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何回か既に書き込んでいますが、当事者でございます。控訴審の可能性もあるので、タレ込むなら確定してから、と思っていたのですが、別の人にタレこまれちゃったので、コメントしておきます。
今回の裁判では、「ニセ科学批判にとって心強い判決」という切り口ではなくて、大学から情報発信の内容が別の誰かの利益に反する場合に、どうやって情報発信の自由を確保するか、ということの1つのやりかたを示すことができた、と位置付けています。大学と言いましたが、研究所とか、他の組織でも同じだとお考え下さい。
都合の悪い情報について口封じをしたい人にとっては、所属組織にクレームを付ける、というのは常套手段なんです。今回は、クレームに止まらず提訴までいきました。大学に弁論を任せておいたのでは、おそらく、多くの場合、十分な攻撃防御ができないでしょう。また、教員の情報発信についての法的紛争を大学が一手に引き受けるということになったら、大学としては、そんなことにリソースを投入できないでしょうから、結果として、大学からの教員による情報発信を制限する方向に向かわざるを得ないかも知れません。が、これは、あまりいい方向とは思えません。
今回、情報発信者(学外)も、サーバの管理者(学内)も、共に当事者であると認められました。「本件論評が原告に対する名誉段損行為であるとすれば,不法行為責任(損害賠償義務及び本件文書削除義務の双方が含まれる。)を負うのは原則的に情報発信者側の参加人らであり」とされたわけです。以前、このことについて議論したときの私の主張は、情報発信の内容についての法的責任は大学ではなく教員個人が負うべき、と主張しましたが、裁判所の判断も、それに近いものになっています。 もっとも、大学を常に免責できるというわけではありません。でも、大学の責任は原則的なものではなく、限定されているということがはっきりしました。これは、プロバイダ責任制限法の趣旨からいってもバランスがとれています。大学は「他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由」というハードルを越さない限り、責任を問われないのです。つまり、発信者本人が負う不法行為責任と、大学にまで責任を負わせるかどうかは、別の基準になるということです。 ここから先は私の予想です。大学を免責するとした場合、「認めるに足りる相当の理由」をどう判断するかが問題となります。元の表現が、誰が見ても直ちに名誉毀損だろうという内容ならば、「認めるに足りる相当の理由」ありと判断されるでしょう。しかし、当事者がせっせと弁論して証拠を積み重ねた結果やっと裁判所でいろいろ前提条件を振り分けつつ結論、という場合なら、裁判所でもない大学に対して、裁判所の長時間にわたる審理との結果と同じ結論を出すことを求めるというのは無理でしょう。すると、「結論を出すまでにこんなにいろいろ審理してしかも判断も微妙な状況なら、大学がちょこっと書類を見たくらいでは「認めるに足りる相当の理由がある」とはいえないよね」という結論になりそうにも思います。
所属組織を勝訴させるための参加の方法としては、補助参加というものもあります。が、これは、元の原告や被告の訴訟の遂行に影響を受けます。たとえば、被参加人の訴訟行為と抵触する行為は効力を有しないことになっています(民訴45条)。補助参加の場合は、当事者が異議を申し立てることができます(民訴44条)。つまり、補助参加の場合は、名前のごとく、当事者としての立場が弱いのです。 また、所属組織と発信者の利害が常に一致するわけでもありません。たとえば、訴訟費用の節約目的で、所属組織が早期の和解を望み、発信者は判決をもらいたいと考えた場合、利害が異なってきます。独立当事者参加であれば、被参加人の行為とは無関係に攻撃防御ができます。
元の表現にグレーな部分があるにしてもそこそこ白に近い状態で(←ここ重要、明らかな名誉毀損表現なら争っても多分無駄なので)、所属組織が提訴されても発信者本人が独立当事者参加という手法で攻撃防御に参加すれば、そもそもの不法行為責任を問われずに済むかも知れないし、所属組織の責任が認められることもない形に持って行ける、ということです。情報発信する側も、それなりに腹をくくって準備しないと対応できませんから、発信者にとっても過酷ですが、表現の自由の確保がタダでできるわけではないので、まあそういうバランスだということでしょう。組織に寄りかかった「ええ加減」な情報発信は許されないかわりに、本気で攻撃防御をするつもりなら道が拓ける、といったところでしょうか。
