山形さん、ご指摘ありがとうございます。ただ、『Clio and the Economics of QWERTY』(The American Economic Review, Vol.75, No.2 (May 1985), pp.332-337)で「Because the printing point was located underneath the paper carriage, it was quite invisible to the operator.」(p.333)と書いてるところからすると、Paul A. David自身は、upstrike式タイプライターとfrontstrike式タイプライターの違いは理解してるんですよ。ところが岡崎哲二は、これらの違いすら理解せずに「タイプライターの歴史を調べる必要があるのです」なんて書いてるあたり、非常に始末が悪い。
この話のネタもと (スコア:1)
http://www.utdallas.edu/~liebowit/knowledge_goods/david1985aer.htm
岡崎哲二が書いている内容は、ほぼここからギッてきたものです。この論文で Qwerty について書かれている内容には、ご指摘のような批判はすでに多々存在しますが、論文そのものの本題、つまりいったん何らかの理由で広まってしまったものがロックインされてしまうことでさらに普及する、という構造の指摘が否定されるわけではないために(そしてこの指摘は経済学の歴史では非常に重要なものだったので)、この論文は引用され続け、この話も経済学者の多くは鵜呑みにしています。そういう事情なのでございます。
Re:この話のネタもと (スコア:1)
ちなみに、Typewriter Trustの存在を考慮に入れると、QWERTY配列をロックインの例として使うのには、もはやさすがに無
Re:この話のネタもと (スコア:1)
>Typewriter Trustの存在を考慮に入れると、QWERTY配列をロックインの例として使うのには、もはやさすがに無理がある、というのが私の印象です。
ぼくは全然無理だとは思いません。理由はどうあれ、最初に何らかの原因で優位が確定すれば、あとは勝手にそれが広まっているという事例としてはどんぴしゃだと思います。いまのキーボードはそのトラストに脅されてQWERTY配列
Re:この話のネタもと (スコア:1)