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物事のやり方は一つではない -- Perlな人
低血糖との関連性には触れてないね (スコア:1, 興味深い)
Re:低血糖との関連性には触れてないね (スコア:1)
#以下、かなり専門的な話になっちゃいますがご容赦を。
コルチゾールはストレスによって分泌されますが、副腎機能の低下などによる過剰分泌がうつの原因になりうることが知られてます。で、実はカフェインの摂取によってもコルチゾール分泌が増加することが知られているので…というのが、今回の研究のきっかけになってます。
個人的な見解を述べると、幻覚や幻聴を起こす、という結果が出たというのは、ある程度は「そりゃそうでしょ」と思う部分があります。というのは、そもそもカフェインの中枢作用として、現在もっとも重要だと考えられてる、アデノシン受容体への拮抗作用である程度説明することができるからです。
脳内には、アデノシン受容体のうち、主にA1受容体とA2A受容体が発現していて、それぞれドパミン受容体のD1、D2を持つドパミン作動神経系を負に調節しています。このうち、カフェインによる中枢興奮や覚醒作用は、A2A受容体を阻害してD2受容体を活性化することで発揮されると考えられてます。
ただしカフェインはA1受容体、A2A受容体の両方のリガンドになりえます。A1受容体はD1受容体を負に制御していますが、D1受容体の活性化は、幻覚などの症状を引き起こすことが知られており、パニック症候群におけるパニック発作などにもこちらの経路が関わっているのではないかという仮説があります。その他、高濃度のカフェインではアデノシン受容体からベンゾジアゼピン受容体に対する間接的な阻害が起こることも知られており、これも同様な中枢作用に関与する可能性が指摘されてたりするので。
なので、少なくとも一過性の現象としては、カフェインの過剰摂取によって幻覚を生じる、というのは、ありえない話ではありません。また、おそらくはパニック症候群とまでいかなくても、何らかの理由で比較的低濃度のカフェインでも、D1優位に反応してしまう人がいたとしても、それほどおかしい話でもないわけです。そういった人たちまで含めれば、「カフェインの摂りすぎで、幻視・幻聴を体験する」ということがあってもおかしくはないのです……が、この辺りのことが元論文では全くディスカッションされてません。
そこらへんも含めて、今回の報告については、"too preliminaryなんちゃう?"という印象を抱いてたりする。
Re: (スコア:0)