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つまり、厳密に言えば元記事からして間違っているということです。
弾道(ballistic)というのは、言葉の定義としては(日本語でも英語でも)「大砲から発射された弾体の軌道」です。誘導弾が主流となった現在ではほとんど死語ですが、かつては軍事学上の主要なテーマのひとつでした。
いわゆる「弾道飛行」というのは、仰角を高く(垂直に近い)取った弾体の軌道に似た経路をとる飛行のことを指します。
ICBMの"B"も"ballistic"なわけですが、これも「弾道飛行」と同様「ミサイルの飛行経路が弾体の軌道に似ている」ことから名付けられたのではないかと思います(正確な由来は知りません)。
いずれにしても「弾体と同じような、放物線に似た軌道をとるモノ」に対して「弾道」を語を当てることに対しては、少なくとも誤用とは言えないのではないかと思いますが、読売の記事にしろその元記事にしろ、そうした弾道の正確な意味を知らずに「誘導ミサイル」=「弾道ミサイル」と思っている(というか勘違いしている)ように感じます。
弾道弾、弾頭ミサイルというのはその火砲の砲身内での飛翔体の加速を、ロケットに よって代替するというもの。
弾道ミサイルという兵器が、概念というか発想として「大型化された大砲」であることは間違いではありませんが、単純に大砲の発射薬をロケットモーターに置き換えたモノが弾道ミサイルというのは、少々話を端折りすぎだと思います。ついでにいえば、弾道ミサイルの「弾道」は、(少なくとも加速時においては)大砲と違ってロケット側で制御された飛行経路です。その意味でも、ロケットモーターは発射薬の単純な置き換えではありません。
Wikipediaの弾道ミサイル [wikipedia.org]では
大砲の弾のように空中に弧を描いて飛ぶ対地ミサイルのこと
ちなみに英語版のWikipediaの"Ballistic missile"の項目 [wikipedia.org]では
A ballistic missile is a missile that follows a sub-orbital, ballistic flightpath with the objective of delivering a warhead to a predetermined target.
# ま、ただの言葉遊びですが。
いやだから、戦闘機から発射される「制御された」ミサイルは弾道ミサイルなんですか、という話なんですが。
発射薬の代わりにロケットモーターを使うといった構造面からでも、大砲では不可能な射程距離を実現するといった戦術的用途の面からでもなく、弾道飛行をするから弾道ミサイルと呼ぶと私は思っています(前発言で引用しているように、Wikipediaの記述者も同じように考えていると思います)。私の発言は、その点が#1094688 [srad.jp]ではまったく触れられていないということを問題視しています。制御されているかどうかは本質的な問題ではないと思います。
# ただの揚げ足取りといわれればその通り。 #(でも、コメントの大元からしてそうだと思うんですが)
おそらく、弾道ミサイルの飛行シーケンスは、弾道の頂点に到達する前にモーターの燃焼を終了し、後は慣性飛行をしている(少なくともロケットモーターによる加速はしない)んじゃないかと思いますが… (ここら辺はあまり自信がない)
> 火砲の砲身内での飛翔体の加速を、ロケットによって代替する
だから、弾道ミサイルの定義としてはWikipediaの記述 [wikipedia.org]にあるように「弧を描いて飛ぶ」という点が何よりもまず先に来なければいけないのでは?と主張したいだけなんですけど。
# 屁理屈と呼んでもらって結構です。 #(大元のコメントからしてそういう話の流れでしたよ?)
賛同いただきありがとうございます
ドニエプルロケット [kosmotras.ru]は弾道ミサイルをベースとしていますが、だからといってきらり [satnavi.jaxa.jp]を「弾道ミサイルで打ち上げた」とは表現しません。結局のところ、弾道ミサイルと打ち上げロケットを区別するのは「ペイロードの飛行経路が弾道であるか」「地上に目標物が存在するか」くらいしかないんで、「弾道」という部分にこだわりたい、という話もあります。
今回の衛星攻撃兵器も、コンセプト的にはドニエプルロケットと同じではないかと思います。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward
日本語はむずかしいアルね (スコア:0)
ロケットモータコンポーネントは同じなのでしょうけど。
それもと迎撃に成功したミサイルの固有名詞が”弾道”だったのでしょうか?:P
弾道ミサイルを元に改良した迎撃ミサイルとは違うらしいw
元記事直訳 (スコア:0)
> destroying an aging Chinese weather satellite target
> with a kinetic kill vehicle launched on board a ballistic missile.
