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磁石は分子レベルに切っても磁石か?」記事へのコメント

  • 鉄とかニッケルとかでも、磁石になっている状態とそうでない状態がありますが
    具体的には何が変化しているのでしょうかね。

    初等的には微視的な磁石の向きがランダムか、揃っているか、で説明されていますが、
    それじゃ答えになっているようでなってない。
    スピンの向きが磁石の原動力だとしたら、スピンの向きが変わったからなのか?
    まさにMRIはそのスピンの向きが変化するのを捉えて可視化しているわけですが、
    あれは水素原子とかのそれを捉えていますが、それと鉄原子のスピンの性質は
    なぜ違うのか。物質物理を勉強すればその本質が分かるのでしょうか?
    と、思っていたのですが、この素粒子物理の専門家にも解っていないとすると
    まだ人類は磁性の本質を理解していないのでしょうか・・・

    こないだMRIにうっかりスマートウオッチしたまま入ってしまって(やばかった。事故にはならなかった)
    充電端子の磁石反転してしまって使えなくなったのでAC

    • 以下では,わかりやすい局在磁性の話をします.
      局在磁性というのは,固体中の動かない(移動しない)原子や分子の持つ(スピン)磁力が磁性の主原因となっているものになります.

      磁石(強磁性,もしくはフェリ磁性)かどうか,というのは,スピンの集団的な性質となります.
      一般的に,磁石(強磁性もしくはフェリ磁性)となるためには,

      (1)個々の原子や分子がスピンをもっている
      (2)隣り合うスピン間に,スピンの向きを同じ向きにしようとする強磁性相互作用(もしくは逆向きにしようとする反強磁性相互作用)が働く.
      (3)相互作用が熱によるランダム化に十分勝つほど温度が低く,スピンが物質全体で整列する.
      (4)整列の結果一方向に大きな磁化が生じる.

      という条件を満たす必要があります.

      大抵の有機物は(1)を満たさず,ほぼ非磁性です.(磁性をもつものもあります)

      また,(2)の相互作用が反強磁性的な場合,個々の原子や分子が磁力を持っていてもトータルでは打ち消すような配置になることがあります(↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓など).この場合は反強磁性と呼ばれ,トータルでの磁力が無いので磁石にはなりません.これは(4)を満たさない場合ですね.
      ただ反強磁性相互作用からでもスピンの配置によっては磁石を作ることは可能で,フェリ磁性と呼ばれます(詳細省略).

      また,温度が高いと熱(=すべてをランダムにしようとする作用)に相互作用が負け,スピンの向きがバラバラになります.(3)を満たせない場合ですね.これもまた磁石にはなれません.氷に熱を加えると位置がランダムになって水になる,というのと同類で,相転移と呼ばれます.
      相転移にはある程度の粒子数が必要で,また次元性も関係してきます.
      このため例えば一列に並べたスピンの場合,どんなに相互作用が強くても絶対零度までスピン配列が固まることができません.つまり磁石になれません.

      ということで,磁石を小さくしていくとどうなるか,ということですが,「強磁性とかフェリ磁性とか」という意味での「磁石」(ある方向に磁化を維持する状態)になるためにはある程度以上のサイズが必要であるため,原子や分子1個になると磁石にはなれません.
      ※ただし,電子1個でもスピンはあり「磁力」は持っています.

      なお,『有限時間でスピンが反転するから厳密な意味での「磁石」ではないけど,緩和時間が非常に長いから「一見したところは磁石のように見える」』という「単分子磁石」というものはあります(とは言え,室温のような高温では測定不能なぐらいの速度で反転するので,磁石っぽく振る舞うのは低温に限られますが……).
      こちらは
      ・ある程度の時間は磁化の方向が定まっている
      ・一定の磁力がある
      という意味では磁石っぽいものの,統計力学的な意味での磁石ではない,というものになります.
      厳密に説明しようとすると(説明できなくはないが)結構面倒です.