ニセであっても議論にはなるかと。今回の判決では、「本当に違法なマルチ商法をするかどうか」ではなく、「マルチ商法をするという説を書かれた」が争点の一つになっておりました。同様に、「本当にニセ科学か」ではなく、「ニセ科学であるという説を書かれた」が争点になる裁判もあるかもしれません。
おふとぴ:科学で説明できることは、確かにごく限られています。でも、それってニセ科学とは関係ないような。ニセ科学って、結論を検証できないor確認できないものの事を言うんじゃ?検証できないものの例:・仏は存在する確認できないものの例:・磁気活水器通すと、「1)風呂場のカビの発生を抑える,2)パスタブ内の湯アカの発生を抑える,の効能がある
説明可能かどうか、だけを判断基準にすると例えば実験から導かれた数式とかは全部ニセ科学になっちゃいますよ。
自分の書き間違いです。誤:確認できないものの例正:確認できていないものの例です。すみませんでした。
根本的に勘違いしていますよ。
それがニセ科学かどうかと、
> 人間が科学で説明できることは、ごく限られているという> 謙虚な姿勢が大切でしょう。
コレは無関係。
明らかに間違った科学的論証を、正しいと主張することがニセ科学。現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。
>現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。単なる言葉の定義問題ではあるんですが、普通「ニセ科学」という呼び名はそういうものには使われないと思います。
「今はまだ証明されていない」のは未科学、「過去に正しいとされていたが今では誤りだったことが解っている」のは「棄却された仮説」、などと呼ばれています。でニセ科学というのは普通、「理論的に有り得ないことを主張している」ものを指しています。その多くは詐欺、あるいはそれに類するもので、将来に亘ってもそれが正しい科学となる可能性はありません。永久機関然り、水発電然り、ホメオパシー然り。
まあ今回のマグローブ社による磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地があるかも知れませんが、少なくとも同社が説明するような理屈によるものではないだろうことは(水の物性研究の専門家である天羽氏の解説などにより)明らかですので、その点では確かに「ニセ科学」ですね。
人の無意識が、何かを行った後結果を求めてるんじゃないかと思っている。報酬系の誤作動。某所の某著名コピペ、発電所で音が変わるリストと同じ現象でしょう。
>>現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。という#1524769のACの発言は、まさに貴方と同じことを主張しているように見えます。
・「磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地がある」・「同社が説明するような理屈によるものではない」・よって「ニセ科学である」
磁気活水器と同等の効果をもたらす機器が作られる可能性を自身で認めているわけだから、それが作られればはまさに「現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明され」た状態でしょう。
----以下オマケ。
> 将来に亘ってもそれが正しい科学となる可能性はありません。永久機関然り、水発電然り、ホメオパシー然り。
永久機関は、どこまでいっても未科学です。たとえば、今現在我々が存在を認識していない「何か」のみを消費して動くものが発明された場合、「何か」を消費しているので永久機関ではありませんが、「何か」を科学が証明できなければ、科学的には永久機関です。また、エネルギー保存則が将来にわたって否定されることがないという証拠もなく、永久機関の正しいメカニズムが見つかる可能性は完全には否定できません。
水発電とホメオパシーは「メカニズムそのもの」が明らかにおかしいため正しい科学になる可能性はありませんが、「水から電気を取り出す」「類似したものは類似したものを治す」こと自体が否定されたわけではありません。
ニセ科学かどうかは、主張の根拠でもって判断すべきと思います。
んーダメな相対主義 [hatena.ne.jp]の典型という感じですね。やっぱり反証実験をしないくせに [gakushuin.ac.jp]水伝を嘘だと言い切ってる菊池や田崎はけしからんですか?
