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Anonymous Coward
on 2003年08月21日 4時44分
(#382633)
著作権や企業秘密を侵害したと SCO が主張する Linux コードの分析。
Bruce Perens <bruce@perens.com [mailto]>, Linux コミュニティーの多くのメンバーの支援を受けて。
この資料を再版しても良い。
SCO は 8月18日に開かれたラスベガスの展示会で著作権や業務機密を侵害して Linux にコピーされたと主張するコードを示した。ドイツ人の Heise (Heise はドイツの有名コンピューター雑誌 c't の発行人だ。)は SCO のコードの2つのスライドを撮影し、それを(雑誌 c't の)ニュースティッカーで公表した。(The German publisher Heise photographed two slides of SCO's code show and made them public on their news ticker. Heise publishes c't, a popular German computer magazine.) それらのスライドは :
このスライドは (左側が) "System V" のソースコードのコメントで、(右側が)対応する Linux の非常に良く似たコメントを示す。いくつかの System V のコメントはわざと Symbol フォントのギリシャ文字を使用して読み難くされている。ギリシャのテキストを Latin フォントで打ち直して読み易くすると、
* As part of the kernel evolution toward modular naming, the
* functions malloc and mfree are being renamed to rmalloc and rmfree.
* Compatibility will be maintained by the following assembly code:
* (Also see mfree/rmfree below)
となる。このコメントは次のスライドで示される関数について記述されている。SCO の連中がフォントの変更で非常に容易に読み解けるようなもの以外に手段をもたなかったのは微笑ましい。(It's entertaining that the SCO folks had no clue that the font-change could be so easily un-done.) これらが私のコンピュータのセキュリティにかからなかった事を歓迎する。
> SCO の連中がフォントの変更で非常に容易に読み解けるような
> もの以外に手段をもたなかったのは微笑ましい。
> (It's entertaining that the SCO folks had no clue that
> the font-change could be so easily un-done.)
SCO の連中がフォント変更がこんなに簡単にもとに戻せるとは、空にも思っていかったのは微笑ましい。
> SCO の「パターン解析チーム」はこのコードを見つけ、
> Linux のコードは複製されたものであるにちがいないと結論を下した
> (SCO's "pattern analysis team" found this code and
> correctly concluded that it was similar to code in Linux.)
SCO のパターン解析チームはこのコードを見つけ、それが Linux のコードと似ていると正しい結論を下した。
> 私には SCO が最良の例を示すだろうとばかり考えていた
> (It strikes me that SCO would show their best example)。
SCO は彼らが持ちうる最良の例を出そうしただろう。
> しかしながら、私の発言に関して意見を求めた事は無い
> (I'm not, however, asking you to rely on my word.)。
ただし、この発言を頼りにしてくれと言っているわけではない(この発言には責任は持たない)。
8月18日ラスベガスで SCO は Linux 開発者による違反を主張する発表を行った。 Microsoft PowerPoint 形式のスライドはここ(GZIP圧縮したもの) [webfarmhosting.com] か ここ(無圧縮のもの) [webfarmhosting.com] PDF (Adobe Acrobat)形式のものは ここ [vangennip.nl]、ウェブブラウザで読めるように変換したものはここ [webfarmhosting.com]にある。WebFarmHosting.com および vanGennip.nl に 私の貧弱な DSL 回線からこれらのファイルを取り払ってくれた事を感謝する。