      また,金属としての鉄の磁性は伝導電子による遍歴磁性になるため,固体物理のバンド理論の理解が不可欠となりますので,もうちょっと面倒です.(同じく説明は可能)

      同じ組成・結晶構造の鉄が磁石だったりそうじゃないっぽかったりする(針を磁石でなぞると磁石になるが,なぞる前は磁石っぽくない)ことに関しては,「磁区」というものを調べるとわかりやすいかと思います.
      違う結晶構造や違う組成の場合には,遍歴磁性であればバンド構造やキャリアがどこまで充填されているかの違いなどにより,磁性が変わることがあります.局在磁性でも,結晶構造が違えば相互作用が違ってくるので,磁石になるかどうかが変わることはよくあります.

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        金属結合した磁性金属を分子レベルに切断するとは何だろう?

        • by Anonymous Coward

          結局のところ、質問した人が想定している「分子レベルに切るということの意味」と「実際に切る磁石の種類」「磁石としての性質とは何か」少し狭い意味に限定した上で、初等的な定義を持ち出さないと、長文になり過ぎてうまく説明できない気がする。
          例えば「『フリー』と書かれたものはどこまでフリーですか」という質問に、「フリーソフトのことならライセンス次第だと思います」のよ

          • by Anonymous Coward

            切断という質問に短く回答するために固体という条件を理由も無く前提とする事でトートロジーに持ち込んでるだけだね。
            まあ「逃げ」と言ってるから判ってやってるんだろうけど。

      • by Anonymous Coward

        >(3)相互作用が熱によるランダム化に十分勝つほど温度が低く,スピンが物質全体で整列する.
        整列するまでの「時間」の速さで磁力が決まる

    • by Anonymous Coward

      スピンだけでいえば、ばらばらに向いた方がエネルギーが低くなる。
      スピン以外に電子軌道の形の都合というものがあって、スピンが揃った方が(スピンでのエネルギーは高くなるけど)
      全体としてのエネルギーは低くなる、という物質が強磁性を持つ。
      温度を上げると、電子軌道の都合にあわせて向きを揃えてもエネルギーが低くならなくなり、
      結局、スピンもバラバラにした方が全体としてのエネルギーが低くなるので磁性が消える。

    • by Anonymous Coward

      今度は充電器を持ってMRIに入れば空飛ぶケーブルが拝める、と

    • by Anonymous Coward

      色々と混ざってるよ。スピンの向きと単純に言っても、電子、陽子、中性子など色々あってそのどれもが磁気モーメントを持っている。
      陽子と中性子が合わさって原子核になれば原子核の磁気モーメントが合成される。さらに電子が加わって原子の磁気モーメント、原子が集まって分子の磁気モーメント。
      これらは単純な足し算ではなくて軌道とかもろもろな要素で複雑な計算になる。
      MRI は水素原子の原子核(=陽子)の磁気モーメントを計測している。
      普通の磁石は個々のスピンではなく鉄とかの原子の磁気モーメント(その大部分は電子の磁気モーメントに由来)が元になってる。

    • by Anonymous Coward

      他の影響も含め全体(系)として考えないといけないうえに、
      定義とか専門でな人が理解できるように用語を限定するとか
      制限をかけると、専門家とはいえ説明するのは結構大変かと。

      > 物質物理を勉強すればその本質が分かるのでしょうか?

      固体物理とか固体の電子論とか、がっつり勉強したら本質が分かる…かな?

      # 専門家の人って、「あたりまえ」と思っていることも
      # 多くて、いざ(哲学みたいになるかもしれないけど)
      # 突っ込んで聞くと、答えられないことがある気がする…

      • by Anonymous Coward

        一般人に説明するには、常人の日常の概念で説明しなければならず、
        量子物理の常識はしばしば常人の日常の概念ではありえないようなことがありますから
        説明のために、「こういうもんだ」という天下りをいかに少なくできるかが
        難しいのだと思います。
        # 一休さんに出てくる「どちてぼうや」を説き伏せる勢いで説明してほしい

    • by Anonymous Coward

      説明が難しいって言ってるだけで、回答は書いてあるな

      > 分子レベルになったらどうだろう。それは場合によるでしょう。
      > 1つの電子は磁石なのです。

あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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