結論が正しくても過程が間違っていればニセ科学として批判されるべき。結論が間違っていても過程が正しいのであれば、単なる誤りか、棄却された仮説にすぎない。科学とは過程です。
水発電とホメオパシーは、明確に理論がおかしい。「永久機関」は、「永久に動作する(エネルギーを生み出す)」ものの呼称なので、個別の「永久機関を生み出す理論」に対して科学的に検証し否定できても、科学的に不在の証明をすることはできない。
マグローブ社の磁気活水理論はニセ科学です。それと、磁気を与えられた水が変質するだとか、その結果人体や環境によい効果をもたらすだとかいう効果とは、また別の話です。
#1524811は、その発言内で、「理論が間違っており将来的にも証明されることのないもの」をニセ科学であると定義しているにもかかわらず、> 今回のマグローブ社による磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地があるなどと書いている時点で主張がぶれていて矛盾しています。永久機関とホメオパシーを並列に書くあたりでも、「理論の不整備」と「間違った結論」の切り分けができておらず、混同している。それが科学的ではないと私は指摘しているわけで。
リンク先の悪しき相対主義として批判されているのとは逆のスタンスです。ベタのないメタを批判し、肯定は「確からしい」ことしか言えないが否定は絶対的に可能だと主張しているわけですから。
最後に、指摘の水伝のことですが。水伝が「特定の周波数パターンをもった音波を当てれば結晶の規則性・対称性が高くなる」という主張であるならば、反証実験をしないのはけしからんですな。実際は前提である「美しい言葉」の定義がグダグダであり、手法も論拠も無茶苦茶なため、反証実験するまでもなく科学モドキであることは明確ですが。
>>だろうことは(水の物性研究の専門家である天羽氏の解説などにより)明らかです>>「だろう」と「明らか」が同居ってのは、おかしいんですが。
おかしくないです。まぁ、こういう科学者が使いがちな言葉の使い方に問題があるんですけどね。国語文法的には矛盾っぽいですが。
「だろう」というのは、断定できるほど証拠が確定してない時使います。たとえ99%確実でも使います。100%確定してることは自然科学では少ないので。通常の会話でつかう「だろう」より、かなり確度が高いニュアンスです。
「専門家の解説により、まず間違いなく誤りであることが明らか」って程度の意味で汲んでいただければ。
つか、根拠が不明の主張を根拠にならない根拠で断言し、あるいは誘導するのがマズイんじゃないのかな?
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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家
ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:1)
ニセであることが前提なら、議論にはならないと思います。
人間が科学で説明できることは、ごく限られているという謙虚な姿勢が大切でしょう。
大学発の情報発信をどうやって守るか (スコア:5, 興味深い)
何回か既に書き込んでいますが、当事者でございます。控訴審の可能性もあるので、タレ込むなら確定してから、と思っていたのですが、別の人にタレこまれちゃったので、コメントしておきます。
今回の裁判では、「ニセ科学批判にとって心強い判決」という切り口ではなくて、大学から情報発信の内容が別の誰かの利益に反する場合に、どうやって情報発信の自由を確保するか、ということの1つのやりかたを示すことができた、と位置付けています。大学と言いましたが、研究所とか、他の組織でも同じだとお考え下さい。
都合の悪い情報について口封じをしたい人にとっては、所属組織にクレームを付ける、というのは常套手段なんです。今回は、クレームに止まらず提訴までいきました。大学に弁論を任せておいたのでは、おそらく、多くの場合、十分な攻撃防御ができないでしょう。また、教員の情報発信についての法的紛争を大学が一手に引き受けるということになったら、大学としては、そんなことにリソースを投入できないでしょうから、結果として、大学からの教員による情報発信を制限する方向に向かわざるを得ないかも知れません。が、これは、あまりいい方向とは思えません。
今回、情報発信者(学外)も、サーバの管理者(学内)も、共に当事者であると認められました。「本件論評が原告に対する名誉段損行為であるとすれば,不法行為責任(損害賠償義務及び本件文書削除義務の双方が含まれる。)を負うのは原則的に情報発信者側の参加人らであり」とされたわけです。以前、このことについて議論したときの私の主張は、情報発信の内容についての法的責任は大学ではなく教員個人が負うべき、と主張しましたが、裁判所の判断も、それに近いものになっています。
