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ソースを見ろ -- ある4桁UID
話半分にきいて追試待ち、かな (スコア:2, 参考になる)
焦電性結晶は、磁石に対する「電石」のようなもので、自発的な(温度に依存する)電気分極を持ち、周りに静電場を作り出します。なので、そのへんの空気中に置いて放置しておくと、表面に耐電したイオンやらなにやらがくっついて電場を打ち消すので、結晶の外側の電場は減ってしまってほとんど無い状態になります。温度を変えると、結晶構造のずれというか歪みによって、また電場が出てきます。
低温から高温に変えることで結晶の周りに電場を作る、というのはそれなりに納得できるし、電場ができれば粒子の加速に使えるはずだというのもわかるのですが、一体どの程度の速度で昇温したのかとか、電場が一番強くなったときにうまいことD2イオンがそこにくるようにするにはどうするのかといった、具体的な部分がよくわかりません。結晶表面のあっち側とこっち側にはそれぞれ正・負の電荷があるわけで、そこに荷電粒子を入れたら、下手すると表面にくっついたり電荷を打ち消したりしそうです。まあ、そういう技術的なことを解決して装置を作ったんでしょうから、どうやったかには興味が持てますよね。
ということで、詳細な装置図面が出て、どっかが追試をするまで、判断は保留ですねぇ……。
Re:話半分にきいて追試待ち、かな (スコア:2, 参考になる)
>ウェブの情報だけでは装置の図や実験のセットアップの見当がつかないんですが
きちんと公開されていて,論文のFigure1に載っています.
>一体どの程度の速度で昇温したのかとか
Figure2に載ってます.
>電場が一番強くなったときにうまいことD2イオンがそこにくるようにする
>にはどうするのかといった
これは別に難しいこっちゃ無いでしょう.
単に希薄なD2ガス中に入れておいて十分な速度で昇温すれば,ある程度の
電場になったところからイオンビームが出現して,さらにある電位以上になった
ところで核融合が起きますんで.
#まあこれも本文とFigure2でわかりますが.
エネルギーをある程度決めたければ,真空に引いといてある程度の温度まで
昇温した段階でガス導入すりゃいいだけですし.
>下手すると表面にくっついたり電荷を打ち消したりしそうです。
まあ,そりゃそうです.
ただその過程で,+極側ではDがイオン化して吹っ飛ばされる.
だから当然連続放射は無理です.まあ,原理から明らかですが.
>まあ、そういう技術的なことを解決して装置を作ったんでしょうから、
>どうやったかには興味が持てますよね。
言葉は悪いですが,あまりたいした事はやってません.
非常にシンプルな装置です.
言われてみればああ,なるほどね,という感じです.
論文はwebでも公開されています.
印刷版を買うより安いので,年間購読とかもお勧めかも.
一冊だけほしいなら,でかい書店に行くと置いてあることもあります.
#昔は定期購読してたんですが,結局研究所にばっかり居座ってるんで
#ここで買ってるの見りゃいいや,ってなって今はやめちゃいました.
Re:話半分にきいて追試待ち、かな (スコア:0)
Re:話半分にきいて追試待ち、かな (スコア:1)
あれ?論文中にFigureで載ってませんでしたっけ?
#今帰ってきて家なんでアクセスできませんが,載ってたような.
#明日確認しよっと.
Re:話半分にきいて追試待ち、かな (スコア:1)
原理的には、小さな箱でも何でも原理はどうでもいいから、とにかく猛烈に強い電場を作って、核融合可能なところまでイオンを加速できればいいんです。普通はそれは難しいので、くそでかいサイクロトロンを使って山ほど電力を投入してぐるぐる回したりしてます。なので、「核融合」がクローズアップされていますが、以前の電気分解モドキ常温核融合とは根本的に違う話で、実際は、「超小型の加速器を作ることに成功した」って話ですよね。
ですから、次の検証は、本当に主張通りの仕様の加速器が実現しているのか?ということになります。ただ、この手の追試は、結晶の物性・イオンに対してどんな電場をかけるか・加速の結果をどう計測するか、という各段階でノウハウがありそうなので、やっぱりこの手のことをやってる人たちの追試を待ちたいところです(素人が手出しをすると思わぬ失敗をすることがあるので)。
この方法が本当に役に立って、実際に加速できているなら、もしかしたら他の加速器でこれまで電場で加速していたところを置き換えることもできるかもしれませんし、加速器を運用するコストが減らせたりするかもしれませんよね。また、そういったことが、より強い電場を発生させる焦電性結晶材料を作る、といったモチベーションにつながるかもしれません。