Robert Watson John Baldwin:
The SMPVFS work is a task to add fine-grained locking to the VFS layer of the kernel as well as the UFS and nullfs filesystems. The VFS layer provides the abstractions in the kernel that describe file objects. Each filesystem provides a VFS "driver" to manage the files on a disk device according to the design of that filesystem. Adding fine-grained locking to VFS and the UFS filesystem allows more concurrency in t
John Baldwin: カーネルのVFSレイヤーと、UFSやnullfsファイルオブジェクトにも、きめ細かいロック機構を提供するのがSMPVFS機能です。VFSレイヤーというのは、カーネル内でのファイルオブジェクトの扱いを抽象化するものです。ディスクドライブ上のファイルを管理するために、各ファイルシステムがそれぞれの設計に従ったVFS「ドライバ」を持ちます。VFSとUFSファイルシステムにきめ細かいロック機能を追加することで、(とくにディスクI/Oなどのワークロードについて)カーネルの並列処理性能[concurrency]が向上します。
Robert N M Watson: SMPVFS[=Symmetric Multiple Processor Virtual File System]機能のすばらしい利点としてもうひとつ、割り当て変更[=下位スレッドの優先度を操作する機能]をすべて実装した6.xカーネルでは、ファイルシステムコード上でGiant lock を保持しなくても、ファイルシステムコードがバックグラウンドでの暗号化処理やファイルシステムの操作など下位の[=自分より優先度の低い]カーネルスレッドの割り当てを変更したり、サウンドカードの割り込みやネットワークI/Oなどファイルシステムコードよりも実行タイミングに関してシビアな[=上位の]コードからファイルシステムコード[のスレッド]を割り当て変更できます。このため、SMPVFSはSMPだけでなくUP[=Uni Processor]にも役立ちます。とはいえ、SMPにとっての利点は非常に大きく、この間Kris Kennaway が12-CPUのsparcシステム上でパッケージをビルドするベンチマーク(VFSが有効に機能するワークロードです)を行ったところ、我々が期待していたスケーラビリティがすべて実現されていました。
Scott Long: SMPVFSはまた、現在Giant lock を利用しているストレージデバイスの待機時間[=contention=競合]を減らし、ドライバやファイルシステムの並列性[parallelism]の上限を高めます。Krisのテスト結果はこの点について非常に良好でした。ESPドライバのほとんどとSCSIサブシステムは依然 Giant lockを利用していたにも関わらず、良好なスケーラビリティを示しました。
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1. Tell us more about SMPVFS and its significanc (スコア:1)
Robert Watson John Baldwin:
The SMPVFS work is a task to add fine-grained locking to the VFS layer of the kernel as well as the UFS and nullfs filesystems. The VFS layer provides the abstractions in the kernel that describe file objects. Each filesystem provides a VFS "driver" to manage the files on a disk device according to the design of that filesystem. Adding fine-grained locking to VFS and the UFS filesystem allows more concurrency in t
ここにぶら下げよう (スコア:1)
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1. SMPVFSとその意義についてもう少し教えてください。
John Baldwin: カーネルのVFSレイヤーと、UFSやnullfsファイルオブジェクトにも、きめ細かいロック機構を提供するのがSMPVFS機能です。VFSレイヤーというのは、カーネル内でのファイルオブジェクトの扱いを抽象化するものです。ディスクドライブ上のファイルを管理するために、各ファイルシステムがそれぞれの設計に従ったVFS「ドライバ」を持ちます。VFSとUFSファイルシステムにきめ細かいロック機能を追加することで、(とくにディスクI/Oなどのワークロードについて)カーネルの並列処理性能[concurrency]が向上します。
Robert N M Watson: SMPVFS[=Symmetric Multiple Processor Virtual File System]機能のすばらしい利点としてもうひとつ、割り当て変更[=下位スレッドの優先度を操作する機能]をすべて実装した6.xカーネルでは、ファイルシステムコード上でGiant lock を保持しなくても、ファイルシステムコードがバックグラウンドでの暗号化処理やファイルシステムの操作など下位の[=自分より優先度の低い]カーネルスレッドの割り当てを変更したり、サウンドカードの割り込みやネットワークI/Oなどファイルシステムコードよりも実行タイミングに関してシビアな[=上位の]コードからファイルシステムコード[のスレッド]を割り当て変更できます。このため、SMPVFSはSMPだけでなくUP[=Uni Processor]にも役立ちます。とはいえ、SMPにとっての利点は非常に大きく、この間Kris Kennaway が12-CPUのsparcシステム上でパッケージをビルドするベンチマーク(VFSが有効に機能するワークロードです)を行ったところ、我々が期待していたスケーラビリティがすべて実現されていました。
Scott Long: SMPVFSはまた、現在Giant lock を利用しているストレージデバイスの待機時間[=contention=競合]を減らし、ドライバやファイルシステムの並列性[parallelism]の上限を高めます。Krisのテスト結果はこの点について非常に良好でした。ESPドライバのほとんどとSCSIサブシステムは依然 Giant lockを利用していたにも関わらず、良好なスケーラビリティを示しました。
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「preempt」は「割り当て変更」としました。「割り込み」にすると「interrupt」とかぶるし、「予約」だと「reserve」みたいだし、「横取り」だとちょっとイメージがズレるので。
割と面倒な文章でしたが、えてしてそういう時の方が誤訳が少なかったりしますよね(といいつつも、Giant lock についてほとんど理解できてないのでそこが不安)。
yp
Re:ここにぶら下げよう (スコア:1)
Giant lock -- 粒度の粗いロック。一般には、カーネル全体を一度にロックしてしまうようなロックをいいますが、ここではサブシステムレベル全体をロックしてしまうロックのことを言っていると思われます。
Re:ここにぶら下げよう (スコア:1)
# しかし「fine-grained locking」が普通名詞扱いで
# 「Giant lock」が固有名詞扱い(語頭大文字)なのは
# キモチ悪くないんだろうか<ネイティブの人。
# 和訳の「細粒度/荒粒度」ってのもすわり悪いけど。
yp