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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ研究家
第六? (スコア:1)
あれ?辛味は?
Re: (スコア:2, 参考になる)
ナルホド (スコア:1)
Re: (スコア:5, 参考になる)
辛みについては、温度刺激を感知するTRPチャネルが受容体になることが判ってます。トウガラシの辛み成分であるカプサイシンや、ショウガの辛み成分ジンゲロール、コショウの辛み成分ピペリンなどは、いずれも43℃以上で活性化される熱刺激受容体のTRPV1に結合して活性化させます。ちなみにメントールは25℃以下の冷刺激受容体、ワサビのアリルイソチオシアネートやシナモンのシナモアルデヒドは17℃以下の冷刺激受容体のリガンドになります。
ほかの「基本味」とこれらの味要素の違いは、その知覚が味蕾(より正確には味細胞)から味覚神経を介して感知されるのかどうか、という部分です。砂糖水を皮膚に塗っても「甘い」とは感じないけど、カプサイシンは皮膚に塗ったら「熱い」と感じる。その、いわゆる体性感覚が、口の中で知覚されるときには「辛い」となるわけでうs。
Re:ナルホド (スコア:1)
ぬう。やはり過信はいけないですね。自分でも調べればよかった。
自戒を込めてID。
Re:ナルホド (スコア:5, 参考になる)
細胞工学2007年8月号 [shujunsha.co.jp]の特集記事あたりが、もし手近にあれば良い日本語総説になるかと。
ちなみに今回のヤツに関連すると思われる原著 [nih.gov]も見つけましたが、近年注目されている、味覚受容体のうち、TAS1R3 (T1R3)タンパク質が関与しているようですね。これは味覚受容のうち、甘味とうま味の受容体を形成しているもので、甘味ではT1R2とT1R3のヘテロ二量体が、うま味ではT1R1とT1R3のヘテロ二量体が、それぞれ受容体を形成しています。つまり、どちらにもT1R3は含まれていて、その相方が変わることで、甘味とうま味のどちらの受容体を味細胞が発現するのかが変わっている、ということです。
今回の報告は、これらとは別にT1R3が直接カルシウム/マグネシウムなどの二価の陽イオン(つまり、これまで言われていた「塩味(えんみ)」…味覚上は、食塩以外の金属塩の味も指すが、大抵は一価の陽イオンの味を意味する事が多かった…とはちょっと異なる)に対する受容体としても働くんじゃないか、と言おうとしてる感じですね。まぁT1R3が関わっている味覚は、いわゆる「報酬系」的に好まれる味だ、ということと、今回、彼らが行ったマウスの実験系での結果も一致するので、ありえない話ではないですが、それが独立した「第六の味覚」として認められるのかどうかというと、ちょっとまだ判らない、と言ったところかと。