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それはともかく「T細胞とかNK細胞って何ぞや」という人のためにこちら [lymphocyte-bank.co.jp]「マウス本来の免疫細胞」って人間には少ないNKT細胞のことなのでしょうか。
# 変な者だけど自称ふつうの人なのでID
免疫系は、骨髄で作られたばかりの段階では機能しません。人間でいうところの『学校』にあたる『胸腺』(心臓の上にあります)で成熟されてから、免疫系として機能するようになります。 胸腺で自己と非自己の認識について『学習』するらしいので、非自己認識に関して問題はないと思われます
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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー
変なもの? (スコア:5, 参考になる)
免疫学の分野では、これ以上はないってくらいに真っ向勝負なアプローチで、将来的には代替不能なほど有力なモデル動物にすらなりうるものなんだけどなあ。 研究者以外の一般の人にとってはそんな認識になっちゃうもんなんだろうか。
基礎医学系の免疫学の実験分野だと、例えば実際のヒトの疾患のメカニズムを解析するときには、こういうマウスがないと、きちんとものが言えないことが多いです。臨床材料からとった(異常を起こしていると思われる)免疫担当細胞なんかが、実際の生体内でどのように他の細胞と相互作用して疾患を起こしているのか、実験的に証明しようと思っても、通常のマウスでは種差によってヒトの免疫担当細胞が正しく反応しないので。
これまでも、例えばマウスMHCをヒトMHC(=HLA)に置き換えたモデルマウスなんかが作成されて、実際に実験に用いられてましたが、今回のマウスはそれがもっと汎用できることになるわけです。また、これだけヒトとの同一性が向上されていると、創薬分野での利用価値も高いと思います。
つい先日の英国の話ですが (スコア:4, 参考になる)
白血病をターゲットにした新しいタイプの「monoclonal antibodies(モノクローナル抗体)」の臨床試験で、薬を投与された被験者6人全員が重体に陥る、というとても酷い副作用が発生した事が報道されていました。
なぜそれが起きたのかという事はまだ判っていないそうですが、BBCの記事では、今回の新薬が免疫細胞をターゲットにした(人間しか持っていない免疫系に働きかける)薬なのに、他の動物で得られた結果を「誤って信頼し」、人間にも当てはめた事が危険をもたらしたのかもしれない、と指摘されていました。「実験動物は、結局の所人間ではない」という事だそうです。
記事中では、人間しか持たない条件に作用する薬の臨床試験では、「micro-testing」によって危険性を減少させる事を考慮すべきだという指摘と共に、「マウスの免疫システムを操作して、それらが人間の免疫細胞を持つようにする」事によって、動物実験の段階で新薬が実際に人間にどのような作用を及ぼすのかがより良く見通せるようになる、と指摘されています。
新しい技術がどんな意味を持つのかは、その分野の人達でないとわかりにくいものだと思いますが、「価値が素人にも見えるように説明する」、というのは多分とても大事な事なのだと思います。英国のメディアが流していた「集中治療室の前で祈る家族達」の写真と日本での発表記事を並べてみて、この話の凄さを感じました。
# 「解説コメント込み」で読んでこそ スラッシュドット だと思います
Re:変なもの? (スコア:3, 参考になる)
それはともかく「T細胞とかNK細胞って何ぞや」という人のためにこちら [lymphocyte-bank.co.jp]
「マウス本来の免疫細胞」って人間には少ないNKT細胞のことなのでしょうか。
# 変な者だけど自称ふつうの人なのでID
Re:変なもの? (スコア:1)
で、ヒト化ネズミがあなたの子供の脳を汚染する!
とかいう過剰反応が始まる見込み。
Re:変なもの? (スコア:0)
Re:変なもの? (スコア:3, 参考になる)
免疫系は、骨髄で作られたばかりの段階では機能しません。人間でいうところの『学校』にあたる『胸腺』(心臓の上にあります)で成熟されてから、免疫系として機能するようになります。
胸腺で自己と非自己の認識について『学習』するらしいので、非自己認識に関して問題はないと思われます