もっとも、大学を常に免責できるというわけではありません。でも、大学の責任は原則的なものではなく、限定されているということがはっきりしました。これは、プロバイダ責任制限法の趣旨からいってもバランスがとれています。大学は「他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由」というハードルを越さない限り、責任を問われないのです。つまり、発信者本人が負う不法行為責任と、大学にまで責任を負わせるかどうかは、別の基準になるということです。
ここから先は私の予想です。大学を免責するとした場合、「認めるに足りる相当の理由」をどう判断するかが問題となります。元の表現が、誰が見ても直ちに名誉毀損だろうという内容ならば、「認めるに足りる相当の理由」ありと判断されるでしょう。しかし、当事者がせっせと弁論して証拠を積み重ねた結果やっと裁判所でいろいろ前提条件を振り分けつつ結論、という場合なら、裁判所でもない大学に対して、裁判所の長時間にわたる審理との結果と同じ結論を出すことを求めるというのは無理でしょう。すると、「結論を出すまでにこんなにいろいろ審理してしかも判断も微妙な状況なら、大学がちょこっと書類を見たくらいでは「認めるに足りる相当の理由がある」とはいえないよね」という結論になりそうにも思います。
所属組織を勝訴させるための参加の方法としては、補助参加というものもあります。が、これは、元の原告や被告の訴訟の遂行に影響を受けます。たとえば、被参加人の訴訟行為と抵触する行為は効力を有しないことになっています(民訴45条)。補助参加の場合は、当事者が異議を申し立てることができます(民訴44条)。つまり、補助参加の場合は、名前のごとく、当事者としての立場が弱いのです。
また、所属組織と発信者の利害が常に一致するわけでもありません。たとえば、訴訟費用の節約目的で、所属組織が早期の和解を望み、発信者は判決をもらいたいと考えた場合、利害が異なってきます。独立当事者参加であれば、被参加人の行為とは無関係に攻撃防御ができます。
元の表現にグレーな部分があるにしてもそこそこ白に近い状態で(←ここ重要、明らかな名誉毀損表現なら争っても多分無駄なので)、所属組織が提訴されても発信者本人が独立当事者参加という手法で攻撃防御に参加すれば、そもそもの不法行為責任を問われずに済むかも知れないし、所属組織の責任が認められることもない形に持って行ける、ということです。情報発信する側も、それなりに腹をくくって準備しないと対応できませんから、発信者にとっても過酷ですが、表現の自由の確保がタダでできるわけではないので、まあそういうバランスだということでしょう。組織に寄りかかった「ええ加減」な情報発信は許されないかわりに、本気で攻撃防御をするつもりなら道が拓ける、といったところでしょうか。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:3, すばらしい洞察)
> ニセであることが前提なら、議論にはならないと思います。
それは現実に即してない私見ではないかな?
入り口で「科学的な裏付けがある」と喧伝しておいて、
それをチェックしようと言うメンドーなヒトが現れたら、
途端に「科学が全てではない」「科学で分らない事もある」と、
最初に嘘吐いた事を誤魔化し、まるで思想信条の問題であるかの様に
話を摩り替えるのが、ニセ科学商売の典型パターンです。
彼らは「ニセかどうかは問題じゃない」と開き直るのだから、
そのままでは「ニセかどうか」の議論にはならないんです。
名誉毀損訴訟だって「ニセかどうか」の議論を避けるための手。
単に「嘘をついてはいけない」と言うシンプルなルールは無いので、
単に「ニセかどうか」を争点にするのは、それなりに難しいと思います。
Re: (スコア:0)
詐欺や優良誤認などで取り締まれるはずなんですが、難しい側面も多々あるようです。嘘を吐いたことの証明や、それが非科学的であるということの証明などなど。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:2, すばらしい洞察)
「人間が科学で説明できることは、ごく限られている」的なことを言って、真面目に科学することをハナっから放棄した上で、
科学をダシにした商売しているから「ニセ科学」なんでしょう(ニセ科学商法と言った方が正確か)。
やっている人たちがニセかどうかを議論の対象にしてくれるのでしたら、そもそも問題になりませんて。
ニセであること前提でも議論になるかと (スコア:2, すばらしい洞察)
ニセであっても議論にはなるかと。
今回の判決では、「本当に違法なマルチ商法をするかどうか」ではなく、「マルチ商法をするという説を書かれた」が
争点の一つになっておりました。同様に、
「本当にニセ科学か」ではなく、「ニセ科学であるという説を書かれた」が争点になる裁判もあるかもしれません。
おふとぴ:
科学で説明できることは、確かにごく限られています。でも、それってニセ科学とは関係ないような。
ニセ科学って、結論を検証できないor確認できないものの事を言うんじゃ?
