「コクヨデザインアワード2007グランプリ「紙キレ」が製品化」記事へのコメント

プリンタに通すのは大丈夫だろうか

[Anonymous Coward]

>自家製のジグソーパズル
プリンタが使えれば、いろいろ面白そうだけど、
プリンタ内部でちぎれたら直すのがとても大変そう。

Re:プリンタに通すのは大丈夫だろうか

[SteppingWind (2654)]

写真を見た限りでは, 通常の紙に比べて引っ張り強度で1/4～1/5未満に落ちるでしょうが, プリンタの紙送り程度には十分耐えうると思います. もちろん実験してみないと確実なことは言えませんが.

というのも, 紙がちぎれるという現象をよく観察すると, 単純に引っ張り強度を超えたことによる破壊ではなく

1. 切れ目の先端部分に応力集中が発生して局所的な破壊が発生する
2. 破壊の先端部分に切れ目と同様の応力集中で連続的に破壊が発生し, 裂け目が成長する
3. 成長した裂け目の先に別の切れ目があれば, そこと連結して次に進む

という感じになっているからです. つまり紙がちぎれるというのは「引きちぎる」というよりも「引き裂く」といった方が, より正確な場合が多いわけです. さらに切れ目が一つだけの場合には, その切れ目の先端部分に応力が集中してしまいますが, ミシン目の様に多数の均質な切れ目であればその数だけ応力が分散され,

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の様に変形するだけで破壊に至らず, また変形することでさらに応力が分散されることにもなります.

とはいえ

• ミシン目の均一性が悪いと特定の切れ目に応力集中が発生し, 切れやすくなる
• 紙の方向性が不均一だと裂け目の進行方向が安定せず, きれいに切れるようにするためには切れ目を接近させる必要があり, 結果として切れやすくなる

というようなことも予想できるので, 素材とか加工技術といった品質がシビアに効いてくる製品だろうとは思います.