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取次流通というのは新刊を地方まで生き渡らさせて、経営基盤が貧弱な小売店や出版社のために資金をプールして貸し付けに近い機能も持っている。地方の商圏あたりの人口が少ないエリアは何をどう頑張っても大して売り上げは上がらない。そういうエリアで今の取次流通がなければ、自助努力で商圏確保とリサーチ&マーケティングが可能なごくごく一部を除いて絶滅してる。少なくとも、今ある地方書店のほとんどが経営成り立たなくなる。
まあ、出版点数が増えてるけど1点あたりの印刷数は減ってるとか、返本率の低いところに優先配本する特約店システムが出てきているとか、弱小店舗には厳しいと思われる状況の変化がこの20年くらいずっと続いてるわけで、取次流通の延命処置にも限界が来ているだけじゃないかと思うねえ。
取次とか再販制度とかでガチガチに固めた一塊なんだから、その一部だけを指して「もしなければ崩壊していた」ってのは当然かと。
> 弱小店舗には厳しいと思われる状況の変化前半では業界(取次流通)が公共性に貢献したと評価しているのに、後半では業界(取次流通)が公共性を放棄した話を「状況の変化」と外的なもののように扱うのはどうなんだろ。無意識に業界(取次流通)へ肩入れした考え方になっているように見える。
市場機能に合わせるなら需要自体は存在する書籍の価格が上がり、最適化(収益性の悪い店舗が潰れて集約)が起きるってだけかと。今だとネット通販が集約先になってしまうので店舗書店はまさしく壊滅するだろうけど、そうなる前に問題のあるシステムを放棄できなかったツケとも言える。延命の限界というより、無理に延命したことでトドメになってしまったのかもしれない。
>後半では業界(取次流通)が公共性を放棄した話出版点数が増えて初版部数が減ったのも、返本率が低い書店に特約結ぶようになったのも取次業界の話じゃなくて出版業界の話だよ。取次が担ってるのはあくまで流通であって、ここに関しては良くも悪くも変わってない。
もしかしたら同じ勘違いをしてる人が居るかもしれないから補足して置くけど、出版社は別に商品を売るのに取次を使う必要はない。書店と直接契約して買切りで卸すことだってできる。ただ、取次を介することで売れるかどうかわからなくてもとりあえず刷った書籍は買い取ってくれるので、一時的に資金が作れてそれで次の新刊を出すことができる。で、返本されてくる分はたまに出るヒット作で帳尻合わせて自転車操業の不渡りリスクを避けることができる。同時に、書店は取次が大量に仕入れた新刊を店頭に並べて売ることができ、旬が過ぎれば返本して払い戻し、また別の新刊を仕入れることができる。そうやって在庫リスクを気にせず新しい商品を常に仕入れることができるので、地方の小規模書店みたいなところにも新刊が行き渡りやすくなる。取次が担ってるのはこういう仕事なんだよね。
在庫と資金をプールして書籍をストックして、書店に分配することで出版社、書店双方の自転車操業によるリスクを軽減する。これが取次の最大の役割。出版される本の内容には口を出さないし、発行部数も決めるのも出版社。特約店制度なんかも取次がやっているのではなくて出版社がやっている話。詳しくは電撃組とかでぐぐってみて。
取次を前提にした出版社、取次を前提とした書店、それらを前提にした書店と出版社の関係、その辺含めて一揃いのシステム(業界)になってたんだからその一点だけを見てどうこう言っても仕方ないでしょう。
いやぁ、現実問題として、どうしようもないのでねぇ……。
今のシステムは地方の情報格差をなくすため全国どこでも同じ値段で本が買えるようにするという目的のために、著作権法で出版社に継続的に出版する義務を課して、その代わりに独占禁止法で書店の価格決定裁量に制限をつけ、法律レベルで流通システムを保護するよう制度設計されてる。なので、取次を前提とした書籍流通制度全体に手を付けるというのなら、実はまず法律を変えないとダメだったりする。
そして、そのあたりの法律を変えて出版流通システム全体を見直すってことは、Amazonみたいな独自流通網が自前で確保できる超大手と、ニッチ向けに特化して固定客ゲットした独自書店だけ残して他はつぶれろ、人の少ない地方には新刊を並べる本屋はなくてもいいって言ってるのと同じ。同調圧力の強い日本でそんな改革通るわけがない。正直、法律での保護が無意味と言えるくらいまで業界が壊滅するまで待たないことには手すら付けられないだろうね。
