でも、究極の理論って立場は、P.W.Andersonの「More is different」で否定されているし。互いに相互作用を持つ多数の要素が集まった凝集体は、素粒子について想定している世界と対称性の異なる世界を作っているために、素粒子を支配する法則と異質の新しい法則が生まれる。というわけで、一般に科学は、それぞれの対象によって多くの階層に分かれて、それぞれの階層での境界面をのぞいて、独自の法則がそれぞれカバーしている。って考え方は、近年は学者の中では浸透してきているし、実は今では一般的だ。エネルギーレンジの違うものは違う世界のお話なんだと。
不要というより.. (スコア:2, 興味深い)
私が気になったのは、インテルのムーア氏が含まれていないこと。
「ムーアの法則」なぞという、”マーフィーの法則”に並ぶ程度の
科学的根拠しか無い、俗説のために半導体業界のどれほどの人が身を粉にして働いているのか御存じだろうか?
信者の方々からはきついお叱りを頂くことと思いますが...。
Re:科学的根拠 (スコア:2, すばらしい洞察)
みんな使っているし、大変便利なものです。
科学的根拠などというものは後出しで出てくるのです。
Re:科学的根拠 (スコア:2, 参考になる)
機械屋・材料屋として、これは看過できないよ。
ムーアの法則は、社会的要因が大きいため(多分)これを説明する
数理モデルは存在しない。
一方で、摩擦の法則についてはアモントン=クーロンの法則以来、
300年も研究されており、凝着理論から分子理論まで、現代科学の
対象として根拠づけられている cf. Sliding Friction, Persson(2000)
それでも、固体間の摩擦については未知の問題も多いわけだが、
流体潤滑における摩擦係数については、少なくともマクロスコピックな
連続体理論が適用できる範囲においては、解明されているといっていい。
Re:科学的根拠 (スコア:1, 参考になる)
>機械屋・材料屋として、これは看過できないよ。
「摩擦係数(粘性係数)・拡散係数は理論的に既に解決された問題」ってのは流体屋として看過できないよ。
って、元AC(機械屋・材料屋)の「粘性/拡散」は分子粘性/拡散で
流体屋のいう「粘性/拡散」は渦粘性/拡散なわけだが(流体の世界では分子のそれは無視できるくらい小さい)。
渦粘性/拡散というのが理論的に根拠づけられないのは、
その特性を決める「渦」の振舞が「渦と渦の相互作用」(これを2次のモーメントと呼ぶ)で決定づけられていて、
その「渦
Re:科学的根拠 (スコア:1, 興味深い)
CFD屋とも一緒に仕事しているので、あなたの言いたいことはわかる。
ただ、あなたの書かれた未解決問題というのは、ナヴィエ=ストークスなりの
「基礎方程式が存在している」という時点で、既に科学的根拠を
一部でも持っているわけ。
摩耗の問題は巨視(連続体)的にも微視的(分子論)的にも、基礎方程式を
書き下せないことと比較してみたらいい。
で、分子レベルの摩擦も拡散も、そりゃ説明できないことだらけなんだけど、
「科学的根拠がない」とclubx氏があっさり断言したことに
噛みついてみただけなんだよ。
Re:科学的根拠 (スコア:1, 興味深い)
そういう意味ではある種の原理といっても差し支えないでしょう。これを原理と認めないのは研究者の美意識の問題で、その態度も無意味ではないですけどね。
Re:科学的根拠 (スコア:3, すばらしい洞察)
こういう物事をどういうアプローチで理解しようとするのか?どこまで理解しようとするのか?ってのは学者の中でも賛否両論というかつねに議論があって、まさに美意識の問題というのは確かにその通り。どちらの立場がより科学的か?といっていたら問題がまとまらない。どこかで、誰かがコメントしていたな。マクロスコピックがどうとか。そう、立場はいろいろなんっす。
そもそも、たとえば、物性の立場の人から見れば化学の立場は物事を正しく理解してないと思うわけだし。素粒子の立場から見れば物性屋は物理を理解していないわけで。
でも、究極の理論って立場は、P.W.Andersonの「More is different」で否定されているし。互いに相互作用を持つ多数の要素が集まった凝集体は、素粒子について想定している世界と対称性の異なる世界を作っているために、素粒子を支配する法則と異質の新しい法則が生まれる。というわけで、一般に科学は、それぞれの対象によって多くの階層に分かれて、それぞれの階層での境界面をのぞいて、独自の法則がそれぞれカバーしている。って考え方は、近年は学者の中では浸透してきているし、実は今では一般的だ。エネルギーレンジの違うものは違う世界のお話なんだと。
何でもかんでも、微細な立場から統一的に理解できないと、理解しようとする試みこそが科学だ!というのは、少なくとも近年ではあまり信じられてない。無論、そういう立場の人もいるし。自分の領域ではそれを信じて自分の理論を展開して、どんどんそれを押し広げているわけだが。だれも、素粒子の理論で多体の電子論を議論できるとは思ってないし、実際意味もない。
ともかく、だから、再現性ってのが科学的根拠っていうのは、非常に納得かなと。理論が正しいのか正しくないのか?理解が正しいのか正しくないのか?ってのは理解の仕方がいろいろあるので、結局は正しい答え(現象を再現できる)ってのが、つまるところ最重要なわけで。
そして、学問上でも応用上でも、その原理なり理論なりが、他の理論を誘発してさらなる世界の広がりを見せるのか?さらなる応用を生み出すのか?ってのが、その立場の評価な訳で、どちらの立場がより世間に認められるか?ってのが勝負になるわけですが。
応用上重要な原理は、立派な原理ですよ。はい。
Re:科学的根拠 (スコア:1)