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本当にこのような発言をされたとすれば、大変残念ですね。どうか記者会見で世界的な恥をさらさぬよう思いとどまっていただきたいものですが。
私も技術者のはしくれですが、かなり値切られた印象は拭えないとはいえ、今回の高裁の和解案は一審判決に比べて非常にまっとうなものであり、安堵する気持ちが強いです。世の研究者、技術者がみな、窒化ガリウムのような素材で一発逆転を狙えるのなら、地裁のひとり勝ち裁定は我々にとって朗報だったでしょう。しかし現実には、順当な(と思われていた)セレン化亜鉛を選んで先を越される人が大半です。彼がひとり勝ちするためには、出し抜かれた人々は敗者として切り捨てられなければ計算が合いません。それはそれで潔いシステムなのかもしれませんが、それが技術振興につながるのでしょうか?
中村氏はこのようにもおっしゃっています [google.co.jp]が、ひとり勝ちがお望みで、それをひとりで実行できる確信がおありだったのなら、もう少し早く勇気を出して出願前に独立し、もとの職場にライセンスを売るしかなかったのです。ナノゲート・キャパシタを生み出した岡村廸夫氏のように。
今回は対価の減額があまりにも大きく、50%とはいかないまでももう少し多めの貢献度が適切な落としどころだったのかもしれませんが、だとしても国家(政府? 社会?)に唾棄するかのような発言は醜悪です。それにアメリカの場合は、利益の50%はまず投資家に還元されるのが普通かと思います。
もうひとつ、お金が欲しいなら、せっかくアメリカに渡ったのに教授職というのはもったいないでしょう。中村氏はカネの亡者などではなく、よい意味で経済合理性に乏しい人生を歩んでいる方だと思うのですが。
親コメントで、雑誌サイトへのリンクをGoogle経由にしてしまったorz
やってしまいましたね。幸いにしてマスメディアの取り上げ方はさほど大きくもなく、リンク記事もおおむね好意的に報じていますけど。ちなみに私、TV放映された記者会見での中村氏の語り口を見て、「この人は自己中心で他人を重んじないのか」という印象を抱いてしまったことを告白します。
中村氏は、日亜在職中にかかわったすべての発明の対価を6億円と算定した東京高裁の和解案について「何も根拠がない。一審判決が認定した600億円が大きすぎるので、100分の1にして適当に計算式を作っただけ」と批判した。しかし「和解しなければ同じ内容の判決が出て、上告しても法律論だけの最高裁では変わる見込みがなかった」と和解に応じた理由を説明。
「日本の司法制度は腐っている」と吐き捨てる様子がTV放映されていましたが、高裁への評価を最高裁に結びつける根拠をこそ示す必要があるでしょう。高裁が示した発明対価上限が最高裁にも持ち越される、と悲観する理由も不明。「原告側の提出資料を裁判官が読んでない」と思うなら、「ほら、ちゃんと資料に書いてあるでしょう?」と、法廷闘争を地道に続けるしかなかったはず。弁護士が反対したのなら、その弁護士をクビにして、絶対に和解しないことを約束する弁護士を探すしかありません。「和解を嫌う升永弁護士でさえ反対したのでやむを得ない」というのは理由にならない。良くも悪くも最高裁判決までは時間がかかるので、それまでに頑張って世論を喚起すれば、裁判所の対応が変わる可能性もあります。それが難しいと判断しているのなら、決着してしまった裁判に対する今回の会見に本人が大した意義を感じていない、ということになりそうですが。
なお、升永氏をはじめとする弁護団は、今回の和解を「本質的には、画期的勝訴」と評価しています [tokyoeiwa.com]。中村氏も弁護団も認めるとおり、この裁判に大きな意義があったのも確か。ただし、一審判決が特許法の職務発明規定廃止を後押ししたのだとすれば、サラリーマン技術者にとっての利害得失は現時点ではなんともいえないところです。
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級
捨てぜりふが (スコア:2, 興味深い)
「日本は大企業を重んじ、個人の権利を全く無視した国家であったのが証明されたと思う」
「これからは講演等を通じ、理系を目指す人にはぜひ、実力が収入に反映される米国
Re:捨てぜりふが (スコア:3, すばらしい洞察)
本当にこのような発言をされたとすれば、大変残念ですね。どうか記者会見で世界的な恥をさらさぬよう思いとどまっていただきたいものですが。
私も技術者のはしくれですが、かなり値切られた印象は拭えないとはいえ、今回の高裁の和解案は一審判決に比べて非常にまっとうなものであり、安堵する気持ちが強いです。世の研究者、技術者がみな、窒化ガリウムのような素材で一発逆転を狙えるのなら、地裁のひとり勝ち裁定は我々にとって朗報だったでしょう。しかし現実には、順当な(と思われていた)セレン化亜鉛を選んで先を越される人が大半です。彼がひとり勝ちするためには、出し抜かれた人々は敗者として切り捨てられなければ計算が合いません。それはそれで潔いシステムなのかもしれませんが、それが技術振興につながるのでしょうか?
