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DistroWatch.comが見た、日本のLinux事情」記事へのコメント

  • by matsuda (22788) on 2006年04月18日 16時56分 (#923850)
     現在Linuxは使っていないので、最新の事情にはうといですが。

     日本でのLinuxの現状を考えた場合、ふたつの次元があると思います。ひとつはサーバー用途であり、ひとつはパソコン用途であります。これはここで取り上げられているTurbolinuxとVinelinuxの方向にもだいたい重なります。サーバーとしては、日本でもLinuxは好調で、それはかつてのUNIX標準SUNがどんどん使われなくなり、青息吐息なのからもわかります。対して、個人用途のパソコンOSとしては、伸び悩んでいます。

     けれども、これは日本でのLinux普及の初期から予想できたことだと思います。日本のコミュニティや開発者はほぼアプリケーションの日本語化ということだけに取りくんでいた。これは実際そのままではLinuxが日本語を扱えないのでしょうがないことでもありました。

     Linusさんが95年に日本にやってきたとき、私は質問コーナーで、このことをききました。アプリケーションの言語切り替えをOSレベルで、もっとシステム的に簡単にできないかと。各アプリの日本語対応、ローカリゼーションだけをこつこつと日本人がやっている現状は生産的ではないと思ったからです。これに対するLinusさんのお答えは、それはOSの問題ではなく、各アプリケーションの問題だろう、またユニコードが普及すればもっと楽になるのではというものでした。いまいち質問の主旨が伝わらなかったようでした。

     私が希望した言語切り替えは、その後Mac OS Xにおいて実現しました。だから、現在は私はMacを使っています。Linuxの不足についてはこれだけではなく、日本語の縦書き入力が長いことできなかったりと(Open Office以前)、やはりパソコン、日本語での文房具として使う場合には決定的に欠けている機能がいくつかあって、それがいつまでも埋められなかったのです。これはにはふたつの理由が考えられます。

     ひとつは、日本人開発者がローカリゼーションばかりやっていて、Linux開発の中央から遠いため、欧米語使用者以外にとって必要な機能を実現するようなシステム的変更に携われないこと。これはLinuxだけではなく、Xとかその他のUNIX標準環境についても当てはまります。

     しかし、これだけが理由ではない。たとえばMac OSにおいても、日本人がOS開発の中心にいるとは思えないが、言語切り替え、縦書き入力とも初期から実現している。つまり、この場合は商用OSなので、開発者自身がなんの機能が欲しいかではなく、お客さんはどういう機能を欲しているかから開発が進められるからです。商用パソコンOS開発にはやはりこの視点が不可欠だろうと思います。

     同じことはOS開発だけではなく、アプリケーションレベルの開発についても当てはまり、フリーのもの、とくにGNUのアプリは理系が必要とするもの、つまり自分たちが必要とするものはどんどん出てくるけど、文系的なものはUNIXフリーからは出てきにくいという事情にもなっています。

     結論としては、個人レベルでのパソコン用OSとしてのLinuxの将来は、少なくとも日本では、日本人が開発の中心から遠く、かつ非商用という形ではむつかしいということになります。記事でも述べられていた商用ソフトのライセンスの壁というのも、やはりパソコン的な文系的機能*)は、フリーではなく商用で開発されたものが多いということでもあります。

