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Microsoft Office Open XMLのISO標準化プロセス、難航か?」記事へのコメント

  • by Anonymous Coward
    対して、OOXMLは現時点で19カ国が反対を表明したそうです。

    これだけ読むとODFがすばらしく優れているように感じますが、実際はなんでもいいから文書フォーマットの標準化をとにかく急いで完成度を不問にした結果みたいですね。

    はっきり言ってしまうと、ODFの仕様書は規格といってしまうにはいまいちなデキです。
    コメントが短すぎたり、別の規格を参照する過程で解釈が分かれる部分などが散見されます。
    おそらく規格どおりに作成しても互換性は保たれないので、ところどころでOpenOffice.orgの実装を参照しなければまともなオフィススイートはつくれません。

    OOXMLの仕様書はサンプルを多く載せているのと外部参照を減らしているので多少はましな印象ですが、規模が巨大なためすべてを実装するのは体力がないと辛いです。

    ということで、OOXMLの仕様書は私企業版にとどめておいて
    ODF-OOXML間の厳密な変換方法を規格化すると少し楽しい未来になるんじゃないですか。
    • Re:ODFは満場一致で賛成 (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward
      > ODFは満場一致で賛成
      > 対して、OOXMLは現時点で19カ国が反対を表明したそうです。

      「標準規格を定めてみんなでそれを使おう。」

      と各国がODFを(完成度の問題に目をつぶって)担いだ後で、

      「標準規格をみんなで使いたいのか。よし、うちの製品の規格を公開してやるから、お前らで標準規格に認定して、それを使えや。by MS」

      という流れだからねえ。心情的な問題も多少はあるんでなかろうか。
      • Re:ODFは満場一致で賛成 (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward
        もし、そんな心情的なことが影響するような団体なら、その団体そのものが要らない。
        そんなことはないと思いたいが、そうすると他の真っ当な理由があるはずで、ぜひともそのへんが知りたいところだが…

        使い手としては中身が問題で、誰が作ったとかどういう経緯でできたとか、そんなことはどうでもいい。
        • Re:ODFは満場一致で賛成 (スコア:2, すばらしい洞察)

          by Anonymous Coward
          いや、経緯と心情はまた別の話で、経緯ってのは十分重要ですよ。後発は先発を下敷きにするのが真っ当な標準化です。一つに絞れなければ標準化の意味がないし、後から出てきたものを認めるには、それ相応の理由が必要です。

          そういう「標準化に対する理念」を失って、企画書のフォーマットさえ整っていたら何でも追認するような団体こそ必要ないものです。
          • そういう点では、デファクトスタンダードである Microsoft Office Suite のドキュメントと全く互換性の無い (いかに変換をかけても埋めようの無い差のある) ODF は経緯を気にしていないことになるように思いますが、どうなのでしょうね。そして、それを満場一致で可決した JTC1 は経緯を考えていないのでは、と。村田氏に「細かく見ていたら通る訳がない」ものと言われてしまっていますし。

            とりあえずオープンなものを、ということで 1 つの仕様書内ですら整合性がまともに取れていない ODF が通ってしまっているのは、まさに「企画書の体裁さえ整っていたらなんでも追認する」状況ではないですか。OOXML に対しては前例ができたので、とりあえずまともに評議しようとしている、と。

            • by Anonymous Coward
              そういう点では、デファクトスタンダードである Microsoft Office Suite のドキュメントと全く互換性の無い (いかに変換をかけても埋めようの無い差のある) ODF は経緯を気にしていないことになるように思いますが、どうなのでしょうね。

              それは、全く経緯を無視した指摘ですよ。その時点では、MSの文書は全くのブラックボックスだったのですから、互換性のとりようがありません。

              今こういう議論ができる事自体が、JTC1の英断のおかげだと言う事を忘れてはいけませんよ。そういう意味では、意図が狙い通りに反映されている、と言えるでしょうね。
              • by Anonymous Coward on 2007年02月12日 7時45分 (#1108681)
                その時点では、MSの文書は全くのブラックボックスだったのですから、互換性のとりようがありません。

                MS Office文書の仕様は一部が開発者向けに公開されています。
                (たとえば "Rich Text Format (RTF) Specification" [microsoft.com])
                ですから全くのブラックボックスとはよくある誤解です。

                非公開なのはそれぞれの機能に割り振るコードとか実装に深く関係する部分です。
                そうでなければOffice互換ソフトなんて一から作れるわけないでしょ。

                親コメント
              • by Anonymous Coward on 2007年02月12日 8時17分 (#1108686)
                だからその、実装に深く関係する部分、が公開されないのが困るんでしょうが…
                ODFにお尻を叩かれてやっと動く会社ですから。
                おかげで、ワードファイルが肥大化して破損した場合、
                なんとかできるようなユーティリティはHTMLやtexのようには存在しません。

                それに、標準化した後に独自拡張とかも考えてたりしそうですしね。
                実際、外部のメーカーが互換ソフト作っても内部規格変更の度振り回されてるでしょうし。

                # MARQUEE機能とか作ったら笑うけど…
                親コメント
              • >それに、標準化した後に独自拡張とかも考えてたりしそうですしね。

                ISOがOOXMLにお墨付きを与えた後で、MSが公開または非公開で独自
                拡張をバシバシ入れてきたらどうなるんでしょう。
                MS-Officeの圧倒的なシェアの前に、ISOは成す術なし?
                もしかして振り出しにもどる?
              • by nomnom (26419) on 2007年02月12日 12時02分 (#1108745) 日記
                ISO 規格より実装が優先されるだけのことではないでしょうか。