検証できないものの例:
・仏は存在する
確認できないものの例:
・磁気活水器通すと、「1)風呂場のカビの発生を抑える,2)パスタブ内の湯アカの発生を抑える,の効能がある
説明可能かどうか、だけを判断基準にすると例えば実験から導かれた数式とかは全部ニセ科学になっちゃいますよ。
Re:ニセであること前提でも議論になるかと (スコア:1)
>・磁気活水器通すと、「1)風呂場のカビの発生を抑える,2)パスタブ内の湯アカの発生を抑える,の効能がある
んー、これはきちんとした実験を組めば、確認は可能だと思います。もちろん「確認できてない」のは言うまでもないですが、やれば「確認できる」はずだと思いますけど。「確認できない」と考えた理由はなんでしょう?
Re:ニセであること前提でも議論になるかと (スコア:1)
自分の書き間違いです。
誤:確認できないものの例
正:確認できていないものの例
です。すみませんでした。
Re: (スコア:0)
根本的に勘違いしていますよ。
それがニセ科学かどうかと、
> 人間が科学で説明できることは、ごく限られているという
> 謙虚な姿勢が大切でしょう。
コレは無関係。
明らかに間違った科学的論証を、正しいと主張することがニセ科学。
現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:5, 参考になる)
>現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。
単なる言葉の定義問題ではあるんですが、普通「ニセ科学」という呼び名はそういうものには使われないと思います。
「今はまだ証明されていない」のは未科学、「過去に正しいとされていたが今では誤りだったことが解っている」のは「棄却された仮説」、などと呼ばれています。
でニセ科学というのは普通、「理論的に有り得ないことを主張している」ものを指しています。その多くは詐欺、あるいはそれに類するもので、将来に亘ってもそれが正しい科学となる可能性はありません。永久機関然り、水発電然り、ホメオパシー然り。
まあ今回のマグローブ社による磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地があるかも知れませんが、少なくとも同社が説明するような理屈によるものではないだろうことは(水の物性研究の専門家である天羽氏の解説などにより)明らかですので、その点では確かに「ニセ科学」ですね。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:1)
たまに「味に違いがあると周りに触れ回る前に、最低限、二重盲検定くらいで確認しといた方がいいよ」くらいに、やんわりと指摘することはあります……相手と、時と場合によるけれども。後で「実は、味に違いがありませんでした」なんてことが分かった時には、その人が恥をかくことになりかねませんから。将来恥をかかせたくない相手には、気が進まなくても、あとでこっそり指摘したり…まぁその後どうするかは、本人に委ねるということで。
個人的には、仮に味に差が出るとしても、まぁ業者が言っているような、アヤシげなメカニズムによるものではないだろう、と。
#ちょうどアルカリイオン水絡みで、酸性水の殺菌力が、水道水のカルキに由来して生じる次亜塩素酸イオンによるものだった(しかも酸性下なので殺菌力が強い…平たく言うと「混ぜるな危険」状態の薄ーいヤツ)のと同じように。
ぱっと思いつくあたり、かなり強力な磁石を、蛇口の出口付近(きちんとした浄水器の下流)にくっつけてるだけなんで、うーん、鉄コロイドの含量にでも影響してるのだろうか、とか思わないでもないんだけど……まぁそれよりは上述の彼らには申し訳ないけど、実は「二重盲検定したら差が出ませんでした」となる方が、説明としては納得できるかなぁ、とか。
Re: (スコア:0)
人の無意識が、何かを行った後結果を求めてるんじゃないかと思っている。報酬系の誤作動。
某所の某著名コピペ、発電所で音が変わるリストと同じ現象でしょう。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:1)
単純な味覚そのものでなく、「味」や「おいしさ」というレベルになると、味わう人や環境の要因 [google.com]が必ず入ってきます。「味が同じ/異なる」とか、「苦味が強い/弱い」くらいの部分だと、比較的末梢レベルでの感じ方に帰結できるので、まだ科学的に議論しやすいのですが、「おいしい/まずい」となると、より中枢レベルでの知覚になるので、踏み込むことができない領域になってしまいます。
というわけで、結局のところは「味が同じ/異なる」という部分が実証できるかどうかが大きく、そのためには最低限のこととして、二重盲検定くらいはしないといけない、ということです。そこから先の「おいしい」「まずい」は、究極的には個人の価値感につながってしまい、科学の踏み込む領域ではない……とか言いつつ、心理学の分野あたりはそこに踏み込んでるかもしれませんが……という風に考えてます。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:1)
