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ドイツのメディア(ハイゼ [heise.de]など)の情報を元にすこし補足します。
記事本文にも触れられているように、今回のミュンヘン市の決定の発端は、オープンソースを支持する団体による調査の結果にもとづいて、これまたオープンソースの普及・援助を政策に掲げている緑の党が行った動議にあります。ではその動議で何を緑の党が市当局に要求したかというと、それはミュンヘンのオープンソース移行計画を中断すべきだということではありません。そうではなく、ミュンヘン市当局は、現在のところソウトウェア・パテントの幅広い導入を支持しているベルリン(連邦政府)に対して、より積極的に政策の変更を働きかけるべきだ、ということです。この要求の文脈で、さもないとミュヘンのプロジェクトはパテント訴訟で潰されるぞ、と脅しをかけたわけです。市当局は結局、この動議を受けて、移行プロセスの一時中断を決断しました。
したがって、今回の騒動の背景には、現在ヨーロッパ連合で進められているソフトウェア・パテントについての新たな指針作りをめぐる議論に世論の関心を集めようという、オープンソース支持派の人々の政治的な意図があるようです。欧州議会はソフトウェア・パテントに反対を表明しましたが、欧州理事会は賛成で、結局、理事会の決定が優先してしまうために、パテント反対派の人々にとってはここが正念場なわけで、あえてミュンヘン・プロジェクトを止めることで、パテントの危険性を世間にアピールしようという賭けに出たようです。したがって、ソフトウェア・パテントに反対の立場ながら、このようなミュンヘン・プロジェクトの「政治的利用」には反対するオープンソース支持派の人々(たとえば、ifrOSS [ifross.de])もいるようです。
リーナス自身以前から欧州での特許侵害のリスクと法改正の必要性を主張していたし そういった主張を実現するための運動も粘り強く続けられてきたけれど、 現行法が厳然と存在しているわけで、あえて特許侵害上等で プロジェクトを走らせるという発想はちょっと理解に苦しむね。
僕もCNETJapanの記事に引用されているBruce Perensの指摘は的確なものだと思いますね。実際、今回の緑の党の行動はドイツのオープンソース支持者のあいだでも賛否両論です。ソフトウェア・パテント反対のキャンペーンにミュンヘンのプロジェクトが強引に利用されたという印象が拭えないからです。ただこの「利用」の背後にあるのはミュンヘン市当局の意思というよりは、緑の党と一部の反パテント運動家たちの思惑なんでしょうが。
ミュンヘン市自身が当初、Linux導入を決めたのは 1)ライセンス料などを省くことでただでさえ予算のない市の財政的負担を軽減できる 2)MSのような大企業に公共機関の情報インフラが全面的に依存する事態を避ける 3)それによって地元の中小企業にビジネスチャンスを開く可能性がある というようなことが主な理由だったと思います(もちろん上記三点いずれに関しても反論の余地があるのは周知のとおりですが)。
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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー
今回の騒動の政治的背景 (スコア:5, 参考になる)
ドイツのメディア(ハイゼ [heise.de]など)の情報を元にすこし補足します。
記事本文にも触れられているように、今回のミュンヘン市の決定の発端は、オープンソース
を支持する団体による調査の結果にもとづいて、これまたオープンソースの普及・援助を
政策に掲げている緑の党が行った動議にあります。ではその動議で何を緑の党が市当局
に要求したかというと、それはミュンヘンのオープンソース移行計画を中断すべきだという
ことではありません。そうではなく、ミュンヘン市当局は、現在のところソウトウェア・パテント
の幅広い導入を支持しているベルリン(連邦政府)に対して、より積極的に政策の変更を
働きかけるべきだ、ということです。この要求の文脈で、さもないとミュヘンのプロジェクトは
パテント訴訟で潰されるぞ、と脅しをかけたわけです。市当局は結局、この動議を受けて、
移行プロセスの一時中断を決断しました。
したがって、今回の騒動の背景には、現在ヨーロッパ連合で進められているソフトウェア・
