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あつくて寝られない時はhackしろ! 386BSD(98)はそうやってつくられましたよ? -- あるハッカー
無謀な挑戦は控えればいいのに (スコア:0)
ここ何年か果敢に挑んできた、x86に対するAMD独自の拡張などは、
いたずらに混乱を呼んだだけなので、余計なものだと感じていました。
Intelが定義した命令(セット)を、Intelよりも速く実行できるCPUを安く売る
という方向に注力すれば良かったのに。
結果論として無謀になったのですよ (スコア:3, 興味深い)
仰る様にもしAMD486-5x86の路線を継承していれば、Cyrixのようにバスライセンス
周りで訴訟を乱発されたり、圧倒的な資金力に物を言わせたダンピング攻勢で
今頃は他の互換プロセッサ組同様、会社がなくなっていたことでしょう。
AMDのプロセッサ開発に一貫しているのは「トレンドの先取り」です。Intel側が標準になれば
命令セットをIntel側に合わせるのは互換プロセッサ屋として当然やってきています。
IntelがMMX-SSEの間にインターバルを置きすぎたので目だってしまってますが。
AMDはマイクロコードをクリーンルーム解析で実装したり、NexGenを買収しいち早く
CRISCを導入したK6、K6-2で、互換プロセッサとして初めてアーキティクチャレベルで
Intelをキャッチアップし、一定の足がかりを築くのに成功しました。
ちなみにこのときはMMXをIntelからのライセンスで実装してます。3DNow!はMMXに欠けていた
浮動小数点命令を補完したもので、SSEよりも先に実装されました。
IntelのSIMDであるSSE、SSE2はそれぞれPentiumIII、Pentium4まで待つ必要があります。
続くK7はEV6バスによってIntelのバスライセンスによるくびきを脱し、FPUの性能をIntel同等以上とし、
アーキティクチャを高IPCに振って製造設備に劣るAMDがIntelに伍して戦えることを証明しました。
このためIntelは高クロックによる引き離しを図るためNetberstアーキティクチャを導入しました。
このアーキティクチャでは10GHzを視野に入れていましたが、製造プロセスがナノオーダーに達するに従い、
リーク電流による制約を受けるようになってきました。
一方、K7で自信をつけたAMDは、より利益を見込めるサーバ向けCPUに足がかりを築くためK7ベースのAthlon-MPを
発売しましたが、チップセットの内製を行っていなかったため、うまくいきませんでした。
また、1GHzを越えたあたりからCMOS半導体プロセスの限界が見え始めたため、Intelに追随してスーパーパイプラインで
設計していた次世代のCPUをキャンセルし、より付加価値の高いサーバ向けプランに切り替えることになりました。
そこでK8では当初から2コアオンダイを前提にした設計、x86と互換性を持つ64ビット命令セット、SSE3の実装
メモリコントローラの内蔵とそれを生かすハイスループットでスケーラブルなHTバスを実装し、ccNUMAによる8ソケットまでの
中規模SMPサーバを容易に設計することを可能にしたため、HPCサーバの市場が拡大し、サーバ分野での採用企業が
増え、DELLですらOpteronを採用するに至りました。
この頃までIntelはVLIWで過去との互換性を切ったIA-64を推進し、RDRAMをメインストリームにすべく
チップセットの改良を進めていましたが、既存ラインナップとの調整や技術的な問題で数年足止めを余儀なくされます。
Intelが設計の技術的なイニシアティブを取り戻したのはMicroOps FusionやMacroOps Fusionを実装したCore2からです。
さらに間の悪いことに、AMDは65nmプロセスの開発に手間取って90nmからの急速な移行に失敗し、
それとは対照的にIntelの45nmが予想を超えるyieldを叩き出し、メモリコントローラを内蔵したCore i7の発売が迫ったことで
AMDの優位性が完全に失われる今日この頃です。
トレンドの先取りとIntelの失策で市場に一定の存在があったAMDが、反撃体制を整えたIntelのラインナップと資本力に
とうとう追い詰められた、というのが現状でしょう。
GPGPUのFusionが成功すれば、何とか生きながらえることができるでしょうが、Core2の出現でそれまで組んできた
将来のビジョンが結果的に大風呂敷になってしまったのは事実です。
他のファブレスと違ってAMDにはFabへの優先的なアクセスが許されているので、なくなった他社と条件は異なってきますが
比較的高価なSOIを使ってるのはPowerくらいなので、45nや32nが仮にうまくいったところでラインを満たすことができるか
かなり先行きは悲観的なものになるでしょう。唯一の救いはIntelの64bitは完全ではない、というところで
Intelがアーキティクチャの穴を埋めてくるSandyBridgeまでに何らかの対策を打たなければなりません。
というか、ブルドーザーはどこにいったんでしょ?