SCO は発表の内容を IDG ニュースサービスの記者 Bob McMillan に非公開条項無しで公表した。Bob はそれについてのコメントを私に求めた。彼の記事はここにある [infoworld.com]。
まず SCO が言うところの「コピーされた」ソフトウェアに関して見てみる事にする。SCO はスライドショーで彼らが持つ「コピーされた」コードの最良の例を示すだろうと思われる。しかし、私は最初の二つの例に関して、一つは完全に SCO の所有物で無く、もう片方も正等なライセンスの下で Linux で使用されていると断定できた。これが SCO の提示できる最良のものならば、彼らは敗訴するだろう。
スライド 15 は Unix System V から Linux へ "故意に読みにくくしたコピー" を見せると主張する。SCO はさらにこのスライドのコードをギリシャのフォントに切り替えてそれを読みにくくしたが、それは容易に読むことができた。SCO の連中がフォントの変更という非常に容易に読み解けるような手段以外に仕方がなかった事には失笑を禁じえない。彼らが私のコンピュータのセキュリティに関わっていないのでほっとした。
このスライド中で示されるコードは、しばしば頭文字を取って BPF と呼ばれるインターネットのファイアーウォールソフトウェアの Berkeley Packet Filter のものだ。SCO は BPF を所有しない。これは米国政府から資金を受けた Lawrence Berkeley Laboratory によって作成され、それ自体も、スタンフォード大学とカーネギーメロン大学によって開発された "enet" とよばれるより古いバージョンに由来する。 BPF は カリフォルニア大学バークレー校で作られた 4.3 BSD システムで初出する。SCO はその後、このソフトウェアを Unix System V にコピーした。
BPF は BSD ライセンスの下にある。このライセンスは 1996年にコードを合法的に Unix System V にコピーする事を SCO に許可している。しかし SCO はコードを所有するわけではないので、彼らは他人がそれを使用する事を妨げる権利を持たない。
したがって、この場合 SCO の "パターン認識チーム" は Linux と SCO のBPFの実装が類似していると正確に推論した。しかし、私は google.com のウェブ検索によって数分で BPF の起源を見つけることができた。 なぜ "パターン認識チーム" は同じ事ができなかったのだろうか? 彼らが単にチェックすらしなかったと考えるのは無理があるだろう。SCO が System V の BPF のソースコード のコピーから研究室の著作権表示を見落としたか、あるいは、おそらくチームは知っていたのだろう。
Linux 版の BPF は故意に読みにくくしたコードではない。それはオリジナルソースコードを共有せず、研究室の製品のドキュメントに慎重に従った Linux 開発者 Jay Schulist による BPF のクリーンルームでの再実装である。スライド 15 で示される System V と Linux 版の BPF は同じ仮想マシンにおけるインターネットのパケットを許可したり、拒否したり、交換したり、経路の再選択したりするためのフィルタの命令セットの実装コードだ。仮想マシンのドキュメントはフィールド名を規定している。したがって、Schulist と研究室の実装コードは似ているように見える。Schulist が研究室のコードをそのまま使用する事を選択しても、適法だったろう。しか
他力本願 (スコア:0)
ペレンス氏がまとめてます (スコア:0)
和訳してみました。 (スコア:3, 参考になる)
Bruce Perens <bruce@perens.com [mailto]>, Linux コミュニティーの多くのメンバーの支援を受けて。
この資料を再版しても良い。
SCO は 8月18日に開かれたラスベガスの展示会で著作権や業務機密を侵害して Linux にコピーされたと主張するコードを示した。ドイツ人の Heise (Heise はドイツの有名コンピューター雑誌 c't の発行人だ。)は SCO のコードの2つのスライドを撮影し、それを(雑誌 c't の)ニュースティッカーで公表した。(The German publisher Heise photographed two slides of SCO's code show and made them public on their news ticker. Heise publishes c't, a popular German computer magazine.) それらのスライドは :
slide 1 [heise.de]
このスライドは (左側が) "System V" のソースコードのコメントで、(右側が)対応する Linux の非常に良く似たコメントを示す。いくつかの System V のコメントはわざと Symbol フォントのギリシャ文字を使用して読み難くされている。ギリシャのテキストを Latin フォントで打ち直して読み易くすると、
