以下、ちょっとだけ言わんとしていたことの解説です。
件の天体が褐色矮星である可能性ですが。まず、タレコミからリンクしてあるSPACE.comの記事 [space.com]には、しっかりと質量の見積もりに不確定性があることを書いてあります。タレコミにも"惑星の質量の見積もりは~可能性がある"、という形でそのことについては触れたつもりです。
個人的には、それが褐色矮星の域にかかるかもしれないことも理解していました。SPACE.comの記事にも"it could be tens of times as massive as Jupiter"と書かれていますし、タレコミの直後に見つけた論文 [arxiv.org]にも、1-42Mjということが書いてありますしね。ただ、論文著者らは数Mj程度の質量であるとその前に言っていることから、その部分は細部だろうと判断して、記事採用後も特に補足することはしませんでした。その判断自体は良くなかったかもしれませんが。
つまり、タレコミの時点で、アストロニュースが同一の記事を書くだけの情報量は充分にあったわけです。実際に井田氏のコメントはもっと早く出されているわけですし。それを2週間も遅らせて掲載しているアストロニュースは、報道の重要な要素の一つである速報性を無視している点では責められるべきだと思います。
#このニュースの件については、templa.netでも"ESO のプレスリリースのタイトルも "Is this a Brown Dwarf or an Exoplanet? " だし" [tenpla.net]などと書かれていますが、そもそもそのESOのプレスリリースが出るのが遅いのも原因だろ、とかまだまだ言いたいことはありますが。
##言うまでもなく速報性だけが重要な要素であるわけではないですけどね。でも、オープンソース・ジャーナリズムというものが存在するのであれば、粗があってもそこそこな品質の速報が出て、それをコメントで補足・修正していくというのも一つの手だとは思いませんか?
今度のは・・・ (スコア:0)
・・・いや、常温核融合 [wikipedia.org]と言われると、もーれつな胡散臭さが・・・(--;
正しい反応だと思います (スコア:2, 参考になる)
・ムー5月号 [gakken.co.jp]
ついに人類が手にした究極のエネルギーは、天使か悪魔か!?
衝撃の反物質宇宙論
・ニュートンPressWeb [newtonpress.co.jp]
一般的な超弦理論や、大統一理論の記事例
どちらも記事も、最新の実証科学による証明済みの部分と
現在まだ実験による証明を持たず仮説のものを含みます。
まず実証済みのことは「ムー5月号」「ニュートン」どちらも
かなり深く突っ込んだ内容で書いてあり感心します。
次に仮説の部分ですが、両者で書き方が違うように見受けられます。
ニュートンの方はわりあい、仮説であること明記してある印象です。
ムーの方は(今回の5月号しか読んでいませんが)実証済みことと
仮説の部分の境界が「非常に紛らわしく書いており」
読んでいる分には興味深いのですが、いわゆる「トンデモ」という
印象を受けます。
森教授「ゲーム脳」などそうなのですが、一般の人の目に触れるものは
疑似科学レベルのものは精査したもののみ広報すべきと強く思います。
しかしながら肝心の各新聞社のサイエンス系の記事などを読むと、
ときどきヘンテコな印象のものがあり、原文を読んで納得するなど、
質の高いテクニカルライターは少ないような気がします。
またいわゆるトンデモ系に感じられる記事は、疑ってかかる(≒精査する)のは
正しい傾向だと思います。例えばスラドの投稿 [srad.jp]より、
2週間以上遅れての井田茂氏よりコメント紹介 [astroarts.co.jp]の例は
参考にする部分があると思います。
Re:正しい反応だと思います (スコア:1)
一面の強烈な見出しと、折り目の下に9ポイントぐらいの文字で
かわいらしく「か?」とか書いてあるw
・・・・そういうのを希望するわけではありませんが、
最近スラドの投稿は断定的な見出しが多い気がします
参考までに (スコア:0, オフトピック)
1. "いわゆるトンデモ系に感じられる記事"とのことで例として挙げられているこの記事 [srad.jp]ですが、どの辺りが"いわゆるトンデモ系に感じられる"のかご指摘してもらえますか?