    *)ここでいう文系的機能とは、ワープロ、動画再生、ゲームなど。
    • Re:非商用の弱味 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2006年04月18日 19時47分 (#923963)
       ひとつは、日本人開発者がローカリゼーションばかりやっていて、Linux開発の中央から遠いため、欧米語使用者以外にとって必要な機能を実現するようなシステム的変更に携われないこと。これはLinuxだけではなく、Xとかその他のUNIX標準環境についても当てはまります。
      昔は、欧米で作られたアプリは、文字コード(これは日本人にとっても頭の痛い問題)、マルチバイト文字、などの扱いがなっていない場合が多かったかも知れませんが、最近はローカライゼーションといえば、メニューやヘルプの日本語化が殆どです。 そして、その対応が、「システム的な変更に携われない」、という事の直接の原因では無いと思います。
      モチベーションが上がらない、開発者とのやりとりが英語だけど英語が苦手、といった原因により、日本人のボランティア開発者が入り込まないのだと思います。
      しかし、今後はLegacy Encoding Project [osdn.jp]を初め、IPAのオープンソースソフトウェア活用基盤整備事業 [ipa.go.jp]などにより、従来のボランティアに頼りきった状態からフルタイムの雇用者が参加する体制へと変化し、状況は良くなってくるんじゃないかと考えます。
       しかし、これだけが理由ではない。たとえばMac OSにおいても、日本人がOS開発の中心にいるとは思えないが、言語切り替え、縦書き入力とも初期から実現している。つまり、この場合は商用OSなので、開発者自身がなんの機能が欲しいかではなく、お客さんはどういう機能を欲しているかから開発が進められるからです。商用パソコンOS開発にはやはりこの視点が不可欠だろうと思います。
      商用のアプリやOSはマーケティングによって、潜在的な要求を調査したりしていますが、オープンソースにとってはユーザーフィードバックが殆ど全てでしょう。
      なので、ライトユーザーが少ない状態では、開発者やコアなユーザーのみのフィードバックになりがちです。
      このため、オープンソースのソフトウェアは本質的に、ライブラリ、開発ツールなど、開発者やコアなユーザー向けであるものは成功しやすく、ライトユーザー向けのものは成功しにくい、といえます。
      これに関しては、すぐに改善することは難しいと思います。ライトユーザーは使えない時点で使うのを止めてしまうし、開発者の一部は他人からの指摘・提案を自分への攻撃と受け止める傾向があるので。
      ユーザーが増え、声が大きくなってこれば少しずつ改善されるとは思いますが、ユーザーが増えるためにはライトユーザーのフィードバックを生かすことが重要であり、本当にゆっくりしか改善しない(または全く改善しない)かもしれません。
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      • by matsuda (22788) on 2006年04月19日 3時31分 (#924217)
        モチベーションが上がらない、開発者とのやりとりが英語だけど英語が苦手、といった原因により、日本人のボランティア開発者が入り込まないのだと思います。

        入りこまないのでしょうか、入りこめないのでしょうか。
        たとえばWindowsが嫌われる理由のひとつは、独占的にいろいろな規格が決められて、他の人はこれにかかわれない。迎合するしかないという点。
        しかし、もしX環境の開発において、日本人やその他の非欧米人が規格の面でたずさわれない、顧慮されないなら、WindowsとXもあまりかわらないような気もします。こちらは迎合するしかないという点で。

        むしろ商用のWinやMacの方が非欧米人フレンドリーだとも言えます。オープンソースといったって、われわれが無視された形でいくらオープンでもしょうがないわけで。

        おそらく、今もってXでは縦書きは実現できないのではないでしょうか?そういう関数がもともとないと聞いたことがあります。Winや旧Mac、Aquaではもともとそういう機能が用意されてるらしいんですよね。

        日本人はハードの開発では成功しているけど、ソフト開発がいまいちというのは、この基準や規格を決めるところには携われないという点も大きいのでは。英語という言語問題以外にも。(だってプログラミング言語は共通でしょう?)

        TRONが登場してきたとき、その開発を押し進めるなら、Windowsを日本メーカーには卸さないと脅されたそうですが、どうもUNIXの世界でも事情があんまり違わないような気がするのですが。結局、向こうから来たものを加工するだけという点では。

        一転して、日本人あるいは非欧米人が開発に貢献した例としては、Muleやnemacsが挙げられるでしょう。でも、この場合も、ローカリゼーションとして出発したものが、独自の実装となり、それがしまいには本家に統合されることになった。これはこれで貢献ではあるけれど、やはりローカリゼーションでやらないと無理なのかなぁ。TRONみたいなOSの開発やXという共通環境の規格開発には日本人は携われないのでしょうか?

