私が希望した言語切り替えは、その後Mac OS Xにおいて実現しました。だから、現在は私はMacを使っています。Linuxの不足についてはこれだけではなく、日本語の縦書き入力が長いことできなかったりと(Open Office以前)、やはりパソコン、日本語での文房具として使う場合には決定的に欠けている機能がいくつかあって、それがいつまでも埋められなかったのです。これはにはふたつの理由が考えられます。
だから、大学人以外で個別にソフト開発やってる人って、シェアウェアにならざるをえないと思います。 Mac OS Xのソフトだと、LightWayTextという半ワープロが、機能が高くて、安くて、とてもよいです。こんなのをフリーで、給料なしでって言ってもそれは無理だと思います。逆にいうと、フリーソフトにこだわっている限り、大学人御用達の計算ソフト以外では、使い勝手のいい高機能なものは望めないことになる。
非商用の弱味 (スコア:5, 興味深い)
日本でのLinuxの現状を考えた場合、ふたつの次元があると思います。ひとつはサーバー用途であり、ひとつはパソコン用途であります。これはここで取り上げられているTurbolinuxとVinelinuxの方向にもだいたい重なります。サーバーとしては、日本でもLinuxは好調で、それはかつてのUNIX標準SUNがどんどん使われなくなり、青息吐息なのからもわかります。対して、個人用途のパソコンOSとしては、伸び悩んでいます。
けれども、これは日本でのLinux普及の初期から予想できたことだと思います。日本のコミュニティや開発者はほぼアプリケーションの日本語化ということだけに取りくんでいた。これは実際そのままではLinuxが日本語を扱えないのでしょうがないことでもありました。
Linusさんが95年に日本にやってきたとき、私は質問コーナーで、このことをききました。アプリケーションの言語切り替えをOSレベルで、もっとシステム的に簡単にできないかと。各アプリの日本語対応、ローカリゼーションだけをこつこつと日本人がやっている現状は生産的ではないと思ったからです。これに対するLinusさんのお答えは、それはOSの問題ではなく、各アプリケーションの問題だろう、またユニコードが普及すればもっと楽になるのではというものでした。いまいち質問の主旨が伝わらなかったようでした。
私が希望した言語切り替えは、その後Mac OS Xにおいて実現しました。だから、現在は私はMacを使っています。Linuxの不足についてはこれだけではなく、日本語の縦書き入力が長いことできなかったりと(Open Office以前)、やはりパソコン、日本語での文房具として使う場合には決定的に欠けている機能がいくつかあって、それがいつまでも埋められなかったのです。これはにはふたつの理由が考えられます。
ひとつは、日本人開発者がローカリゼーションばかりやっていて、Linux開発の中央から遠いため、欧米語使用者以外にとって必要な機能を実現するようなシステム的変更に携われないこと。これはLinuxだけではなく、Xとかその他のUNIX標準環境についても当てはまります。
しかし、これだけが理由ではない。たとえばMac OSにおいても、日本人がOS開発の中心にいるとは思えないが、言語切り替え、縦書き入力とも初期から実現している。つまり、この場合は商用OSなので、開発者自身がなんの機能が欲しいかではなく、お客さんはどういう機能を欲しているかから開発が進められるからです。商用パソコンOS開発にはやはりこの視点が不可欠だろうと思います。
同じことはOS開発だけではなく、アプリケーションレベルの開発についても当てはまり、フリーのもの、とくにGNUのアプリは理系が必要とするもの、つまり自分たちが必要とするものはどんどん出てくるけど、文系的なものはUNIXフリーからは出てきにくいという事情にもなっています。
結論としては、個人レベルでのパソコン用OSとしてのLinuxの将来は、少なくとも日本では、日本人が開発の中心から遠く、かつ非商用という形ではむつかしいということになります。記事でも述べられていた商用ソフトのライセンスの壁というのも、やはりパソコン的な文系的機能*)は、フリーではなく商用で開発されたものが多いということでもあります。
*)ここでいう文系的機能とは、ワープロ、動画再生、ゲームなど。
Re:非商用の弱味 (スコア:1, 参考になる)
モチベーションが上がらない、開発者とのやりとりが英語だけど英語が苦手、といった原因により、日本人のボランティア開発者が入り込まないのだと思います。
しかし、今後はLegacy Encoding Project [osdn.jp]を初め、IPAのオープンソースソフトウェア活用基盤整備事業 [ipa.go.jp]などにより、従来のボランティアに頼りきった状態からフルタイムの雇用者が参加する体制へと変化し、状況は良くなってくるんじゃないかと考えます。 商用のアプリやOSはマーケティングによって、潜在的な要求を調査したりしていますが、オープンソースにとってはユーザーフィードバックが殆ど全てでしょう。
なので、ライトユーザーが少ない状態では、開発者やコアなユーザーのみのフィードバックになりがちです。
このため、オープンソースのソフトウェアは本質的に、ライブラリ、開発ツールなど、開発者やコアなユーザー向けであるものは成功しやすく、ライトユーザー向けのものは成功しにくい、といえます。
これに関しては、すぐに改善することは難しいと思います。ライトユーザーは使えない時点で使うのを止めてしまうし、開発者の一部は他人からの指摘・提案を自分への攻撃と受け止める傾向があるので。