中村氏はこのようにもおっしゃっています [google.co.jp]が、ひとり勝ちがお望みで、それをひとりで実行できる確信がおありだったのなら、もう少し早く勇気を出して出願前に独立し、もとの職場にライセンスを売るしかなかったのです。ナノゲート・キャパシタを生み出した岡村廸夫氏のように。
今回は対価の減額があまりにも大きく、50%とはいかないまでももう少し多めの貢献度が適切な落としどころだったのかもしれませんが、だとしても国家(政府? 社会?)に唾棄するかのような発言は醜悪です。それにアメリカの場合は、利益の50%はまず投資家に還元されるのが普通かと思います。
もうひとつ、お金が欲しいなら、せっかくアメリカに渡ったのに教授職というのはもったいないでしょう。中村氏はカネの亡者などではなく、よい意味で経済合理性に乏しい人生を歩んでいる方だと思うのですが。
アメリカの大学 (スコア:2)
>教授職というのはもったいないでしょう。中村氏はカネの
>亡者などではなく、よい意味で経済合理性に乏しい人生を歩んで
>いる方だと思うのですが。
アメリカの大学は、企業と張り合える給料を出します。
また、アメリカの企業では、発明の対価は0ですが、大学では実施料の50%近くが発明者のものになります。
Re:捨てぜりふが (スコア:1)
>教授職というのはもったいないでしょう。中村氏はカネの
>亡者などではなく、よい意味で経済合理性に乏しい人生を歩んで
>いる方だと思うのですが。
最初、競合企業に入るとそのことで契約問題が出てまた裁判やら
何やらになるんじゃないかということで、問題のなさげな大学
教授に落ち着いたけど、後で結局問題ないということは分かった、
という話ですね。
Re:捨てぜりふが (スコア:1)
親コメントで、雑誌サイトへのリンクをGoogle経由にしてしまったorz
青色LED訴訟、中村氏「高裁では100%私の負け」 [nikkei.co.jp]やってしまいましたね。幸いにしてマスメディアの取り上げ方はさほど大きくもなく、リンク記事もおおむね好意的に報じていますけど。ちなみに私、TV放映された記者会見での中村氏の語り口を見て、「この人は自己中心で他人を重んじないのか」という印象を抱いてしまったことを告白します。
「日本の司法制度は腐っている」と吐き捨てる様子がTV放映されていましたが、高裁への評価を最高裁に結びつける根拠をこそ示す必要があるでしょう。高裁が示した発明対価上限が最高裁にも持ち越される、と悲観する理由も不明。「原告側の提出資料を裁判官が読んでない」と思うなら、「ほら、ちゃんと資料に書いてあるでしょう?」と、法廷闘争を地道に続けるしかなかったはず。弁護士が反対したのなら、その弁護士をクビにして、絶対に和解しないことを約束する弁護士を探すしかありません。「和解を嫌う升永弁護士でさえ反対したのでやむを得ない」というのは理由にならない。良くも悪くも最高裁判決までは時間がかかるので、それまでに頑張って世論を喚起すれば、裁判所の対応が変わる可能性もあります。それが難しいと判断しているのなら、決着してしまった裁判に対する今回の会見に本人が大した意義を感じていない、ということになりそうですが。
なお、升永氏をはじめとする弁護団は、今回の和解を「本質的には、画期的勝訴」と評価しています [tokyoeiwa.com]。中村氏も弁護団も認めるとおり、この裁判に大きな意義があったのも確か。ただし、一審判決が特許法の職務発明規定廃止を後押ししたのだとすれば、サラリーマン技術者にとっての利害得失は現時点ではなんともいえないところです。