        こうした疑問からは、新聞などに話が出ていた日本、中国、韓国を中心にして、Linuxを元にしたOSの開発うんぬんというのは期待できるのでしょうか?
        私の感じでは、中国は意外とレベルが高いような気がするのですが。初期からインターネットには国家的に取り組んでいたようですけど・・・

        従来のボランティアに頼りきった状態からフルタイムの雇用者が参加する体制へと変化し、状況は良くなってくるんじゃないかと考えます

        これもフリーソフトウェアのむつかしいところで。
        GNUなんかでフリーでやってる人って大抵大学のポストをもってる人なんですよね。だから、給料をもらってるので、ソフトを売らなくても食える。
        対して、大学人ではない場合、フリーでかつ質の高いソフトの開発というのは無理だと思います。じゃ、どうやって食うんだと?

        だから、大学人以外で個別にソフト開発やってる人って、シェアウェアにならざるをえないと思います。
        Mac OS Xのソフトだと、LightWayTextという半ワープロが、機能が高くて、安くて、とてもよいです。こんなのをフリーで、給料なしでって言ってもそれは無理だと思います。逆にいうと、フリーソフトにこだわっている限り、大学人御用達の計算ソフト以外では、使い勝手のいい高機能なものは望めないことになる。

        UNIXのフリーは、大学人フリーなんです。つまり税金で給料が出てるのでフリーなわけです。だから、よく考えるとこれもフリーではない。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        > なので、ライトユーザーが少ない状態では、開発者やコアなユーザーのみのフィードバックになりがちです。
        > このため、オープンソースのソフトウェアは本質的に、ライブラリ、開発ツールなど、開発者やコアなユーザー向けであるものは成功しやすく、ライトユーザー向けのものは成功しにくい、といえます。

        Firefoxっていうオープンソースアプリケーションをご存じですか?
        #「開発者向けで云々」なんて議論はとっくに終わったよ。
        • Re:非商用の弱味 (スコア:4, すばらしい洞察)

          by qwerty (20776) on 2006年04月18日 20時18分 (#923984) 日記
          Firefox は、他と比べて明らかに多くの金と人を投入できたプロジェクトで
          ようやくあのレベルに達することができたわけで、むしろ悲観するべき所かと。
          --
          [Q][W][E][R][T][Y]
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          • by Anonymous Coward
            tex,latexが早々日本語化され、しらんまに縦書き対応されたことなんかを考えると、日本の開発者もようやってると思うけどね。
          • by Anonymous Coward
            しかも最近はバージョンアップごとに多国語対応機能がだんだん削られてるし。
        • by Anonymous Coward
          > Firefoxっていうオープンソースアプリケーションをご存じですか?
          > #「開発者向けで云々」なんて議論はとっくに終わったよ。

          元の投稿はライトユーザー向けオープンソースアプリは「成功しにくい」といっているだけで「成功しない」とは言っていないですよ。
          成功している例がfirefox以外にいくつあると言うのでしょうか?
        • by Anonymous Coward
          つまり、商用アプリからスタートした方がライトユーザ向けには成功しやすいということですかね。
          それに、成功したソフトウェアがあることと、成功したソフトウェアの比率が小さいことは矛盾しないと思いますが。
    • by Anonymous Coward
      >アプリケーションレベルの話

      まず、いったいどこからどこまでが「OS」で、どこからどこまでがアプリケーションなのかの認識が(意識が)足りないように思えます。言いたいことはわかりますし、むろん、その辺のお話わかってらっしゃるとは思うのですが。文章を読む限り、いかにも素人臭い奇妙な印象を受けます。

