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「著作権」について、わたしも思うところが多々あります。もちろん、無断で全文使用や転載などをされるのは遺憾に思います。けれど、作品が愛され、「この感動を伝えたい」という純粋な気持ちまで制限するつもりはありません。むしろ、歓迎です。わたしが所属している日本文藝家協会では、著作権の存続期間を、著者の死後50年から70年に延ばすよう、要望書を出しました。愚かなことだと思います。もしも、著者が亡くなってすぐに生まれた子がいたとしても、その子が成人するのに20年。大学卒業まで大目に見て、25年間、著作権が生きていれば、経済的に助かります。けれど、それ以上著作権を「財産」として不動産のように持っている必要が、どこにあるでしょうか。財産は財産でも、作品は「人類の知的財産」です。共有されてこそ意味のあるものだと、とわたしは思います。 寮美千子「「表現の自由」を確保したコミケという場」 [ryomichico.net]
非常に難しい判断ですが,
>創作活動で生計を立てている人が家庭を持つことが困難になります。
家庭を持つことは直接的に関係ないので,敢えて出してしまうと議論が複雑になるだけです.一般のサラリーマンや派遣社員,一時雇いの方の給与は家庭を持っている人と持っていない人で根本的に違うことはありません.家庭がある場合控除がありますが,それは創作活動で生計を立てている人も同じです.彼らだけを特別視する必要は全くありません.単に普通に給与所得と比べれば良いだけです.議論がシンプルになります.
>作家が死んだとき、当面の経済を保護できないと、職業として作家を選択するリスクが極端に高くなってしまいます。
収入モデルが一般のサラリーマンと異なるのは亡くなった場合だけではありません.普通に生活を送る時点で異なるモデルになっています.亡くなったときだけを取り上げ,リスクを考えるのはおかしいです.それを問題にするのであれば,サラリーマンが解雇ないしは倒産した場合の救済措置に対応する,売れなくなった作家さん向けの救済措置のようなものから考えないといけなくなります.作者没年を著作権保護に関して議論するのであれば,亡くなることによって生じる差異にのみ着目すべきで,生前にも存在したリスクにも着目するのは考え過ぎです.
>著作権に限定せず、家や貯金の財産権も、妻や子と無関係にしてみますか?
家は燃えますし地震で壊れます.貯金も銀行が倒産するかもしれません.家庭があれば,防げるでしょうか?防げるようになっているでしょうか.否.そのようなことをカバーするために保険があります.作家であっても,自分が亡くなったときのために保険に入っておけば良いだけです.収入モデルが異なっても,普通に生活できるからこそ家庭があるのでしょう.保険代は生活費と同じ経常的経費です.生命保険や学資保険に入らなくても,亡くなったあとまで面倒を見てもらえるような環境にいるサラリーマンがどの程度いるでしょうか?
それだと、著作権解放目的の殺人が起きます。
#1025769 [srad.jp]でも書いたんですが,どういう理屈で殺人するんでしょうか? 思想的な「解放」が目的なんでしょうか?
出版社は、相互に礼儀上のコピーライトで保護されていたが、著作者本人を保護する仕組みが全く欠けていた。このため、著作者は出版社よって貪られる結果となった。そこで幾人かの意識の高い著作者が自らの権利を保護するように、当時の政府に訴えるようになった。[手許資料 Thomas Paine, Letter to the Abbe Raynal. 及び Noah Webster, Letter to the Hon. John Canfield. 及び Joel Barlow, Letter to the Hon. Elias Boudinot.参照]この文脈におけるコピーライトは「著作者の権利」と同一のものとして理解された。伝統的かつ厳密な用語法にしたがうならば、彼らは「著作者の権利」を要求すべきであった。出版社のための権利であった「コピーライト」による保護を要求するべきではなかったのである。
こうして、アメリカのコピーライト理論について考えるとき、二つの異なった基盤に立って解釈し、説明することが可能になった。一つは歴史研究から、あるいは制定法の条文を厳格に解釈することから生じる態度である。彼らはコピーライトによる保護は、創作活動にインセンティブを与えるだけの最小限に止めるべきで、過剰なコピーライトの保護は、後進の著作者の創作活動を萎縮させ、学術の振興、言論の自由に悪影響をもたらすと考えている。こうしたコピーライトの保護の拡張に消極的な理論を「規制理論」と呼ぶ。もう一つは19世紀に欧州型理論の影響を受けながら、学説を中心に形成された態度である。彼らは、コピーライトによる保護は、自然権から直接に導くことができる著作者の権利をそのまま保護したものであり、その権利を拡張することは基本的に著作者の利益に合致し、創作活動を奨励すると考える。そしてそれゆえ、コピーライトは他の法的価値に従属すべきでなく、少なくとも対等の価値を認められるべきと考えている。こうしたコピーライトの保護の拡張に積極的な理論を「財産権理論」と呼ぶ。
