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体内での感染範囲はどの程度なんでしょうか。 脳内に限られるのか、全身に行き渡ってしまうのか。 感染する細胞は決まっているのでしょうか。
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
情報追加 (スコア:2, 参考になる)
遺伝子導入はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター [ocn.ne.jp]を使って、何種類かのアルツハイマーモデルマウス(ネプリライシン欠損マウスを含む)に脳内接種して解析してます。非常にクリアな結果に見えますね(門外漢なので、専門の人から見るといろいろ問題点もあるのかもしれませんが)
以下、オフトピですが
リンク先の比較表には書いてませんけど、アデノ随伴ウイルスベクターの最大の(といってもいい)利点は、染色体に組み込まれる位置が決まっていること(19番染色体上のAAVS1領域)です。レトロウイルスベクターによる遺伝子導入では、染色体への挿入がランダムに起こることから、偶然にがん遺伝子近傍に組み込まれてそれを活性化する可能性があると考えられてました。これまでは、あくまで「可能性にすぎない」と考えられてたんですが、つい最近その実例 [tanabe.co.jp]が報告されています。
Re:情報追加 (スコア:1)
このままsageられてしまうのも惜しいので。
体内での感染範囲はどの程度なんでしょうか。
脳内に限られるのか、全身に行き渡ってしまうのか。
感染する細胞は決まっているのでしょうか。
このあたりが特定されていれば、
安全な治療が可能になるでしょうし、
ほかの病気、たとえばパーキンソン病などへの応用も
可能になりそうな気がします。
期待がもてる治療法ですね。
Re:情報追加 (スコア:2, 参考になる)
体内での感染範囲は、基本的に投与部位と投与量、投与する条件に依存すると思います。
ウイルスベクターは細胞に感染しても、その細胞内で新しいウイルス粒子を作れないように、ウイルス増殖に必須な遺伝子を除いた形で用いられます。だから、遺伝子導入された細胞から別の細胞への感染は起こらないようにしてあります。
で、通常のアプローチだと、白血球などに遺伝子導入するのなら、白血球を取り出してきて、in vitroでその細胞だけに入れた後で体内に戻してやればいいのですが、神経細胞などのように非分裂細胞ではその手段が使えない。
そこで、非分裂細胞にも感染可能なウイルスベクターの出番になるわけです。細胞を取り出して入れる代わりにウイルスベクターそのものを投与する、と。
この方法では、確かにいろんな細胞に感染する可能性がありますけど、体内で増殖するわけではありませんから、最初に投与したウイルスがどっかに感染しおわれば、それ以上は気にする必要がなくなる。血中への投与とかだとどこにいくか判りませんが、少量を脳室内投与するとかだと感染できる細胞はある程度限定することが可能でしょう。
また、ウイルスベクターを細胞内に導入する場合は、そのときに使う溶液の組成などで導入効率が変わったりしますから、条件を検討すれば特定の細胞にある程度の特異性を持たせた導入も可能かもしれません。
ただまぁ、それでも完全に「ある細胞にのみ」導入するというのは難しいと思いますから、むしろ特定の細胞でのみ発現するようにプロモーター/エンハンサーの方で制御する方向に進んでいくと思いますけど。