      カーネル/ウィンドウシステム/ディスクトップ環境/アプリケーション

      など、ご存知でしょうけど、Linux は一つのベンダーが統一的に開発している訳ではないので、ある意味カーネル以外はすべてアプリケーションであるとも言えます。ですから、Linus
      • by Anonymous Coward
        >文章を読む限り、いかにも素人臭い奇妙な印象を受けます。

        素人とかのたまって意見を否定するから現状があるんでしょう。
        開発者視点にがちがちに固まってるという matsuda さんの言う通りだと思いますね。

        MacOSやLinuxの話にWindowsの話持ち出して恐縮ですが、リソースでメニュー等を持つ
        Windows なんかだと比較的日本語化が容易です。
        対するLinuxは一時期(今もか知りませんが)、ソース中の文字列リテラルを全捜査して
          gettext で括るなんていう荒業に近いものがあり、労力が全然違いました。

        確かにどこまでをアプリケーションとし
        • Re:非商用の弱味 (スコア:4, すばらしい洞察)

          by yosshy (3545) on 2006年04月18日 19時31分 (#923954) 日記
          Linus は Linux カーネルの開発者であり、Linux ディストリビューションの統括者ではありません。彼に Linux ディストリビューションのユーザビリティの文句を言うのは、知事に国政の文句を言うようなものです。
          東京都知事がどれだけ有名人だろうが、彼が日本を動かせる訳ではありません。
          親コメント
        • Re:非商用の弱味 (スコア:1, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2006年04月18日 20時01分 (#923970)
          > MacOSやLinuxの話にWindowsの話持ち出して恐縮ですが、リソースでメニュー等を持つ
          > Windows なんかだと比較的日本語化が容易です。
          > 対するLinuxは一時期(今もか知りませんが)、ソース中の文字列リテラルを全捜査して
          > gettext で括るなんていう荒業に近いものがあり、労力が全然違いました。

          どちらも労力は一緒だと思います。日本語用のリソース(poファイル)を作成する、ってだけです。
          そしてどちらも日本語化するために、翻訳すべき量は一緒ですよね?Linuxにおける日本語化がWindowsでのそれにくらべ際立って難しい、という事は無いです。

          > ユーザーに直接関わる部分の「標準化」を 蔑ろにしてきた結末が現状かと。

          これはその通りですね。GUIツールキットとか。
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          そこでLinuxを「WindowsやMacライクなGUIとデスクトップを持ったパソコン」にしてたら、こんなに広まることもなく、オタク技術者の自己満足OSで終わってたと思いますけどね。
          企業が乗ってきたのはあくまで「自分達の使いやすいOSを作るため」であって、エンドユーザーが使いやすいOSを提供するためではないわけです。
      • by Anonymous Coward
        やる気がないのに普及しないと不満を言う。
        それに対する意見を述べると「いや、そうじゃないんだ」と話を聞こうとしない。
        それがLinuxクオリティ
      • by Anonymous Coward
        素人くさいとか言うならば、玄人を自称されての事かと思うが、そんな玄人の貴方が「ディスクトップ」とか言うのはいかがなものか。
        • by Anonymous Coward
          シミュレーション を シュミレーション

          と表現するようなものですかね。反発する気持ちもわかります。

          デスクトップ と ディスクトップ

          でも、正直なところ、英語をカタカナに直した言葉なので、どっちでも良いというか、どーでもいいことのように思えます。

          オルトキー と アルトキー

          ってのもありましたね。これらは一応、

          シミュレーション>>シュミレーション
          デスクトップ>>ディスクトップ
          オルトキー>=アルトキー

          というのが日本での主流というか日本的でおそらく「正しい」表現でしょうけど、正直つまらんことだと思うときもあります。少なくともこれで突っ込むの
          • by Anonymous Coward
            英語の読みをカタカナで表現した時に、desk(机)をディスクと言うかどうかという話だと思いますけど。
            言葉としての意味を失った読み方だけが記号として一人歩きするようなら、いっそ外来語の表記にカタカナ使わないほうがいいんじゃないかとも思う。

未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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