となる。このコメントは次のスライドで示される関数について記述されている。SCO の連中がフォントの変更で非常に容易に読み解けるようなもの以外に手段をもたなかったのは微笑ましい。(It's entertaining that the SCO folks had no clue that the font-change could be so easily un-done.) これらが私のコンピュータのセキュリティにかからなかった事を歓迎する。
slide 2 [heise.de]
このスライドには幾つかの C 言語の構文エラーがあるのでコンパイルできない。したがって、Linux の何れかのソースコードを完全に表示したのではないだろう。しかし、われわれはこのスライドが参照する malloc() 関数を見つけた。それは AT&T が著作権を持ち、BSDライセンスの下で二度 [ 一度目は AT&T の Unix Systems Labs、および現在は SCO と名乗る企業 Caldela によって再度 ] 公開された。公開された版のいくつかは最初のスライドのコメントを含む。Linux 開発者はそのライセンスの下でこのコードを使用する法的権利を持つ。SCO の企業秘密や著作権の侵害は起こっていない。
この関数は 1973年に AT&T で Dennis M. Ritchie もしくは Ken Thompson によって書かれ、異なるバージョンで "dmr", "ken" ディレクトリの両方に登場する。もとは dmr/malloc.c という名前だった ファイル [perens.com] を見ることが出来る。このコードは Unix バージョン 3 のもので、機械可読形式で存在する最も古いバージョンである。ネット上では、完全なソースは ここ [tuhs.org]で見ることが出来る。2002年、 Caldera は このコードをこのライセンス [tribug.org]でオープンソースとして公開した。Caldera とは、もちろん現在 SCO と名乗る企業の事だ。このライセンスは Linux 開発者が問題のこのコードを使用することを非常に明白に許可する。なぜ Caldera が Unix ソースコードを公開したかに関する経緯を記述した情報はここ [oreillynet.com]にあり、SCO 訴訟に関連した情報を含んでいる。
malloc() のコードは Lions Commentary on Unix 6th Edition [amazon.com](日本語版 [amazon.co.jp]) にも現れる。Lion の本は 1977 年に非公開条項の下に初版され、Unix ソースのライセンスを持つ大学で教科書として使用された。AT&T はしばらくこの本のコピーを Unix のライセンスを持つ人々に売っていて、これをコピー機で複製したもの(photocopy version) は Unix のライセンスを持つ人々の間で広く配布された。Santa Cruz Operation (現在は Tarantella) は UNIX を Caldera (現在は SCO) に売る以前、1996年に この本を非
Re:和訳してみました。 (スコア:1)
> SCO の連中がフォントの変更で非常に容易に読み解けるような
> もの以外に手段をもたなかったのは微笑ましい。
> (It's entertaining that the SCO folks had no clue that
> the font-change could be so easily un-done.)
SCO の連中がフォント変更がこんなに簡単にもとに戻せるとは、空にも思っていかったのは微笑ましい。
> SCO の「パターン解析チーム」はこのコードを見つけ、
> Linux のコードは複製されたものであるにちがいないと結論を下した
> (SCO's "pattern analysis team" found this code and
> correctly concluded that it was similar to code in Linux.)
SCO のパターン解析チームはこのコードを見つけ、それが Linux のコードと似ていると正しい結論を下した。
> 私には SCO が最良の例を示すだろうとばかり考えていた
> (It strikes me that SCO would show their best example)。
SCO は彼らが持ちうる最良の例を出そうしただろう。
> しかしながら、私の発言に関して意見を求めた事は無い
> (I'm not, however, asking you to rely on my word.)。
ただし、この発言を頼りにしてくれと言っているわけではない(この発言には責任は持たない)。
Re:和訳してみました。 (スコア:0)
原文:I'm glad they don't work on my computer security :-)
「俺のコンピュータのセキュリティを守るために働いているのが
こいつらでなくて良かったよ」という意味では?