ただ、いったんつぶれて焼け野原になってしまえば、制度見直して再構築もできるとは思うんだけど。実際問題、アメリカではいったん壊滅してからまた復興しつつあるらしい。Amazon隆盛の陰で独立系書店は復活を遂げていた [gigazine.net]アメリカは日本みたいな書籍流通保護システムがないので、もともと日本ほどたくさんの地方中小書店はなかったはずだけど、その数少ない地方の本屋が5年でほぼ半減。日本は人口減少などの複数の要因があっても20年かかって半減って言ってるのに比べたらまさに壊滅と言っていいんじゃないかな。そこまで壊滅したら、淘汰圧による選択進化も可能になるんじゃないかなぁ。
> 取次を前提とした書籍流通制度全体に手を付けるというのなら、実はまず法律を変えないとダメだったりする。御上が決めてそうならざるを得なくなったとかじゃなく、法律まで巻き込んで既得権益確保してたってだけだよね。
> そして、そのあたりの法律を変えて出版流通システム全体を見直すってことは、> (中略)他はつぶれろ、人の少ない地方には新刊を並べる本屋はなくてもいいって言ってるのと同じ。代替手段がそれほど育つまで制度に胡座かいてたツケだねぇ…そうなる前に体制を変えるべきだった。
> ただ、いったんつぶれて焼け野原になってしまえば、制度見直して再構
GHQが日配 [wikipedia.org]を閉鎖したら日販とトーハンの寡占体制ができたんですよこの時期は日本は独立国ではなく、あなたの想像するような世の中ではないこんなことも知らないやつが出版流通を語るなんて世も末だ
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
取次がなければとっくの昔に壊滅してる (スコア:1)
取次流通というのは新刊を地方まで生き渡らさせて、経営基盤が貧弱な小売店や出版社のために資金をプールして貸し付けに近い機能も持っている。
地方の商圏あたりの人口が少ないエリアは何をどう頑張っても大して売り上げは上がらない。そういうエリアで今の取次流通がなければ、自助努力で商圏確保とリサーチ&マーケティングが可能なごくごく一部を除いて絶滅してる。少なくとも、今ある地方書店のほとんどが経営成り立たなくなる。
まあ、出版点数が増えてるけど1点あたりの印刷数は減ってるとか、返本率の低いところに優先配本する特約店システムが出てきているとか、弱小店舗には厳しいと思われる状況の変化がこの20年くらいずっと続いてるわけで、取次流通の延命処置にも限界が来ているだけじゃないかと思うねえ。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
取次とか再販制度とかでガチガチに固めた一塊なんだから、
その一部だけを指して「もしなければ崩壊していた」ってのは当然かと。
> 弱小店舗には厳しいと思われる状況の変化
前半では業界(取次流通)が公共性に貢献したと評価しているのに、
後半では業界(取次流通)が公共性を放棄した話を「状況の変化」と外的なもののように扱うのはどうなんだろ。
無意識に業界(取次流通)へ肩入れした考え方になっているように見える。
市場機能に合わせるなら需要自体は存在する書籍の価格が上がり、
最適化(収益性の悪い店舗が潰れて集約)が起きるってだけかと。
今だとネット通販が集約先になってしまうので店舗書店はまさしく壊滅するだろうけど、
そうなる前に問題のあるシステムを放棄できなかったツケとも言える。
延命の限界というより、無理に延命したことでトドメになってしまったのかもしれない。
Re:取次がなければとっくの昔に壊滅してる (スコア:1)
>後半では業界(取次流通)が公共性を放棄した話
出版点数が増えて初版部数が減ったのも、返本率が低い書店に特約結ぶようになったのも取次業界の話じゃなくて出版業界の話だよ。
取次が担ってるのはあくまで流通であって、ここに関しては良くも悪くも変わってない。
もしかしたら同じ勘違いをしてる人が居るかもしれないから補足して置くけど、出版社は別に商品を売るのに取次を使う必要はない。書店と直接契約して買切りで卸すことだってできる。