2. その記事についているご自身のコメント [srad.jp]には、"疑ってかかる(≒精査する)"という作業が行われた痕跡は感じられませんが、その点についてはどうお考えですか?
3. 例えば、ご自身の"0.1AU以遠のホットジュピター [srad.jp]"(このタイトル自体が用語の誤用ですが)にある"こと座ベガの海王星サイズ惑星"ですが、モデル計算の結果そのようにも説明できるという事象を"明らか
Re:参考までに (スコア:0, オフトピック)
トンデモというのはちょっと誤解があったようです。
まず1については「日本が発見できなかった?」のをがっかりしていたのですが、
NAOJや、アストロニュースで全く取り上げられなくて疑問に思っていました。
その後2週間経ち、アストロニュースでは例のコメント付きで、載りました。
当然、当時は投稿された記事の「確認された」とのことで、その事実に対して、
それに沿ったコメントを(日本が発見できなくがっかりしながら)書いています。
それが2になります。
3ついては、ある程度精査されてまと
Re:参考までに (スコア:1)
回答になっているかどうかですが、期待していた回答とは微妙に異なっていたという感想です。でも、"「トンデモ記事」に同列にとれるように書いたのは良くなかった"ということを言っていただけるのであれば特に回答は必要なかったので、私にとっては問題ないです。今後は最初から、"まずは「疑ってかかるべき」"という正しい反応で、有益な興味深い話題を提供し続けてくれることを期待しています。
以下、ちょっとだけ言わんとしていたことの解説です。
件の天体が褐色矮星である可能性ですが。まず、タレコミからリンクしてあるSPACE.comの記事 [space.com]には、しっかりと質量の見積もりに不確定性があることを書いてあります。タレコミにも"惑星の質量の見積もりは~可能性がある"、という形でそのことについては触れたつもりです。
個人的には、それが褐色矮星の域にかかるかもしれないことも理解していました。SPACE.comの記事にも"it could be tens of times as massive as Jupiter"と書かれていますし、タレコミの直後に見つけた論文 [arxiv.org]にも、1-42Mjということが書いてありますしね。ただ、論文著者らは数Mj程度の質量であるとその前に言っていることから、その部分は細部だろうと判断して、記事採用後も特に補足することはしませんでした。その判断自体は良くなかったかもしれませんが。
つまり、タレコミの時点で、アストロニュースが同一の記事を書くだけの情報量は充分にあったわけです。実際に井田氏のコメントはもっと早く出されているわけですし。それを2週間も遅らせて掲載しているアストロニュースは、報道の重要な要素の一つである速報性を無視している点では責められるべきだと思います。
#このニュースの件については、templa.netでも"ESO のプレスリリースのタイトルも "Is this a Brown Dwarf or an Exoplanet? " だし" [tenpla.net]などと書かれていますが、そもそもそのESOのプレスリリースが出るのが遅いのも原因だろ、とかまだまだ言いたいことはありますが。
##言うまでもなく速報性だけが重要な要素であるわけではないですけどね。でも、オープンソース・ジャーナリズムというものが存在するのであれば、粗があってもそこそこな品質の速報が出て、それをコメントで補足・修正していくというのも一つの手だとは思いませんか?
Re:正しい反応だと思います (スコア:0)
> またいわゆるトンデモ系に感じられる記事は、疑ってかかる(≒精査する)のは正しい傾向だと思います
私は「これは有りうる話だろうか?(あなたの表現だとトンデモ系に感じられる記事でしょうか)」をバイオ系ではしばしば出します。そしてそれらの記事で、「素人がそのまま読むと危険だ」と判断される部分には、きちんとその旨を指摘したコメントがつけられています。(例示:DNAに存在していない遺伝情報が世代を越えて伝わる? [srad.jp]) 以前にも書きましたが、私はそういう部分を精査してコメントしてもらえると信頼しているので、ここに「?」レ