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携帯電話が腫瘍のリスクを高めるとの報告」記事へのコメント

  • タレコミにある発表資料 [imm.ki.se]によると,この腫瘍は良性のもので,

    It occurs in less than one adult per 100,000 per year.

    とありますから,年間,成人10万人あたり1人未満の割合で発生するということのようですね.したがって,この腫瘍の発生確率が2~4倍になるとしても,公衆衛生という観点から見るとまた別かもしれませんが,個人にとってはあまり深刻な問題ではないように思えます.ほかの疾病や事故の心配をしたほうが合理的でしょう.

    ただ,少なくとも1種の腫瘍の発生確率を高めることは明らかになったわけで,ほかの腫瘍についても発生確率が高まるのかもしれない

    • 私もちゃんと原著を読んでいなくて, 要旨 [nih.gov]だけなので言えることは限られているのですが,
      ちょっとそのままには受け取れないデータだと思います.
      まず,調査対象が20歳から69歳となっていますが,20歳の人に10年以上の携帯電話の使用歴が
      あるということは考えにくいですし,患者の中で10年以上の携帯電話の使用歴がある人は少なくなる
      ので統計的な誤差が大きくなります.
      実際統計的な95%信頼区間では10年以上の使用歴がある場合の相対リスクの上昇は0.9-4.1で,
      使用している側の腫瘍のリスクは1.6-9.5で,確かにリスクが増大しそうではあるが,本当に顕著
      かどうか言うにはサンプル数が少ないように見受けられます.
      --
      kaho
      • この枝にぶらさげます。

        今回のような疫学研究の結果というのは、基本的にそれ単独ではまだ信頼できるものではない、というのが大前提です。

        これは、たとえ一流誌に掲載されたものであっても、また書かれている方法が正しいやり方であってもそうです。その後、複数のグループからの追試を受けて、その結果を総合的に判断して、ようやく疫学的な傾向の全体像が把握可能になるという感じです。今回のものは、その追試の部分をWHOが旗振りして、世界各国で一斉に調査してるわけです。

        以前にあった報告とまったく同じ方法で同じ結果が得られる、ということは、動物実験などのように(再現可能な)実験によって物事を解明する立場からは「当たり前」のことであり、たとえそういう結果を得たとしても研究としての新奇性がないので、それをわざわざ発表するということはありません。
        しかし疫学調査の場合は、別の母集団でも同じ結果が得られたというのは意味のあることなので、発表する意味もありますし、それなりに評価をうけます。それどころか逆に、異なる母集団でも同じ結果が得られるかどうかは重要なポイントの一つなので、複数の研究がないと、「一般的な現象」とするにはまだ信頼性に欠けるわけです。

        さらに言うと、複数の疫学研究で確かめられるのと並行して、動物実験などによってその発症のメカニズムが解明されていくというのも重要なことです。疫学研究で見るのはしばしば「相関関係」であって、本当にその因子が病気の原因なのかどうかは、実験的に確かめられる必要があります。両者の研究がうまく融合できたときに初めて、ある因子と病気の「因果関係」が明らかになる、と言っていいでしょう。
        親コメント

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