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー
インスパイア (スコア:0)
流行を後追いしてる人にしたら、50年は長過ぎるのでしょう。
でも過剰な保護も問題だし、落としどころは難しいよなぁ。
保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:5, 参考になる)
「保護期間は死後25年あればいい」と述べる現役作家もいます。
著作権は本当に「財産」なのか (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:著作権は本当に「財産」なのか (スコア:1)
ただ、アフリカのどっかかから「お前の書いた本がスワヒリ語ででているので、
著作権維持費用を払うように」とかいうのが来たら、著作権者としては困ると
思う。その本が売れているかを調べるだけでも大変。
#落し所がさらに難しくなるかも。
Re:著作権は本当に「財産」なのか (スコア:1)
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:2, すばらしい洞察)
そうとは限らないんだよなぁ。
愛なんか無くたって、金になるのなら利用するって人もいる。
日本のエロビデオ業界みればわかるよね。
世間の話題になれば、作品への思い入れなど関係無しに、それを安易にパクる。
ハリーポッターのエロビデオに、作品に対する愛とか感動を伝えたい気持ちは感じられん。
エロビデオの場合、グレーゾーンになるように、多少変えてやってるけど。
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:0)
それ見てみたいのでタイトル教えて
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:1)
涼宮ハヒルの憂鬱 [tma.co.jp](注 音が出ます)
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:0)
普通の人より長い寿命を持つ”人ならざる者”だからでしょう。
著作権で儲けた金を使い果たしてしまったからこういう話がでるのでしょうか?
というより、妻や子が著作権云々の話に出てくるのはおかしいと思うのですが・・・
そんな事いいだしたら子孫英々とか言い出すのは火を見るより明らか。
年限を定めず著作者が存命中のみが妥当でしょう。
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:2, すばらしい洞察)
それだと、著作権解放目的の殺人が起きます。
>妻や子が著作権云々の話に出てくるのはおかしいと思うのですが・・・
創作活動で生計を立てている人が家庭を持つことが困難になります。作家が死んだとき、当面の経済を保護できないと、職業として作家を選択するリスクが極端に高くなってしまいます。
それとも、著作権に限定せず、家や貯金の財産権も、妻や子と無関係にしてみますか?
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:5, すばらしい洞察)
非常に難しい判断ですが,
家庭を持つことは直接的に関係ないので,敢えて出してしまうと議論が複雑になるだけです.一般のサラリーマンや派遣社員,一時雇いの方の給与は家庭を持っている人と持っていない人で根本的に違うことはありません.家庭がある場合控除がありますが,それは創作活動で生計を立てている人も同じです.彼らだけを特別視する必要は全くありません.単に普通に給与所得と比べれば良いだけです.議論がシンプルになります.
収入モデルが一般のサラリーマンと異なるのは亡くなった場合だけではありません.普通に生活を送る時点で異なるモデルになっています.亡くなったときだけを取り上げ,リスクを考えるのはおかしいです.それを問題にするのであれば,サラリーマンが解雇ないしは倒産した場合の救済措置に対応する,売れなくなった作家さん向けの救済措置のようなものから考えないといけなくなります.作者没年を著作権保護に関して議論するのであれば,亡くなることによって生じる差異にのみ着目すべきで,生前にも存在したリスクにも着目するのは考え過ぎです.
家は燃えますし地震で壊れます.貯金も銀行が倒産するかもしれません.家庭があれば,防げるでしょうか?防げるようになっているでしょうか.否.そのようなことをカバーするために保険があります.作家であっても,自分が亡くなったときのために保険に入っておけば良いだけです.収入モデルが異なっても,普通に生活できるからこそ家庭があるのでしょう.保険代は生活費と同じ経常的経費です.生命保険や学資保険に入らなくても,亡くなったあとまで面倒を見てもらえるような環境にいるサラリーマンがどの程度いるでしょうか?
