「ハッブル宇宙望遠鏡が修理されずに廃棄処分に」記事へのコメント

そろそろ宇宙にばかり頼らなくてもいいのでは

[maruto! (18665)]

ハッブルの利点だった大気の乱れのない観測も、現代の技術では補償光学系 [google.com]を使えば十分に補完できるし、地上だと複数の望遠鏡をつなげて干渉計にすることもできると言う利点もありますし、個人的には少なくとも今世紀中は宇宙からの観測にこだわる必要はないと思いますよ。

Re:そろそろ宇宙にばかり頼らなくてもいいのでは

[galaxiast (25067)]

なかなかそう簡単にはいきません。

補償光学は、大気の揺らぎを打ち消すために参照天体を使うわけですが、それなりの明るさの参照天体が本当に観測したい天体の近くにないと補償光学を使えません。参照天体を自分で作ってしまうレーザーガイドスターなどの研究も行われてはいますが、それもそう簡単でありません。

しかも、たとえばすばる望遠鏡についている補償光学系 [subarutelescope.org]は、可視光の部分を参照天体用に別の装置に導くので、本当の観測対象に対しては赤外線観測にしか使えません。

あと、干渉計として画像を得るには、それなりの望遠鏡の数が必要です。現在のKEKやVLTによる光干渉計はまだまだその段階には至っていません。

上記の問題点が解決されるのが先か、ロケットで大きな構造物を楽に打ち上げられるようになるのが先か、という問題になりそうです。

Re:そろそろ宇宙にばかり頼らなくてもいいのでは

[nq (16642)]

補償光学系は、明るい参照星の周辺にしか使えませんので、たとえ、レーザー人工星を使っても本質的に狭い視野しか観測できませんし、有効な波長域も限られます。やはり、広い視野にわたって高い分解能の画像を得られる宇宙望遠鏡は撮像の面からは断然有利です。また地上では決して観測できない紫外線や遠赤外線はどうしても宇宙望遠鏡が必要です。

Re:そろそろ宇宙にばかり頼らなくてもいいのでは

[passer-by (13494)]

宇宙では曇天や雨天や太陽光による青空がありませんから、相当にマージンを減らした観測計画を立てられます。それに全天のどこでも見られますから、星の位置だけを理由に特性が全然違う装置を使い分けざるを得ないといった事がなくなります。確実な計測という観点からは、どちらもかなり大きなメリットではないでしょうか。

Re:そろそろ宇宙にばかり頼らなくてもいいのでは

[Anonymous Coward]

> 現代の技術では十分に補完できる
その割には国立天文台のページとかで公開してる画像はみんなピンボケなのはなぜですか？

Re:そろそろ宇宙にばかり頼らなくてもいいのでは

[coldfusion (23839)]

これなんか、ピンボケではないですが。 [subarutelescope.org]すばるの画像はすごいですよ。