ユーザーが増え、声が大きくなってこれば少しずつ改善されるとは思いますが、ユーザーが増えるためにはライトユーザーのフィードバックを生かすことが重要であり、本当にゆっくりしか改善しない(または全く改善しない)かもしれません。
Re:非商用の弱味 (スコア:2, 興味深い)
入りこまないのでしょうか、入りこめないのでしょうか。
たとえばWindowsが嫌われる理由のひとつは、独占的にいろいろな規格が決められて、他の人はこれにかかわれない。迎合するしかないという点。
しかし、もしX環境の開発において、日本人やその他の非欧米人が規格の面でたずさわれない、顧慮されないなら、WindowsとXもあまりかわらないような気もします。こちらは迎合するしかないという点で。
むしろ商用のWinやMacの方が非欧米人フレンドリーだとも言えます。オープンソースといったって、われわれが無視された形でいくらオープンでもしょうがないわけで。
おそらく、今もってXでは縦書きは実現できないのではないでしょうか?そういう関数がもともとないと聞いたことがあります。Winや旧Mac、Aquaではもともとそういう機能が用意されてるらしいんですよね。
日本人はハードの開発では成功しているけど、ソフト開発がいまいちというのは、この基準や規格を決めるところには携われないという点も大きいのでは。英語という言語問題以外にも。(だってプログラミング言語は共通でしょう?)
TRONが登場してきたとき、その開発を押し進めるなら、Windowsを日本メーカーには卸さないと脅されたそうですが、どうもUNIXの世界でも事情があんまり違わないような気がするのですが。結局、向こうから来たものを加工するだけという点では。
一転して、日本人あるいは非欧米人が開発に貢献した例としては、Muleやnemacsが挙げられるでしょう。でも、この場合も、ローカリゼーションとして出発したものが、独自の実装となり、それがしまいには本家に統合されることになった。これはこれで貢献ではあるけれど、やはりローカリゼーションでやらないと無理なのかなぁ。TRONみたいなOSの開発やXという共通環境の規格開発には日本人は携われないのでしょうか?
こうした疑問からは、新聞などに話が出ていた日本、中国、韓国を中心にして、Linuxを元にしたOSの開発うんぬんというのは期待できるのでしょうか?
私の感じでは、中国は意外とレベルが高いような気がするのですが。初期からインターネットには国家的に取り組んでいたようですけど・・・
これもフリーソフトウェアのむつかしいところで。
GNUなんかでフリーでやってる人って大抵大学のポストをもってる人なんですよね。だから、給料をもらってるので、ソフトを売らなくても食える。
対して、大学人ではない場合、フリーでかつ質の高いソフトの開発というのは無理だと思います。じゃ、どうやって食うんだと?
だから、大学人以外で個別にソフト開発やってる人って、シェアウェアにならざるをえないと思います。
Mac OS Xのソフトだと、LightWayTextという半ワープロが、機能が高くて、安くて、とてもよいです。こんなのをフリーで、給料なしでって言ってもそれは無理だと思います。逆にいうと、フリーソフトにこだわっている限り、大学人御用達の計算ソフト以外では、使い勝手のいい高機能なものは望めないことになる。
UNIXのフリーは、大学人フリーなんです。つまり税金で給料が出てるのでフリーなわけです。だから、よく考えるとこれもフリーではない。
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
>文字通り「入り込まない」です。開発者は自発的に「入り込まない」ことを選択している、ということです。
>> もしX環境の開発において、日本人やその他の非欧米人が規格の面でたずさわれない、顧慮されないなら
>こんなことは断じて無いです。殆どのオープンソースソフトウェアの開発は、メーリングリスト、IRC、フォーラムを通じて行われ、それらは誰でも参加できます。
理屈ではそうなんですけどね、、、
実際英語の読み書きが出来て、かなりの量のドキュメントを読破して、独特のコミュニケー
日本語のコスト (スコア:0)
さらにDistroWatchの記事にも日本語の入力やフォント関連のコスト(単に開発だけではなく特許関連とかも)がプロプラエタリでなければ支えきれないレベルになっていることを示唆する部分もあります。
そういうわけで、オープンソースを本気で普及させたいなら、少なくとも技術者や研究者だけでも英語力の底上げが近道のような気がします。
Re:日本語のコスト (スコア:1)
英語力よりはメンタリティの方が重要だと思います。
欧米(特に米国)では自分の意見を表明することが推奨されますし、また教育でもそれをちゃんと訓練として授業に組み込まれています。そういうなかで議論する技術とともに、議論で戦うことは普通のことという感覚がついているのだと思います。
一方、日本では、(今現在はどうなのか知りませんが)議論を戦わせ、相手を理解したり相手を納得させることが組み込まれたカリキュラムになっていないと思います。
特にソフトウェアは概念設計が大事なので、そういう議論・討論の訓練を受けていないと、コミュニティに入り込んでそれなりのポジションを得ることは難しいのではないかと。
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
> このため、オープンソースのソフトウェアは本質的に、ライブラリ、開発ツールなど、開発者やコアなユーザー向けであるものは成功しやすく、ライトユーザー向けのものは成功しにくい、といえます。
Firefoxっていうオープンソースアプリケーションをご存じですか?
