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んで,今年観た映画で一番良かったのは」記事へのコメント

  • by ChaldeaGecko (48775) on 2019年12月23日 23時46分 (#3736036) 日記

    今年は新作はスタプリしか見てないけど、その話していい?

    • by ma_kon2 (9679) on 2019年12月24日 8時29分 (#3736115) 日記
      もちろん☆
      親コメント
      • 「映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」 [wikipedia.org]
        プリキュアは放映期間が一年の女児アニメです。2月ごろに新シリーズがはじまります。映画は春と秋にあり、秋のほうが本格的だと思われています。この映画は秋のほうです。
        この映画はユーマというかわいい小動物のような宇宙生物とプリキュアの面子のふれあいを描いたものです。ユーマは爆発した惑星のかけらから生まれ、他人から感情や記憶を吸収して育ち、宇宙に帰って惑星になるのです。
        この映画の主役はララという宇宙人プリキュアと、彼女の親友でこちらは地球人プリキュアのひかるです。ユーマと彼女は仲がいいのですが、宇宙刑事があらわれ、ユーマは宇宙にいるのが自然な姿だといいます。ララはユーマといっしょにいたいのですが、彼は非常に高く売れるため、そこにあらわれた悪者の宇宙人ハンターに連れ去られてしまいました。その時にハンターの悪意をモロに受けてしまい、彼は暗黒惑星に成長してしまいました。すぐにも地球を飲み込んでしまいそうな勢いです。こうなるとプリキュアにもどうにもならないのですが、ユーマが歌が好きだったことを思い出したララとひかるは、自分たちと他のプリキュアの歌でユーマをなだめ、美しい惑星にしました。最後にユーマはララとひかるが合成されたような人型であらわれ、ララに別れを告げて宇宙に去って行きました。
        さて、これがこの映画の普通の解釈です。この映画を見た人のほぼ全員がこう理解しています。ユーマはかわいく主題歌はすばらしいので、みんな感動しています。

        しかし、この映画には別の解釈があります。それはユーマが無生物で、人間の記憶や感情を記録するためのブランクテープにすぎない、というものです。ユーマは無生物なので、彼のかわいらしい小動物的なふるまいは、すべてプリキュアのやさしい心の反映でしかなく、ユーマの音楽好きも、たんにそういうものを優先的に録音しているだけだということになります。
        この解釈では、ユーマが無生物だとは「登場人物が」考えることはなく、この点については先の解釈とは同じです。違うのは観客の視点です。観客が神のような視点と「真相」を手に入れます。人物の気持ちを考えるという点では同じですが、象徴的な意味、イマジネーションのレベルでのみ違った解釈になります。こちらでは、クライマックスではプリキュアの歌はレコーディングのイメージになります。ミラクルライトを振る場面もありますから、サイリュームのイメージですね。

        この映画では主題歌以外にも歌がいくつか連想され、「きらきら星」「遠き山に日は落ちて」「What a Wonderful World」「Over the Rainbow」および万葉集から一首がそれになります。これらの歌詞が「真相」を描くのです。たとえば万葉集からは

        夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ(大伴坂上郎女)

        映画にはユリのような花が大量に出てきていますが、これがヒメユリであるという誘導もあり、ララちゃんがひかるに片思いしているという「事実」が明らかになります。主題歌の歌詞からは

        気づいたら友達 (ララ)ともに過ごして
        紡ぎ合った思い出 (ひかる)おそろいだね 宝物
        わたしたちは星 一所懸命 (ララ)一瞬に (ひかる)一生に
        生命(いのち)を燃やす

        という部分から、「おそろいだね 宝物」だと思っているのはひかるだけであり、その理由は「宇宙人のララはものすごい長寿で、ひかるの一生が一瞬にしか感じられない」からだとほのめかされています。また

        (ララ)「ときめき」は 大事、大好き なくしたくない (ひかる)抱きしめたい

        この歌には「ときめき」はときめいている人=ひかる、という用法があるので、この部分ではララちゃんがひかるを大事で大好きでなくしたくないと思っていることが歌われています。
        主題歌の歌詞やパート分けの凝り方はアニソンの常識をはるかに越えたものです。一般論性皆無にも解釈できるし、普通のアニソンのように一般性を歌ったようにも聞こえます。主題歌に