Re:和訳してみました。 (スコア:0)
Re:和訳してみました。 (スコア:0)
これらが私のコンピュータのセキュリティにかか「わ」らなかった事を歓迎する。
とか、適当に脳内補完して読んでいただければ…
Re:ペレンス氏がまとめてます (スコア:0)
ついでに和訳 (スコア:2, 参考になる)
Bruce Perens, Perens LLC <bruce@perens.com [mailto]>
Linus Torvalds と オープンソースコミュニティの支援を受けて。
この資料を再版しても良い。この資料を必要に応じて引用、翻訳、改行位置などの変更をしても良いが、故意に私の意図を誤って伝えるような編集をしてはいけない。
8月18日ラスベガスで SCO は Linux 開発者による違反を主張する発表を行った。 Microsoft PowerPoint 形式のスライドはここ(GZIP圧縮したもの) [webfarmhosting.com] か ここ(無圧縮のもの) [webfarmhosting.com] PDF (Adobe Acrobat)形式のものは ここ [vangennip.nl]、ウェブブラウザで読めるように変換したものはここ [webfarmhosting.com]にある。WebFarmHosting.com および vanGennip.nl に 私の貧弱な DSL 回線からこれらのファイルを取り払ってくれた事を感謝する。
SCO は発表の内容を IDG ニュースサービスの記者 Bob McMillan に非公開条項無しで公表した。Bob はそれについてのコメントを私に求めた。彼の記事はここにある [infoworld.com]。
まず SCO が言うところの「コピーされた」ソフトウェアに関して見てみる事にする。SCO はスライドショーで彼らが持つ「コピーされた」コードの最良の例を示すだろうと思われる。しかし、私は最初の二つの例に関して、一つは完全に SCO の所有物で無く、もう片方も正等なライセンスの下で Linux で使用されていると断定できた。これが SCO の提示できる最良のものならば、彼らは敗訴するだろう。
スライド 15 は Unix System V から Linux へ "故意に読みにくくしたコピー" を見せると主張する。SCO はさらにこのスライドのコードをギリシャのフォントに切り替えてそれを読みにくくしたが、それは容易に読むことができた。SCO の連中がフォントの変更という非常に容易に読み解けるような手段以外に仕方がなかった事には失笑を禁じえない。彼らが私のコンピュータのセキュリティに関わっていないのでほっとした。
このスライド中で示されるコードは、しばしば頭文字を取って BPF と呼ばれるインターネットのファイアーウォールソフトウェアの Berkeley Packet Filter のものだ。SCO は BPF を所有しない。これは米国政府から資金を受けた Lawrence Berkeley Laboratory によって作成され、それ自体も、スタンフォード大学とカーネギーメロン大学によって開発された "enet" とよばれるより古いバージョンに由来する。 BPF は カリフォルニア大学バークレー校で作られた 4.3 BSD システムで初出する。SCO はその後、このソフトウェアを Unix System V にコピーした。
BPF のコードは研究室のウェブサイト内のここ [lbl.gov]にある。1993年に刊行された設計についての論文はここ [lbl.gov]にある。
BPF は BSD ライセンスの下にある。このライセンスは 1996年にコードを合法的に Unix System V にコピーする事を SCO に許可している。しかし SCO はコードを所有するわけではないので、彼らは他人がそれを使用する事を妨げる権利を持たない。
したがって、この場合 SCO の "パターン認識チーム" は Linux と SCO のBPFの実装が類似していると正確に推論した。しかし、私は google.com のウェブ検索によって数分で BPF の起源を見つけることができた。 なぜ "パターン認識チーム" は同じ事ができなかったのだろうか? 彼らが単にチェックすらしなかったと考えるのは無理があるだろう。SCO が System V の BPF のソースコード のコピーから研究室の著作権表示を見落としたか、あるいは、おそらくチームは知っていたのだろう。
Linux 版の BPF は故意に読みにくくしたコードではない。それはオリジナルソースコードを共有せず、研究室の製品のドキュメントに慎重に従った Linux 開発者 Jay Schulist による BPF のクリーンルームでの再実装である。スライド 15 で示される System V と Linux 版の BPF は同じ仮想マシンにおけるインターネットのパケットを許可したり、拒否したり、交換したり、経路の再選択したりするためのフィルタの命令セットの実装コードだ。仮想マシンのドキュメントはフィールド名を規定している。したがって、Schulist と研究室の実装コードは似ているように見える。Schulist が研究室のコードをそのまま使用する事を選択しても、適法だったろう。しか