Re:結果論として無謀になったのですよ (スコア:1, 参考になる)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0520/kaigai440.htm [impress.co.jp]
によると、2011年らしいですね。
Sandy Bridgeが2010年後半~2011年にかけてということなので、Sandy Bridge
のほうが少しだけ早そうな状況。
AMDは、ドイツに300mmウェハーのFabを作る際にに、50%近いシェアを取らないと
ラインを埋めきれないような計画を立てていましたね。
Core2 が出る直前のある意味AMDがまだイケイケの時だったので、それまで生産計画
や生産能力の問題で取れなかったシェアを一気に獲得しようという目論見だったので
しょうけど、AMD側の計画遅延やCore2の出来の良さで、頓挫してしまったという感じ
でしょうか。
今回のAMDのFab分離の話からは少しそれますが、Intel/AMD が競いあって今の性能/価格
が実現できているのは確かでしょうから、そろそろx86以外のCPUにその競争の舞台を
移してほしい、とか個人的には思っています。(なんならIA-64でもいいです)
x86も未だ限界がどこなのか見えてきませんが、今後更に低消費電力/高効率化を進める
ためには、x86の構造上の問題が足かせになりそうに思えます。
そんな競争が成り立つためにも、AMDにはintelの競争相手たり得る存在であってほしいところ。
Re:結果論として無謀になったのですよ (スコア:1, 興味深い)
それらの会社にとってAMDはIntel以上の競合相手だったことを忘れていませんか?
> 圧倒的な資金力に物を言わせたダンピング攻勢で
それはAMDも行ったことです。
> NexGenを買収しいち早くCRISCを導入したK6
CRISCの導入はK5からです。
> このためIntelは高クロックによる引き離しを図るためNetberstアーキティクチャを導入しました。
何かと槍玉にあげられるNetBurstですが、
オフィス・アプリケーションでは性能向上の必要があまりなく、
マルチメディア・アプリケーションでの性能向上は急務だったので、
それなりに妥当なアプローチだったと思います。
Ia64 vs AMD64は?(Re:無謀な挑戦は控えればいいのに (スコア:1)
それ自体がインテルの特許に抵触しかねないのですが。
命令体系だけじゃなくてその命令を実行する手順とかそういうあたりまで事細かに特許の塊ですよ。
今はSSE4A命令までのSIMD命令をAMD側でもサポートしてるようですが、SIMD命令の拡張部分は特許回避の塊でもあるようです。
# そういう意味ではAMD64命令セットは互換性の部分で余計なトランジスタを入れる羽目になったとは
# 言っても、自前の64bit拡張命令体系とIntel系の32/16bitコードを別の実行セグメント内に
# ネィティブで共存させられたと言うあたりで筋が良かったと思いますが。
Re:無謀な挑戦は控えればいいのに (スコア:1)
・Fabを自分の器以上に拡張しすぎた
・ATIを買うのは良いが3年先を見ていたか
この辺じゃないですかね。
K9キャンセル、K10のTLB関連問題とミスを2つ続けたことで
器以上のモノを持ってしまったことを露呈してしまった感が。
K8の良さがあってCore系の底上げがあったと思うし、
AMDにはIntelを突っつき続けて欲しいですが。
Re: (スコア:0)
功:
Intel製CPUの性能向上/低価格化
罪:
CPUの低価格化が進み過ぎ
かなと個人的には思っています。
競合に勝つために安く作るよう努力するのは良いのですが、今のコンピュータはちょっと安過ぎ
だと感じています(CPUの値段がすべてではありませんが)。
PC、Server問わず、
・値下げ競争に着いてこれないメーカーは撤退
・やらせることの重要度に比べて、ハードウェアの値段もサービスの値段も下がりまくり
という感じで、業界の(そしてユーザーも)健全な成長のや成熟の足かせになってしまって
いるような。