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2 PFLOPSを目指すGRAPE-DRスパコンプロジェクトが始動」記事へのコメント

  • by tmiura (6268) on 2004年05月29日 18時43分 (#558573) 日記

    いろいろ野心的とも言えるし大丈夫かとも言えるのですが、 プロセッサがデータフローですか!

    びっくり。 そんな汎用性を持ち込んじゃって 専用計算機ならではの高速性が犠牲にならないのかしら。

    リング一周のオーバヘッドや発火機構に使う待ち合わせ記憶の レイテンシが実はネックだったりとかに始まって 1980年代のデータフロー流行で出尽くしていた 演算器利用「効率」の高さの足を引っ張る要素いろいろを どのように解決するつもりなのか、 お手並み拝見ですね。

    • データフロー、いま流行ってんの知らない?
      • by SteppingWind (2654) on 2004年05月29日 21時00分 (#558628)

        というか, 何かGRAPEの存在すら知らないような雰囲気が...

        ただ, 今回の計画でキモになるのはコンパイラ? と言っていいのか各プロセッサ毎のデータやプログラムの関連付けを最適化するソフトウェアの部分だと思います. こうした分散型の処理の場合, 相互に関連性のあるデータを交換する効率を上げることが必要になります. 初期のGRAPEでは特定の問題用ということでデータ関連性とハード構成を1対1にしていたわけですが, 今回のは汎用性を狙っているので, 固定的なプロセッサマトリックスに対してプログラム/問題を解析した結果に合わせてデータや処理を割り付けるのかなと私は想像します.

        まあ, 全てのHPCに言えることですが, 問題による得手不得手ってのはつきまとうでしょうけど.

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        • by tmiura (6268) on 2004年05月29日 22時32分 (#558658) 日記

          わからん。

          GRAPE-6までのアーキテクチャのどこいら辺がデータフローなんでしょうか?

          完全なる固定パイプラインだと認識してたし、 今GRAPE-4(GRAPE-6はこれの1ボードを1チップに収めたんですよね?) の論文を読み直してもホストインタフェースより先には 動的な要素は一切見えないんですが。

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      • by tmiura (6268) on 2004年05月29日 22時45分 (#558661) 日記

        全然知りませんでした。

        商用ではたとえばシャープのDDMPぐらいしかない、程度の認識で。

        どんな領域で使われてるんでしょうか?

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  • IBMの名前がどこにもないような気がするのですが、
    どこの資料にのってるのでしょうか?

    #税金使うなら、日本企業にして欲しいとか思ったりする。
    --
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  • 負け狼の台詞 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2004年05月29日 19時18分 (#558588)
    いいんだ、いいんだ。あっちの葡萄は酸っぱかったんだ。
  • by optimized (4229) on 2004年05月29日 19時54分 (#558607)
     研究領域が広がる分野はたーくさんありますから、喜ばしいことでしょう。特に分子動力学法(MD法)なんて、未だに分子数を数えられるくらい(言い過ぎ)のモデルしか実際には解けません。

     理想的には、材料で言うと分子動力学法によってFEM解析のスケールまで統一的に解けるような計算能力(ありえんか....)を期待したいですね。その前に統一理論の確立が先でしょうか。
    --
    optimized for /.
    • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 20時25分 (#558617)
      ここで言うMDはどのレベルのものですか?第一原理MDですか?

