アカウント名:
パスワード:
既にいくつかあるわけ(純粋に国策と言えるのは台湾教育部の [www.edu.tw]くらい)ですが、そういうフォントを使って日本語を組むとこういう結果になるんで、普通の人は使わないんじゃないかと思います。
国策でフォントを作るのは、日本ではおよそ考えにくい話です。上に挙げたのは台湾の例ですが、大陸中国でも [khdd.net]文字に関する規範と工業規格を定める所 [china-language.gov.cn]は一本化されていて、権限の所在が非常に明確です。国定のフォントを作るには、このような体制が必要です。
こういう中央集権的な文字文化を構築できるのは、昔から中国に「正しい文字を定めることは権力の正当性の証である」という文化的な伝統があるからです。それを最初に明確な形で示したのは文字を統一して泰山刻石 [myetang.com]を立てた始皇帝です。その後も則天武后が文字を作って [nifty.com]国中で使用を強制したり(死後2ヶ月後には使われなくなったそうですが)、皇帝の名前に使われた字は皇帝専用で臣民はその字を書いちゃいけない避諱っていう決まりがあったりという伝統が二千年以上も続いているからなんで、これは文化の進歩の度合の問題じゃなくて質の問題です。
日本でも教科書が国定だった時代には文部省活字 [tosho-bunko.jp]という物を作っていたわけですが、その存在はほとんど忘れ去られています。国語審議会が先だって表外漢字字体表 [mext.go.jp]を決めたときも字源などの規範的な立場に立つのではなく、できるだけ頻度調査や過去に用いられた活字の字体調査を行って、今までの使用実態でよく用いられた物を取るという追認的な方針を基礎に置いています。また、許容されるデザイン差 [mext.go.jp]をたくさん挙げ、必要以上に細かい違いに拘泥することのないように注意を喚起しています。JIS 漢字においては200項目になんなんとする包摂規準 [aozora.gr.jp]を設けて、できる限り漢字のデザインの自由を保証するように心を砕いています。これが我々の文化のかたちであり、私はこれを好ましく思います。だからこそ、お上に任せるのではなく、自分たちの手で自分たちの使う文字をデザインできないものかと模索しているのです。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家
そのうちに (スコア:0)
権利関係のない優れたフォントは、その国の文化の程度を示すもの。文科省も科研費辺りで支援すれば、いい加減な教科書検閲をするよりも喜ばれるものを。
Re:そのうちに (スコア:5, 興味深い)
既にいくつかあるわけ(純粋に国策と言えるのは台湾教育部の [www.edu.tw]くらい)ですが、そういうフォントを使って日本語を組むとこういう結果になるんで、普通の人は使わないんじゃないかと思います。
国策でフォントを作るのは、日本ではおよそ考えにくい話です。上に挙げたのは台湾の例ですが、大陸中国でも [khdd.net]文字に関する規範と工業規格を定める所 [china-language.gov.cn]は一本化されていて、権限の所在が非常に明確です。国定のフォントを作るには、このような体制が必要です。
こういう中央集権的な文字文化を構築できるのは、昔から中国に「正しい文字を定めることは権力の正当性の証である」という文化的な伝統があるからです。それを最初に明確な形で示したのは文字を統一して泰山刻石 [myetang.com]を立てた始皇帝です。その後も則天武后が文字を作って [nifty.com]国中で使用を強制したり(死後2ヶ月後には使われなくなったそうですが)、皇帝の名前に使われた字は皇帝専用で臣民はその字を書いちゃいけない避諱っていう決まりがあったりという伝統が二千年以上も続いているからなんで、これは文化の進歩の度合の問題じゃなくて質の問題です。
日本でも教科書が国定だった時代には文部省活字 [tosho-bunko.jp]という物を作っていたわけですが、その存在はほとんど忘れ去られています。国語審議会が先だって表外漢字字体表 [mext.go.jp]を決めたときも字源などの規範的な立場に立つのではなく、できるだけ頻度調査や過去に用いられた活字の字体調査を行って、今までの使用実態でよく用いられた物を取るという追認的な方針を基礎に置いています。また、許容されるデザイン差 [mext.go.jp]をたくさん挙げ、必要以上に細かい違いに拘泥することのないように注意を喚起しています。JIS 漢字においては200項目になんなんとする包摂規準 [aozora.gr.jp]を設けて、できる限り漢字のデザインの自由を保証するように心を砕いています。これが我々の文化のかたちであり、私はこれを好ましく思います。だからこそ、お上に任せるのではなく、自分たちの手で自分たちの使う文字をデザインできないものかと模索しているのです。
Re:そのうちに (スコア:0)
そんな話、初めて聞いたんですが・・・
私が田舎者だからですかね?