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酸化亜鉛を素材とした青色LEDの開発に成功」記事へのコメント

  • この廉価版青色LEDが広まったら
    あのカリフォルニア大学サンタバーバラの中村のおじさんは
    どうなるんだろう。

    ま、どうせ特許なんて迂回できればこっちのもんだし。
    • by keta (21371) on 2004年12月21日 10時26分 (#668772)
      結晶成長についてはちょっとカジった程度なのですが、
      GaNの結晶成長を行うにはサファイアと呼ばれる基盤の上に重ねて行きます。
      サファイアというのは便宜的なもので、宝石のようにルビーとかエメラルドとか呼びわけしません

      ところで転移というのがあります。
      結晶の隣が抜けてしまったりすることで、ひとたび転移が発生すると
      その上に作った結晶も転移になる(転移が伸びる)困りものです。
      転移の部分でキャリアが消えてしまうので、半導体にかかわっている人は皆転移を嫌っています。

      たしか青色LEDの研究が始まった頃はGaNもバンドギャップなどの特性で注目されていましたが
      基盤がサファイアしか使えず、サファイアの原子間距離とGaNのそれでは
      13%ほど異なることから、大量に転移が発生することが分かりました。
      これを知ったとき、大抵の研究者はやる気をなくしてZnSeとか他の材料の研究を始めたそうですが
      後発の中村氏は研究の進んでいない放置されたGaNで研究を行い、成功したと聞いています。
      金研にもZnSeで青色LEDの研究で最先端を行っていた人がいたはずです。

      ところで、GaNの転移の問題は解決したのか、というと、していないようなのです。
      なぜ光っているか、色々言われているけれどハッキリしたことはわからないのではないでしょうか。
      転移を減らす研究は色々あるようですが、根本的なところ、
      GaNが転移だらけの結晶しかできないのに、なぜLEDとして機能するかが
      たぶん分かっていないはずです。

      現在は半導体とはまったく関係ないことをしているので、
      なにか新事実が分かっているのかも知れませんが、
      GaNの研究は、まだまだ分からない点が多いので商業的にはともかく
      そちらの研究を続けることに意味はあると思います。
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      • by s-kei (16661) on 2004年12月21日 13時26分 (#668813)
        > GaNが転移だらけの結晶しかできないのに、なぜLEDとして機能する

        GaNの開発が成功したのはこの特長があったことも大きいですね。転移があっても光る上にやたら丈夫な半導体で、寿命も長いです。
        GaNの前に本命視されていたZnSe系の青緑色レーザーでは、ソニーなどが先頭に立って物理的に可能な限界まで転移を減らしたのに、結局寿命が今一歩伸びなかった経緯があります。

        ただしGaNでも転移の影響は皆無ではありません。紫や紫外のLEDの発光効率に大きく影響しますし、転移が多いとまともなレーザーができません。このあたりが日亜(あとソニー、豊田合成?)など限られた企業しか実用レベルのレーザーを作れない理由になっています。
        # だから安い海外製青色はあっても、紫、紫外、レーザーは無いはず。

        ZnOもやっとLEDが出来た段階ですから、これから先、似たような苦労があるでしょう。でも最終的にGaNより高効率(低消費電力!)なものが出来ると期待されてるんですよ。 :)
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        • by Anonymous Coward on 2004年12月21日 14時59分 (#668829)
          半導体の転移は再結合中心(キャリアが結合してしまう)となりますが,一般的に半導体は再結合は非発光性で,GaNは運良く発光するので転移が多くても発光効率が良くなるのだったと思います。
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        • by Average (3404) on 2004年12月21日 18時06分 (#668908) 日記
          そもそもバンドギャップの広い化合物半導体がなぜ伝導率が上がらないか、という根本的なメカニズム自体、まだ分からないんじゃないですか?
          研究、という観点からはやることはGaN,ZnO,ZnSeに限らず山積みだと思いますが・・・
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          #そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
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          • 伝導率が上がらないのは,それはSiなどの半導体に比べて化合物半導体は ・結晶性が悪く転移が多いため高濃度にドープできない ・活性化エネルギーが大きいのでドープしてもキャリアになりにくい(特にp型) だと思います。結晶性の向上(バルク結晶?)と効率の良いドーパント及びドーピング方法を探さなければならないのではないでしょうか。
      • by koyo (4409) on 2004年12月21日 20時52分 (#668955) 日記
        dislocationは「転位」じゃなかったか?
        transitionが「転移」。

        #現役ではナイ
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      • by Average (3404) on 2004年12月21日 18時11分 (#668911) 日記
        まだ中村さんが日亜にいた頃、確か転移によってバンドギャップがちょうど青色位のレベルに落ちるんで効率よく光っているんじゃないの?という学会発表があったと思いましたが・・・。
        その後は(多分)コピー対策のためか、対外的に研究を発表するという事は無くなった様な気がしますが、この辺の経緯、詳しくご存知の方いらっしゃいますか?
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        #そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
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      • by ddts (10995) on 2004年12月21日 22時37分 (#668975) 日記
        転移って最初なんのことかわからへんかった。いわゆる格子欠陥のことね

        >ところで、GaNの転移の問題は解決したのか、というと、していないようなのです。
        >なぜ光っているか、色々言われているけれどハッキリしたことはわからないのではないでしょうか。

        これはまだちゃんとはわかってなかったはずです。レーザー発振ができるぐらいだから
        なんか秘密があるんでしょうが、今ひとつ決め手に欠ける状況だそうです
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    • 問題が持ち上がるとしたら中村氏よりも、日亜のほうでしょうね。

      中村氏とっては「研究のネタが増えた」というだけじゃないかな。
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    • 多分扱いは変わらないと思う。先駆者、ってことで。
      でも日亜は悔しいだろうね。この研究結果が二年くらい早く発表されてたら、希少金属を使って青色LEDを作る中村のおじさんにあれだけの額を払うこともなかっただろうし。
      --
      RはRevolution・Return・Rememberの意味です
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    • どうにもならんでしょ。
      基本的に教師。教えるのが職業。
      研究目的で資金援助されているなら
      成果が出ないと降格機動隊か could be!

      でもぁ、脊髄反射で言ってると思うけど
      安いかどうかより。製品は寿命で選択されるんよ
      得にランプとしての目的だからね。
      • LEDとして「まともに売れるような製品」が出来さえすれば、
        寿命なんてあまり関係なさそうですが。
        表示用途LEDなら短寿命といわれていた頃の青色の寿命でも十分でしょう。
        それこそ電球じゃないんだし(笑)

        まあ本人がどうのというより、"世間的に"実はそんなにすごくなかったんだ
        と思われればそれはそれでよいかもしれません。(笑)
        親コメント
    • さらに大陸性の超廉価版が増えるだけです。

      今まさに街を艶ど(!?)っている青と白のイルミネーションは、
      大陸、台湾製でいっぱい。

私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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