      分子数という点では古典MDなら数百万個までは扱えているはずですよ。現在はどちらかといえば、分子数云々より多体効果の取り込みやタイムステップの関係上トータルの時間スケールがミリ秒に遠く及ばないことの方が問題なのでは?
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      • by magi-bot (11763) on 2004年05月30日 16時07分 (#558926)
        周期境界の効きやすい界面や材料MD屋には分からないかもしれませんが、蛋白質などを古典MDで解く場合、一般的なclass 1 Force Field(※)を用いたとしてもご指摘の通り多体間相互作用(van der Waals, Electro Static)の計算にもっとも時間がかかります。
        (※:bond, angle, torsion + vdw + eelでエネルギーをあらわすポテンシャル)
        この問題を解決するために Cut Off 距離というものを設け、多体間がある距離よりも遠くなった場合は(実際には距離の二乗に反比例する関数なので、距離が遠くなったからといって0になることはないはずなのに)0とする近似をしてしまっています。
        系の原子数が増えてくると、この多体間の相互作用を計算する回数が飛躍的に増大し、これが高分子蛋白質(特に膜蛋白質)のMDシミュレーションを難しくしている原因の1つになっています。
        MD-GRAPEはこの多体間相互作用の項を計算する専用のチップだったと記憶しています。私が使ったことがある計算機では少なくともこの項の計算に関しては一般的なパソコンのCPUで計算させるよりも数十倍も速かったと思います。
        MDシミュレーションの律速がMD-GRAPEで大幅に改善されるならば、MDがますます高速になるというのは間違っていないと思いますよ。
        ついでに Cut off 距離を長くできるので、より正確なシミュレーションができるようになります。
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        • by Anonymous Coward on 2004年05月30日 21時20分 (#559040)
          分子間相互作用の扱いの難しさを言うなら蛋白質なんて巨大分子を持ち出すまでもなくアセチレンの結晶構造のMDシミュレーションで十分ですよ。

          >ついでに Cut off 距離を長くできるので、より正確なシミュレーションができるようになります

          上記アセチレンの例だとMDの結果は低温相では実測とは違い立方晶(Pa3)のほうが斜方晶(Cmca)よりも安定になる。原因は分子集合状態における電荷移動相互作用が現状のモデルでは表現できないからなんです。カットオフ距離の延長やエワルド和の採用では解決のしようがない問題なのです。

          通常、力の計算は2体近似ですから計算量は分子数の2乗に比例しますので計算機の速度もそれは確かに重要なのは否定しませんが、モデル化が悪いと定性的にも誤った結果を出してしまいますよ。
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    • by nInfo (14824) on 2004年05月29日 20時50分 (#558625)
      MD、GRAPEと言えば、理研の分子動力学専用高速計算システム [riken.jp]が思い浮かびます。
      親コメント
  • タレコミ人です。

    科学技術振興調整費 [mext.go.jp]についてのリンクを張り忘れました。GRAPE-DRは東大の平木先生による政策目標1のプロジェクトです。

    IBMはプロジェクトのページには書かれていないのですが、文科省のページでの参画機関には名前があり、ハードウェアの開発担当のようです。

  • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 18時04分 (#558555)
    プッシュホンで計算サービスでも提供するのか?
  • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 18時05分 (#558556)
    GRAPEといったら特定用途ではずば抜けて速いというイメージですが、
    LINPACKを実行させるとどの程度の位置にいるんでしょう?
    • Re:LINPACK (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2004年05月30日 0時40分 (#558718)
      比べること自体が無駄。
      例えば1秒間に計算可能な浮動小数点演算の数はアースシミュレータよりGRAPEの方が多いです。ゴードンベル賞とか、地球上で最も計算が速いマシンに贈られることになっていましたがGRAPEではなくてアースシミュレータに贈られていたので関係者は残念がっていましたよね。
      でもGRAPEにLINPACKを計算させて速いスピードは出ない。というかそもそも土俵に立つこと自体が無理。新幹線は速いけどレールが無いところは走れない。
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    • by Anonymous Coward
      まーそんな野暮なことは聞いちゃいけません。 ちなみに私が開発者でそんな質問をされたら「LINPACK専用計算機を作れば世界一をとることができます」と答えるかもです。
      • Re:LINPACK (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2004年05月30日 21時04分 (#559033)
        LINPACKベンチマークは連立一次方程式を解くだけで、演算はほとんどベクトルデータの足し算・掛け算です。
        ベクトル型のスーパコンピュータはベクトルデータの演算に特化してるので、LINPACK専用計算機みたいなものです。
        というわけで、既に「LINPACK専用計算機が世界一をとっている」ようなものです。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      GRAPEに対して「プログラムを実行させる」などと言ってはいけません.
      それはGRAPEをスパコンと呼ぶときの禁句です.
  • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 18時11分 (#558561)
    >Grape DR Projectのページ