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:1, 興味深い)
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:1)
たとえば小説家だと、働いたことで給料がすぐもらえるのは連載ぐらい(それも入金まで何ヶ月もかかることも)。
作品を完成させたときのリターンも、何年もかけてじわじわっと来ます。お金の動き方がまったく異なります。
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:1)
それは寿命が影響するほどの長時間なんですか?
一般的に考えて、そんな長期間後は絶版している確率の方が高いと思いますが。
取材期間とかも含めるという話になるのなら、他の仕事だって研究・準備期間は年単位かかります。それに維持費用がかからない分、わたしを含めた「そこいらの自営業」より圧倒的に有利としか思えないのですが。
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:1)
#1025769 [srad.jp]でも書いたんですが,どういう理屈で殺人するんでしょうか? 思想的な「解放」が目的なんでしょうか?
LIVE-GON(リベゴン)
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:0)
> それだと、著作権解放目的の殺人が起きます。
そうでしょうか?
現行でも著作者が死んで相続人がいない場合には著作権は実質的に消滅するも同然ですが
著作権快方目的の殺人など聞いたこともありません。
ぜひ実例の提示をお願いします。
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:1)
そもそも、著作権継承者のいない場合自体が数少ないと思われます。
その上、誰がそのような状態か調査することも困難です。
「相続人がいない著名な著作者」の実例を提示できますか?
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:0)
何をトンチンカンな琴を言ってるんだ?
殺人がおこると言うからその実例を示せとツッコまれたんだろうが。
実例を示すべきは「殺人が起こる」とかワケワカランこと言い出したアホタレだろ。
まったく、だからゆとり教育世代は・・・
Re:保護期間25年の案/Re:インスパイア (スコア:0)
松本零士の主張がいい加減その領域に達しつつある。
もはや老害。宮沢賢治の遺族に謝れ。
Re:インスパイア (スコア:5, すばらしい洞察)
同意。
個人的な話になります。
私はアマチュアの文書きで、いつか自分の書いた文が活字になり書店に置かれることが夢です。道いまだけわしく叶う可能性は非常に低いと思われますが、こうして活動しているアマチュアにしてみれば、著作権が保護されているということに心強さを感じることは確かにあります。
でも仮にその夢は果たせたとして、死後70年著作権が守られるといわれてもそのことに価値を感じられません。
むしろ、「わたしの作品なんかでよければ皆で好きなだけ読み、どんどん再利用してほしい」と思います。
だって作者であるわたしはとうに死んで久しいのだし、50年もたったら直接わたしを知っていた肉親もほとんど残ってないのですよ?
さらにいえば、半世紀も過ぎて未だ「読む価値がある」と欲してくれるひとがいるなんて、なんと光栄なことでしょう!
作者の死後何十年も過ぎて、それでも読むに耐える本というのはそれほど多くないと思うのです。
こういう見方は歪んでいるのかなぁ。
Re:インスパイア (スコア:1, 興味深い)
たいていの著作者は、そんなにがめつくはないと思いますよ。本人は、ね。
Re:インスパイア (スコア:0)
Re:インスパイア (スコア:0)
著作権というか原稿料とか印税で一応ながらもメシ食ってますが、
私が死んだら、もうその時点で、著作権なんて保護してもらわなくていい。
と思いますね。むしろ、生きている間の保護を厚くしてくれと。
Re:インスパイア (スコア:5, 参考になる)
以前NHKの番組でアメリカで著作権法の制定に関わった人が紹介されていました。
※以下、すべてうろ覚えなので、間違いなどを多分に含むと思います。
※番組名などをご存知の方は、ぜひその情報をお教えください。
その番組では、
「著作権の保護期間が今よりもっと短かった時代のことを知っていますか?」
みたいな感じで始まり、著作権法の制定に関わった法学者の言葉として、
「著作物というのは創造の産物であり、別の人がまったく同じ著作物を考え出さないとは限らない。
故に、創作物を所有するという考え自体に疑問がある。」
という言葉を紹介していました。
勝手に補足。
→たとえば、あなたが素敵な「ドラえもんの未来の道具」を考えたとしても、
ほかの誰かも同じ道具を思いついているかもしれません。