>>現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で証明されることはあり得ますよ。
という#1524769のACの発言は、まさに貴方と同じことを主張しているように見えます。
・「磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地がある」
・「同社が説明するような理屈によるものではない」
・よって「ニセ科学である」
磁気活水器と同等の効果をもたらす機器が作られる可能性を自身で認めているわけだから、
それが作られればはまさに「現時点でのニセ科学の結論が、将来科学的に正しい方法で
証明され」た状態でしょう。
----
以下オマケ。
> 将来に亘ってもそれが正しい科学となる可能性はありません。永久機関然り、水発電然り、ホメオパシー然り。
永久機関は、どこまでいっても未科学です。
たとえば、今現在我々が存在を認識していない「何か」のみを消費して動くものが発明された場合、
「何か」を消費しているので永久機関ではありませんが、「何か」を科学が証明できなければ、
科学的には永久機関です。
また、エネルギー保存則が将来にわたって否定されることがないという証拠もなく、永久機関の
正しいメカニズムが見つかる可能性は完全には否定できません。
水発電とホメオパシーは「メカニズムそのもの」が明らかにおかしいため正しい科学になる可能性は
ありませんが、「水から電気を取り出す」「類似したものは類似したものを治す」こと自体が
否定されたわけではありません。
ニセ科学かどうかは、主張の根拠でもって判断すべきと思います。
Re: (スコア:0)
んーダメな相対主義 [hatena.ne.jp]の典型という感じですね。やっぱり反証実験をしないくせに [gakushuin.ac.jp]水伝を嘘だと言い切ってる菊池や田崎はけしからんですか?
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:1)
結論が正しくても過程が間違っていればニセ科学として批判されるべき。
結論が間違っていても過程が正しいのであれば、単なる誤りか、棄却された仮説にすぎない。
科学とは過程です。
水発電とホメオパシーは、明確に理論がおかしい。
「永久機関」は、「永久に動作する(エネルギーを生み出す)」ものの呼称なので、個別の
「永久機関を生み出す理論」に対して科学的に検証し否定できても、科学的に不在の証明を
することはできない。
マグローブ社の磁気活水理論はニセ科学です。
それと、磁気を与えられた水が変質するだとか、その結果人体や環境によい効果をもたらす
だとかいう効果とは、また別の話です。
#1524811は、その発言内で、「理論が間違っており将来的にも証明されることのないもの」を
ニセ科学であると定義しているにもかかわらず、
> 今回のマグローブ社による磁気活水器に未科学の可能性が皆無かというのは一考の余地がある
などと書いている時点で主張がぶれていて矛盾しています。
永久機関とホメオパシーを並列に書くあたりでも、「理論の不整備」と「間違った結論」の
切り分けができておらず、混同している。
それが科学的ではないと私は指摘しているわけで。
リンク先の悪しき相対主義として批判されているのとは逆のスタンスです。
ベタのないメタを批判し、肯定は「確からしい」ことしか言えないが否定は絶対的に可能だと
主張しているわけですから。
最後に、指摘の水伝のことですが。
水伝が「特定の周波数パターンをもった音波を当てれば結晶の規則性・対称性が高くなる」
という主張であるならば、反証実験をしないのはけしからんですな。
実際は前提である「美しい言葉」の定義がグダグダであり、手法も論拠も無茶苦茶なため、
反証実験するまでもなく科学モドキであることは明確ですが。
Re: (スコア:0)
>>だろうことは(水の物性研究の専門家である天羽氏の解説などにより)明らかです
>
>「だろう」と「明らか」が同居ってのは、おかしいんですが。
おかしくないです。
まぁ、こういう科学者が使いがちな言葉の使い方に問題があるんですけどね。
国語文法的には矛盾っぽいですが。
「だろう」というのは、断定できるほど証拠が確定してない時使います。たとえ99%確実でも使います。
100%確定してることは自然科学では少ないので。
通常の会話でつかう「だろう」より、かなり確度が高いニュアンスです。
「専門家の解説により、まず間違いなく誤りであることが明らか」って程度の意味で汲んでいただければ。
Re:ニセ科学批判にとって心強い判決 (スコア:1)
つか、根拠が不明の主張を根拠にならない根拠で断言し、あるいは誘導するのがマズイんじゃないのかな?