    OSはWindowsですか?
  • by locate (5848) on 2004年05月29日 19時56分 (#558608) 日記
    結局のところ、世界一を目指すのが目標で、役に立つ計算ができるかどうかは、
    2の次のようなきがする。

    地球シミュレータも今のところパッとした成果も出てないしね。
    • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 21時58分 (#558645)
      >地球シミュレータも今のところパッとした成果も出てないしね。


      「2002年ゴードン・ベル賞」を受賞:「地球シミュレータ」上で行ったスペクトル変換法による全球大気大循環シミュレーション(26.58Tflops)
      [jamstec.go.jp]

      「地球シミュレータ」を用いて精密な地震シミュレーションに成功~
      「2003年ゴードン・ベル賞」を受賞~
      [jamstec.go.jp]

      ま、こういうと多分「精密なシミュレーションだからナニ?」「賞が何ぼのモノ」とか言わはるんではないかと思われますけど。
      もし、そう言わはりなさるのなら「パッとした成果」って何ですの。

      #煽りなのでAC
      親コメント
      • by tada (5086) on 2004年05月30日 1時26分 (#558741)

        IEEEコンピューター協会によって運営されており、ハードウェアとソフトウェアの技術開発に貢献する分野で最高の成果を出したもの
        に与えられるゴードンベル賞 [jamstec.go.jp]だって、結局は「素晴らしい道具の開発」を称える物ですよね。
        その道具を使って得られた、本来の学問的な成果を称える物ではない。
        という事をlocateは言いたいのではないでしょうか。
        私はくだらない成果だとは思っていません(念のため)

        #「煽りなのでAC」は議論する上で卑怯だと思うのでID
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        • by Anonymous Coward on 2004年05月30日 21時48分 (#559057)
          SC2004 Award [sc-conference.org]では practical uses of high performance computers としか書いてませんが、実用的な科学技術計算で性能を出すことが求められてます。2003年の地球シミュレータもGRAPEも計算機を作ったことではなく、実際の科学技術計算に使用したことで受賞したはずです。
          道具そのものではなく「道具が役にたったこと」をたたえるものなので、LINPACKベンチマーク等よりは学問的な成果を考慮していると思います。
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    • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 21時48分 (#558638)
      >地球シミュレータも今のところパッとした成果も出てないしね。

      物質材料系でもたまーに使われてます.
      パッとしてるかと言われると・・・まあ,もともと地味な分野なんで.
      ただ,なんと言っても演算力は力ですよ.あればあるだけ有難い.
      でもあまり使わせてもらえないんですよねえ.いや,うちらの分野の人より
      もっとああいう大規模計算が必要な方々に使われるもので.当然ですが.
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    • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 22時49分 (#558666)
      当り前の話だけど、計算能力が上がってもモデルがよくなければいい結果は出ない。今の地球シミュレータのモデルは既存のモデルの分解を上げただとか、長時間積分したとかでで、何か取り立てて新しいことがあるわけでもの無いように見える。 計算機の能力が上がることで、例えばこれまでパラメタライズしてきた現象を陽に再現できるようになるだとかがあれば、科学的に大きな進展があると思うが、そのへんの議論があまりなされていないように見えるのが残念だ。 実際には、大学の大型計算機で計算した結果が、解像度は劣るとしても、モデルがいいために地球シミュレーターの結果よりもよいということも起こっている。 速い計算機を作るのはいいが、それを使うことでどれだけの科学の進歩に貢献できるかについて、しっかりとした議論をしておいて欲しいと思う。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 23時25分 (#558690)
        >今の地球シミュレータのモデルは既存のモデルの分解を上げただとか、長時間積分したとかでで、
        >何か取り立てて新しいことがあるわけでもの無いように見える。

