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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家
自己管理とは (スコア:3, 興味深い)
「都市化」によって「意識化」されたものこそが実存、という信仰があるのが都市生活者だから、都市生活者は「意識的に自分をコントロールできなければならないと思っている」のですと。
ということは、今回の話では「自己管理できないようなヤツは生きている資格がない」ということになるから、競争に脱落する。チーズバーガー法案の根底には「人間は自己をコントロールできなければならない」のであって、それができていないのは人間として生きている資格がない、ということが、暗黙の了解としてある。すべてが意識下でコントロールされるべき、と思いこんでいるのが都市生活者なんだな。
この養老先生のお話によれば、理由もなくわき上がる食欲、むしろ抑えなければならない、とわかっている食欲=自然、が抑えられないのは、既に人間ではない、と、思われているわけだ。
マックは、自然ではなくて意識的に制御された「ハンバーガー販売マシン」なんだな。で、そのマシンの設計をする上で、その設計者は、都市生活者の人間にわずかに残った「自然」に訴えかけて、自己管理ができないようなセキュリティホールをぐいぐい突いて、販売量を増やそうとする。
つまり、「自己管理」というキーワードそのものを肯定するのではなく、むしろうまく否定して「売って」いるのはマックのほうだから、マックこそ、「自己管理」して、そういう不健康なものを売ることをやめることのほうが、実は自然なんだな。
ところが、資本主義では売り物が食べ物であろうがなんだろうが「儲かる」ことがすべてだから、特に米国では、米国民の健康よりも米国民から搾り取れるお金のほうが大切、ということになっている。だから、企業に媚びを売って政治資金を得ようとする議員が「チーズバーガー」法案みたいなものを出して、ことの本質を多くの人に見せないようにしている。
「自己管理は大切ですよ」とか表では言っておいて、その実、自己管理ができないように目隠しをする法律がこの法案なんだな。本人個人の自己管理もさることながら、米国民の健康を守る立場にあるFDAなんかも、もっと原則に立ち返って、調査に入っていいと思うけどね。米国民の健康が大切であれば、一企業の利益は減ってもOK、という価値観は、かつてのFDAにはあったと思うけど。