,「じゃあいっそのこと溶媒がそのまま存在すれば良いんじゃないか」というようなもので,不揮発性のイオン液体を使った結果になります.
    セルロースファイバー表面はセルロースがもつ無数の水酸基が露出しており,今回用いたイオン液体はここに非常に強く水素結合してほぼ固定化するようなことが出来ます(液体ではあるのだが,セルロースファイバーとの界面では非常に強く結合しているため,塗布したような状況になっている).
    あらかじめこのイオン液体中に欲しい機能を持つ有機分子を分散(とか溶解)させておくと,機能性分子が分散したままセルロース表面にイオン液体の薄い膜が出来るので,均一に塗布したような感じが簡単に作れるよ,と.
    また,適切な電解質入れておけば固体電解質もどき(実際にはイオン液体の電解液で薄くコーティングされた固体)とかにもなりますよと.

UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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