        遥かなプレゼント

        という部分があります。プレゼントが遥かというのは日本語として意味不明ですが、クラークのSF小説「遥かなる地球の歌」から取ったものです。プリキュアの(ララへの)プレゼントは地球の歌だということです。ララが地球を離れることは、主題歌にもあらわれています。

        「What a Wonderful World」はこの映画の第二の主題歌ともいえるもので、色がいっぱい出てくる歌だからプリキュアにふさわしいのですが、ユーマが自分を"What a Wonderful World"だと自問自答する歌になっています。人格があるわけではないので、そういうイメージですが。
        「Over the Rainbow」はスター☆トゥインクルプリキュア全体の主題歌ともいうべき曲で、この映画とも深い関係があり、「夢」もここから取ってきています。テレビシリーズ最終回あたりが地球防衛決戦であることが、これらの歌とアニパロからほとんど知ることができます。

        最後に出会った人型ユーマはララとひかるを合成したような形でした。これはひかるといっしょになりたいというララの夢が形になったもので、実際に

        ララ:これは夢ルン
        ララ:ねっ、ユーマ

        というセリフがあります。このセリフは「ユーマが無生物」でなければうまく解釈できないものです。

        「ユーマは無生物」を採用すれば、「ユーマという愛らしい小動物」は捨てざるをえませんが、そのかわりに圧倒的なイマジネーション(たとえばララちゃんはひかるを好き)を手に入れることができます。そしてイマジネーションは極めて優れた映画でなければ提供できず、観客もそれ相応でいる必要があります。物語に飲まれるとユーマが無生物だと気がつくのはほぼ不可能でしょう。物語に飲まれず、「宇宙に行ったらユーマがひとりぼっちになるのはいやだなあ」という素朴な感情を維持できれば、無生物の可能性にも気がつくと思います。東映アニメーションは毎年こんなしかけをしています。2018のHUGキュアと2014年のハピチャは確認済みです。

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        • イマジネーションはストーリーより楽しい。これが事実です。おそらく人間の認知の仕組みがそうなっている。みんなストーリーそっちのけでエヴァ談義や二次創作に没頭します。なによりストーリーはどんなにおもしろくても何回も見ると飽きる(もし何度見てもそのたびに新発見があるなら、それは「一見してもわからない」ことだから、イマジネーションの領域に入り込んでいます)。キャラクターの心情などは、まともな作品では画面に全部描いていることはありえないので、イマジネーションの領域です。顔で笑って心で泣くとかですね。米国の3DCG映画は「この点では」まともな作品ではないことが多い。
          「魔法少女まどか☆マギカ」は、○ビが何年も観てきても新しい(より確からしい)解釈がでてきます。これは○ビが鈍いからでもあるけど、もともとわかりにくく作ってあるのです。まず、劇場版はテレビシリーズの総集編ではなく、登場人物の心情は全員まったく違う。正反対といえるでしょう。そう考えないとつじつまがあわない。テレビシリーズと劇場版は同時に作った。そう考える十分な理由があります。AともBとも解釈できそうな素材を、テレビシリーズにはA、劇場版にはBと割り振った、そんな感じです。その切り替えが作中にあるのですが、あまりにも都合がいい。あらかじめ設定されていたとしかいいようがない。
          なぜそんなことをするのか。それは「男子は女子の心を死ぬほど考えてみなければならない」からです。脚本の虚淵玄氏はまどマギについて発言していますが、それは彼のまどマギについてであって、テレビシリーズや劇場版とは関係がない。「女子の心を考える」ことは男子にとっては苦行だけど、理解したと思えたときのエクスタシーも大きい。プリキュアやまどマギはちゃんとそれを用意してくれます。
          結局のところ、男子にとって女子はイマジネーションの領域にしかいないのです。自分の彼女の考えていることは永遠にわからない。アニメは男子の夢であり、女子には女子のアニメはあるのかもしれないが、それは男子のあずかり知らぬところにあるのです。
          プリキュアはのこの領域を越えてきました。男子が女子のことを考える。でも、だれもララちゃんが女の子だとは言ってない。そんな証拠はどこにもない。でも、でも!

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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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