パテントについての新たな指針作りをめぐる議論に世論の関心を集めようという、オープン
ソース支持派の人々の政治的な意図があるようです。欧州議会はソフトウェア・パテントに
反対を表明しましたが、欧州理事会は賛成で、結局、理事会の決定が優先してしまうために、
パテント反対派の人々にとってはここが正念場なわけで、あえてミュンヘン・プロジェクトを
止めることで、パテントの危険性を世間にアピールしようという賭けに出たようです。したが
って、ソフトウェア・パテントに反対の立場ながら、このようなミュンヘン・プロジェクトの「政治的
利用」には反対するオープンソース支持派の人々(たとえば、ifrOSS [ifross.de])もいるようです。
Re:今回の騒動の政治的背景 (スコア:1)
なんだかんだいいつつも、まぁまぁうまくバランスとってやってるじゃん>人類
Re:今回の騒動の政治的背景 (スコア:1)
「パテントの危険性を世間にアピールしようという賭けに出たようです。」
という「賭け」って辺りが味噌なんだと思う。
つまり、最悪、外れることもありえるわけで(T_T)
ただ、
Project止めたらこのまま本当に下火になってしまうリスクと、
見切り発車して後から特許を盾に一網打尽にされてしまうリスクと、
どっちに持っていってもリスクは有るわけなんですが。
------
まあ、なんにせよ、特許ウゼェってことで。
特許がこんな所まで出張ってさえこなければ、
我々(?)もこんなジレンマに悩まされずに済むわけで。
前から言っているように、
(ある分野における)技術が世の中に少ししかない時代には、特許みたいな煽りかたも有意義かも知れないが、
技術が豊作になってくると、足引っ張り合いの道具に成り果てることは、ある意味で当然のことかと。
密度が低ければ発生が、そして高ければ衝突が、それぞれ顕著になるんだよね。
たしかこれって、初歩的な人口推移モデルだよな(ろじすてぃっく方程式とかいったっけ?)。つまり凄く既知なトラブル形態だ。
#ITmediaニュース:スラッシュドット運営の米VAソフトウェア、「オタク向け」のイメージ払拭に注力 [itmedia.co.jp]って、まだ誰もタレコんでないのかな?
Re:オタク向け (スコア:0)
オフトピックでしょ。余計なものでもいいけど。
#余ったモデ権でマイナスモデを、のAC
Re:オタク向け (スコア:0)
「余計なもの」ってのは、既に誰かがいってて重複してる時に使うものです。わかりづらいけど。
Re:今回の騒動の政治的背景 (スコア:0)
そういった主張を実現するための運動も粘り強く続けられてきたけれど、
現行法が厳然と存在しているわけで、あえて特許侵害上等で
プロジェクトを走らせるという発想はちょ
Re:今回の騒動の政治的背景 (スコア:1)
ミュンヘン市、特許問題の懸念からLinuxへの移行を凍結--政治的な思惑も [cnet.com]
実は法改正を迫るための手段としてLinuxが使われた…というのは考えすぎでしょうか。手段と目的が入れ替わっているというか、「Linuxを導入すること」は目的ではなく、「法改正」のための手段に過ぎなかった、と。
# 特許問題にむしゃくしゃしてLinuxを採用した。
# OSならどれでも良かった。
# 今は中断してる。
Re:今回の騒動の政治的背景 (スコア:1)
僕もCNETJapanの記事に引用されているBruce Perensの指摘は的確なものだと思いますね。
実際、今回の緑の党の行動はドイツのオープンソース支持者のあいだでも賛否両論です。
ソフトウェア・パテント反対のキャンペーンにミュンヘンのプロジェクトが強引に利用されたという
印象が拭えないからです。ただこの「利用」の背後にあるのはミュンヘン市当局の意思という
よりは、緑の党と一部の反パテント運動家たちの思惑なんでしょうが。
ミュンヘン市自身が当初、Linux導入を決めたのは
1)ライセンス料などを省くことでただでさえ予算のない市の財政的負担を軽減できる
2)MSのような大企業に公共機関の情報インフラが全面的に依存する事態を避ける
3)それによって地元の中小企業にビジネスチャンスを開く可能性がある
というようなことが主な理由だったと思います(もちろん上記三点いずれに関しても反論の余地
があるのは周知のとおりですが)。
Re:今回の騒動の政治的背景 (スコア:0)
ただの想像?