ただ、取次を介することで売れるかどうかわからなくてもとりあえず刷った書籍は買い取ってくれるので、一時的に資金が作れてそれで次の新刊を出すことができる。で、返本されてくる分はたまに出るヒット作で帳尻合わせて自転車操業の不渡りリスクを避けることができる。
同時に、書店は取次が大量に仕入れた新刊を店頭に並べて売ることができ、旬が過ぎれば返本して払い戻し、また別の新刊を仕入れることができる。そうやって在庫リスクを気にせず新しい商品を常に仕入れることができるので、地方の小規模書店みたいなところにも新刊が行き渡りやすくなる。
取次が担ってるのはこういう仕事なんだよね。
在庫と資金をプールして書籍をストックして、書店に分配することで出版社、書店双方の自転車操業によるリスクを軽減する。これが取次の最大の役割。
出版される本の内容には口を出さないし、発行部数も決めるのも出版社。特約店制度なんかも取次がやっているのではなくて出版社がやっている話。詳しくは電撃組とかでぐぐってみて。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:取次がなければとっくの昔に壊滅してる (スコア:2)
amazonと直売メインとか。そういうところは、そもそも大手取次に預ける冊数が少ないんだよね(ゼロではない)。
そういうとこのは、大手取次ではなく専門の取次か出版社との直取引になる。
Re: (スコア:0)
取次を前提にした出版社、取次を前提とした書店、それらを前提にした書店と出版社の関係、
その辺含めて一揃いのシステム(業界)になってたんだからその一点だけを見てどうこう言っても仕方ないでしょう。
Re:取次がなければとっくの昔に壊滅してる (スコア:1)
いやぁ、現実問題として、どうしようもないのでねぇ……。
今のシステムは地方の情報格差をなくすため全国どこでも同じ値段で本が買えるようにするという目的のために、著作権法で出版社に継続的に出版する義務を課して、その代わりに独占禁止法で書店の価格決定裁量に制限をつけ、法律レベルで流通システムを保護するよう制度設計されてる。
なので、取次を前提とした書籍流通制度全体に手を付けるというのなら、実はまず法律を変えないとダメだったりする。
そして、そのあたりの法律を変えて出版流通システム全体を見直すってことは、Amazonみたいな独自流通網が自前で確保できる超大手と、ニッチ向けに特化して固定客ゲットした独自書店だけ残して他はつぶれろ、人の少ない地方には新刊を並べる本屋はなくてもいいって言ってるのと同じ。
同調圧力の強い日本でそんな改革通るわけがない。正直、法律での保護が無意味と言えるくらいまで業界が壊滅するまで待たないことには手すら付けられないだろうね。
ただ、いったんつぶれて焼け野原になってしまえば、制度見直して再構築もできるとは思うんだけど。
実際問題、アメリカではいったん壊滅してからまた復興しつつあるらしい。
Amazon隆盛の陰で独立系書店は復活を遂げていた [gigazine.net]
アメリカは日本みたいな書籍流通保護システムがないので、もともと日本ほどたくさんの地方中小書店はなかったはずだけど、その数少ない地方の本屋が5年でほぼ半減。日本は人口減少などの複数の要因があっても20年かかって半減って言ってるのに比べたらまさに壊滅と言っていいんじゃないかな。
そこまで壊滅したら、淘汰圧による選択進化も可能になるんじゃないかなぁ。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re: (スコア:0)
> 取次を前提とした書籍流通制度全体に手を付けるというのなら、実はまず法律を変えないとダメだったりする。
御上が決めてそうならざるを得なくなったとかじゃなく、
法律まで巻き込んで既得権益確保してたってだけだよね。
> そして、そのあたりの法律を変えて出版流通システム全体を見直すってことは、
> (中略)他はつぶれろ、人の少ない地方には新刊を並べる本屋はなくてもいいって言ってるのと同じ。
代替手段がそれほど育つまで制度に胡座かいてたツケだねぇ…
そうなる前に体制を変えるべきだった。
> ただ、いったんつぶれて焼け野原になってしまえば、制度見直して再構
Re: (スコア:0)
GHQが日配 [wikipedia.org]を閉鎖したら日販とトーハンの寡占体制ができたんですよ
この時期は日本は独立国ではなく、あなたの想像するような世の中ではない
こんなことも知らないやつが出版流通を語るなんて世も末だ