strlcpyやstrlcatについての詳しい説明は下記の論文にまかせますが、#1183107の引用が気になったのでその点だけ指摘します。 | strlcpy and strlcat--Consistent, Safe, String Copy and Concatenation, | Todd C. Miller and Theo de Raadt, | Proceedings of the 1999 USENIX Annual Technical Conference (FREENIX TRACK) | http://www.usenix.org/events/usenix99/millert.html [usenix.org]
「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:4, 興味深い)
長らく +Lhaca のユーザーだった者として、 Windows で圧縮ファイルの取り扱いに迷ったらとりあえず +Lhaca デラックス版を入れておけばよいという気楽さを提供してくれた作者の村山富男さんには感謝しています。
前回の脆弱性 [srad.jp]が見つかるまで +Lhaca 1.20 を使っていましたが、脆弱性への対応の中で
という記述を見て不安を覚えたので、 +Lhaca を使うのをやめました。
C 言語を知っている人の中には似たような印象を受けた人もいるのではないでしょうか。
どんなライブラリー関数もそうですが、 strncpy は魔法の関数
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:1, 興味深い)
strncpyが間違えやすい関数とは?
伝聞だけで疑心暗鬼に陥り、不安になっているのでしょうか。
程度問題らしいですが、strcpy_s等よりstrncpyが間違えやすいってのも分からない。
「LHA展開処理内に存在したstrcpyをstrcpy_sに変更し、バッファーのオーバーフローをなくしました。」なら安心なのか?
# そもそもバイナリデータならstrcpy/strncpyじゃなくてmemcpy使えよ!と突っ込みたいAC
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:3, 参考になる)
strncpy(3)よりもstrlcpy(3) [hatena.ne.jp]というタイトルのBLOGエントリーが出てきました。
曰く、 だそうで。
もしこの理由があたっているなら、「ついうっかり」やりやすそうなミスに見えますから、 とまで言う必要はないように見えますけど、どうでしょう?
間違いなく、しっかり実装していれば問題ないという主張はわからなくもないですが、「ミスりやすいものを使っているってことは、大丈夫?」と思ってしまうのも、致し方ないのではないかと。
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:3, 興味深い)
C言語は、strなんちゃらという関数だからといって、char型の配列でNULL文字が終端ということの正当性を保障する挙動を示すわけではないし、保障されると使いづらくなる場合もある。
データ構造に関しての正当性は、あくまで作る人が、割ける範囲のコストで行わなければならない言語なんだ、ということを念頭におけるかどうかじゃないでしょうか。
推奨として、strlcpyを適切に使うのはありですが、だからといって置き換えればよいってモノでもないってことかと。
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:5, 参考になる)
strlcpyやstrlcatについての詳しい説明は下記の論文にまかせますが、#1183107の引用が気になったのでその点だけ指摘します。
| strlcpy and strlcat--Consistent, Safe, String Copy and Concatenation,
| Todd C. Miller and Theo de Raadt,
| Proceedings of the 1999 USENIX Annual Technical Conference (FREENIX TRACK)
| http://www.usenix.org/events/usenix99/millert.html [usenix.org]
#1183107の引用にて、
| strncpy(3)は、(本来文字数を指定するところに)ついうっかりバッファサイズを指定すると、
| 不正なC文字列になってしまうので要注意です。
と説明されていますが、上で紹介した論文のCommon Misconceptionsにある通り、『多くのプログラマーはstrncpyを使うと'\0'が終端記号として入っていることを想定しているが、その想定はコピー元のサイズがコピー先のサイズより小さい場合だけしか正しくない。また、strncpyを使った場合のコストはstrcpyよりも'\0'をつける処理の分高い』とちゃんと書くべきです。バッファサイズを指定するかバッファサイズ-1を指定するかは本質的な問題ではありません。strncpyではコピー元の方がコピー先よりも大きかったら、最後に'\0'が入らないので文字として扱ったときにバッファを越えてアクセスしてしまうというのが問題なわけです。
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:0)
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:0)
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:2, すばらしい洞察)
問題があったのはファイル名処理なのでstrcpyでいいかと。
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:1)
strncpy()はコピーする文字数、つまり送り側のサイズと言えばいいでしょうか。
対するstrcpy_s()は受け側のバッファサイズです。しかもstrcpy_s()はバッファオーバーフローを検出すると最終的にプロセスを停止します。
こういうのはやりだすと止まらないらしく なんてのがstring.hに入ってます。
# 正確にはこう展開されるためのマクロです。これを止めるためのマクロも用意されています。
ライブラリ側がどんなに頑張っても、わかっていない人に とかやられたらいっしょです。
ついでに、+Lhacaのreadme.txtを読む限りVC6辺りを使用されているようですので、libcにstrcpy_s()が含まれていません。
で、+Lhacaの作者の方はわかっている人かそうでないか、というと…
- strcpy()でバッファオーバーフローを起こしている
- 「strcpyをstrncpyに変更しました」の発言
から問題の本質を理解できてなく怪しいかも?という主張だと思います。Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:1)
その通りです。本当に作者の村山さんが問題の本質を理解できていないかどうかはわかりませんが、 #1183069 [srad.jp] では僕がそういう印象を受けたという事実とその理由を説明したつもりです。
情報ありがとうございます。なお、 #1183069 の書き方が悪くてわかりにくかったのですが、 strcpy_s や strlcpy の話を持ち出したのは、 strncpy を strcpy の安全版だと思って使うと間違えやすいと考える人は僕以外にもたくさんいる、という裏付けのつもりでした。
Re:「strcpyをstrncpyに変更しました」が意味すること (スコア:0)
違います。
もちろん、strcpy_s()は有用です。適切な局面で適切に使いましょう。
> から問題の本質を理解できてなく怪しいかも?という主張だと思います。
主張は自由ですが、その主張の根拠はありません。
理解できている根拠はありませんが、理解できていない根拠もありません。
根拠無く誹謗するのはほめられる行為ではありません。