このように、同時に複数が存在する可能性がある、多発性の「モノ」を
「特定の誰かが所有する」と考えるのはおかしい、という訳です。
さらに最後に、その法学者曰く、
「しかし、著作物を法律で保護することがなければ、経済に大きな打撃があるだろう。
アメリカの経済のためには、著作物を保護する必要がある。
アメリカの経済が安定した後で、この著作権法がもう一度見直されることを願う。
個人的には、著作権の保護期間は短ければ短いほどよく、できる限り早くPDにすべきと考える。」
(確か5年くらいが望ましいと言っていたような、いないような・・・)
つまり、この法学者としては、
アメリカは建国したばかりなので経済のためにとりあえず著作権を保護する。
しかし、経済が安定したら著作権の保護期間は短くする方向で再考してほしい。
という考えだったと思います。
# ミッキーマウス保護法が制定されたときの番組だったと思います。
Re:インスパイア (スコア:2, 参考になる)
>勝手に補足。
>→たとえば、あなたが素敵な「ドラえもんの未来の道具」を考えたとしても、
> ほかの誰かも同じ道具を思いついているかもしれません。
少なくとも日本では、
単なるアイデアは著作権その他の法律上の権利では保護されません。
なので、アイデアを形にしたものは、日本では、
それを実現するためのデザインに対する意匠権とかキャラクタにかかる著作権とか、
名称に対する商標権とか、そういうもので保護するようにしています。
#オセロは源平碁(リバーシ)とほとんど同じルールですが、
#オセロという商標と緑地に白黒のデザインで保護を図ってます。
#一部サイトではルールブックに著作権がある、とありますけれども、
#ルールは同内容を全く違う表現で書き換えるのが容易ですので、
#完全なコピー商品を作るのでなければ保護にはならないでしょう。
ボードゲームで劣化コピーが生まれまくっているのには
そういうところにも一因があったりしますし。
Re:インスパイア (スコア:2, 興味深い)
もう少し例えを練るべきでした。
あと、追加ですが、現在では「Copyright」は「著作権」と同義で使われていると思うのですが、
「copy-right」とは、「複写をする(させる)権利」であって、
「著作者」そのものの権利というのは少し違うような・・・
と思ってネットを徘徊していたところ、参考になりそうな資料を見つけました。
これは法政大学で助教授をされている白田秀彰 [hosei.ac.jp]先生が
アメリカ著作権理論の起源 [hosei.ac.jp]というページで言及しておられる内容です。
先生は最後に次のようにまとめています。
この言及は、日本の「保護期間延長推進派」と「保護期間延長反対派」の現状をも説明していると思いました。
# コピペばかりで先生には申し訳ないと思いますが、どうしても紹介せずにはいられなかったので、
# なにも付け足さずに紹介することにします。
Re:インスパイア (スコア:0)
既存の著作物の商用価値がとっとのなくなったほうが
新しいものが生まれやすいという考え方はないかな?
Re:インスパイア (スコア:3, 参考になる)
特許は出願から20年は保護されます。15年ではありません。
公開されてからという意味なら、出願から1年6ヶ月(出願者が早めることは可能)後に公開されますね。
登録されてからという話なら、出願後に出願審査請求(出願から3年以内)して審査された後。
医薬品とか販売に許認可のいるものは許認可が遅れた場合、例外的に最長25年まで認められるようです。
知的財産法に関する講義を大学で受講中なので、これであってるはず。
Re:インスパイア (スコア:0)
# とか言い出しそう。
Re:インスパイア (スコア:5, 興味深い)
(正確には,たとえばこちら [jazzsmile.com])
著作権も,例えば発表30年たった後も権利として持っておきたかったら,国に定期的にお金を払うとか.
某ネズミは,お金を払えば半永久的に著作権をもてて,
普通の著作物は公共の福祉に役立って,国は儲かって,1石3鳥.
Re:インスパイア (スコア:0)
あの世界のキャラクターはすでに 商標 [wikipedia.org]と化してると思います。
そこで、著作権に含まれる権利の種類 [cric.or.jp]を個別に延長してはどうでしょう。
黒鼠の場合、50年以上前の映画や絵本の複製権・上映権は、手放してほしいです。
その代わり、キャラクターを商標のように占有できる権利を創設して、
映画は複製できるけどキャラをパッケージに使うのは不可、グッズも不可、みたいな。
キャラクターグッズが人類の財産だとは思えませんが、
映画や本は文化であり、語り継いでゆくものだと思います。
Re:インスパイア (スコア:0)
「血と汗の結晶なんだから延長は妥当」みたいな作曲家(だったかな?)いたけど
そしたら特許はどうなるねん!と思った覚えがある。
死後何年とかじゃなくて著作権の発生から何年ってやっちゃえばいいのにとか思ってる。
発生から70年とかね