そうですから、別にどこもおかしいことはないと思いますが。読売の記事もそう書いてありますよね。
弾の軌道だから「弾道」 (スコア:0, 余計なもの)
つまり、厳密に言えば元記事からして間違っているということです。
弾道(ballistic)というのは、言葉の定義としては(日本語でも英語でも)「大砲から発射された弾体の軌道」です。誘導弾が主流となった現在ではほとんど死語ですが、かつては軍事学上の主要なテーマのひとつでした。
いわゆる「弾道飛行」というのは、仰角を高く(垂直に近い)取った弾体の軌道に似た経路をとる飛行のことを指します。
ICBMの"B"も"ballistic"なわけですが、これも「弾道飛行」と同様「ミサイルの飛行経路が弾体の軌道に似ている」ことから名付けられたのではないかと思います(正確な由来は知りません)。
いずれにしても「弾体と同じような、放物線に似た軌道をとるモノ」に対して「弾道」を語を当てることに対しては、少なくとも誤用とは言えないのではないかと思いますが、読売の記事にしろその元記事にしろ、そうした弾道の正確な意味を知らずに「誘導ミサイル」=「弾道ミサイル」と思っている(というか勘違いしている)ように感じます。
どこからつっこんだらいいのかな… (スコア:3, 参考になる)
砲身内で発車薬の燃焼によって飛翔体を加速し、かつ砲身によって方向を決定して
打ち出すのがいわゆる火砲。そして、その飛翔体は砲身をでたあとは重力、空気抵抗
(その他の力)の影響下で飛翔する。その飛翔体の軌跡を弾道という。そこまではいいでしょう。
弾道弾、弾頭ミサイルというのはその火砲の砲身内での飛翔体の加速を、ロケットに
よって代替するというもの。ロケットの加速を砲身内での加速に見立てるんですよ。
なぜロケットを使うか。その大きな理由として挙げられるのは射程数百キロの火砲は
実用化が困難(もちろん他の理由も)。それだけの加速を行うためには発射薬を多量に使う、
また、長大な砲身を用いる必要がある。しかし、数百キロあるいはそれ以上のの射程を
を実現するだけの発射薬の増量に耐えられるような、あるいは長大な砲身は物理的に
かなり無理。たとえば戦艦大和の 20 m の砲身でも射程はたかだか40km程度(だったのではないかな)。
その点、ロケットなら飛翔体のサイズの増大、射程の増大が比較的容易に実現できる
わけです。第二次大戦当時でもペイロード1t,射程200kmのロケットは技術的に可能でした。
で、弾道というのは適切に計算すればかなり正確に着弾地点を定めることができる。
射程数百キロとなると着弾は地平線の彼方で、その着弾点付近で弾頭を誘導するの
は困難だ(大抵、敵地だし、あと昔は誘導技術もなかったし)。そこでなるべく正確
に飛行する(ように制御/誘導された)ロケットを加速に使用することで長射程で命中精度の
高い火砲を実現することができる。
そのようなロケット/ミサイルを弾道弾と呼ぶ。と、そんなかんじ。長文失礼。
そういうあなたも (スコア:1)
弾道ミサイルという兵器が、概念というか発想として「大型化された大砲」であることは間違いではありませんが、単純に大砲の発射薬をロケットモーターに置き換えたモノが弾道ミサイルというのは、少々話を端折りすぎだと思います。ついでにいえば、弾道ミサイルの「弾道」は、(少なくとも加速時においては)大砲と違ってロケット側で制御された飛行経路です。その意味でも、ロケットモーターは発射薬の単純な置き換えではありません。
Wikipediaの弾道ミサイル [wikipedia.org]では
となっています。ちなみに英語版のWikipediaの"Ballistic missile"の項目 [wikipedia.org]では
となっていて、"sub-orbital"、つまり(衛星)軌道には乗らない、という一文が入っています。この定義に従えば「(衛星軌道に乗らない)弾道ミサイルで(軌道上にある)衛星は破壊できない」ということになりますね。# ま、ただの言葉遊びですが。
Re:そういうあなたも (スコア:0)
そんなに長くないので書込みは全部読んでくださいね。制御されたロケットって書いてありますよ。