        気候モデリング関係しか知らないので、一面的かもしれませんがご容赦ください。

        地球シミュレータで実現できたこととして、解像度(時間・空間)の上昇だけでなく、積分されている方程式に変更が加えられていることがあげられると思います。
        「中の人」でないので詳しいことは分からないのですが、普通の「シミュレーション」(もしくは予測)が「現在⇒未来」の一方向の予測であるのに対して、地球シミュレータで行われている計算は「現在⇔未来」(実際には「過去のある時点⇒過去のそれより未来のある時点⇒過去への逆演算」)の再帰的な計算であるらしいです。
        詳しいことは「中の人」に聞いていただきたいのですが、再帰計算を行うことで、観測データの誤差と(力学・熱力学)モデルの誤差を最小に持っていく(数学理論的な)裏づけがあります。
        #私も説明を聞いたのですが、ここで言葉で説明するほど理解していないのが情けない。

        ただ、この計算を行うにはかなりの計算機資源を必要とします。
        大学レベルの資源ですと、小さな閉鎖海域での計算が目いっぱいらしいです。
        地球シミュレータはこれを全球で、高分解能で計算できる資源を持っているらしいです。
        #例えば、エルニーニョなどは全球で計算しないと意味がない。

        これによって実現できるのは、モデルの誤差(パラメタライズしてきたもの等)と観測誤差等を最小したとして、気候の現象のメカニズムを明らかにできる(いつ、どこを観測すれば、数ヵ月後の日本の気象変化がわかるなど)、ということだそうです。

        #中の人に近いところにいたので情報を聞いたのでAC.
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    • 分子のとか銀河のシミュレーションだわね。こういう分野は計算力がいくら
      あっても足りないし...というかGRAPEの前身のWINEは銀河シミュレート専
      用で、斥力も扱えるようにちょっと汎用化したのがWINEなんだわ。
      #「アンクスの海賊」を思いだしちった。
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    • ESはともかくGRAPEはいろいろ成果出てますが。
  • by Anonymous Coward on 2004年05月29日 21時04分 (#558629)
    牧野先生のGRAPEは、汎用コンピュータと
    は言いがたい所があります。特定の計算に
    特化したハードウエアです。地球シミュレータの
    ような汎用計算機と比較されても困ります。

    簡単な比喩であげると、現在の技術ならZ80を10GHz
    駆動させる事が可能でしょう。でもZ80でWindowsを
    走らせるとなると、様々な制約、8bit, 64kbyteの壁、
    浮動少数点演算ができないなどがあり、すごく苦労
    しますよね。牧野先生は、Z80でスーパーコンピュータ
    を作ったという事です。
    • by gigo (21150) on 2004年05月30日 7時45分 (#558795)
      ドキュメンテーション [u-tokyo.ac.jp]の原理 [u-tokyo.ac.jp]によると、どちらかというとエニアックにみたいなものかと。FPGAなどでプログラマブルになる時はどうなるか分かりませんが、ユーザープログラムに対しては、初期化、データのストア、計算して値を返せというCとFortranのAPI [u-tokyo.ac.jp]が提供されています。
      親コメント
    • #Z80は汎用プロセッサと思うけどなぁ…

      汎用的なスパコンに比べてGRAPEが重力計算に特化しているのは,
      劣っている点じゃなくて優れている点だと思うよ.なんせ専用ハードウェアの上で
      計算が突っ走るんだから,汎用的なハードウェア上じゃ実現できないような速度がでるわけだし.
      専用ハードウェアっていっても,いまじゃFPGAみたいなプログラマブルなデバイスを使えば
      設計できるわけだから,これからこういった専用計算機は増えるんじゃないかな?

      親コメント
    • 論点がずれますが、さすがに 10GHz は難しいと思います。
      回路のサイズから来る難しさを超えてFF等が間にあいません。90nm あたりの技術を使う限り、2GHz 程度が限界では? 勿論、stage 数を増やすなど各種の設計技法を使えば、clock だけを10GHz にできるかもしれませんが、それはすでにZ80 じゃない別のチップです。
       もし10GHz Z80を作っているところがあれば教えてください。
      親コメント
      • by take0m (4948) on 2004年05月31日 12時01分 (#559379) 日記
        現在の技術ってことで、予算や信頼性を考えなければ・・・
        バイポーラや、ガリ砒素、ジョセフソンなど、10GHzのフリップフロップ動かせそうですけど・・・
        親コメント

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