#「開発者向けで云々」なんて議論はとっくに終わったよ。
Re:非商用の弱味 (スコア:4, すばらしい洞察)
ようやくあのレベルに達することができたわけで、むしろ悲観するべき所かと。
[Q][W][E][R][T][Y]
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
> #「開発者向けで云々」なんて議論はとっくに終わったよ。
元の投稿はライトユーザー向けオープンソースアプリは「成功しにくい」といっているだけで「成功しない」とは言っていないですよ。
成功している例がfirefox以外にいくつあると言うのでしょうか?
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
それに、成功したソフトウェアがあることと、成功したソフトウェアの比率が小さいことは矛盾しないと思いますが。
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
IROHAからCannaとか…。
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
まず、いったいどこからどこまでが「OS」で、どこからどこまでがアプリケーションなのかの認識が(意識が)足りないように思えます。言いたいことはわかりますし、むろん、その辺のお話わかってらっしゃるとは思うのですが。文章を読む限り、いかにも素人臭い奇妙な印象を受けます。
カーネル/ウィンドウシステム/ディスクトップ環境/アプリケーション
など、ご存知でしょうけど、Linux は一つのベンダーが統一的に開発している訳ではないので、ある意味カーネル以外はすべてアプリケーションであるとも言えます。ですから、Linus
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
素人とかのたまって意見を否定するから現状があるんでしょう。
開発者視点にがちがちに固まってるという matsuda さんの言う通りだと思いますね。
MacOSやLinuxの話にWindowsの話持ち出して恐縮ですが、リソースでメニュー等を持つ
Windows なんかだと比較的日本語化が容易です。
対するLinuxは一時期(今もか知りませんが)、ソース中の文字列リテラルを全捜査して
gettext で括るなんていう荒業に近いものがあり、労力が全然違いました。
確かにどこまでをアプリケーションとし
Re:非商用の弱味 (スコア:4, すばらしい洞察)
東京都知事がどれだけ有名人だろうが、彼が日本を動かせる訳ではありません。
Re:非商用の弱味 (スコア:1)
Linus氏もしかり。
Re:非商用の弱味 (スコア:1, 参考になる)
> Windows なんかだと比較的日本語化が容易です。
> 対するLinuxは一時期(今もか知りませんが)、ソース中の文字列リテラルを全捜査して
> gettext で括るなんていう荒業に近いものがあり、労力が全然違いました。
どちらも労力は一緒だと思います。日本語用のリソース(poファイル)を作成する、ってだけです。
そしてどちらも日本語化するために、翻訳すべき量は一緒ですよね?Linuxにおける日本語化がWindowsでのそれにくらべ際立って難しい、という事は無いです。
> ユーザーに直接関わる部分の「標準化」を 蔑ろにしてきた結末が現状かと。
これはその通りですね。GUIツールキットとか。
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
企業が乗ってきたのはあくまで「自分達の使いやすいOSを作るため」であって、エンドユーザーが使いやすいOSを提供するためではないわけです。
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
それに対する意見を述べると「いや、そうじゃないんだ」と話を聞こうとしない。
それがLinuxクオリティ
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
と表現するようなものですかね。反発する気持ちもわかります。
デスクトップ と ディスクトップ
でも、正直なところ、英語をカタカナに直した言葉なので、どっちでも良いというか、どーでもいいことのように思えます。
オルトキー と アルトキー
ってのもありましたね。これらは一応、
シミュレーション>>シュミレーション
デスクトップ>>ディスクトップ
オルトキー>=アルトキー
というのが日本での主流というか日本的でおそらく「正しい」表現でしょうけど、正直つまらんことだと思うときもあります。少なくともこれで突っ込むの
Re:非商用の弱味 (スコア:0)
言葉としての意味を失った読み方だけが記号として一人歩きするようなら、いっそ外来語の表記にカタカナ使わないほうがいいんじゃないかとも思う。