                日本の EPWING の例が浮かびました。(実装が先行した後、JIS X4081 として規格化されましたが、その後も仕様が拡張されています。最新の規約を入手するには、法人のみ会員になれる EPWING コンソーシアム [epwing.or.jp]に入会する必要があります。JIS の規格から得られる情報だけでは最新の EPWING タイトルを読めないことが多いので、個人が開発している EPWING ビューアは、開発者の独自解析に頼っていると聞きます)
                親コメント
              • by shiragaoyadi (27158) on 2007年02月12日 22時27分 (#1108959)
                >MS Office文書の仕様は一部が開発者向けに公開されています。
                >(たとえば "Rich Text Format (RTF) Specification")
                >ですから全くのブラックボックスとはよくある誤解です。

                まず、全てが公開されていたわけではありません。
                また、RTFもどんどん仕様が進んでおり、OOoを始め他のプログラムでも最新のRTFをフォローできない状況と認識しています。
                仕様を作った本人(MS)がどんどん仕様を進めてきているので、公開されていても標準にならない状況です。
                (これまでのIEのHTMLの表現仕様が同様)

                なにより、以前の状況でWordの書式を標準利用すれば、いつ「そのフォーマットを使うのは著作権料を請求する!」
                といわれかねない状況であったと思います。

                ODFが万全の規格ではなかったのは確かだと思いますが、それによりMSが標準化・公開に乗り出したのは確かだと思います。

                もしかすると、MSが標準フォーマットを提案しても、再び他の規格同様MSがOfficeの仕様を変更して、
                標準フォーマットよりこれの方が利用価値が高いんだよ~
                などと言い出すことを心配する向きもあるのかも、などと妙な深読みなどもしてしまいます。
                親コメント
              • だからその、実装に深く関係する部分、が公開されないのが困るんでしょうが…

                ODFでは始めからXMLとZipで実装するのだから、MS Officeの実装が分かったところで参考にならないと思いますけど。
                何が困りますか?

                おかげで、ワードファイルが肥大化して破損した場合、
                なんとかできるようなユーティリティはHTMLやtexのようには存在しません。

                プレインテキストに比べて構造に矛盾が生じやすいのは否定しませんが、復元手段が存在しないと言うのもまた誤解に基づくものです。

                まず、破損したファイルの修復機能であればMS OfficeにもOpenOffice.orgにも最初から組み込まれています。試してみてはいかがでしょうか。

              • by of (17899) on 2007年02月13日 1時11分 (#1109005) 日記

                なにより、以前の状況でWordの書式を標準利用すれば、いつ「そのフォーマットを使うのは著作権料を請求する!」
                といわれかねない状況であったと思います。

                これはISOにも言える事だと思うのですけどね。
                国コードや言語コードなどに課金? [srad.jp]という話もありましたし。

                # 僕らは何を信じればいい。
                親コメント
              • by USH (8040) on 2007年02月13日 1時18分 (#1109007) 日記

                まず、破損したファイルの修復機能であればMS OfficeにもOpenOffice.orgにも最初から組み込まれています。試してみてはいかがでしょうか。
                少しずつ改良されていますので、昔壊してしまったファイルも読めるようになっているかもしれません。

                この復元機能ですが、いつも感じるのは、どこまで復元されているのか、怪しくて安心して使えない、
                という点です。

                Word などでよくあるのが、図や表を入れて、さらにそれを float させると、次第に理解不能の挙動を示すようになる。それを何とかしようといじっているうちに落ちる。で、次に起動して、復元らしき事が行われますが、そもそも不安定な挙動を示していたものなので、何がどこまで復元されているのか、意図したように復元されているのか、良く分からない。なので、こういうことにあうと、とりあえずテキストだけ保存し直して、ファイル作り直しをします。ロスはでかいですが、疑心暗鬼で作業するよりよっぽどまし。なお、当然、図を float させようなどというお恐れ多いことは考えないようにします。これまた不便ですが、挙動不審よりマシです。

                プレーンテキストでなにがうれしいかというと、テキストエディタで表示されているものがファイルの内容そのものである点です。それは低レベルなのかもしれませんが、単純で分かりやすい構造です。

                というわけで、Word を使わざる得ない場合には、
                • Word の(便利なのかもしれないが)変な機能はできるだけ使わない
                • 不幸にもクラッシュした場合には、テキストだけサルベージ

                と心に決めております。

                なので、Word に新機能なんていりません。Word 95 あたりで十分です。
                # バグだけとってね

                親コメント
              • 仕様が ISO などで標準化されているだけでなく、オープンソース実装がある程度のシェアを
                確保して「これぞ参照実装」という地位を獲得していなければ、標準化団体よりも実装者による
                支配の方が強くなってしまう。これは避けられないのではないでしょうか。

                たとえば PDF は ISO で標準化されたりしているらしいですが、Adobe Acrobat という支配的な
                実装が存在します。Acrobat で開けないファイルは、たとえ ISO の標準に準拠していても
                世間は PDF と認めてくれないでしょう。また Acrobat で作ったファイルを表示できなければ、
                PDF のレンダラーとして世間は認めてくれないでしょう。

                なおかつ、オープンソースソフトウェアが持続的に成長して行くためには、実装すべき仕様は
                簡潔である必要があります。複雑怪奇な仕様を、単に標準として認知させるためのアリバイとして
                企業丸抱えのオープンソース実装が名目上存在する、という状況ではまずい訳です。
                親コメント

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