Re:そういうあなたも (スコア:1)
いやだから、戦闘機から発射される「制御された」ミサイルは弾道ミサイルなんですか、という話なんですが。
発射薬の代わりにロケットモーターを使うといった構造面からでも、大砲では不可能な射程距離を実現するといった戦術的用途の面からでもなく、弾道飛行をするから弾道ミサイルと呼ぶと私は思っています(前発言で引用しているように、Wikipediaの記述者も同じように考えていると思います)。私の発言は、その点が#1094688 [srad.jp]ではまったく触れられていないということを問題視しています。制御されているかどうかは本質的な問題ではないと思います。
# ただの揚げ足取りといわれればその通り。
#(でも、コメントの大元からしてそうだと思うんですが)
おそらく、弾道ミサイルの飛行シーケンスは、弾道の頂点に到達する前にモーターの燃焼を終了し、後は慣性飛行をしている(少なくともロケットモーターによる加速はしない)んじゃないかと思いますが…
(ここら辺はあまり自信がない)
Re:そういうあなたも (スコア:0)
弾道飛行をするようにロケットを制御すると書いてありますが。
> 火砲の砲身内での飛翔体の加速を、ロケットによって代替する
という文の意味が分かりますか?
弾頭に火砲からあたえられるの同様の速度(速度と方向)をロケットを
用いてあたえるということですよ?当然、それはロケットの燃焼
終了時の速度になりますね。そしてロケットの燃焼終了後に弾頭は
当然、弾道飛行します。とても簡単なお話です。
Re:そういうあなたも (スコア:1)
だから、弾道ミサイルの定義としてはWikipediaの記述 [wikipedia.org]にあるように「弧を描いて飛ぶ」という点が何よりもまず先に来なければいけないのでは?と主張したいだけなんですけど。
# 屁理屈と呼んでもらって結構です。
#(大元のコメントからしてそういう話の流れでしたよ?)
弾道飛行するミサイルが弾道ミサイル (スコア:1, 参考になる)
で、高度約860kmの衛星軌道上の衛星に対して弾道軌道って事は多分無いでしょうね、恐らく。
弾頭が衛星に直撃?するまで何かしら誘導もしてたのではないかなと、打ち上げ時の方向修正だけで命中するとは思えませんので。
英文の元記事からしておかしいであろうに1票です。
推測ですが弾道ミサイルとして開発されたもののうち、ロケットモータ部を一部ないしは全部を転用し弾頭部や制御系を新規または改良して対衛星ミサイルを開発したと言う事なのでしょう。
Re:弾道飛行するミサイルが弾道ミサイル (スコア:2, 参考になる)
賛同いただきありがとうございます
ドニエプルロケット [kosmotras.ru]は弾道ミサイルをベースとしていますが、だからといってきらり [satnavi.jaxa.jp]を「弾道ミサイルで打ち上げた」とは表現しません。結局のところ、弾道ミサイルと打ち上げロケットを区別するのは「ペイロードの飛行経路が弾道であるか」「地上に目標物が存在するか」くらいしかないんで、「弾道」という部分にこだわりたい、という話もあります。
今回の衛星攻撃兵器も、コンセプト的にはドニエプルロケットと同じではないかと思います。
Re:弾の軌道だから「弾道」 (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:弾の軌道だから「弾道」 (スコア:0)
書き忘れました (スコア:0)
衛星軌道まで弾頭を運ぶ手段としてその弾道弾を利用した、そういうことだと思います。
> いずれにしても「弾体と同じような、放物線に似た軌道をとるモノ」に対して「弾道」を語を当てることに対しては、少なくとも誤用とは言
> えないのではないかと思いますが、読売の記事にしろその元記事にしろ、そうした弾道の正確な意味を知らずに「誘導ミサイル」=「弾道ミ
> サイル」と思っている(というか勘違いしている)ように感じます。
元記事、読売の記事ともにはっきり弾道弾で弾頭を運んだと書いてありますよね。ですから、おかしな
用法ではないと思いますよ。他のレスでも書かれていることですけど。