マウスの場合、ES細胞から最終的に個体発生まで行うことが可能なので、少なくとも原理的には「マウスES細胞は分化全能性」であるといわれてきました.しかしこれまでは生殖系の細胞にin vitroで分化させることに成功した人はいませんでした.それをブレイクスルーしたのが、"Derivation of Oocytes from Mouse Embryonic Stem Cells"、ペンシルバニア大の卵子
S.Ina, N.Tsunekawa, A.Nakamura, T.Noce, Expression of the mouse Aven gene during spermatogenesis, analyzed
by subtraction screening using Mvh-knockout mice
Gene Expression Patterns3(2003)635–638
原報どこだ? (スコア:5, 参考になる)
マウスの場合、ES細胞から最終的に個体発生まで行うことが可能なので、少なくとも原理的には「マウスES細胞は分化全能性」であるといわれてきました.しかしこれまでは生殖系の細胞にin vitroで分化させることに成功した人はいませんでした.それをブレイクスルーしたのが、"Derivation of Oocytes from Mouse Embryonic Stem Cells"、ペンシルバニア大の卵子
Re:原報どこだ? (スコア:1)
S.Ina, N.Tsunekawa, A.Nakamura, T.Noce, Expression of the mouse Aven gene during spermatogenesis, analyzed by subtraction screening using Mvh-knockout mice Gene Expression Patterns 3(2003)635–638
#細胞の話は泣きたくなるほどわからない....
Re:原報どこだ? (スコア:2, 参考になる)
いや、本当にもしESから精子が出来たことが証明できたならば、やっぱり(卵子には遅れたとはいえ)かなり注目される論文になっておかしくないと思います。話題性ではscience、natureあたりも狙えるかと。
ただそれゆえにかなり厳密な証明が要求されるでしょう。私もこの分野は耳学問なのですが、一つ気になるのは、本当にその精子がES細胞が単独で分化してできたものなのか、という点です。
というのは、幹細胞移植についてまだ議論されていることの一つなのですが、移植したときに「分化して出来た」と報告されていた細胞の中には、実はそうではなくて移植した細胞と宿主細胞が細胞融合して生じた倍数体があったという報告があります。
今回の実験はin vivoで行っているため、そういう幹細胞移植の問題点も考慮した上での評価が必要になるかと。特に、導入した外来遺伝子をマーカーにしていますが、その遺伝子が精子で発現するというのは、細胞融合でも起こりうることだと思います。そのためにも染色体のチェックが不可欠で、そのデータがあるのとないのではずいぶんと意味合いが違ってくると思いますね。
#まぁそこまで来たら生殖能力までチェックして併せて出す方が…ってライバル多いだろうし、そこまでは待てないか (^^;